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Fyrri Líf「It's A Brave New World」

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https://fyrri-lif.booth.pm/items/1071312


「BUMP OF CHICKEN + ドリームシアター + 民族音楽」な音楽性?????

この世にはジャンルを飛び越えて様々な悪魔合体を試みる音楽アーティストが存在しますがさすがにこの組み合わせは他にはなさそう…。
あ、ドリームシアターってのはもちろんプリパラじゃないですよ? 大傑作「The Astonishing」でお馴染みのほうのドリームシアターですよ? だから「The Astonishing」は駄作じゃねえって言ってんだろサンホラと同じ感覚で聞けって何度言えば…。

えーと話が脱線しましたが要するにロキノン+プログレ+ゲーム音楽という奇想天外な組み合わせな訳ですね。でも絶対あり得ない組み合わせって訳じゃないっすね。ってのはバンプも「Ever Lasting Lie」とかめっちゃプログレ感あるしシークレットトラックは20分越えだし。いやシークレットトラックは冗談ですけど初期のやたら目立つベースラインとかも何気にプログレとの親和性はあるような気もする訳で。

ちなみにバンプとドリームシアターの融合ってのは自分が勝手に解釈してるんではなくて、このサークルの主催(ってか1人でジャケ以外の全て手がけるマルチ系)のNóttさんの発言に基づくんですが、実際のところ十分にプログレ的ではあるけどさほどドリームシアター的ではないんですけどね。過剰な複雑さは無いしギターもメタリックじゃないのでバンプ系ロキノンサウンドと自然に調和してます。同人音楽リスナーにとってポピュラーな民族音楽&ゲーム音楽要素もふんだんに取り込まれていてとても聞きやすい音に仕上がってるのではないでしょうか。プログレやメタルに興味ない方にもおすすめしたい。むしろ同人音楽の枠を越えて評価されて欲しいってくらい普遍的な魅力のある音楽性だと思う。

ってか今更ながら、ジャンル単位で音楽を語るってのはやっぱ一長一短なんですよねえ…。プログレだとかメタルだとか前面に掲げて紹介すればそういう要素を求めてる人は惹き付けることが出来るけど逆に興味ない人は遠ざけてしまう訳で…。だからといって「ジャンルに囚われない」っていう言い回しを安易に使うのもいまいち信用ならないし。音楽作品ってのは突如ゼロから発生したものではなく過去の偉大なアーティスト達の積み重ねがあってそれらに影響を受けて作られてる訳じゃないですか。そういう影響関係を無視して「ジャンルなんかいらない」って言い放つのも何だか違和感ありますからねえ。だから個人的には自らの影響を受けたアーティストやジャンルを公言してるサークルさんのほうが好感持てるっていうか、このFyrri Lífも信頼できるなって思う訳です。

あと、個人的に「信頼できるサークル」の条件があるとしたら、洋楽と邦楽とオタクミュージック、この3つからの影響を感じ取れることですかね。オタクミュージック(アニソン及びゲーム音楽)の影響だけで作られてる「純粋種」なサークルってあんまり惹かれないんですよ…なんか内向きすぎるっていうか? 洋楽の影響も程よく入ってると「殻」を打ち破れるような気がするんですよね。このFyrri Lífはまさにこの3つがバランス良く取り込まれてる音楽性。洋楽=プログレ、邦楽=バンプ、でオタクミュージック要素は民族音楽とゲーム音楽由来の要素ですね。
実はこの作品って昨年の秋M3リリースでして、春M3の新譜は別に存在するんですけどその新譜のほうではプログレ要素と民族音楽要素が消滅して純粋バンプフォロワー化していて独自性が大幅に減少してるんですよね…。やはりこの3要素がせめぎ合っていて欲しかった。

この作品、9曲入りなんですけど短い曲が多いのでミニアルバム的なボリュームしかないです。ボーカル曲も5曲だけ。でもインスト曲も含めて組曲のように繋がっているコンセプチュアルな構成になってるんで聞き応えはかなりあります。

1曲目「霧の森」、序曲のインスト…かと思わせといて後半ボーカルも入ってきます。ピアノとアコースティックギターを中心にした穏やかで静かな出だしからエレキギターの重たい音がズーンと鳴り響きダークな雰囲気になる展開がかなりプログレ的。最初このサークルがプログレ的だという「ネタバレ」無しで聞いたからこの展開にはけっこう驚いた。

