Xiloro「Alternative Xiloro 1」

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https://xiloro.bandcamp.com/album/alternative-xiloro-1

「なん・・・だと・・・?」
と某漫画のコマを貼りたくなるくらいの驚愕に満ちた2018春M3「優勝」作品。他との「絶望的」なまでの戦力差を示して見せた途方も無いアルバム。

分かりやすく例えるならですね、このアルバム、始解も何もしてない素の斬魄刀で卍解状態の相手と対等以上に渡り合ってる感じというか、人差し指を「ピンッ」って動かしただけで敵が「ぐはっっ!!」って言って吹っ飛んで壁にめり込む系というかですね、うん、全く分かりやすく例えてないですね。まあとにかくやばいアルバムなんすよ。

えーと、では真面目な話このXiloroというサークルの何がそんなにやばいのか改めて整理してみましょうか。いつも言ってることの繰り返しになりますが未だにこのサークル認知してない方々も多いでしょうから。

まずこのXiloroは、「Chloro」という同人ゲームサークルから派生した音楽制作用の別名義サークルであって、つまり音楽制作は「本業」じゃない訳ですよね。本業じゃないのに本業でやってるサークルより早めのペースで作品発表してしかも中身が毎回めちゃくちゃ充実してるっていう。更に言うとオリジナリティもガッチリ確立された音楽性なので「Xiloroでしか聞けない」魅力がある上に早いリリースペースにも関わらず「マンネリ感」とも無縁。どうです?やばいでしょ?

まあ上記の事実は毎回繰り返し書いてることなんですけど、本格的にやばいのはここから。
今回のアルバム、「1st Camera Roll」という見慣れない表記がなされていて、なんじゃそりゃ?って感じなんですけどこの表記の意味は「アルバムに入れるほどではない」曲を集めたということらしい。ほー、つまりはアルバム不採用の「クソ曲」を寄せ集めて作ったって訳だね? まあせっかく作った曲をただお蔵入りにするだけじゃ勿体ないもんね。オーケーオーケー、じゃあ期待せずに聞いてみるか…なんて軽い気分で再生し始めるとすぐに違和感に気付く。「あれ?不採用の曲にしてはけっこう良いメロディじゃね?」「ん?いやむしろ今までのアルバムに入れてもいい感じの出来の曲が多くね?」「待て待て、最後まで聞いたけどこれ捨て曲ないレベルで良曲揃いじゃん!!!どういうことだおい!!!」
…と理不尽な怒りに苛まれる可能性すらある(?)。だって「クソ曲」を集めた企画アルバムであるはずなのに他所のサークルの「渾身」のアルバムより良い曲が揃ってるんですよ? なんじゃそりゃ、喧嘩売ってんのか!!ってレベルのやばさですよ。まさに冒頭に述べた「絶望的」なまでの力の差ですよ。

ほんと余りに良い曲が多いので、何故これらの曲が不採用になったのか小一時間問い詰めたいくらいですが、どの曲もメロディには何ら問題ないと思うのでアレンジが気に食わなかったのかな…いやいやアレンジなんていくらでも手直し出来るはずだしそれだけで捨てるのはやっぱおかしい。よく海外バンドの日本盤のみボーナストラックに本編よりも良い曲が入ってることあるけどそういう系のアレなのかな。にしては良い曲が多すぎるんだけど…。まあXiloroにおける楽曲選定のハードルが異常に高いのは間違いなさそうです。ここまでストイックに楽曲切り詰めちゃったら果たして3rdアルバムはどんな神盤になるんだ??ってかそこまでハードル上げちゃって本当に完成出来るのか??

で、そんだけ良い曲が揃ってるにも関わらず「捨て曲」集アルバムに位置づけられてることもあってか本作はBandcampにおいてName Your Price(投げ銭)でのリリース形態となってます。要するに実質的に無料ってことですね。もちろん投げ銭なのでリスナーが値段を決めることが出来ますが。
で、現時点での唯一の無料作品ということもあってこの作品を初聞きに選ぶ人もいそうですがその選択は正しいと思う。このアルバムにはXiloroの構成要素が一通り詰まっていて音楽的な特徴を把握しやすく、そして曲順も割と入門用に適してると思うんですよ。だからシングルから聞き始めるくらいならこのアルバムから入門することを圧倒的におすすめしたい。
ちなみに本作は当初Bandcampのみのリリースを予定していたようですが、フィジカル(CD)でのリリースを望む声もあったため少数ながらM3でCD-R版が頒布されました。まあBandcampのダウンロードって他と比べても非常に親切な仕様なんでデジタルリリースだけでも良かった気もしますが(他のダウンロードサイトだとCDリッピングするより手間がかかったりする…)、でもフィジカル派はそれだけだと物足りないでしょうし、あとはM3で頒布されないとこの作品を春M3作品にカウント出来ないっていう超個人的な都合もあったりするのでフィジカル頒布は十分に意味あったのかなと。

さて具体的な楽曲についてですが、全12曲で捨て曲はほぼ無し、繋ぎ曲(インスト曲)も無し。強い。強すぎる。

1曲目「Like a Lithium」、冒頭一発目からいきなりスローテンポで気だるい曲調。しかも序盤は3曲目までスローテンポ曲が続きアップテンポ曲は4曲目までお預け。ロックアルバムとしてはあるまじき楽曲配置かもしれませんが個人的にこれはアリだと思います。というのは、このXiloroの魅力の1つに過去曲「レンダリング」に代表されるようなアンニュイな雰囲気ってのは確実にあると思うので、同路線のこの曲を冒頭から聞かせてアピールする構成は割と初聞きリスナーに対しても効果的になり得ると思うんで。まあレンダリングほどのインパクトは無いんですけど地味にメロディしっかりしててなかなか良い曲。いわゆるスルメ系。

