Roman so Words「Roman’s」

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http://roman-so-words.com/

えーと、Octaviagraceのボーカルの実稀さんがやってる別プロジェクトのロマンソワーズ?っていうユニットの1stアルバムが出たってことで買ってみたんだけどね。1stアルバムっていうからてっきり活動始めたばっかりなのかと思ったらもう8年くらいやってるユニットらしいんだよね。そんなに活動しててようやくアルバム出したんだね。同人音楽?とかいうジャンルで活動してたみたいだけど…Sound HorizonもUnlucky Morpheusも同人音楽出身なんだっけ? 東方アレンジとかいうゲーム音楽のカバーソングやってる人達ばっかりなんでしょ? それをオタクが大量に集まるコミケってイベントで売ってるらしい…なんか得体の知れないジャンルだよねえ。まあよく分かんねえけど曲のクオリティは高いしクサくて良いよね。


…もし今回初めてロマソことRoman so Wordsを知ったっていう一般メタラーがいたとしたら上記のような認識だったりするのでしょうか。適当な想像ですが。
今回あえて「1stフルアルバム」と銘打って売り出したのは今作からロマソ入門するリスナーが多数いることを想定してのことなんでしょうけどね。

今回のアルバム、意外にけっこう複雑な立ち位置にあるっていうか、過去の代表曲を集めた「ベストアルバム」「リメイクアルバム」という位置付けに加えて、上記のように新規リスナーにとっては「1stアルバム」だし、(無料配布除けば)「Es」以来2年半ぶりの完全新曲を4曲も収めた「新作」でもあり、さらには己稀さんの言葉によれば今作はロマソの「ゴール」でもあるという。ゴールっていう表現は意味深すぎて色々勘ぐりたくなってしまうけど…まあとにかく単なるベストアルバムではない、多面的な作品であるってことですね。ロマソの過去、現在、未来がここに詰まってるというか。

一般的なアーティストであればすでに過去音源を持ってる場合はベストアルバムやリメイクアルバムにはあんまり惹かれないんですけど、ロマソの場合は別なんですよね。なんせ己稀さんの歌唱スキルが初期の頃とは見違えるように向上してますからね。リメイクの価値が非常に大きい。もちろんドラムを加えた完全バンド編成で一線級のメタルバンドと比べても遜色ないレベルに生まれ変わった演奏部分やサウンドプロダクションの強化も魅力ですけど、やっぱ個人的には己稀さんのボーカルのウエイトが大きいかな。毎度繰り返し書くのもアレですけど初期曲の歌唱はお世辞にも楽曲の良さを活かせてるとは言い難かったですから…。今の己稀さんの歌声で過去曲を聞けるっていうだけで大きな価値がある。

さて今作は13曲入りのフルアルバム。楽曲リストには12曲しか記載されてないですがシークレット扱いでもう1曲入ってます。しかもそれが代表曲の「紅蓮の華」。どう考えても最強キラーチューンなのに何故わざわざシークレット扱いなのかさっぱり分からん。サプライズにしたかったのか。
で、リメイク曲とは別に完全新曲が4曲収録されてるんですけど、これが4曲とも非常に素晴らしい出来栄え。単なるリメイクアルバムではなく新作としても存分に楽しめるはず。ただ、昨年春に無料配布された「never ending journey」の完成版が収録されてないのだけが残念。あの曲めっちゃ好きだったのに…。次の新作に期待するしかないか。

1曲目「天音観測」、1分強の短い曲ですがインストではありません。ちゃんと歌が入ってます。「Cecil'sphere」の1曲目みたいな感じですな。これがまた短い尺ながら素敵なメロディ。YUIさんのアコーディオンをバックにして伸びやかに歌い上げる己稀さんは実に活き活きしている。これはフル尺で聞きたかったと言わざるを得ない。
で、曲の終わりに「さあ物語を探しに行こう♪」というベタなセリフが入りますが、ロマソの曲で物語音楽風のセリフが入るのってかなり珍しいですよね。でもまあセリフって言ってもこの一言だけだから一般リスナーがアレルギー起こすほどじゃあるまい…と思いきや何と終盤の12曲目では結構いっぱいセリフ入ります。一般リスナーが「うわあ…」って思っちゃう可能性あるくらいの量。もうめっちゃ同人音楽感が剥き出し。
イベント前に、今回のアルバムせっかく豪華ゲストメンバーを揃えて全国流通レベルのクオリティに仕上げ「1stフルアルバム」扱いで新規層にアピールするのであればもっと一般メタラー向けのジャケ絵にしたほうが良かったんじゃないか?って言いましたが、これだけ「小っ恥ずかしい」セリフ入れるってことは実は一般向けをそこまで想定してなかった訳ですね。つまりRoman so Wordsはあくまで「物語音楽」であり、同人音楽をやめるつもりは無いのだと、改めて表明してるかのよう。

