tokyo babel「Sputnik Sunrise」

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http://tokyo-babel.com/
今の同人音楽がいかにハイレベルであるか、それを同人音楽に親しみのないリスナーに実感して頂くためにはこのサークルは打って付けかもしれないですね。同人(アマチュア)の領域を越えた超ハイクオリティな音楽を作ってるサークルはいくつもあると思いますがその中でもここは極めつけって感じがあります。

なんせ、イギリスのBBCラジオでこのサークルの曲がオンエアされたっていうんですからね…なんじゃそりゃ…。訳分かんないくらい凄いですよね。実際に音源を聞いてみてもそのワールドワイドな評価に納得するしかないほど圧倒的な内容。ほんとに同人音楽なのか?って疑問が湧いてくるくらいなんですが、しかし同人イベントに度々参加してるようなのでやはり紛れもなく同人音楽なんですね。同人音楽の進化もついにここまで来たのか…。

音楽性は非常に幅広く、ポップス、ロック、クラシック、エレクトロニカ、プログレなどなど…現状の同人音楽に存在してるジャンルの大半を飲み込みながらも独自の音楽性として見事に昇華させていて統一感ある内容となっており散漫さなど全く無いですね。しかもアレンジセンスやサウンドプロダクションも極めて洗練されていて、そして英語詞を多用していることもあってか、まるで洋楽を聞いてるような感覚さえ得られるのも驚くべき点かと。同人音楽(オタク音楽)の土壌に根を張りながらもその枝葉はオタク界隈の壁を突き破ってワールドワイドな領域に飛び出してる…そんな感じ。作品全体を覆う雰囲気も高尚すぎて…とにかく凄いとしか言いようがない作品。もう他のサークルと存在してる次元が違うと言ってしまってもいいくらい。

とは言ったものの、実を言うと他のM3作品に比べてこの作品の愛聴度ってあんまり高くないんですよね。客観的には「すげえ!!」って思うけど主観的な評価ってまた別物な訳でして。なんだろうな…このサークルってけっこうアトモスフェリック寄りな作風っていうか、緩急を付けたドラマチックな曲調が割と少ないんですよね。もちろんドラマチックな曲はめちゃくちゃドラマチックなんですけどね。あとは…雰囲気が高尚すぎて取っ付きにくい感じもあるのかもしれない?
まあ完全に個人的な好みの問題ですね。きっと大半のリスナーにとっては文句の付け所の無い完璧な作品に聞こえるんじゃないでしょうか。

収録曲は12曲という大ボリュームです。既出のコンピ提供曲もあるみたいですが自分はこのアルバムで初めてこのサークル聞いたんで全部新曲みたいなもんですね。
1曲目「Faust」、この曲を初めてYouTubeで聞いたときは衝撃を受けましたね。クラシカルで格調高いストリングスに趣きたっぷりの透き通った美声が乗るAメロの神秘性、これだけでも魅了されるのですが、そこからEDMサウンドとSEが織りなすカオスな展開に突入してドラマチックな多重コーラスが彩るサビへと至る…。ジャンルを超越した音楽性と卓越したセンス。ほんとに同人音楽なのかよって思っちゃいますよねこのハイレベルっぷりは。まるで映画音楽かなんかを聞いてる感覚になります。これがワールドワイド級の同人音楽かぁ…。
しかしながらこのアルバムにこの曲と同じタイプの楽曲って実は他には無いんですよね。なのでこういう方向性を求めてアルバム聞くと少しばかり肩透かしになるかもしれない。まあ曲調は違えど超クオリティの楽曲揃いであることには変わりはないんですけどね。

2曲目「angst and an answer」は前曲とは打って変わって割とオルタナロック寄りのアレンジ。装飾を抑えたシンプルなロックサウンドですね。ミドルテンポでじっくり聞かせる曲調なのでメタラー的に即効性があるって訳じゃないですが…でもボーカルの表現力が半端ないのでやはり非凡な雰囲気に満ちてる。

3曲目~5曲目あたりまではアトモスフェリックな曲調が続きます。もちろん雰囲気だけでなくメロディも良いんですけどね。

6曲目「FqLqWay」、これもオルタナロック調。この曲はベースラインがカッコいいですよねえ。本格的ロックサウンド。音作り的にもメロディ的にも特に「洋楽」感が強いかもしれない。英語詞だと思ってたけど歌詞カード見たら何かよく分からん謎言語だった…。造語?

7曲目「P5yChedElic AuXiliuM」、この曲はBメロのファンタジックで可愛らしいメロディラインがめっちゃ好き。雰囲気はワールドワイド級に洗練されてるけどやっぱり根っこは同人音楽なんだなぁと再確認。サビでは打って変わってスケール感あふれる展開になるのも良いですよねえ。

8曲目、9曲目は再びアトモスフェリックな曲調。9曲目の「Films」のノスタルジックなメロディは心に沁みます。

10曲目「Merry's Last World」、これは1曲目と並んで強烈なインパクトを誇るキラーチューン。これもまた映画音楽みたいな曲調で同人音楽離れしまくりです。特に2コーラス目のシアトリカルな歌い回しとかね…同人音楽越えというか邦楽の領域さえ越えてるかもしれない。ボーカルさんの表現力とてつもないですなぁ…。ところが後半に入ると唐突にアリプロっぽい曲調になったりして、ああやっぱり同人音楽だなぁって感じてホッとするかも?
11曲目「世界が終わる朝」のラストの大爆発のSEは余りにも直球すぎてちょっと笑ってしまう…やっぱりここでも同人音楽っぽさが感じられるかな。

ラスト12曲目「here」はサビでのエモーショナルな熱唱が感動的。アトモスフェリック系の歌唱が多いアルバムなんですがこの曲ではほんと感情が爆発してる感じ。インパクト凄い。

そんな訳で、ワールドワイドレベルに進化を遂げた「同人音楽を越えた同人音楽」とでも評したくなる圧巻の内容になっております。同人音楽リスナーのみならず、同人音楽以外のリスナーの方にも余裕でおすすめ出来る…いやむしろ同人音楽外の人にこそ聞いて欲しい作品かも。
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Crimdoll「フルール・トロワー 〜森への招待状は甘い木漏れ日の風とともに〜」

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http://crimdoll.tumblr.com/

なんか、東京藝術大学の卒業展示とやらでCrimdollの新作が販売されてるらしいっすね。その情報を見て、そういやまだ昨年出たCD聞いてなかったなと思い出して遅ればせながら聞いてみた次第です。

ここ1年くらいCrimdollのことほとんど話題に出してなかった気がしますが…1stアルバム出すまではけっこう期待してたんですよ。レトロなプログレッシブロックと物語音楽を融合するという極めてニッチな試みは大いにマニアックな関心をそそるものでありましたから。
しかしながら、ようやく出たアルバムがどうにも釈然としない内容で…。というかぶっちゃけ個人的にはあの「魔術の帰着点」を1stアルバムとしてカウントしたくない気持ちもあるんですよね。尺だけは確かにフルアルバム級なんだけど内容が色々と中途半端だし。ドラマパートが多いせいで音楽として聞くと中身スカスカな印象を拭えない。
でもそれはあくまで構成的な問題であって、楽曲自体は良く出来てたんですよね。メロディセンス、アレンジセンスは一貫して優れたものがあったと思うんです。だからこそ余計に構成に対する不満があったのも事実なんですが。

で、本題であるこの昨年夏のシングルはどうなのかというと、これがアルバムの時に比べてずいぶん「まとも」になってる。…って、まともって言い方には語弊ありまくりですが要するに構成面での中途半端さが解消されてるってことですね。ドラマパートを最低限に抑えて尺の大部分でちゃんと音楽を聞かせてくれます。
ドラマパートが悪いっていう訳じゃないんですがやはり肝心の音楽の印象が薄まってしまいますからね…。あと、音楽って何度も繰り返して聞くのが前提だしBGM的に聞き流すこともある訳だけど、ドラマCDって1回聞けば割と気が済んでしまうし聞き流すのも向いてないし、要するに相性が悪い。
っていうか自分も最近は物語音楽系サークルはほぼ全く聞いてないから「耐性」が落ちてるってのもあるかな…個人的な事情ですが。

もう1つ変化したポイントとしては、この曲はギターが入ってるんですよね。初期(メンバー脱退前)にもギターのメンバーはいなかったみたいだしこれが初のギター導入? このサークルの委託頒布常連のレトロ志向メタルバンドRisingfallのギターの人が弾いてるみたいですが、このギターパートがサウンドの完成度に大きく貢献してる。音の厚みが増してるし70年代プログレ風味も増しましたね。「本格」プログレッシブロック度がけっこう上がった気がする。
あとはベースも欲しいところだけども…打ち込みでいいからベースサウンド入れて欲しいなぁ。

収録曲は1曲。しかも9分という長尺。まあそれはプログレですしいつもの事なんですが、従来のセリフパートとインプロヴィゼーションが大半を占めた曲とは違って今回は9分の尺をしっかり音楽で埋めているので楽曲の構成美、ドラマチックさも増してます。特に終盤ガッツリ盛り上がる構成がとても好印象ですねえ。
暖かみのあるアナログシンセの奏でる叙情的なメロディと前述の新要素であるギターパートの絡みが最大の聞き所だと思いますが、歌メロも相変わらず秀逸。同人音楽ならではのキャッチーなメロディセンスとレトロサウンドの融合。やはりこれがこのサークルのオリジナリティの中核でしょう。ドラマパートが無くともオリジナリティには揺らぎはないですね。
生演奏のドラムパートも、今まではただリズムを刻んでるだけって感じだったけどこの曲ではそれなりに見せ場があるような気もしなくはない。

