M3から1ヶ月

今回はすでに半分以上は開封してると思うんで自分にしてはペース早めな方かもしれません。まあ買った枚数自体がいつもより少なめだったってこともあるんですけどね。
でも先日の記事にも書いた通り、ともろうさんの新作を筆頭にして今回のM3作品の充実度は高いと思いますよ。ともろうさん新作はうちのラスエフでは同人音楽で再生数トップになってるくらいですから当然ながら年間ベスト確定済み。最高に素晴らしい作品なんでM3来れなかったリスナーさんにも早く聞いて頂きたいんですが…web公開がだいぶ遅れてますね。修正に時間かけてるのかな。

http://lostmyproust.jimdo.com/
Lost my Proustのニンテンドーコアの新曲も…告知されてからずいぶん時間経ってますよね…。M3の前後でリリースされると予想してたのになぁ…。もしかするとLost my Proustの新曲はすでに完成してるのに他のバンドの新曲が遅れてるということもあり得る?
というか夏コミの当落発表って6月10日らしいじゃないですか。あと2週間か…まじ緊張しますな…。



https://www.youtube.com/watch?v=G9jk0kicFMI
そして、ついにリリースとなった現代プログレ最強のスーパーバンド(主観)であるFrost*新譜「Falling Satellites」も聞いたんですけどね…。
第一印象ではちょっとエレクトロニカに寄りすぎてないか?とか1stに比べたらメロディが薄味かな?なんて思ったりしたんですが、でも聞き慣らしていけば今回の新作も非常に素晴らしい内容であることが実感できますよ。
まあ1stはさすがに超絶名作すぎますからね…あれと直接的に比べちゃうとやっぱり新作の固有の魅力が見えづらくなっちゃいますかね。「Milliontown」直系の楽曲は先行公開されてた「Heartstrings」くらいでしょうか。他の曲は1stの方向性を継承しつつも新たな要素が加わってる感じです。ちなみに2ndのUKロック路線の名残りはほとんど見られないですね。全編シンセがキラキラしまくりです。やっぱりこのキラキラシンセが無いとFrost*って感じがしないですよねえ。2ndもメロディは秀逸だから別に駄作なんてことは全くないんですが。

今作がエレクトロニカ要素を大幅に導入した内容であること。これは某プログレ系情報サイトのネタバレ?ですでに分かってはいたんですけど、いざ聞いてみると「これプログレなのか…?」って戸惑うレベルでEDM寄りな曲とかあったりしますからね。でも1stの「Black Light Machine」も超ダンサブルなエレクトロニカなパートあった訳だし別にさほど意外でもないんですけどね。「Towerblock」のカオティックなEDMパートも何度も聞いてるとDjentに通ずるようなグルーヴを感じるようになってきますし。このノリとかDjent系の同人メタルでも応用可能なんじゃないかと思ったりしますね。(Lost my Proust新作がこういう系のノリなんじゃないかという予感も少しだけあったり)

あと、(ボーナストラック2曲を除いた)「Heartstrings」以降の6曲は「Sunlight」という組曲扱いになってるようで、これが1stラストの長尺曲にして現代プログレ最強の楽曲(主観)「Milliontown」と対応した内容になっていると思うのですが、まあMilliontownのような高揚感あふれる陽性のメロは控え目で、今回は落ち着いたシリアスなメロが多いと思うんですが、その代わりプログレメタル的なテクニカルなアンサンブルは今回のほうが増量してるかもしれないですね。ドリームシアター好きなリスナー、それとAnimals as Leadersのようなフュージョン寄りDjentが好きな人なら1stよりも気に入る作風なのかもしれない?
ドリームシアターと言えば、4曲目「Signs」の前半は穏やかなバラード曲っぽい感じで途中からヘヴィなリフ入る構成が「Peruvian Skies」に似てるなとか思ったりしました。あと後半に入るストリングスシンセのフレーズが「Scarred」に似てるかも?
それと「Lights Out」や「Closer to the Sun」のオサレR&Bみたいなノリ、最初はメタラーとは縁遠い音だなぁと感じたりしましたが何度も聞いてるとこれが心地良くなってくるんですよね。特に「Lights Out」の女性ボーカルとの絡みは絶品。

