Zemeth「ROUGE NOIR」

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http://mighty487.wixsite.com/zemeth

今、メタラーの間で大絶賛の嵐を巻き起こしている「究極」のオタク系クサメタルプロジェクト、Zemethの1stフルアルバムです。

ほんと、デビューしたばかりの知名度の無いプロジェクトにも関わらず、ここまで絶賛の意見ばかりで埋め尽くされてるのは異例なことなのではないでしょうか。
中には、今まで聞いた音楽で最高の音楽だと評する意見すらあったりしましたがあながち誇張とも思えない。それくらい凄いオーラがあると思う。ジャンルを越えて「クサい」音楽を偏執的なまでに追求してそれを成し遂げてしまった、とてつもない音楽。
ユニオンや激ロックでも推してるし、ここまで話題になっていれば自ずと各レビューサイトでも取り上げられて高評価になるのは必然でしょう。

で、同人音楽を取り扱ってるうちのブログ的に重要なのは、このZemethの中心人物(ていうか1人プロジェクト)であるJUNYAさんは元ボカロPであり、かつてオレオレウサギ主催のコンピにも曲提供していたっていう事実ですね。さらには、ジャケ画は同人メタルでお馴染みすぎるリブユウキさん。ジャケ裏にはBarrage Am Ringの文字もあり。ぶっちゃけ、これってもう実質的に同人メタルCDですよね? 同人イベントで売ってないっていうだけで。

激ロック等の紹介では執拗なまでに「GYZEのRYOJIが参加」って強調されてましたが、別に1曲で弾いてるだけだしそこまで重要な要素ではない気もするんですが、しかしどんなに素晴らしい音楽であっても無名アーティストだったら興味を持ってもらうきっかけが無いですもんね。だから有名バンドのメンバーがゲスト参加という情報は不可欠なのでしょう。GYZEのメンバーがゲスト→GYZEが認めるほどのクオリティの音楽だとリスナーは考えるでしょうからね。
なんというか、このZemethは音楽性においても同人メタルの今後の指針になり得るくらいに強烈な内容なのですが、売り方においても同人メタル界にヒントを指し示してるように感じる訳です。

音楽性としては「哀愁歌謡ノスタルジックメロディックデスメタル」と銘打たれてる通り、ひたすら歌謡曲もしくはクラシック由来のクサい泣きメロを追求しているプロジェクトなのですが、このZemethというプロジェクト名自体がRPGの「イース」シリーズから取られているそうでして、つまり根本の部分からゲーム音楽の影響が決定的に濃い音楽なんですよね。そういう意味でもオタク系メタル→同人メタルとの関連性が強い。
自分はイースシリーズについては名前は知ってるけどあまり詳しくは知らない感じでしたが、サントラCDの試聴をちょこっと聞いてみた限りでもその影響の程は感じ取れましたね。

で、それだけ話題になってるメロデスっていうことはきっと相当クオリティ高いんだろう…って思うリスナーもいるかもしれないですが、実はクオリティについては同人CDに割と近い。デスメタルを称するには音がかなり軽い。完全にゲーム音楽レベルの音圧。「ゲーム音楽のメロデスアレンジ」と評するのが一番しっくり来そう。
でも、このZemethはあくまでクサいメロを徹底追求するためのプロジェクトだと思うんで、デスメタルである必然性は薄いというか、インストだと印象良くないからとりあえずデスボ乗っけたみたいな感じも無きにしもあらず? 実際デスボのミックス小さめだし。
しかし自分のように普段あまりデスメタルを愛聴していない軟弱メタラーにとってはこの控え目デスボと音圧の低さがむしろ好印象で、そのおかげでかなり聞きやすいサウンドになってると思う。ゲーム音楽は好きだけどデスメタルはちょっと…っていう非メタラーにも余裕でおすすめ出来ます。逆に海外メタルばかり聞いてるガチガチなメタラーだと物足りないかもしれないけど。

デスメタル的なアグレッションは二の次三の次になってると思うけど「美しさ」に関わる部分は一切の妥協なしに作り込まれている印象。特にリードギターの音色はこのZemethの生命線でしょう。メロデスに限らずクサメタル系の理想と言っても過言でないくらいに美しく安定感のある音色。これが無かったらこのクサメタル桃源郷は実現できなかったでしょう。

そしてアルバム構成、これがZemethの大きな特色の1つ。JUNYAさん自ら「全曲がキラーチューン」と紹介していましたが、信じ難いでしょうけどこれが嘘偽りない真実なんですよ。まじで全曲が凄まじいまでのクサいメロで埋め尽くされ、全ての曲が全力全開。常にテンションMAX。「最初から最後までラスボス戦」…と表現したら一番伝わりやすいかな? ここまで一片の隙もないクサメタル美学を貫いた作品って他に例を見ないのではないか。
この手のクサメタル愛好家って、アルバムに色んな曲調がバラエティ豊かに入ってたとしても結局は疾走キラーチューンばかりエンドレスリピートしてしまう傾向あると思うんですが、それを見越してスキップしたくなる「捨て曲」がゼロの全曲キラーチューンを実現してしまった訳ですね…。恐るべき発想。

とはいえ…ここまでテンションMAXを持続してると似たり寄ったりの曲調が延々と連続して、ぶっちゃけ途中でかなり飽きるんですよね。肉が好きだから肉オンリーの食事してるようなもんですからね。栄養バランスも味のバランスもへったくれもない。1曲1曲を単独で聞けば「神の音楽か!?」って衝撃を受けるんですが、アルバム全体として聞くと評価は必ずしも高くならないっていうのが正直なところですかねえ。
しかし、JUNYAさんとしては、途中で飽きるなんて百も承知の上でこのアルバム作ったんだと思う訳ですね。あえてバランスも構成も無視しまくって「ワンパターンの美学」を実現させたという意味で、やはりこの作品は特定の需要に対して徹底的に特化した類まれな傑作であることは認めざるを得ないと思うんです。

このアルバムから特に気に入ってる曲をチョイスするのは難しいですね…。全曲キラーチューンだし全曲が似たり寄ったりって感じなので…。とりあえず1曲目「VALENTINE LIBIDO」2曲目「LAVENDEL」9曲目「SCARLET NIGHTMARE」あたりが特にメロディが神ってるかな。7曲目「FATEFUL DESPAIR」8曲目「GENOCIDE MOON」も捨てがたい。やっぱり歌謡曲系メロディが秀逸ですね。さすがV系をルーツに持ってらっしゃるだけあるというか。日本人にしか出来ないクサメロでしょう。

そんな訳で個人的にはアルバム全体を通して絶賛できる作品ではないんだけど、個々の楽曲の破壊力は比類なきレベルだし、多くのクサメタラーにとっては掛け替えのない傑作となり得る超絶な作品であるのは疑いの余地はないでしょう。こんな凄まじい作品が同人音楽近辺から出て来たという事実は同人メタルシーンにとって新たな希望をもたらしてくれるに違いありません。
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Author:同人音楽初心者

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