そんな訳で、1stアルバムで興味を失いかけたんだけど今作でまた改めてこのサークルのポテンシャルを再確認できた感じでしょうかね。次のアルバムには期待したいところです。今度こそプログレと物語音楽の見事な融合を聞かせて欲しいなぁと。

そういやこの作品のアナログレコード盤が秋M3で回転してたらしいですね。ごく一部のマニアの中で話題になってたようで。装丁の細かいネタとかマニアが喜ぶパフォーマンスにも長けてるサークルですよね。ジャケデザインにもプログレ作品のパロ要素あったりするらしいけどうちはプログレ詳しくないから分からん…。
卒業展示のほうの新作は春M3でも頒布するんだろうけど、でも1曲しか入ってないシングルをいちいち小分けで頒布っていうのは買う方としても面倒くささあるから1枚にまとめてくれないものだろうか…。

tomorro4(Deścent Family)「ne fragetaną -東方反重力-」

https://booth.pm/ja/items/413274

「発行」のところに記載されてる「Deścent Family」ってのが紅楼夢でのサークル名だったんですかね? 直接イベントで購入した訳じゃないので分からないのですが。まあ、今回はプレスCDだしジャケ画もちゃんと絵師さんに描いてもらってるんですからサークル名が顔文字って訳にはいかないですよねえやっぱり…。次にイベント参加する時もDeścent Family名義になるんだろうか。なんか…イメージ違うなぁ。そもそも次にイベント参加するのがどれだけ先になるのか分からんけど。
てか何気にDeścentってウムラウト付きだったりするけどアルバムタイトルにも機種依存文字入ってますよねえ…。ググったけどこの文字ってポーランド語やリトアニア語で使われてんの? やべえ訳わからん…。まあ考察する気なんて毛頭もないから別にいいんだけど…。きっとみんな日本語の「東方反重力」ってタイトルで把握してると思うし。

それにしても、うちのブログで記事タイトルに東方なんちゃらって入ってるだけでなかなか違和感が強いですね。いつもご覧になってる方々ならご承知だと思いますがうちは基本的にアレンジ作品は扱わない方針でやってますんで。
でも、ともろうさんの場合は特別でして、やはりうちのブログの最推しサークルの1つですから、例えアレンジ作品であろうが真っ向から向き合わずにはいられない訳です。これがもし他のサークルだったらアレンジ作品の新作なんてスルーしてる可能性が高いんですけどね。
これはアレンジ作品が良いとか悪いとかの問題じゃなくて、オリジナル作品とアレンジ作品は明確な線引きをして捉えるべきというのが自分の考えなんですよ。オリジナル作品はその作品(アーティスト)だけで完結している物ですがアレンジ作品は原作という前提の上に成り立ってる物ですから根本的に性質の異なる物ですし、そこにはジャンルの壁よりもはるかに高い壁が存在していると思ってます。まあそんなこといちいち言うまでもない事だとは思いますが…。原作知らないのに東方アレンジ聞いてるリスナーってのはあんまりファンから良い目で見られないでしょうしね。

で、当然ながらこのともろうさんの新作も東方アレンジ作品な訳ですから、原作の上に成り立っている二次創作な訳ですけど、残念ながら自分は東方の原作を知らないのでこの新作と真っ向から向き合いたいと思っても限度がある訳ですね。同人音楽界隈には東方アレンジを聞くために東方を勉強した人も少なからずいそうな気がするけど自分はそれはちょっと気が進まないですし…。せめて原曲だけでも聞きたいと思っても東方シリーズってサントラCDが存在しないみたいだし…何故なんだ…。
二次創作である訳なのでこれを評価するにあたっても二次創作用の尺度を使って評価しないといけないと思うのですが自分は前述のようにその物差しを持っていないので、二次創作を一次創作の物差しで評するという歪なことをせざるを得ないのですがその辺りはご容赦を。
というか、歌詞とか世界観を度外視して音楽にのみ注目するにしても、どの程度まで原曲のメロディを忠実に使用しているのか、オリジナルのメロディをどれくらい追加してあるのかが分からないってのが大変もどかしいですよねえ…。

さて具体的な楽曲についてですが、1曲目のイントロに続く2曲目「ねカヒモオ」と3曲目「Der Tod in Ahorn Garten」は高倉ゆりさんという女性ボーカルをフィーチャーしたボーカル曲なんですが、この女性ボーカルさんって「Toward the end of November」のサウンドクラウドバージョンで歌ってた人かな。この方は良い意味でボカロっぽい無機質感ある歌声がとても素晴らしい。良い意味でボカロっぽいって…全く褒めてる感じしないけど、いやめっちゃ褒めてるつもりです。ラウド系サウンドで女性ボーカル入れるって場合は割とエモーショナルな歌声を求められることが多い気がしますが、あえて無機質な歌声にすることで得られる良さってのがあると思うんです。そしてこの曲はその歌声が最高にハマってると思う。というか、すっげえボカロっぽい声だから最初聞いた時はボカロそのものを使ってると思ってたくらいなんですが、エフェクト等をかけずに素でこの歌声なのかな。ともろうさん自分の声にはオートチューンかけまくってるけどさすがにゲストの声にオートチューンはかけづらい気がするし…。
ちなみにこの2曲は昨年春のM3で頒布された「flavor has no taste vol.2」に収録されていたインスト曲にボーカルパートを乗せたものだと思うんですが、歌メロが予め存在していたのかそれとも後付けされたものであるのかは定かではないのですがいずれにしてもボーカルパートめっちゃハマってると思う。インスト版のメロディラインに単に歌をユニゾンさせてる訳でもないんで新鮮味も大いにありますし。特に3曲目のほうは「名曲感」が色濃く出てますね。まあ元々の東方の原曲が名曲なんでしょうけどね。
ところで2曲目のタイトル「ねカヒモオ」って最初誤植かと思ったんですけどこれオモヒカネの逆読みか。何故「ね」だけが平仮名なのかとか疑問は尽きないですけど東方の原作分かんないし。

4曲目「焦点を」、ここからのボーカル曲は全てともろうさん自身によるボーカルですね。高倉ゆりさんの歌声も素晴らしいんですけどやはりともろうさんの歌声が放つ個性は段違い。東方アレンジだろうが何だろうがともろうさんが歌うだけで類まれなる個性が付加されるような気がします。それくらい独特であり他と替えが効かない至高の歌声であります。上手いとか下手とかそういう世間一般的な基準を超越した価値があります、少なくとも自分にとっては。
しかしながら…今回はアレンジ作品ということもあってか、オリジナル曲の時に比べると歌声の放つオーラがやや劣ってる気もしなくない? やっぱりともろうさんはオリジナル曲のほうが断然良いですね。東方系サークルがオリジナル作品出すとメロディいまいちと感じることがあったりする訳ですがともろうさんは完全に逆パターン。
この曲については従来のDjentyなギターワークに加えて、メロスピを思わせるようなピロピロフレーズまで登場したりしてアレンジ面ではけっこう新鮮味ありますね。シンセの入れ方も上手いし「てぐせ壱」以降に試行錯誤を繰り返してきた音楽性の1つの結実があると言えるかも。

短いインストを経て6曲目「Rebellious methods -夢想する天香具山-」、これはサウンドクラウドでも公開されてましたがなかなかカオス度が高い1曲。このアルバムは初期の頃の一般リスナーを寄せ付けないほどのノイジーさに比べればだいぶサウンドも進化してきたとはいえまだまだ洗練さとは程遠い感じが否めないのですが、でもこのノイジー感やゴチャゴチャ感も込みで自分は愛着を持ってるんで全く問題ないんですけどね。

7曲目のインスト「Gute Nacht, Spatz!」も同じくDjentyでカオス。ただ、同じように未整理であってもともろうさんのボーカルがあるのと無いのとではけっこう差が出るというか、ともろうさんの歌声はカオスな音にも意味を付加できるだけの説得力があると思うんですよね。だからインストだけだとまだまだ物足りない感じはあるかもなぁ。

8曲目「Zero-G」はギターをほとんど使ってないエレクトロポップな新機軸かな? キラキラ感が心地良い。でも基本がスクリーモ調だから他の曲とそんなに差は感じないけども。この曲はキャッチーさに特化してるしメロディも東方っぽさが控え目だから割と自然に楽しめる感じあるかも。

9曲目「宙空」、これボーナストラック扱いになってるんだけど3曲目と並んでアルバムのハイライト曲だと思うんですよね。爽やかでドラマチックなサビがめっちゃ良い。ともろうさんにしては珍しくストレートなスクリーモ調なんで一般リスナーにもおすすめしやすいかもしれない。

ジャケ絵はほんとに美麗なイラスト。さすがプレスCDにしただけはある。今までのともろうさんのCDってジャケが付いてた事が一度も無かったことを考えれば非常に感慨深いものがあるのですが、同時に初のジャケ付きCDがオリジナルではなく東方アレンジであることに複雑な感情も抱いてしまう訳です。とはいえオリジナルだとジャケ絵を発注するにしても色々と難しいんだろうなぁ。東方ならば○○(キャラ名)の絵を描いてって頼めば1発でイメージ共有できる訳ですからやっぱりはるかに効率良いよね。
でも願わくばオリジナル「てぐせ弐」の際には絵師さんのジャケ付けて欲しいっすね…。