2曲目「Ballad of Starlight ~星灯の叙情詩~」、これも新曲ですね。新曲の中では唯一のメタル曲。つまり他の新曲は非メタル曲ばっかりなんですが…まあそれはリメイク曲の大半メタル曲なので全体のバランスを考えた上だと思うし、別に今のロマソがメタル離れしてる訳ではないと思う。たぶん。
楽曲のほうはクサさもキャッチーさも満点、王道のロマソ節全開メタル。豪華ゲストによる卓越した演奏&サウンドプロダクション向上によってインストパートもガルネリ等の一流バンドと比べても見劣りしないくらいの充実度になってると思う(少なくとも音源では)。「Es」のときには多少残っていたアマチュア臭も今作では皆無。
ただ、不満点としては…イベント前にも述べましたがゲストボーカルとのツインボーカル編成についてですね。この曲で歌ってる「ひめぷりん」という女性歌い手さん、もちろん歌唱力には何ら問題ないのですが…むしろ上手すぎて主役であるはずの己稀さんの影が薄くなっちゃってる。「雪月華」のときもツインボーカルやってましたけど、あの時は己稀さんの実力が不足してから相対的に歌声が埋もれるのも仕方なしって感じあったけど、今は己稀さんのボーカルだけで完全に事足りてるんだからやっぱツインボーカルは蛇足な感じあるなぁ。今作で初めてロマソ聞く人にとってもどっちがメインボーカルか分からず混乱を招く可能性あるし。

3曲目「Accord」、これも新曲。アコーディオンをフィーチャーした曲だからAccordなんですかね…? 非メタルで異国情緒あふれる民族音楽寄りな曲調ですがドラムもしっかり入っててアップテンポなので決して「緩い」曲調ではない。
ってか、バイオリンのアレンジ等にそこはかとないRevo風味を感じてしまうのは自分だけ? 近年のサンホラ/リンホラに近いテイストがある。ゲストで歌ってるTears of TragedyのHarukaさんの声質もサンホラに抜擢されてもおかしくないタイプの声だし。ちなみにサンホラっぽいと言っても勿論「良い意味」ですよ。近年のサンホラみたいに複雑怪奇な展開がある訳じゃないのでロマソファンの方々もご安心ください(?)
非常に完成度高い曲だと思うけど従来のロマソのイメージとは良くも悪くも離れてるかもなぁ。今後はこういう路線が増えるのかな。YUIさんアコーディオンお気に入りみたいだし。

4曲目「lo-ve-st」、この曲って初収録は廃盤になってる1stシングルでその後「Emilia ~the Last Chapter~」でリメイクされた曲っぽいですが、実は両方とも聞いてないので自分はこれが初聞きだったりします。めっちゃ後追いリスナーなので、はい。廃盤シングルはともかく、エミリアラストのほうは買おうと思えば普通に買える訳なんですが…なんというか、Cecil'sphereみたいにリメイクされる可能性もあると思ってあえて買わなかったんですよ。でも今回リメイクベストアルバム出ちゃったからミニアルバム単位でのリメイクの可能性は低くなったかも。
で、この曲については…まあロマソの標準的なメタル曲って感じかなぁ。普通に良いけどめっちゃ刺さる訳でもない感じ。途中のクワイアパートは「おお!」ってなるけど。
個人的にはロマソは昔の曲より最近の曲のほうが好きですね。「Es」はまじ神盤だと思ってます。でも昔からのロマソファンの方々からは「Es」って過小評価されてる気がするんですよねえ。やっぱツボが異なるんだろうなぁ。

