BLAPTOPHOBIA「DISORDER」

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https://annyahoo.booth.pm/

ボカロメタルサークルBLAPTOPHOBIAの2ndフルアルバムです。あんやほさん個人名義を含めると3枚目のフルアルバムになるのかな。

前作にあたる1stフルアルバム「APOCALYPSE」は非常に充実した内容で年間ベスト級の傑作だったのですが、「激音殴打」コンピ収録の曲も驚くほどのクオリティだったし、そして今回のアルバムも大ボリューム&ハイクオリティな内容。このBLAPTOPHOBIAの主催あんやほさんは未だ知名度や動画再生数においては決して高いとは言えないレベルに留まってますが実力は作品を重ねる毎に着実に高まってると思うし、現在のオリジナル同人メタルで最も勢いに乗ってるサークルの一つに数えられるんじゃないでしょうか。メタラーならばマストチェックなサークルですよ。

今回のアルバムの最も特筆すべきポイントはやっぱりサウンドのクオリティでしょう。前作も同人メタルとしては十分に高いクオリティだったと思うんですが、今作では洗練さを大幅に増していて、音圧や音のバランスが飛躍的に進歩、ぶっちゃけもう一息で有名ボカロPにも届き得るレベルまで来ちゃってると思うんですよね。恐るべきクオリティですよ。なんせ1年半ほどでこの進歩ですからね、来年あたりにはガチで有名ボカロPに比肩してしまうのでは…?って思うくらい。凄まじい成長スピード。非ボカロのメタルコア系サークルでもここまでハイクオリティな音やってるサークルはそんなに多くないでしょ。東方系を含めても。
しかも、音が良いだけでなくて楽曲も良いしアレンジも非凡だし演奏技術も高いんですよ…まじで全方位に強すぎる…。

音楽性のほうも前作からけっこう変化していて、前作「APOCALYPSE」はあんやほさん「らしさ」の核とも言えるオールドスクールスラッシュメタル要素やカオティックな変態要素をキャッチーなアニソン系の歌メロと奇跡的なバランスで両立させることによって非常に魅力的な楽曲の数々を生み出していたのですが、今作のほうはスラッシュメタル要素と変態要素が共に減退し、メタルコア/ポストハードコア路線に大きく傾いています。マニアックな要素が減って(ボカロの)デスボイスを使ったアグレッシブな曲も少なくなり、それによってかなり「一般向け」になった印象が強いかな?
ぶっちゃけ個人的には前作における「狂気」と「キャッチー」のギリギリな競演を気に入っていたので今作の方向性には若干の物足りなさも禁じ得ないのですが、しかし「一般向け」と言っても日和った訳ではなく、あんやほさんらしい狂気要素も(出番が減ったとはいえ)随所に織り込まれてるし、何より今作は「ラウド系リスナー向け」というコンセプトが明確であり、方向性が多少変わったとはいえスタンスに迷いがある感じではないんであんやほさんに対する信頼感は全く揺らいでいないですね。むしろ作品ごとのコンセプトをきっちり統一してることに好感が持てる。せっかくサウンドが洗練されたんだしここで一時的に大衆向けに舵を切ったのは正解だったと思うんですよ。ってか、次回作がクリーンボーカル無しのアグレッシブに特化した路線になる予定らしいし総合的なバランスも取れてる?

1曲目「憔悴」は1分強の序曲…かと思いきやこの短い尺の中でしっかり起承転結があり途中からアップテンポになってサビメロまであるという。

2曲目は表題曲「DISORDER」、ゴリッゴリにヘヴィなハードコアサウンドとキャッチーなメロが共存するラウド曲。さすが表題曲だけあってメロディも構成も安定感ありまくりでサウンドも完璧。隙のない出来栄え。ヘヴィではあるけど奇をてらった展開は無いし一般ボカロリスナーもかなり聞きやすい間口の広い曲になってるのではないでしょうか。しかし前作の2曲目「純血のザナドゥ」の卓越したドラマチックさに比べると「普通」って印象もあるんだよなぁ…。でも前作に劣っているという訳ではなくてターゲットが異なるだけだと思うんですけどね。前作は変態メタラー向け、今回は一般向けって事で。

3曲目「落下」もマニアックな要素の無い非常に分かりやすいボカロラウド曲。超キャッチー。分かりやすいとは言っても平凡さとは無縁で、細かい部分のアレンジにあんやほさんならではの非凡なセンスが光ってますね。特にベースがめっちゃカッコいいんですよねこの曲。こういう一般向けを意識した曲でもテンプレに陥った無難な曲にならないのが凄いと思う。

