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鬱P feat. 赤飯「IDOLATRY」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm26873416

夏コミの赤飯さんの新譜…欲しかったんですけどね…。諸事情により行けなかったものですから次の機会に買うことにします…。
で、今回紹介するのは新作ではなく1年前の夏コミでリリースされた鬱Pと赤飯さんのコラボ作品でございます。

まあ自分もボカロ系には疎いものですから鬱Pの作品もベスト盤?的な「悪巫山戯」ってアルバムしか聞いたことないんですけどね。
例によってそんなニワカの自分がわざわざ説明する必要なさそうですが、ラウド系の攻撃的なサウンドと歌謡曲的な親しみやすいメロディと厨二な歌詞が売りの、言わずと知れまくった有名ボカロPですよね。
歌い手とのコラボは赤飯さんとしかやってないのかな? でこれが赤飯さんコラボの2枚目って訳ですね。

内容について語る前に、この作品は紹介動画が面白いんですよね。
キリンの被り物をかぶった鬱P本人が説明会然としたプレゼンをするというコンセプトの動画なんですが、作品の世界観をイラスト等を使って表現する紹介動画が多い中で、こういった理屈で押すタイプの動画ってのは珍しいと思いますしそれだけでも興味を惹きますよね。
そのプレゼンで語られる「カレーうどん理論」、興味深いですね。同人メタルのみならずオタク界隈における激しい系の音楽に共通するテーマとも言える「キャッチーさ」と「激しさ」の違和感なき融合。単純にキャッチーなメロディと激しいバンドサウンドをくっ付けるだけでは不完全であり、その2つの要素の接合にはカレーうどんにおける「和風だし」に相当する要素が必要であるとの主張なんですが、なるほど納得させられます。作品の世界観ももちろん重要なんですけど、こういった理論的なもの(専門的な音楽理論ではないけど)を表立って動画にしてくれるのってなかなか面白い試みですよね。
あとは、すでに上書きされてしまって見れないんですが特設サイトのほうに、予約特典とかそんなのは同人でやるな、メジャーでやれ!という文が添えられていたのもインパクトありましたな。他の有名サークルとは一味違うものを感じましたよ。

一方の赤飯さんのほうも、かつての売りであった「七色の歌声」を封印してひたすら熱い歌声で押しまくる作風はこの作品あたりから始まったのかな? 赤飯さんソロ名義の感想記事のほうでも書きましたが、もはや七色の声の歌い手というイメージには留まらず、メタル系(ラウド系)シンガーとして捉えるべきだし同人メタラーも大いに注目すべき存在だと思う訳ですよ。歌い手に対する偏見等で聞かないのは絶対に損してると思う。

さてこの赤飯さんフィーチャリング2作目の「IDOLATRY」ですが、フィーチャリング1作目の「PSYCHODRAMA」とはだいぶ作風変わってますよね。4年の月日を経たことで単純にクオリティ上がってるのは当然ながらあるんですが、「PSYCHODRAMA」のほうがラウド系でありながらもメタルっぽさやV系っぽさが目立っていたのに対し、今作のほうはよりハードコア寄りになってる気がします。あと歌謡曲メロディが増量してるのも特徴的。

1曲目「ぬりかべ」、1分半にも満たない小曲なのでイントロ曲かと思いきや…なんとサビメロまでしっかり完備したボーカル曲。しかも疾走感もあるしがっつり盛り上がるメロディ展開で1曲目に相応しい勢いも備えてるんですよ。なのに何故1分半しかないのか。コラボ1作目の「理想郷へおいでませ」も1分半だったけど…でも向こうはサビメロ無いからなぁ、こっちのほうが「勿体ない感」は確実に上回ってる。

2曲目「食事」、演奏はハードコア系だけど疾走感やメロディ展開は割とメタル寄りなノリかもしれない。赤飯さんの熱唱は言うまでもなく強烈。ちょっとホイホイホイホイ合いの手がうるさい気もするけどまあライブ前提の曲なんでしょうな。
食事を「生を喰らい」「命を喰らい」とあえて表現するこの厨二的発想。まあ1作目のほうがもっと厨二感きつかったから(特に「暗い遊園地」とか)それと比べたら落ち着いた感はあるかもしれないけど、でも鬱Pさんあんな理詰めなプレゼン動画作るような人だし素で厨二してる人ではなさそうな気がしますけどね。

3曲目「ヒューマンエラー」、これは更に典型的なハードコアな音作りですね。激しさとキャッチーさを見事に両立した曲なのですが、そこにはプレゼンにもあった「和風だし」が隠し味のように効いているということなんでしょう。ラウドであってもそれがキャッチーさを妨げたり耳障りにならないような絶妙なバランスを音響的にも配慮している感ありますかね。もちろん疾走感もばっちりで全くテンション途切れません。

4曲目「ジャンクヒンズダンサー」、タイトル通りにダンサブルなEDM要素入りハードコア。いかにも現代風なラウドロックと言えそうですがサビではエモエモしくならず歌謡曲的なキャッチーさが際立ちます。絶妙なグルーヴ感を生み出す赤飯さんの卓越したボーカルパフォーマンスも特筆もの。

5曲目「テラーストーリーテラー」、これもグルーヴ感あるリフが印象的です。サビはやはりキャッチーなんですけど、でもアニソン系のキャッチーさとはちょっと違いますかね。前作ほどV系っぽさはないけど(もちろん赤飯さんの歌い方にも依るんだけど)ドロっとしたアダルティな歌謡曲的な雰囲気は強いですかね。

6曲目「偶像崇拝」、実質的タイトル曲ですかね。ラウド要素は抑えめになり代わりに歌謡曲度がさらに濃くなります。ナナナナ~ってバックコーラスは若干昭和臭も狙ってる? サビのメロディアスさ、ドラマチックさは作中でも最高ですね。感情込めまくりな赤飯さんの熱唱には心動かされます。

7曲目「看板娘の悪巫山戯」、これはボカロカバーですね。この曲だけお祭り系電波ソングみたいなノリでアルバムの流れから浮いてるかも。もちろん単体では良く出来た曲だと思うんですけど。ラップパートの掛け合いが2番で入れ替わるネタは面白いですよね。

8曲目「パンの唄」、めっちゃ軽いタイトルなのにも関わらず実際の曲調は歌謡曲極まったブルージーでアダルティな雰囲気に満ちていて歌詞も超シリアス。さすがにちょっと渋すぎて個人的にはあんま好きじゃないんだけども…。「ひょうめんちょ~りょ~く」ってやたら繰り返されるから曲名を「表面張力」だと勘違いしがち?

ラストの「おまけ」トラック、なぜかちょこっとだけ「見習いハーデス」の一部分が流れます。

前作と今作、どっちが良いかっていうとちょっと迷うところですかね…。音のクオリティは当然ながら今作のほうが向上してるんだけど、でも今作は歌謡曲的な濃厚さが際立っていて癖が強いんで、前作のほうが聞きやすさでは上回ってる気がする。というか前作収録の「再生」めっちゃ好きなんですけど今作はあれに匹敵するキラーチューンは無い気がするし。
まあどちらにもそれぞれの魅力があるってことですな。

いずれにせよ、赤飯さんの熱唱と鬱Pの絶品のラウドサウンド満載の作品であることに違いはないのでまだ聞いたことない同人メタラーがいたら是非ともチェックして頂きたいです。
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Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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