そんな訳で、音楽性は今までの集大成的な出来栄えだと思うけど楽曲についてはオリジナルのほうが断然良いと思うのでやっぱりオリジナルの「てぐせ弐」を聞きたいです…という総評になりますかね。ともろうさんイベント参加はしばらくしないと思うんでいつになるかは全く分からないですが気長に待ちたいと思います。

ともろうさん新作がようやくDL販売開始 (追記あり)

https://booth.pm/ja/items/413274
やっとですよ…。ほんと長かった。紅楼夢から3ヵ月か。まさか年を越してしまうとは思ってませんでした。やっぱりともろうさんは期日に縛られたイベント頒布には合ってないね…。マイペースに活動したほうが良いと改めて思います。でもDL版とはいえこうして無事に新作を聞くことが出来たので良しとしたいですね。
紅楼夢で頒布されたオリジナルバージョンからけっこう手直しされてるらしいけど…どの辺りが変わってるんだか分からん。個人的にはノイズが酷かろうがオリジナルのほうを聞きたかったな…。
内容についてはほんとに素晴らしい。「てぐせ壱」以降ともろうさんの積み上げてきた音楽性の集大成的な内容なんじゃないかと。しかし自分は東方の原曲(原作)を知らないからこの作品に対する客観的な評価ってのは出来ないんですよね…。そこがアレンジ作品の難しいところ…。
まあ、もしこれが他のサークルだったとしたら、アレンジ作品ならそもそも買わないという選択肢が確実に存在するし、買ったとしてもほとんど聞かずに放置する可能性も大なのですが、ともろうさんの場合は特別ですからね…当然ながらとことん聞き込むつもりです。というかすでにヘビロテしまくってます。自分が最も多く聞いた東方アレンジ作品になることはすでに確実です。しかしながら聞き込んだところで原曲を知らなければ理解できない部分が多い訳で…やはり厄介ですが…。


https://tsukubadtm.bandcamp.com/album/exp-trap-trapmission
赤ヘルさん来月に新曲発表するそうで、それもM3新譜に入るのかな? 楽しみですなぁ。
というかこのTsukuba DTM Labのバンドキャンプで無料公開されてる「Just kidding」っていうEDM曲がめっちゃカッコいい…。ファンタジックな雰囲気とダンサブルなグルーヴが見事に融合してる。やはり天才か。
「Our Voices (tribal ver​.​)」なんてのもあったんですね。壮大さがさらに増してるしボーカルも新録されてるし単なるリミックスバージョンじゃないですね…これも最高。他にもネタソングっぽいクサメタル風の曲もありましたね。赤ヘルさん名義のBandcampでまとめて公開して欲しいなぁ…。

そういやAPOLLOって次の日程まだ決まってないの? てっきり2月頃にやるのかと思ってたけど。さすがに年3回のペースを持続するのはキツいのか…。


某芸人さんが絵本を無料公開した件がやたらと話題になってましたけど…まあやっぱり難しい問題ですよねえ。自分のようなド素人がとやかく言うべき問題ではない気がする。
というか無料公開の良し悪しを論じるよりも、同人音楽界隈ではせっかく無料公開しても興味持ってくれる人が僅かっていう現状のほうがね…。あとはweb上の無料公開はともかく、イベントでの無料配布の非効率さは何とかならないのかと常々思ってますが…。

そういやHATEのアルバム、某所にありましたねアレが。いや更新に気付いただけで本文は読んでないんですけどね。読みたくもない。酷評が容易に想像付くし…。まあ他のリスナーがどう評価しようが自分にとってこの作品が素晴らしい作品であるというのは揺るがないので。とはいえ、某所以外の一般リスナーの評価はちょっと気になるというのが正直なところですが。

幼女戦記のED曲カッコいいですよねえ。アリプロ風のメロディラインだけど演奏はけっこうメタル寄りなのが素晴らしい。EDのイラストは原作のものなんだろうけど、なんか露骨に東方っぽいなと思ったらやっぱり東方系の絵師さんなんすね。あの絵に例の帽子かぶせたら完全に東方キャラ。しかしあの原作絵に比べるとアニメのキャラデザは怖すぎる…。特にキービジュアルは不気味としか言いようがない。あれじゃ安直なタイトル付けた意味ないやん…。
クズの本懐は…唐突にレズの本懐と化してましたね。いや事前にその情報は知ってたんだけどこんなに早く来るとは思わなかった。2話は1話に比べるとドロドロが控えめで気軽に見れたかな。えっちゃんはレズ要素を除いてもなかなか健気なキャラだし応援したくなるかもしれん。
オルフェンズ新OPカナブーンは…曲は良いけどボーカルの声がやっぱり軽すぎるな。シリアスな曲には向いてないか。本編のほうはもうね…名瀬兄貴が…。この展開は予想通りって言えばそうなんだけど思った以上になかなかショッキングなものが…。そしてイオク様はもはや擁護しようがないほどに憎まれキャラに成り果てちゃいましたねえ。「愛すべきバカ」ポジションを維持して欲しかった気も。ジュリエッタとの漫才的なやり取り好きだったんだけど。
最大の話題作?のバンドリは…なんだろうなこれは…ラブライブの後継を狙ってるとばかり思ってたんだけど意外にけいおんっぽかった。しかし初回の掴みとしては微妙と言わざるを得ないか。もうちょっと様子見するつもりだけど。あと、主人公のギターの赤いランダムスターってLOUDNESSの高崎さんの愛用ギターなんですね…へえ…勉強になりました(?)。けいおんと違って最初から楽器売るつもり満々なのが凄いよね。

Grey Lethal「You Burn the World Red」

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https://greylethal.bandcamp.com/album/you-burn-the-world-red

同人メタル界隈にはボーカルからギターから作編曲からオケ作りまで全てを1人でこなしてしまうマルチな才能をお持ちの方々がけっこういらっしゃる訳なんですが、このGrey Lethalのラグランさんはそのマルチミュージシャン勢の中でも特に各能力に秀でているように思えますね。
ハイトーンボイスを武器とするボーカリストとしても他を引き離すほどに優秀であるのに、さらにギタープレイもかなりの腕前、しかも作編曲の能力にも長けていて、オケの完成度やサウンドプロダクションまでもが同人音楽の平均レベルを余裕に上回っているという…。ぶっちゃけほとんど無敵じゃないですか。とんでもないサークルですよ。
もしこのサークルに足りない物があるとしたら…同人メタラーにいまいち知れ渡ってないっていう事だけかな…。ほんと、実力あるのに評価が足りてないサークルが多すぎる…いつも言ってるけど。ラグランさんのフォロワーにもうちょっとメタラーが増えればね…。

さてこのGrey Lethal、当初はラブライブアレンジサークルとして同人活動開始したようですが今はオリジナル路線に移行していまして、この新作は2枚目のオリジナルアルバムということになりますね。1枚目のオリジナルアルバムは一昨年の冬コミリリースで、その後は昨年夏コミでも3曲入りシングル出していたので、1年で2作発表ってことで、早すぎず遅すぎず、けっこう良い感じのペースで出せてる気がしますね。1年に1枚アルバムをちゃんと出せてるオリジナル系メタルサークルって意外に少ないと思うんですよ。
どうやら春M3にも申し込んでるみたいですしまた新作シングルが出るとすればほんとに理想的なペースかと思います。

で、肝心のこの新作アルバムの出来栄えはどうなのかというと…素晴らしいの一言。Grey Lethal=ラグランさんの音楽の魅力がぎっしり詰まった内容になってます。
1stアルバムも素晴らしい作品だったのですが、1stは割と洋楽志向でシリアスな作風のメタル作品になってまして、メタラー的に客観的に評価すれば文句なしのカッコ良さだったのですが、しかしながらそれ以前にやってたラブライブアレンジのキャッチーでオタク感あふれる作風とはけっこうギャップがあったのも事実でして、ラグランさんのハイトーンボイスを100パーセント活かし切れてない印象もあったりで少しばかり惜しいと思える部分もあったのですよね。
それが、夏コミのシングルではラブライブアレンジのときのようなキャッチーさを取り戻していて個人的にはとても嬉しかったのですが、今回の2ndアルバムでは更なる進化を遂げており、1stアルバムの硬派さとラブライブアレンジのキャッチーさを両方とも兼ね備えたバランスの良い内容になっていまして、まさに今までの作品の美味しい部分を全て詰め込んであるパーフェクトな内容に仕上がってると言えそうです。

収録曲は9曲、1stよりボリュームアップしてフルアルバム級の内容量になってます。
1曲目「Fukai Mori」はインスト曲なんですが、よくある序曲ポジションのインスト曲とはちょっと色合いが異なるというか…ボーカル抜きのカラオケトラックみたいに聞こえるかも? なんか普通にボーカル入れても良さそうな曲なんですよね。爽やかな雰囲気のスクリーモっぽい曲調です。