2曲目「Fairy Tale」、これは全編ボーカル曲。端的に言えば三拍子の民族音楽要素を取り入れたオルタナロックサウンドなんだけど、バンプ譲りの主張のデカいベースサウンドや巧みなドラムのアレンジだけでもセンス良すぎて脱帽なんですが何と言っても最高に推せるのはリードギターのメロディアスでドラマチックな音でして…これはメタラーの琴線にも触れまくるんじゃないかなぁ。ってかジャンル云々を抜きにして曲として純粋にめっちゃ名曲なんですよ。前半と後半でサビメロが異なるダブルサビ展開もアツい。
歌もギターも作編曲も全て手がけるNóttさん、いかにもインディーロックって感じの爽やかで飾り気のない歌声が良いですねえ。めっちゃ上手い訳じゃないけどそこがむしろ良いんですよ。同人リスナーならこの感覚分かってくれると思いますが。

3曲目「夢の山麓」はインスト曲。基本的にボーカル曲とインスト曲が交互に配置されてます。この曲も軽やかなピアノの音色とアコギによる牧歌的な雰囲気が素敵。

4曲目「Gazelles」は再びボーカル曲。これはロック要素の薄い穏やかな曲。童謡のようなノスタルジックなメロが良いですね。

5曲目「真実の湖畔」は再び繋ぎのインスト。ガラスのような透明感あるシンセの音が印象的。ってかどの曲も完全打ち込みじゃなくてアコギの音が入ってるおかげでオーガニック感が増し増し。

6曲目ボーカル曲「Abyss」、これが最もプログレ度が高い曲かな。イントロからカオスなギターで攻めてくる。基本的に歌パートはバラード系なんだけど後半コロコロと曲調が変わってプログレ厨ホイホイ。でも過剰な複雑さは無いし全く敷居は高くないですね。これも純粋に曲として素晴らしい。

7曲目「虚ろの小路」はポリリズム使用のなんとも不思議で浮遊感ある曲調。

8曲目ボーカル曲「世界樹の雫」、これは2曲目と並んでハイライト曲かな。単純にメロが一番キャッチー。アップテンポな軽快なロックナンバーですがキーが高いサビでオートチューン使ってるから近年のバンプ感もあるかもしれない。そして心なしかQUEENを彷彿とさせるツインリードギターでめっちゃ盛り上がる。ロキノン+オールドスクールなブリティッシュロックの素晴らしき融合。

9曲目「Re」はラストを飾るゲーム音楽的な民族音楽インスト。

男性ボーカルだけどジャケは美少女…まあこの界隈では1ミリも珍しいことじゃないんですけどね。しかし新譜のほうではその美少女ジャケが更に洗練されていて最早オリジナル同人音楽ジャケ詐欺大賞を狙えそうなレベルにまで達している。

ちなみにこのサークルって自力で探したんじゃなくて相互リンク(遊戯王用語ではない)のブログさん(http://dojinmusix.blog.jp/archives/77257483.html)が紹介していて知ったんですよね…こんな面白すぎる新規サークルを探し当てるなんてさすがです…。

そんな訳で初作品にしていきなりバンプ+プログレという独自性が高く完成度も非常に高い作品をぶちかましてきた衝撃的サークルなんですが、最新作では純粋バンプフォロワーになってしまったものの次回作は再びプログレに戻ってくれるようなんで期待したいところですね。
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非公開コメント

No title

おお…! がっつり感想嬉しいです。
自分がうまく言葉に出来なかったところが300%ぐらい言語化されていて、この記事読んであらためてまた聞きたくなりました(感謝

実はこちらのサークル、自分も友人に教えてもらったものだったりします。
ほんと、持つべきものは開拓心ある友人、レビュアー様方だなと。

「COSMOLOGY」への気持ちも概ね近く、自分も次回作が本当に楽しみですね~。

Re: No title

>dojinmusixさん
ご友人が見つけたんですかー、素晴らしきDIG力ですねえ。男性ボーカルのサークルは過小評価されがちですがポテンシャル高いサークルも多いんですよね
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メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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