EDM要素を大胆に導入した最先端プログレ(?)ということでプログレリスナーはもちろんのこと一般メタラーも聞いて損はない素晴らしい作品だと思います。まあFrost*初めて聞くのならやっぱり1stのMilliontownのほうがおすすめですけどね。


http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A025435.html
Fukiさんソロアルバムの収録曲の試聴も公開になってましたね(スマホだと聞けないですが)。もしかするとソロメジャーデビューでポップス寄りになってしまう可能性も少しだけ危惧してましたが…メタラーの期待に応えるかのような疾走感あるメタル寄りナンバーがメインになってるようで一安心しました。まあ、Maoさんを筆頭にして参加メンバーが完全にメタル寄りなメンツでしたからね…心配する必要なかったんですが。こりゃほとんど実質的にLIGHT BRINGER新譜ですよね。特にラスト曲がLIGHT BRINGERのキラーチューンそのものって感じで高まりますなぁ。プログレ要素あるのかどうかはまだ不明ですがMaoさん主導ならあるかもしれない?
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GLUE WAVES「backtrace」

http://gluewaves.jimdo.com/

ハイトーン&パワフルな歌声で歌唱力も申し分ない実力派の女性ボーカルとアニソン系リスナーの好みにドストライクしそうな超キャッチーな歌メロ、そして疾走感あふれるサウンドと細部まで作り込まれた緻密なアレンジ。もちろん音作りも巧みでB級感は無し。

…これだけ要素が揃っているにも関わらずいまいち知名度が伸び悩んでるのが不思議でならないこのGLUE WAVESなんですけども、まあこのサークルが本領発揮したのは2作目のシングル「DECRYPTION」で、それ以降まだアルバムは1枚も出てなかったですからね、アルバムさえ出れば今度こそ相応の人気が出るはず。
…と思って今回の春M3における1年ぶりとなる新作を期待していたのですが…今回の新作も結局3曲入りのマキシシングルでした。ぶっちゃけ肩透かし感が無かったと言うと嘘になりますけども…。
でもまあ曲数が多けりゃ良いってものでもないですからね。シングルであってもいつも通り充実な内容になってます。ボーカルもお馴染みのメンツ(本木咲黒さん、Misaさん、なつみ子さん)で安心感ありますしね。

1曲目「deallocattor」、もはや定番となっている本木咲黒さんボーカルのパワフルなロックナンバー。今回も期待に応える素晴らしい出来栄えです。楽曲をグイグイ引っ張っていくようなドライブ感あふれるリフが特に印象的ですが、このリフはメタリックというよりかはロック寄り歌謡曲やアニソンで出て来そうなノリなんでメタラー以外でも親しみやすいのではないでしょうか。シンセの使い方も相変わらず巧みで楽曲全体の整合性は非常に高いです。もちろん歌メロも安定感ありまくり。このサークルのイメージ、LIGHT BRINGERに近いメタル寄りな印象を主に担ってるのはやっぱりこのパワフルな本木咲黒さん担当曲だと思うんですが、本当に高い実力を持ったボーカリストさんだと思いますよ。もし次のアルバム出すとしたら3曲くらいボーカル担当して欲しいなぁ…。いつも1曲だけだと物足りない感じが正直ありますからね。このノリをメインに据えてアルバム作ればメタラーの心を鷲づかみ出来るはずだと思うんだけど…。

2曲目「unhandled exception」、これがちょっと変わり種な楽曲で、試聴の段階でボーカルパートだけ聞いた時にはジャズ歌謡っぽいノリかなと思ってたんですが、フルで聞いてみるとかなり印象が変わりますね。イントロとかいきなり北欧メタルみたいなクラシカルなフレーズが飛び出して度肝抜かれますからね。ジャズ歌謡とクラシカルな様式のメタルを組み合わせたみたいな異色な曲です。ボーカル担当のMisaさんの歌声がやっぱりメタルよりかはポップス寄りなんで全体的にはメタル感がさほど強い訳でもないんですが。

3曲目「exist in isolation」、これはメタル要素のない爽やかなアップテンポのポップス曲ですね。メタル的な方向性を打ち出す前の1stミニアルバムのノリに近いかな。キラキラしたシンセの音色が良いですね。高揚感あるサビメロも秀逸。
やっぱりこういう曲を聞くとGLUE WAVESの本質はメタルではなくポップス系なんだと改めて思えますね。1曲目についてもポップス系を下地にしてメタル風に仕上げてるって感じですからね。まあそれも含めてこのサークルの魅力だと思うんですが。