2曲目「Duck My Sick」、前曲とは打って変わって非常に激しいテンションで攻め立ててくる曲調です。しかしサビに至ると雰囲気が一転して、ケロケロ加工のクリーンボーカルによるピコリーモな展開になり、この落差の演出がこの曲の魅力と言えるでしょうねえ。サビを2回繰り返すと再びアグレッシブな曲調に戻りますがすぐに曲が終わってしまいます。3分未満の短い曲なんですが意外に物足りなさは無いんですよね。むしろ無駄のない簡潔な構成に思える。このアルバムは曲間が短くてテンションが途切れないから個々の曲が短くても問題ないんですよね。上手く計算して作ってあるなぁと思う。
ジャンル的には…メタルコアなのかなぁ。サビがケロケロしてるし。でも「北陸系メロデス」だから…やっぱりデスメタルなのか。Grey Lethalは雰囲気的にはメタルコア(デスコア)っぽい曲も多いんだけど基本的に軸足はハードコア側にはなくてあくまでもHR/HMですよね。どの曲もギターリフが核になってますから。今回もガチガチにギターリフで固めたアルバムっていう印象。そのHR/HM由来のスタンスが他サークルと差別化する要素にもなってる気がします。

3曲目「You Burn the World Red」は表題曲だけあって素晴らしい出来栄え。ラブライブアレンジを彷彿とさせるキャッチーな歌メロを備えながらもアグレッシブなパートもしっかり入っていて、Grey Lethal全部入りの1曲と言えそうです。サビメロだけでなくリフのメロもすこぶるキャッチーなんだけど、違和感なくメロデス的な展開を両立させてるのが凄いなぁと。特にBメロで爆走するところが最高にカッコいい。

4曲目「Ashen Ones」、この辺りからキャッチーさを抑えたシリアスな楽曲が連続して並んでいます。最初と最後にキャッチーな曲を配置して中盤にシリアスな曲を置くというサンドイッチ構成になってるんですよねこのアルバム。
この曲はクリーンパートもあるけど基本的にヘヴィさ重視の硬派な曲ですね。メロディアスではないけど起伏に富んだ構成でなかなかドラマチックさも感じられます。特に中間部のリフとユニゾンで歌うところとか。

5曲目「Phobia」、これは更にヘヴィさが際立った曲調。この曲に関してはかなり明確にDjentを意識してますよね。良い意味で気持ち悪い変則リズムで刻まれるゴリッゴリなリフが強烈。いかにもハードコアなフレーズも目立ってるのでHR/HM感は少なめかな。

6曲目「Dominate the Dojo」、これはクリーンボーカル無しなのでひたすらアグレッシブ…かと思いきやサビ辺りはミクスチャー的なアッパーなノリもあるので割とキャッチーな雰囲気あるかも?

7曲目「Tear Down This Wall」、ウォ~ウォ~なシンガロングやエモいサビメロによってとても聞きやすい印象の曲。1stの「Behind the Mask」と同系統のノリかな。Grey Lethalの標準的な曲と言えそう。ブレイクダウンしてその後にもう1回サビ来るかと思わせておいてそのまま曲終わってしまうんだけど、これも2曲目と同じく物足りなさはあんまり感じないですね。曲間が短くてすぐ次の曲始まるから。

8曲目「Oak Room」、表題曲と並んでキャッチーさが特に際立つ曲。こっちはデスボイス無いからさらに聞きやすさに特化してる。そこはかとないMEGADETH風味を感じるけどきっとギターソロのせいかな。この流麗なギターソロ…改めてラグランさんの演奏テクニックの高さを思い知らされますね。こんだけ弾けてボーカルパートもがっつり歌える人材ってオリジナル界隈で他にいないのでは?

9曲目「Perpetual Sunrise」、最後はアコースティックギターの情感たっぷりなインストで締めます。こういう曲調をやるって発想はメタルコア系サークルには無いと思うんですよね。やはり他とは確実に違うセンスあるなぁと思います。

そんな訳で、硬派なメタラーもオタクメタラーも両方とも満足できるであろう非常に高品質な作品になってると思います。改めて、同人メタラーならば絶対に聞かなければいけない超マストなサークルだと断言します。

冬コミから2週間

もう2週間も経ったのか…。そして2017年も2週間が過ぎてしまったということで。油断してるとあっという間ですよね。有意義に過ごしていかないといけませんな…。

https://hymnabovetraumaticemotion.jimdo.com/
冬コミ作品は今のところまだHATEしか記事書いてないですけども、やはり改めてHATEフルアルバムは個人的同人メタルオールタイムベストに選びたいくらいの傑作だなと思います。いつもなら記事を書き終わったらその作品のヘビロテは止めて次の作品に移行するんですけども、HATEフルアルバムは散々ヘビロテしたのにまだ聞き足りないくらいですからね。記事のほうではボーカルについてばかり言及してましたがもちろんギターパートにも聞き所が盛り沢山でほんと何度聞いても飽きない。
このHATEフルアルバムが2016年ベスト1位だな…と言いたいところですがREJECTIONという超ダークホースがいるのでそれに及ばずに2位か…と言いたいところですがうちのブログは冬コミ作品は次の年に繰り越すという謎仕様でランキング作ってるので2017年扱いということで…。まあ順位とかどうでもいいんですけどね。2016年の同人メタルも大充実していたという事実を再確認できればそれで十分。

そういや、赤ヘルさんって春M3申し込んでないんじゃないかと不安あったんですけどどうやらちゃんと申し込んでたみたいですね。良かった良かった。おそらく新作もあると思うんで非常に楽しみです。

https://lostmyproust.jimdo.com/
Lost my Proustについては「新作」じゃなくて「新曲」ってのが引っかかりますね…。今年中に新作アルバムは出ないってことなのか…? M3も申し込んでなさそうだし…。HATEとスプリットという可能性ならありそうなんだけども。

https://answertothemomonga.tumblr.com/
お、アンサツモモンガようやくフルアルバム出るんだ。これは期待ですねえ。秋の新作の記事まだ書いてませんけど近いうちに書きますんでお待ちを。


それと、お気づきの通り最近になって記事にジャケ写真を追加してみたのですがどうでしょうか。視覚的な分かりやすさってのはやはり重要だと思うんです。でもいちいち写真を撮るのがめんどくさいんでそのうちまた画像なしに戻ってしまう可能性も大ですが。



ついでに冬の新作アニメの話題も。
秋アニメが非常に充実していたので今期のラインナップが見劣りしてしまうのは致し方ないと思うのですが、自分はそんなに大量のアニメを並行して視聴し続けるのも無理なんで3本程度の見たい作品が見つかりゃそれで十分なんですけどね。
今期一番面白いのって実は幼女戦記じゃね? 安直なネーミングからは想像できないくらいハードな作風。そもそも主人公が幼女である必然性もあんま感じられないし、もしかして編集からの圧力で不本意なタイトル&内容に変えられてしまったんだろうか。まあ悠木碧ボイスじゃなかったらハードすぎて見る気にならなかったかもしれないけど。
リトルウィッチアカデミアはさすがTRIGGERだけあって映像だけでもお腹いっぱいになる。
クズの本懐は…初回から放送ギリギリすぎる…。エロアニメ的なインパクトが強かったけど今後どう展開していくのか気になる。
ガヴリールドロップアウトはうまるちゃん言われまくってたけどなるほどね。まあ監督も同じだし…。男が出て来ないから百合厨に優しい?
メイドラゴンも無理やり百合厨向けにしてある感じあるかもなぁ。
ハンドシェイカーは新感覚CGアニメ? これからはCGアニメの可能性をさらに押し広げていく必要あるんでしょうね。アニメ業界も色々と限界状態みたいだし…。
バンドリはCMによる擦り込み半端ないしオタクとして見ておかないとマズいのかと思ってたんですけど放送開始が遅いんすね…制作スケジュールやばいのかね…。

オレオレウサギ「An Evanescent Echo/ReLight」

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http://oreore-usagi.tumblr.com/

虎徹×バーナビーオンリーイベント「俺のウサちゃん」、略して俺ウサ
…とは1ミリも関係ない同人音楽サークルのオレウサことオレオレウサギが秋M3でリリースした現時点での最新作です(謎紹介)
「オレウサ」で検索するとタイバニのほうの結果が出てくるよねっていう。ただそれだけです。

一昨年の春にリリースされた2ndアルバム「MIND CRAFT」以来の新作CDということで…けっこう間が空いちゃいましたが、でもCDにはなってないですが昨年6月にもweb上で新曲「Backspace[←]Dependence」が無料公開されてたんで昨年は2回新作が出たってことになりますね。そしてその昨年に出た2作の曲(ぎゃぷいちさん作の曲)は自分的にオレウサ史上でもトップクラスの良曲だと思ってまして、相変わらず寡作なサークルではあるけどここに来て音楽的にはさらに上り調子になってる印象あります。