2曲目「いただきます」、タイトルからしてコミカル系で詞のほうも実際そんな感じでお気楽な雰囲気なんですけど、Xiloroお得意のブリティッシュロックテイストもバッチリ備えていて初聞きリスナーに対しても「あれ?なんか他とは違う?」って「引っかかり」を与えるだけの面白みある楽曲なんじゃないかと。

3曲目「万華鏡」、これはさすがに良い曲すぎて不採用の理由が全く理解できない。メロディ自体も素晴らしい上に、スローテンポのロック調でシンプルな展開かと思わせてサビ後に転調したりとかアレンジ面でも巧すぎる。

4曲目「穴」、この曲は冒頭からいきなり轟音ギターサウンドが炸裂するので音量には注意。ギターのミックス・マスタリングにはまだ改善の余地あると思うけど曲自体はめちゃくちゃカッコいい。(メロスピ曲を除けば)何気にXiloro史上最も激しく勢いのある曲調で、マスロック/プログレメタル的なテクニカルリフとドラマチックな展開もインパクト大だけどMeltyさんによる歌メロのキャッチーさも素晴らしく実にオリジナリティあふれる音に仕上がってると思う。

5曲目「Summer」は再びスローテンポに戻ります。曲名とは裏腹に暗めな歌詞とメランコリックな曲調だったりするんですがメロディがとても美しく印象的な楽曲。こんな良い曲を不採用にするなんて…人事担当者出てこい!って怒鳴り込まれても仕方ないレベル(?)

6曲目「Bloom」はXiloroならではのオールドスクールなブリティッシュハードロック調。なんだかんだでXiloroのギターサウンドってやっぱこのタイプの曲調に一番ハマりますな。リフを中心に組み立てられた曲なので歌メロのキャッチーさは多少控えめですがMeltyさんの歌声そのものがキャッチーなので総合的にも敷居の高さは全くありません。

7曲目「独占と癒着」、個人的にはこれが今作で一番気に入ってるかな。パンクロック調のラフなギターサウンドに乗せてMeltyさんのキュートなボーカルが「どくせんゆちゃくーちゃくどくせんー」ってひたすら繰り返すだけのコミカル度の高い楽曲なんですが、言葉遊びソングと侮るなかれ、途中からメロディアス&テクニカルなツインリードギターが絡んで意外なほどにドラマチックな展開を見せ終盤にはテンポチェンジ&転調もあったりで、「クラゲの気持ち」ほどカオスではないにせよ刺激的で奇想天外な楽曲に仕上がってると思います。他と一味違うXiloroの持つ魅力を体験するのに打って付けな1曲かなと。

8曲目「さよならホーキング博士」、曲名だけでいつ頃に作ったのか容易に想像できますね。バックコーラスは入るけどほぼインスト曲で、今作では最もデモ曲っぽさがあるかも。クリーントーンのギターフレーズを淡々と繰り返すシンプルな曲調ですが途中から入ってくる童謡のようなリコーダーの音色が印象的。この笛って打ち込みではなく生で演奏したみたいですね。

9曲目「Arch Enemy」、こんな曲名ですがメロデス曲ではないですよ、念のため。基本的に歌謡ロック調なんですがAメロの変則リズムのリフがものすごいカッコいい。作曲は市瀬さんか…プログレメタル寄りな曲はだいたい市瀬さん作みたいですな。「昨日の敵は今日の敵、明後日にはもう無敵」っていう言葉遊びの歌詞が耳に残る。

10曲目「Philia」、打って変わって静かなアコースティック調になるんですがこれがまた美メロすぎる曲。Xiloro楽曲でも屈指の美メロなのでは? こんな良い曲を不採用にするなんて人事担当(略)

11曲目「断捨離」、出ましたツーバス疾走曲再び。ぶっちゃけXiloroのヘヴィなギターサウンドにはメロスピ調は合わない。以前のシングルに収められたメロスピ曲ははっきり言って駄曲ギリギリだったと思うんですが、ではこの曲もダメなのか?っていうとそれが全くの真逆。これは間違いなく名曲です。確かにメロスピ系のアレンジは合ってないんだけどメロディがめっっっっちゃ良い。「Surfing On」に匹敵するくらいの名曲度。という訳で終盤に相応しいハイライト的楽曲になってると思います。

12曲目「Help!」、ビートルズのカバーソングじゃないですよ、念のため。この曲は昔のアイドルソングをパンクロック調にアレンジしたみたいな?そんな趣きの曲かな。Xiloroの芸風の幅広さを感じさせる。ちなみにサビよりもAメロの展開のほうが好きかな。

そんな訳でアルバム不採用楽曲を寄せ集めたアルバムだなんて絶対信じられないくらいの充実盤になってますんで是非とも聞いて頂きたいですね。こんな凄まじい才能を持ったサークルが何故に界隈で話題に上らないのか? 訳分からないですね。まあXiloroっていうかChloroのほうは先日Steamでもゲームをリリースして海外からもばっちり評価されてるみたいだから、過小評価されてるのはXiloroのほうだけなんでしょうけど。ゲームのほう経由でXiloroのほうも評価されて欲しいものですが。
ってか、最近は観測範囲内でも音ゲーに曲提供するサークル増えてきたように感じますがゲームとのコラボを最初から自前で行ってるXiloroってやっぱ最強すぎるなと。
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Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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