ジャケ絵は、高層ビル立ち並ぶ風景を見下ろす女の子のシルエット…ってコンセプト自体は前作と同じなんですが、高層ビルがSF風になってますね。相変わらずスタイリッシュで素敵な見栄えなデザインだと思います。オタクイベント的には美少女ジャケに劣るのかもしれないけど個人的には好きですね。

次回作が秋になるのか来年の春になるのかは定かではないですが…次こそはアルバム(ミニアルバム)来て欲しいなぁ。これだけポテンシャルの高いサークルが話題にならずに埋もれてるって状況はどうにも解しがたいですからね。

Xiloro「Two Of Earth」

http://chloro2236.blog.fc2.com/blog-entry-164.html

新規サークルです。とはいえ厳密には完全な新規ではなく、既存の同人ノベルゲームサークルのメンバーが新規に立ち上げた音楽専門の別名義サークルらしいんですが。
サークル名は「シロロ」って読むみたいですね。シンプルな読みでありながら見た目のインパクトもあって良いネーミングですな。

このノベルゲームサークル、4枚組3000円という超ボリュームのサントラCDもリリースしてたみたいで、音楽にも相当に力を入れているゲームサークルであることがそこからも伺えますけども、この音楽サークルのほうでも気合は入りまくりですね。なんと初作品なのにいきなり13曲入りのフルアルバムですからね。
お値段も相応で1500円、はっきり言って実力が未知数の新規サークルとしてはちょっと購入を迷ってしまうラインの価格なんですけども、結論から言うとこの作品は買って大正解でしたね。めっちゃ内容が濃い作品ですよ。まさに今回のM3のダークホース枠と呼ぶに相応しい。

13曲中インストは1曲だけ、残り12曲は全てボーカル曲になってます。驚くべきは、これだけの曲数があるのに「要らない」曲が1曲も無いことなんですよね。普通、10曲以上入ったアルバムだと曲展開やメロディのパターンがかぶった曲が2~3曲くらい出て来てしまうのが常なんですけど、このアルバムの場合は全ての収録曲にしっかりと個性が備わっていてどの曲にも必然性を感じられるのが凄い。これはよっぽど音楽的なアイディアが豊富じゃないと出来ない技だと思う。そして楽曲のパターンが豊富でありながらも全体的に散漫になったりせず統一感もしっかりあるので完璧ですな。

ジャンル的にはオルタナ系ってことになるんですかね。ギターの音色が明らかにそっち系ですから。ただ、音色はオルタナ系であってもギターリフにHR/HM由来のフレーズが多用されてたりしてなかなか独自性のある音になってると思います。けっこう転調もあったり実験的なフレーズも飛び出したりしてプログレ系のテイストもありますね。
ボーカルは女性ボーカルでアニソン系のキャッチーな歌メロが主体になってるので同人音楽的な需要にもばっちり応えてますし非メタラーも安心(?)

1曲目「Neverlasting」、開幕からずっしりとしたビートが刻まれそこにヘヴィなギターリフが乗ってメタル感もばっちり感じられます。ボーカルはそれとは対称的に明るくカラッとした歌声。全体的な雰囲気はオルタナ由来の気怠さみたいのを感じるんですがギターソロも完備されてるしやはりハイブリット感ありますね。この時点ですでにこのサークルの独自性を確認できます。

2曲目、表題曲「Two Of Earth」、さすがアルバムタイトルを冠した曲だけあって非常に印象的な歌メロを備えてますね。弾むようなポップさを放ちつつも、ギターはあくまで重くてリフもギターソロも典型的なHR/HM的なノリだしやっぱり独特ですなぁ。良リフが多いこのアルバムにおいてもこの曲のリフは特に良いですね。
3曲目「Minty Infinity」はアップテンポな曲。というかこのアルバム唯一のアップテンポ曲かな? 基本的にずっしりヘヴィな方向性なんですよねこのサークル。メロコア風味のアニソン…と思わせといてやっぱりリフはメタルっぽいな。元気いっぱいな歌メロも良いですね。