さて極めて個人的な意見を書かせて頂きますと、実はこのオレウサについては、先日フルアルバムリリースしたHATEことHymn Above Traumatic Emotionに非常に似た印象を抱いておりまして。まあ2サークルはスプリットEPを共にしてますし音楽的にもメロデス的リフを多用するという共通点を持ってるんでそりゃ普通に似てるに決まってるんですけど、それだけではなくてですね。
両者ともデビュー作の時点で同人音楽の平均を余裕で越えるかなり高めのクオリティをすでに保持していて、それによって人気と評価を順当に獲得していたと思うんですけども、しかしながら客観的には「カッコいい音楽」と認識してはいたものの、主観的には必ずしもツボにハマるとは言い切れない感じで、客観と主観に温度差があったのは否定できないところだったんです。
ところが、2サークルとも昨年発表した新作については以前に比べて個人的な好みにぐぐっと近づいた感じがありまして、ツボと感じるメロディやアレンジも増えて、ここに来てようやく心置きなく推せるようになったなぁと感じたりしてるんです。まあクオリティが飛躍的に上がったという訳ではなく、元々2サークルともハイレベルだったんですけどね。単にうちの好みと照らし合わせた場合の評価ってことで。
とはいえ、HATEのほうはというと個人的にはめちゃくちゃ好きな作風になった代わりに一般的な評価が割れそうな要素も有しているのでなかなか評価が難しいラインにいると思うのですが、オレウサのほうはそこまで劇的な変化は無くて、今までとほとんど変わらない安定の作風なんだけど細部に微調整が加えられててそれが自分の好みに合ってるみたいな感じですかね。

その変化を表現するためのキーワードとしては「キャッチー」「ドラマチック」「緻密さ」…などが挙げられるでしょうか。もちろん各要素ともオレウサは元々から持っていたんですがそれらが更に洗練されたっていう意味ですね。
まずキャッチーなメロディですが、キャッチーさが際立ってきたのは「Drain ReD rain」辺りからかなぁと思うんですがこの「An Evanescent Echo」と「Backspace[←]Dependence」ではそれが更に板に付いてきた感じ? メロディの「分かりやすさ」「覚えやすさ」が強化されてる。それまでのオレウサって割とエモさ重視っていうか、まあ朱色さんの情感あふれるハスキーな歌声がエモいメロディに合ってるってのも大きかったと思うんですけどね。
そしてキャッチーさが増量したのと同時にドラマチックさも向上してる。サビメロでガツンと盛り上がる感覚。高音域メロを以前よりも意識的に使ってるというのもあると思うし、ストリングスのアレンジの巧みさもあるかと。
そして緻密なアレンジ。高い実力を持つギタリストyutaさんを最初から擁しているのですから元々からテクニカルな演奏には事欠かなかったんですが、その演奏の魅力を最大限に引き出すための洗練されたアレンジが確立された感ありますね。適度な「捻り」が随所に隠し味の如く仕込んである。
あとはサウンドプロダクションですね。オレウサって基本はメタルだと思うんだけど、音作りはそれほどメタル然としてなくてけっこう耳当たりの良いマイルドなサウンドなんですよね。「アニソンとしてのメタル」をコンセプトにしたかのような、メタルの尖った部分に丁寧にヤスリがけを施してなめらかに仕上げてある感じ。それによって、ブラストビートなどの過激な要素が入ってるにも関わらず一般リスナーにも聞きやすい音になってるんじゃないかと思います。アニソン的なメタルの音作りとしては模範的な存在なのでは。今作ではキャッチーさも増量したことで更に幅広いリスナー層に受け入れられそうな感じがあります。

ここまで書いてきた感想はあくまでぎゃぷいちさん作の「An Evanescent Echo」及び「Backspace[←]Dependence」についてであって、yuhiさん作の「ReLight」については…また全然作風が違いますからちょっと別枠ということで。邦ロック的でメタルっぽさは皆無だし。もちろん曲としては良い曲だと思うんですが、とりあえずまあメタラー的にはオレウサ=ぎゃぷいちさんという感じで。

繰り返しますがこのぎゃぷいちさん作の2曲はオレウサ史上最高の2曲だと思うし、これらが収録されるであろう3rdアルバムがオレウサ最高傑作になることはほぼ疑いないかと思います。これは期待するしかないですね。
ってか2ndみたいに既存曲が大半になるのを前提で考えちゃってるけど、もちろん新曲ばっかりのアルバムだったらそれが一番ではあるんですけどね。でもそうしたら完成が更に遠くなっちゃうか…。オレウサは人気サークルですし新作アルバムも強く望まれてるでしょうから早めに出して欲しいところではあるんですが。2ndからもう2年も経過しちゃいますし。
そういや、オレウサ新サイトってリンクのページ無くなってる? リンク先のサークルの説明文がめっちゃ面白かったのになぁ。というかぶっちゃけ下手なレビューサイトよりもあのリンク集のほうがよっぽど参考になるよね。最近になって同人メタル聞き始めたっていうリスナーさんはチェックしてみるといいかも。

DIA&すみす「Phantasïc Ånthologia」

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http://phantasicanthologia.tumblr.com/

四コマ漫画家兼DTMer…じゃなくて四コマ漫画も描ける天才肌マルチクリエイターなDTMerことDIAさんが、オーケストラサウンドを得意とするDTMerすみすさんとダッグを組んで生み出した作品がこの「Phantasïc Ånthologia」ですね。
この圧倒的な完成度、壮大なスケール感…。今作を2016年の同人音楽ベスト作品に選ぶリスナーも少なからずいると思いますが、それほどに豪華絢爛な内容になってます。
同人音楽において架空ゲーム音楽サントラというジャンルはポピュラーですけど、メタラー向けという観点ではおそらくこの作品は最高峰の完成度なんじゃないでしょうか。

DIAさん単独でも以前に「架空RPG」というゲーム音楽サントラ風の作品を作っていて、それも素晴らしい内容だったのですが、今回は更なるスケールアップを果たしていると言えそうです。ゲーム音楽モチーフのインスト作品という点は変わらないのですが、今作ではオーケストラサウンドを得意分野としているすみすさんと組むことによってシンフォニック度が大幅に増加。全編がド派手な音で埋め尽くされてて、まるでRPGの山場で流れる高揚感あふれるBGMばかりを選んで収録したかのような内容。なんというか、うちらオタクメタラーが好きなタイプのゲーム音楽の美味しい部分だけを抽出して固めた感じ? RPG好きなメタラーにとっては理想的な内容と言っても過言でないのでは。
しかも、ただ派手なシンフォニックサウンドだけではない。DIAさんが得意とするエモエモしいハードコアなバンドサウンドが共に鳴り響くことにより更にメタラー的に美味しく、そして他とは異なるオリジナリティも見事に獲得しています。普通、ゲーム音楽系の激しい曲って言ったら十中八九がメロスピ系サウンドですからね。やはりゲーム音楽とラウドサウンドの融合は大いに新鮮味あります。もちろん、クサメタラーが好きなバトル系のメロディも取り揃えてますし、ほんとに幅広いリスナーにおすすめ出来る音楽性だと思う。

1曲目は不穏な空気感を煽るイントロ。そこから2曲目「Minnesanger」の壮大な冒険の幕開けを思わせる勇壮な曲調へと繋がります。この曲のメインのメロディ奏でてるのはオカリナ? 実にRPG感のある音色ですよねえ。そして壮大なシンフォニックサウンドとDIAさんお得意のV系センスを交えたポストハードコアなサウンドの絶妙なコンビネーション。緩急の付け方も実に巧みで、ほんと最高ですねえ。
3曲目「この空に願いを」、こちらは爽やかでキャッチーなメロを聞かせるタイプの曲なんですがやはりバンドサウンドの使い方が素晴らしく、単なるBGMの枠に収まらない音になってると思います。

4曲目「Oracion」はすみすさん単独曲。バンドサウンドも少しだけ入るけどギターは打ち込みなのかな。でも十分にカッコいいですよね。シンフォニックサウンドの完成度はさすがの一言。
5曲目「Fallen Leaves in the Twilight」は民謡要素が濃いですがやはりラウドなバンドサウンドのおかげで一筋縄ではいかない印象を放ってますね。叙情的なピアノのメロディも素敵。
6曲目「Determination[We Are Mission Launch]」は待ってましたのバトル曲。テンション上がりまくりの劇的なツインリードギターに加え、Djent的なテクニカルなフレーズまで登場したりしてDIAさんならではのハイセンスっぷりを存分に聞かせてくれます。やはりこれも単なるRPGバトル曲には収まらない音楽性ですねえ。

7曲目「Snow Grassland」、これはバンドサウンド無しのシンフォニック曲なんですが意外にもDIAさん単独。もちろんDIAさんだけでもシンフォニックな完成度は高い。「架空RPG」を思い出す曲調かな。
8曲目「Trouvere」、これはロック度が最も高い曲かも。ポストハードコアなフレーズがけっこう前面に出てるし疾走パートもある。意表を突いて8bitサウンドが登場するのも面白い。

9曲目「約束と理由の行方」、これはDIAさん単独。ゲーム音楽風味はちょっと控え目で、エモいギターサウンドが目立ってる感じ。事前にDIAさんが「ポストブラックな曲がある」って言ってたけど試聴では全くそれっぽいの無かったから不思議に思ってたんですが、この曲の後半がポストブラックだったんですねえ。エモいギターとブラストビート。最高です。個人的に今作で一番好きなのはこの曲かも。

10曲目「少年の旅路とジョングルール」、バンドサウンドは無いですが実にゲーム音楽らしい王道シンフォニック曲。
11曲目「最期は、僕の手で」、なんでしょうこの意味深タイトルは。どんなストーリーが込められてるのか気になってしまうではないですか。親友がラスボス化したとかそういう系の鬱エンドなのか? 曲調としてはラスボス打倒後のエンディング曲って感じでしょうかね。切なさと開放感が入り混じったような感じ。