4曲目「追いつけ追い越せ」はなんとドラフォばりのピロピロメロスピ曲。この曲だけメロスピだとラウド中心のアルバムの流れからは浮いてしまう?…と思いきやびっくりするくらい馴染んでるのが面白い。あんやほさんの曲ってハードコア系であってもHR/HM要素がさり気なく織り込まれてるし逆にメタル系であってもハードコア要素が仕込まれてるからジャンルの垣根を飛び越えても違和感が無いんですよね。この曲も「ラウド系メロスピ」とでも言うべき不思議な雰囲気を醸し出してますからね。それにしてもこの曲のピロピロなギタープレイは圧巻。あんやほさんのギターの腕前って改めて凄いですよね。

5曲目「FUJIYAMA」、お祭りソング的な賑やかなメロで「登山日和ランラン」なんていう能天気な歌詞が印象的なんですが何気にDjent系のテクニカルな展開が入ってくる油断ならない曲。この曲のキャッチーさとカオスさのバランスはかなり理想的だと思う。

6曲目「経卜の腐敗」、ジャズ系のシャッフルビートだけどギターが相変わらずゴリゴリだから全体的にはジャズっぽいオシャレな雰囲気は控え目。

7曲目「人 is 筒」、これは以前にニコ動にも上がってた曲ですが今回のアルバム収録バージョンは見違えるほどクオリティ上がってますね。曲名の時点であんやほさんっぽさ全開。シャッフルビート系と思わせといてひねくれた展開が仕込まれてるのが面白い。特にブレイクダウンのキャッチーなリフが一番の聞き所かな。

8曲目「801」はヘヴィさも変態性も控え目、今作でも最もストレートで爽やかな雰囲気な曲。だからと言って貧弱な訳ではなく硬質なベースが目立っててカッコいいんですよね。

9曲目「ビサージュ」、これが今回メロディが一番良い曲かも? メロディ的には今作のハイライト曲。この曲もヘヴィさ控え目だし最も一般受けしそうな曲かな。

10曲目「リバー」、今作で唯一クリーンボーカルの無いデスボオンリーの曲。しかし過去作のようなスラッシュメタル系のアグレッシブ曲ではなく、ミドルテンポで叙情的なサウンドが印象的で意外にゆったりした系統の曲かも? Djentなテクニカル要素もあり。

11曲目「酔狂なリベラルと二丁拳銃」、これはニコ動でも再生数けっこう行ってたしあんやほさんの代表曲と言えそう? 実際、今作で最もボカロ曲としての完成度が高い曲。ヘヴィなサウンドとキャッチーなメロのバランスが見事。

12曲目「Grave of Comrade」、アルバムラストは三拍子系の叙情的なスロー曲になるかと思わせといてやっぱりガッツリとメタルコアサウンドが入ってくる。あんやほさんの曲で単純なスロー曲って1つもないよね。

無音トラックを隔てて14曲目はボーナストラック、前作の3曲目の新バージョン。前作と比べると大幅にサウンド進化してることが分かる。

という訳で、前作からめちゃくちゃクオリティアップして同人メタルコア系でもトップクラスに仲間入りするほどのレベルに達してると思います。これほどの完成度、もしボカロじゃなくて実力派歌い手がボーカルやってたら最強クラスの作品になってたかもしれない…? でも上手い歌い手に依頼したら相当費用がかさむと思うし、何よりボカロで作ることによってボカロ系リスナーを獲得できるメリットあるから必ずしも歌い手が歌えばもっと良くなる~みたいな単純な話ではないと思うんですけどね。でも余裕が出てきたらそのうち人間ボーカルにも挑戦して欲しい気がする。

まあサウンドクオリティは圧倒的に今作に軍配が上がるけど、音楽性としては前作のほうが断然好きなんですけどね。あんやほさん「らしい」スラッシュメタル要素&変態要素&ドラマチックな曲構成がありましたからね。次回作はその辺の復活を期待したいですね。「燃やすぜ校長の車」みたいなノリを聞きたい。
ってか、次回作はクラウドファンディングを募ってるみたいだけど…集金用のアプリがカード支払いしか出来なくてしかもMasterCardとVISAしか選択肢が無いっていうのが…うーん…。
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Author:同人音楽初心者

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ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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