5曲目「Elice」は「Cecil'sphere」収録曲ですね。Cecil'sphereからはこの曲だけしか選ばれてないのか…。「Scarlett Sphere」のほうが圧倒的に名曲だと思うんだけどなぁ。まあScarlett Sphere入れちゃったらメタル曲ばっかりで偏るからジャズ調のこの曲にしたのかもしれないけど。このリメイクバージョンだとギターの主張がデカくなっててジャズメタル感がある。

6曲目「凛」、「Emilia ~the First Chapter~」からの収録。エミリアファーストはちゃんとオリジナル盤も聞いてます。さっきロマソは今の曲のほうが好きって言いましたがエミリアファーストの曲はどれも好きなんですよねえ。今作に3曲もチョイスされてるのも納得。今作未収録の5曲目の「Gardenia」のV系プログレメタルみたいなノリも良いんですよね。
この曲はサビよりもAメロBメロのほうが味わい深い。シンセのクサクサなリフは言わずもがな。リメイクによってボーカルも演奏も強化されて名曲度も上がってる。

7曲目「Lycoris」、「雪月華」収録ですね。この曲は取って付けたような和風テイストあんま好きじゃなかったんですけど、このリメイク版では骨太なギターサウンドと己稀さんの歌唱力向上によってかなり聞き応え良くなってる気がします。

8曲目「echo×tear」、ロマソ公式が唯一YouTubeでフル公開してる曲ですよね。そしてファンからの人気も特に高い曲だと認識してますが…個人的にはやっぱScarlett Sphereに劣る感じかなぁ。ロマソらしさがてんこ盛りな曲であることは違いない。

9曲目「nostalgic serenade」、これもエミリアファースト。この曲は歌メロのキャッチーさが特に際立ってる曲だと思うし己稀さんの実力向上がダイレクトに表れてる感じ。素晴らしいリメイク。

10曲目「Romancing Waltz」は初聞きなんですけど…これって1st CDの1曲目だったのかぁ、サークル初CDの1発目からバラード曲ってすげえな。この曲の演奏部分のアレンジもそこはかとないRevo風味が。

11曲目「Aria」、来ましたねロマソ最強キラーチューン。この曲はロマソ最高傑作というだけでなく同人クサメタル全体を見渡しても最強クラスの楽曲だと思ってるんですが…賛同する人は少ないかも。まあとにかく個人的に超絶好きな曲だしRoman so Wordsというサークルに興味を持つきっかけになった楽曲でもある訳です。
ちなみに今作収録のバージョンはオリジナルのエミリアファーストのスローテンポのバージョンとは異なり、「-another ver-」疾走バージョンのほうですね。原曲のスローテンポなアレンジもあれはあれで味があるんだけど、まあそれぞれの良さがあるってことで。
イトケンを思わせるイントロの大仰極まったギターフレーズで即ノックアウトだし間奏のクラシカルなピロピロも最高だし歌メロも超キャッチーだし、はっきり言って同人メタルの理想形だと思うんだけど賛同する人は少ないですか…そうですか。

12曲目「そして、旋律は流れ…」、終盤に相応しいシンフォニックなバラード曲なんですが、ぶっちゃけこれめちゃくちゃ感動的メロディですよね。過去の名曲と比べても一歩も劣らない良メロディ。素晴らしすぎる。
でもメロディのタイプが過去曲とだいぶ異なる気もするんですよ…それはYUIさんの嗜好の変化によるものなのか、それとも己稀さんの歌唱力向上によって実現可能なメロディの幅が広がったのか。
そして前述の通り物語音楽的なセリフも大胆に導入されてます。それも従来のロマソ楽曲との空気感の違いを生んでる。

ラスト13曲目は代表曲「紅蓮の華」、これはもう誰が聞いても名曲ですよね。単純に歌メロの良さが突き抜けてる。

という訳で、ロマソ入門用にも最適、ファンも大満足できるリメイクベストアルバムになってるかと思います。
次の新作はいつになるのかなぁ…やっぱり「ゴール」という言葉が引っかかりますねえ…このまま活動終了なんてことは無いと思うけど、次は相当先になりそうな気がする。ただでさえロマソは寡作ですし。
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Author:同人音楽初心者

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