そして無音トラックを挟んで最後にボーナストラックも収録されてて、これは収録曲のチップチューンメドレーですね。これも良いっすねえ。

そんな訳で、ゲーム音楽好きなリスナーはもちろんのこと、メタラーも大満足できること請け合いの超豪華作品です。全同人音楽リスナーにおすすめ出来ると思う。

Hymn Above Traumatic Emotion「OMBRA」

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https://hymnabovetraumaticemotion.jimdo.com/


もしオリジナル同人メタルでネーミングがカッコいいサークル選手権を開催したら最有力候補になりそうなサークルである(?)、HATEことHymn Above Traumatic Emotionの記念すべき1stアルバムでございます。
略称がこれまた語呂が良いのでついついHATEと略してしまうんですがそうするとめっちゃ初見殺し且つ検索しづらいワードになってしまうという罠もあり…。
…まあネーミングの話はとりあえず置いといて。

すでに何度も言っているように、今作はなかなか客観的に評価するのが難しい作品であるのは確かです。しかし他のリスナーのことを考えずに個人的な意見に限定するならこの作品は最高の作品だと断言できますし、「全ての同人メタルの中からベスト10を選ぶとしたらその中に入れたい」ってレベルで素晴らしい内容だと思ってるんですよ。
例によって褒めてるんだか貶してるんだか分かんないような感想をこれから長々と書き綴るつもりなんですが、あくまで「最高の作品である」ことを前提にして書いている肯定的な文章であることを念頭に置いてお読みください。

さて前述の通りHATEにとってこれが初アルバムな訳ですが、このアルバムほどに「満を持して」という定型句が似合う作品は昨今の同人メタル界では他にあまり見当たらないでしょうね。
実はHATEの同人イベントデビューって2013年春で、なんと3年半以上も前なんですよね。姉妹サークルであるLost my Proustよりデビュー早かったのに、ここまでシングルやコンピ提供曲の小出しばっかりでミニアルバムと呼べるものさえ出てなかったので、実力がありながらも寡作なサークルという印象があったのは確かです。
それがここに来てようやくフルアルバム完成に至ったということで、まさに「満を持して」、メンバーの方々にとってもリスナーにとっても非常に感慨深い作品になっているのではないでしょうか。

しかしながら、ようやくフルアルバムに漕ぎ着けたというのに、従来のHATEのイメージを担っていた看板ボーカルのごくじゅんさんが脱退しちゃってるというのは…ファンにとってはどうなんだろうか…。もしその脱退の事実を知らずにこのアルバム聞いたリスナーがいたとしたら大きな違和感を禁じ得ないのではないだろうかという不安があります。
何度も繰り返し言ってしつこいようですが、個人的には新しいボーカルであるHidaka Mikuさん…もといpeloさんの歌は好きなんですよ。peloさんのボーカルじゃなかったらこの作品がここまで愛聴盤になることは無かったと言い切れるくらいには決定的。
でもHATEの音楽が生み出す陰鬱な世界観にごくじゅんさんの悲哀に満ち満ちた歌声は必須って言えるくらいにハマってたのは否定し難い事実だと思うんです。だから、個人的にはこのアルバムめちゃくちゃ好きなんだけど、「HATEの集大成」と評していいのかは非常に迷うところ…。もちろん基本的な方向性は全く変化はないし女性ボーカルが変わっただけなんだけど…その「だけ」が実際のところめちゃくちゃ大きい。
それでも、今作は中途半端にゲストボーカル入れたりしていないのは高評価されるべきポイントだと思うんですよ。普通だったら、看板ボーカルが居なくなっちゃったし今回はせっかくのフルアルバムなんだからゲストボーカル迎えて豪華にやってみるかぁ、みたいな発想に至りがちだと思うんですよ。でもゲストを入れてしまえば、現状ラインナップのHATEとしての音の純度は下がってしまう訳ですからね、それをやらずに3人のメンバーだけで完結させた判断は圧倒的に正しいと思うんです。別にゲスト入れるのが悪い訳ではないんですが、1つの「アーティスト」として捉えた場合のオリジナリティが低下するのは必然ですからね。
そして今回は初期のような男性ボーカル曲も無いから作品の一貫性が非常に強い。peloさんのボーカルがファンから賛否両論になる可能性はあれども、「アーティスト」としてのスタンスには全く曇りのない作品だと思うんです。だから他のリスナーがこれをどう評価するかは知らないけど、個人的な好感度はめちゃくちゃ高い。これは間違いない。

女性ボーカル以外の部分では…ほとんど完璧と言ってしまって構わないくらいに隙のない作品になってると思うんですよ。KUHLEさんの奏でるギターはリフもソロも共に抜群の安定感ありますし、tac-t!sさんの咆哮もいつも通りの迫力あるパフォーマンスですよね。長い期間をかけて作られただけあって各楽曲も非常に練り込まれてる。
とはいえ、そもそもHATEってデビュー時点でめちゃくちゃクオリティ高かったから、実はこの3年半で大きな進化は遂げてないんですよね。ほとんど横ばい。それでもシングルで小分けで聞くのとフルアルバムでまとめて聞くのでは印象が全然違います。先日も書いたように、HATEの音楽性はある程度まとまったボリュームで聞いてこそ本領発揮するタイプだと思いますから。
ほとんど横ばい…と言いましたが、全くこの3年半で変化が無かったという訳でもなく、微調整と言えるような変化はあったんですよね。具体的には2nd「Mors Certa Hora Incerta」ではデスボイスを排除するという試行錯誤もあったりした訳です。ごくじゅんさんは素晴らしいボーカルではあったけどデスボ無くしちゃうのは何か違うんじゃね?という違和感あったんですけど、その後の作品でtac-t!sさんの出番は戻ったから良かったんですけどね。言うまでもなく今作においてもデスボイスは必須の要素であると言えるでしょう。

さて具体的に1曲づつ書いていきたいと思います。
1曲目「嬰児」、イントロ曲なんですがホラーなSE入っててかなり不気味。
2曲目「悪の枝」、これは夏に先行公開されてた曲ですね。新ボーカルであるHidaka Mikuさん…じゃなくてpeloさんのお披露目曲であった訳ですが、夏に初めて聞いたときの印象は微妙と言わざるを得なかったですね。Hidaka Mikuさんは「Nano Reflectia」の艦これイメージソングでも歌ってましたが、あれは企画物だったから「たまにはこういうのもアリだなー」みたいな感覚で楽しめたんですが、しかしHATEに正式加入となると話は別で、正直ちょっと違和感が勝ってしまった感じです。
前任のごくじゅんさんが余りにHATEの音楽性にハマった歌声だったこともあり、それに比べたら見劣りしてしまうのは仕方ないんですが、まあそれ抜きでもぶっちゃけ音程けっこう危ういところあるのも否めないし…。
HATEの音楽性ってV系寄りの耽美な色合いが濃いし、プログレ&メタルコアなLost my Proustとは明らかに異なりますからね。この曲ではHidaka Mikuさんけっこう無理してビブラート効かせた歌唱をしてる感じもあり、本来の声質があんまり活かせてない印象もあります。
しかしながら、こうやってアルバムの流れの中で改めて聞いてみるとやっぱりこの曲も良く出来た楽曲であることが確認できるんですけどね。それでも他の収録曲が優れた曲揃いだからこの曲は比較的地味なポジションかもしれませんが…。
…って、当たり前のようにpeloさん=Hidaka Mikuさんってことで話を進めてますが…まあHidaka Mikuさんですよね、きっと。公式サイトのpeloさんのプロフィール見ると「現在のところ詳細不明」ってなってるんですが…。なんじゃそりゃ。まさか道端で偶然出会った人にボーカル頼んだ訳でもあるまいし。ツッコミどころありすぎー。

3曲目「Alternis Mundi」はBarrage Am Ring提供曲ですね。オリジナルバージョンはごくじゅんさんボーカルでしたが今作のバージョンではもちろんpeloさんボーカルに変わってます。
ってか、ボーカル変わったらここまで曲の印象変わるのか…と驚きましたよ。「え、こんな曲だったっけ??」って。既存曲とは思えないくらい新鮮味ありました。はっきり言ってキャッチーさが3倍くらいに増加してる。というよりもはやジャンルが違う…とまで言ったら言い過ぎかな。いやでも、ごくじゅんさんが歌うと「ダーク耽美系歌謡曲」とでも形容したい感覚なんですが、peloさんだともう「アニソンメタル」なんですよ。オタクメタルなんです。最も顕著にお2人の差が出てるのが1コーラス目のAメロの「もう離さない~」って歌詞の部分ですかね。ごくじゅんさんが歌うと「もう…離さない…」って怨念がこもってそうな(?)感じなんですが、peloさんだと前向きでラブソングっぽく聞こえるっていうか? めっちゃ甘ったるいですよね。
ごくじゅんさんはまるでむせび泣きながら歌ってるかのようで…いや歌っていうより呪詛の言葉を吐き出してるようにさえ聞こえるしまさに「負の感情が滲み出ている」って表現がしっくり来る。対してpeloさんはソフトでキャッチー。素朴な歌声…って表現はAPOLLOのとき公式が使っててアレだったけど、まあ素朴なんですよね。良い意味で飾り気がない。Lost my Proustのプログレッシブでハードコアな音楽性の中ではその歌声が不可欠な役割を果たしているのですがHATEの音楽性との相性は必ずしも良いとは言い切れない感じ。
どっちのボーカルが良いかっていうのはぶっちゃけ個人の嗜好に依ると思うし、従来のHATEのファンなら当然ながら前者が好きなんだろうけど、自分は圧倒的に後者が好きなんですよ。アニソンっぽいほうが好きなんです。実際のところ、このpeloさん歌唱バージョンを聞くまでこの曲そんなに好きじゃなかったんですよ。今回のリメイクバージョン聞いて「この曲こんな良い曲だったのかー」って気付いたくらいで。
なんていうか、本来のHATEのメロディはすごいキャッチーだったんだなぁって気付いたんです。今までHATEってキャッチーさ控え目なイメージだったんだけど実はそうじゃなかったんだなって。前述のようにごくじゅんさんはダークな感情を吐くことに長けたボーカルさんだったから、ダークさにおいては完璧に任を果たしてたけど、楽曲の持つキャッチーさについてはそれを活かし切れてなかったのかなと。いや、そもそも陰鬱なイメージ重視のサークルだと思うしキャッチーさを前面に出す必要はなかったんでしょうけどね。
とにかく、タイプの異なるボーカルであるpeloさんが歌うことによって楽曲の持つ別の側面が浮き上がって新たな魅力を獲得したっていうのは非常に面白いことだと思うんです。
…ほんと褒めてるんだか貶してるんだか分かんない文章ですけどpeloさんバージョンのほうが断然好きなのは事実です。
まあ、もし最初からpeloさんがボーカルだったのなら何の問題も無かったんだろうけど…なんせ中途加入した訳ですからね。途中で交代すれば前任者との比較は避けられない訳で。それが評価を難しくしてるってのはありますよね。

4曲目「弟切草」、KUHLEさんの解説にもある通りブラストビート多用の高速パートが際立った曲ですね。そして何気に曲展開が複雑で、繰り返しの歌メロが少ない。とはいえ基本的に爆走しまくりな楽曲なんでややこしさとは無縁なんですが。後半のデスボとの掛け合いパートが一番の聞き所かな。

5曲目「鷗」、これはなかなか新機軸な曲調ですよね。ミドルテンポ…ってほどではないですがいつもより抑え目なテンポで、そしてリフにチェンバロ絡ませてることで独特な雰囲気を醸し出していて、心なしかプログレメタルっぽい風味もある? 変拍子とか複雑な要素がある訳じゃないんですけどね、でも割とLost my Proust寄りな感触はあると思う。
さらにはサビメロがめちゃくちゃキャッチーで、かつてないほどにアニソン寄りな歌メロになってるのも重要ポイント。これほどにキャッチーな歌メロはさすがにごくじゅんさんでは歌いこなせなかったでしょうね。peloさんだからこそ実現した楽曲なのではないでしょうか。この曲が中盤に配置されてることにより絶妙なアクセントの役割を果たしてると思う。個人的にもめっちゃ気に入ってる曲です。

6曲目「契」はオレウサコンピの提供曲か。唯一のデスボ無しの曲で且つ唯一のスローテンポのボーカル曲。これはちょっと地味な印象かもなぁ。メロディが悪い訳じゃないしギターフレーズも良いと思うんだけど…やっぱりHATEは疾走曲でこそ映えるというか。

7曲目「蒼の真言」、これがアルバム中の最長曲か。って言っても6分未満だけど。
これはキラーチューンって言えるほど即効性ある訳じゃないんだけどスルメ度がかなり高い曲だと思う。聞けば聞くほど味が出る。peloさんも割と無理なく自然体な歌い方してる感あってそれも好感持てます。5曲目とは別の意味でLost my Proustっぽさを感じる曲かもしれない。
出だしとラストに出て来る「明日の僕は誰と戦う?」の一連のパートが特に良いですよねえ。なんか、実はけっこう等身大な歌詞多いですよねKUHLEさんって。この曲とか特に顕著だと思うんですけど。V系由来の厨二系のようでいて実は地に足の着いた歌詞が多いっていう。人に見捨てられる、信頼を裏切られることへの恐れを描写した詞が目立ちますし、その飾り気のなさがpeloさんの歌声と合ってるような気もする。そういや「オディウム城の姫君」なんて「電子の海の中、不快な言葉を使う人達」とかいう何の捻りもないストレートな歌詞もあったりしましたし、やっぱり等身大ですなぁ。個人的にも厨二よりも等身大な歌詞のほうが好きです。

8曲目「TRAUMA XIV」、これは以前ダウンロード形式で頒布された曲ですが、HATEの代表曲と言って良さそうな名曲ですね。これも「Alternis Mundi」同様、peloさんが歌うことによって新たな魅力を発揮していると言えそうです。イントロの「ランラン、ランラン」のコーラスの神秘的なムード、サビ部分の重厚なリフなど聞き所は多いです。間奏のギターソロは短いけどめちゃくちゃドラマチック。サンホラのMärchenみたいな甲高い笑い声ってオリジナルバージョンには無かったよね?

9曲目「Himmel」、このアルバムはこっからの流れが最強すぎる。終わり良ければ全て良しという慣用句ありますが、終盤に強力チューンを固めてクライマックスを盛り上げるというこの美学…。実に素晴らしいですね。終わりがダラっとしてるアルバムってあんまりヘビロテ欲が起きないですもんね。やはりHATEはフルアルバムでこそ真価を発揮するサークルだったんだなぁと思い知らされました。半端ない構成力。
Aメロは突進力のあるメロデスリフで煽りまくり、切なくもキャッチーなメロを聞かせるサビになだれ込む。もちろんpeloさんの歌声も曲調にばっちりハマってる。間奏のメロもめっちゃドラマチックだしテンションが全く途切れないです。この曲でのpeloさんの歌唱ってLost my Proust最新作の「The canticle for replicant of her」に近い感じありますが、やはり高音域のほうが得意な感じありますよね。
そして最大の聞き所と言えるのがラストの「あの時に何か変えられたなら~」のパート。ここのメロが作中で一番クサいメロなんじゃね? たまらんねここのメロ。

高揚感を維持したままクライマックスである10曲目「繭」にバトンタッチ。これも抜群の完成度のメロデスリフで突進して最高にキャッチーでドラマチックなサビに繋がり盛り上がりは最高潮に達します。まさにキラーチューンの貫禄。間奏のメロもいちいちクサクサだし、ほんとこのアルバムの終盤は退屈な時間が全く無いですね。こういうポジティブな高揚感ある曲調はやっぱりごくじゅんさんでは難しかっただろうなぁ。

最後、11曲目のアウトロ曲「腐りゆく愛」はYOSHIKI風味のある美しいピアノで余韻たっぷりに幕を閉じます。このアウトロも含めて終盤は完璧っすね。

そんな訳で、散々ゴチャゴチャと書き散らしましたが結論は「最高の作品」です。特に終盤の出来栄えは絶品。ドラガ全盛期の傑作「ドラゴンヴァリウス」に匹敵する終盤かなと思います。
ボーカルについてはきっと賛否分かれてしまうとは思うのですが、新ボーカルになったことによって新たに実現可能になった音楽性がある訳ですから、この新体制HATEもちゃんと評価されて欲しいなと願うばかりです。

春M3申し込み締切は6日 (ちょこっと追記あり)

https://twitter.com/m3doujin/status/815875245038968836
えっ早くね? いつもこんなもんだっけ? と思って昨年の締切を確認したら8日だった。今回は開催日1週間も遅いのに締切早くなってるのかよ…。
ともかく、参加予定のサークルの方々は忘れずに申し込んで頂きたいものです。万が一、申し込み忘れで参加できないなんて事態に陥ったらやるせないにも程がありますからね…。

特に、超有望なRで始まるあのサークルとかLで始まるあのサークルが申し込んでるかどうかが気がかり。
って、Rで始まるサークルもLで始まるサークルも該当が複数ありますよね…。どこも「強い」サークルばかり。今の同人メタルで有望なサークルってほとんどRかLで始まるという法則。あると思います。カタカナ表記ならラ行ですね。

先日の秋M3は大豊作だったけど次の春も大いに期待できそうですねえ。
というかHATEも春M3参加するみたいだけどもしかしてLost my Proustとのスプリット来るか?という勝手な期待があったり。今のこの2サークルがスプリットやったらめちゃくちゃ統一感ある内容になりそう。
あと、話題にするの忘れてたけどshaky ART'sもアルバムは諦めて別の新作出すっぽいですね。まあアルバムがずっと完成しない理由はなんとなく察しは付いてますけどね…。今のオリジナル同人メタルはハードコア系もどんどん充実してきてるしどこかのサークルとコラボという選択肢もあるかと思いますが。
秋不参加だったGLUE WAVESもそろそろアルバム来て欲しい。毎回言ってるような気がしますが。
ロマソも新作来るかな。そういやギタリストって決まったのかな?
Xiloroもアルバム来そうだしなぁ、やはり豊作の予感が強い。
demiは今年はイベント不参加らしいから…残念だけどもアルバム制作のためですからね。というか冬コミのデモCDの3曲目にボカロ仮歌の曲入ってましたけどめちゃくちゃ良い曲ですよね、ヘビロテしまくってます。ほんと3rdアルバムへの期待が高まる一方ですよ。

これからの更新予定ですが、冬コミ作品以外にも秋M3の注目作品がいっぱい残ってるのでなるべく1月中には記事にしておきたいところですね。具体的にはDIA&すみす、Junsei、Tears Fall Spills、オレウサ、Laralastudio、tokyo babel、この辺りは優先順位高めな感じでございます。どれも強力な作品ばっかりですからねえ。まじ秋豊作すぎる。
リリハルはねえ…「神」だから感想とか要らないんじゃないかな…。いや、ちゃんと書くつもりですけども。

それと、今HATEフルアルバムの記事を書いてたんですけど、案の定というかめっちゃ長くなりそうなのでちょっと後回しにします…。個人的には最高な作品なんですけど客観的な評価が難しいってのが正直なところ…。例によって「誰が読むのこれ?」みたいなダラダラ長文になるの必至かと。



試しに各記事にジャケ画像を撮った写真を入れてみたんですけど…どうですかね。これなら戦利品写真と同等だから特に問題ないと思うんですが。
しかし、いちいち写真撮るのめんどいし、手間かけた分だけ見栄えが良くなってる感じもなく…。うーんやっぱり微妙か。

Junsei「Daybreak」

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https://junsei-vocalist.jimdo.com/

もはや同人メタル界で屈指と言って過言でないほどのパワフルで存在感あるハイトーンボイスを聞かせる実力派ボーカリスト、Junseiさんのソロ名義2作目のシングルです。

今作もJunseiさんの冴え渡るハイトーンボイスとPratanallisヒノデさんのテクニカルなギターのコラボレーションにより安心安定な内容に仕上がってます。
前作は「Roots」というタイトルと共に王道のパワーメタル的な曲調が披露されていて、これがまさしくJunseiさんにとってのルーツなのかなと感じたりしたのですが、今回はちょっと趣向が変わってまして、メタル的な要素も勿論あるけど全体的にラウド系寄りな雰囲気になってますね。同じくJunseiさんがボーカル担当してるサークルで例えるならば、黄昏の旅団よりもCI Project寄りな作風という感じ。
Junseiさんのハイトーンボイスはパワーメタル系のイメージ強いんですけど実はスクリーモ系の楽曲にもばっちりハマるんですよねえ。もちろんJPOP的なキャッチーな歌い方も出来るし、対応できるジャンルの幅が非常に広いのは強みでしょうね。

1曲目「Daybreak」は出だしのソリッドなリフはHR/HM的なんですけど歌が始まるとラウド系っぽい雰囲気に移行します。このハイブリッド感が良いですね。やっぱりヒノデさんのギターは根っからのメタル系でハードコア風味はあんま無い感じありますがそれが良さに繋がってるというか。メタルコアじゃなくて「スクリーモの雰囲気のあるHR/HM」って感じなんですよ。微妙なニュアンスですけど重要。間奏のギターもめちゃくちゃテクニカルですし。
今作については公式がやたら「失踪」って連呼してたけど実は疾走してるのはリフだけで…全体的には中程度のテンポな曲調ですね。というか、もしかして「疾走」の誤字ネタじゃなくてまじで「失踪」に込められた特別な意味があるのかも…? いやいや。
まあ、ツービート疾走はしてないけどドライブ感は満点だから物足りなさは全く無いんですけどね。クサメタラー向けに特化された曲ではないけどロック系が好きなリスナー全般におすすめ出来る間口の広い曲になってる気がします。

2曲目「Fanatical Pacifist」、これは打って変わってかなりヘヴィさが際立つ作風で、前作の「Kandata」よりも更にヘヴィさが増してる。しかしただ重いだけではなく、この曲の注目点はやはりハイトーンボイスを駆使したドラマチックなサビにこそありますね。
Junseiさんはハイトーンボイスが武器のボーカリストではあるんだけど、でも意外に甲高い高音域を出すことは稀で、黄昏の旅団の1st以降は意図的に高音域メロを封印してた感じあったと思うんですよ。それがこの曲では突き抜けるような超ハイトーンの歌メロを久々に披露してるんですよね。まあ、黄昏の1stでは高音域に少し危ういところもあった訳で、きっとそれで封印しちゃったんだと思うんですけど、今は余裕で高音域もこなせるほどにJunseiさんの歌声も進化を遂げたっていうことなんでしょうね。今後はハイトーン駆使の曲が増えるに違いない。
もちろんこの曲でもヒノデさんのギターワークは万全。Pratanallisとは趣きを異にするヘヴィな演奏でJunseiさんのボーカルをサポートしています。

ジャケは今回もめちゃくちゃカッコいい。絵師のc.c.Rさんのイラストはこれ以上にないほどにJunseiさんのイメージにハマってると思う。

Junseiさんのハイトーンボイスは更に強化されてるし、ヒノデさんとのコンビネーションも更に板に付いてきたし、これは今後出るであろうアルバムがますます楽しみになりますよ。
もちろん黄昏の旅団のほうのアルバムもずっと待ってるんですけどね。けっこうご無沙汰なCI Projectもそろそろ何か来て欲しいところです。
そして何度も言ってるようですが「中二病なお兄さん」ことPaspalさんとのコラボアルバムも聞きたい…。

あけおめ&冬コミお疲れ様でした

今年も引き続きよろしくお願いします。
昨年は「更新継続できなくなるかも」と繰り返し言っておきながらも何やかんやでコンスタントな更新を維持できていたのですが、今年も同じとは言い切れないので…。やはり相変わらず不安定な状況だったりするのですが、可能な限りは続けていきたいと思ってますのでお願いします。これ言うのも何度目かって感じですけどね。

さて昨日の冬コミ、自分は夏コミと秋M3は不参加だったので半年以上ぶりの同人イベントだったのですが、さほど久しぶりという感覚も無く…。まあ夏コミも秋M3も目当ての物は代理でゲットしてもらってましたしね。

そういや今回ICDDの新譜ってあったんですね…3曲シングルですけど。制作中のアルバムからのシングルカットかな?と思いきやリブユウキさんのツイート見たらどうやらアルバムとは別個の作品らしい。
あんきも新譜はゆらまりさんのサークルで委託頒布してましたね。Fukiさまも売り子してた。かにあしは3日目の委託は無かったっぽいし諦めた。
まあICDDやあんきもほどの有名サークルならば買い逃しても全く痛くないんですが、ショップ委託のないCD-R頒布のサークルで見落としてるとこありそうな予感…。サークルチェックあんまりしてなかったし…。

サタアラ新作にはやはり例のコンピ曲は収録されておらず。インストと「Hemophobia」のリメイクだけ。
しかしCDに封入された紙に朗報が書かれてましたねえ。なんと、過去作のリレコーディングのみならず、完全新作アルバム「the edge」がリリース予定と明記されてるんですよ。時期は未定とはいえここまで具体的な計画がいんきょうさんの中に存在してるのが判明したのは喜ばしいことでした。てっきり、今後サタアラ名義での作品発表は無いんじゃないかという漠然とした危惧があったものですから。いや、明確な根拠はないんですけどなんとなくそういう空気感みたいのがあったというか…? まあそれは自分の勝手な決め付けに過ぎなかったようです。
そのアルバムの完成が一体いつになるのか…もしかしたら2年以上後かもしれませんが…気長に待ちましょう。計画があるというだけでも安心しましたから。

で、今回の本命であるHATEフルアルバムとGrey Lethalのアルバムも速攻で聞いたんですが…2作とも期待通りの素晴らしい内容でございました。両方とも事前にクロスフェードめっちゃヘビロテしてサビメロ覚えちゃってるくらいだったんですが試聴に入ってない部分にも聞き所がたくさんあって実に聞き応えある内容でした。
HATEのほうは歌メロ、ギターのメロ共に聞き所が盛り沢山。けっこう複雑な展開の曲もあったりで、プログレ的とまではいかないけど「Lost my Proustかな?」って感じる部分も少なからずあったりしましたね。一方のLost my Proustの夏の新作のほうでもラストの異色曲はある意味でHATEのスタイルに接近していたと言えなくもない訳で、偶然かもしれないけど両サークルの音楽性の距離は縮まった感はあります。もちろんそれが両サークルにプラスに働いてると思う。
Hidaka Mikuさん…もといpeloさんのボーカルはやはり従来のファンからは賛否両論になるかもしれない。個人的にはもちろん好きなんですけどね。
しかしながら中途半端にゲストを入れたりせずメンバー3人だけで完結させてるのは好感持てるポイントだと思うんですよ。初期のHATEは男性ボーカルの曲もあったりしましたがそれも無くなったので統一感がより強化されてますよね。

Grey Lethalのほうは1stアルバムのアグレッシブな方向性と夏のシングルのキャッチーさを合わせ持ってる感じでやはり明らかな進化を感じる。オタクに媚びすぎず…かと言って突き放しすぎずという感じのバランス感覚があると思います。

詳しい感想は例によって後日に。2サークルともフルアルバムだからもうちょっと聞き込む時間が欲しいし新年一発目は秋M3でまだ書いてないサークルにするかも? 秋M3作品はまだ注目作もいっぱい残ってますしね…。


今年の同人メタルシーンはどうなるんでしょうねえ。昨年はREJECTIONという超絶有望なサークルも出現しましたし、これからも強い新規サークルがきっと出て来るでしょうから、今後もますます同人メタルは盛り上がっていくだろうと確信してますけどね。
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同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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