4曲目「おぎののせい」、これは前曲とは打って変わって偏屈な響きを持つギターリフが特色になってますね。曲構成も意外に複雑だし、このサークルのひねくれた音楽性が顕著に現れた曲と言えるでしょうか。
5曲目「Roll Out Push」、テンポはさほどではないけど勢いのあるリフと明るい歌メロも相まってBPM以上のドライブ感を感じるかも。
6曲目はインストの小曲。

7曲目「Wombat」、作中でも屈指のキャッチーで明るい歌メロなんですけど、サビ後に唐突にダウナーなフレーズに移行したり、ラストはさらに暗くて不気味なフレーズが登場したりでかなり意表を付いて来る曲ですね。まあそういった偏屈な要素を抜きにしても単純に歌メロが優れてるので良曲なんですけどね。
8曲目「Lake」はオルタナ寄りの気怠さが目立ってる曲ですかね。Bメロで入るリフが特に耳に残る。

9曲目「星の国」は曲名通りに星の輝く夜空を思わせるようなロマンチック感ある歌メロが良い。普通ならキラキラしたシンセを使いそうな曲調なんだけどこのサークルはシンセ使わないスタンスみたいだから相変わらず重いギターがバッキングなんですがそれがまた良い味を出してますね。
10曲目「Stem」、さすがに曲数が多いからこの辺りまで来るとダレてくる…かと思いきやこれも地味ながらしっかり良メロを聞かせる曲になってますよ。リフも良いですしね。

11曲目「Hyperbola」、これも作中屈指の良メロ曲ですね。終盤のハイライト曲かな。透明感あるギターの音色も良い。
12曲目「時計」、これもオルタナっぽい曲調と思わせといてサビ後にHR/HMなリフが登場したりで一筋縄ではいかない曲展開になってますね。ラストに出て来るリフがこれまたカッコ良いんですよね。
13曲目「Rewind」、アルバムの締めに相応しい美しいメロディの曲ですね。最後サビのキー上がるところ最高です。「終わり良ければ全て良し」という文言は音楽アルバムにも当てはまるというか、最後の曲でしっかり盛り上がることは作品の印象において重要ですよね。まあこのアルバムは最後だけでなく全部が良いんですけども。

初作品ってこともあってか、ボーカルに少しばかり音程不安定なところが散見されたり演奏についてもガチなHR/HMに比べればテクニックで劣る部分もあるかもしれないですが、でもそれらが些細な事と思えるくらいには楽曲の出来栄えとアレンジセンスが卓越してます。めちゃくちゃ聞き応えある作品ですよ。是非とも多くの人に聞いて頂きたい作品です。
これほどの高い完成度とアイディアの詰まった作品をいきなりぶつけて来た訳ですから、もし2ndアルバム出すとしてもかなり先のことになりそうな気がしますが、でも期待したいですね。

Pratanallis「Grim Garden」

http://www.pratanallis.com/

今、同人ゴシックで最も注目すべきサークルがこのPratanallisだと思う訳です。
イベント前にも散々同じこと書いた気がしますが。

まあ便宜的に同人ゴシックにカテゴライズしていますが、このサークルはV系からの影響が色濃い他のゴシック系サークルとは明らかに毛色が異なり、いわゆるクサメタル系の様式を大幅に取り入れてるので同人メタルとしての文脈で語ったほうがしっくり来るかもしれないんですけどね。雰囲気的にはやっぱりゴシック系に属する感じなんですけども、ゴシック系リスナーよりかはメタラーに対して強くアピールするタイプの音楽性だと言えるでしょう。

昨年秋のM3で発表された1stミニアルバム「Mystic Night」は、無名の新規サークルがいきなり初作品でめらみぽっぷさんや片霧烈火さん等の有名ボーカリストを起用していたことで話題性を獲得していた作品だと思うのですが、しかしそんな話題性よりもこのサークル固有の音楽性が新規サークルとは思えぬハイレベルなものであった事に大きな衝撃を受けましたね。
普通なら無名サークルが有名ボーカリスト起用したりすればボーカリストの存在感に押されて肝心のサークルの印象が希薄になってしまいかねないと思うんですが、このサークルの場合は逆で、むしろ有名ボーカリストの方々の存在感を上回るほどのインパクトある音を披露していましたからね。全くもって驚異的な新規サークルでありました。

そして今回の新作、無料配布で「Grim Garden」という新曲が1曲だけ収録のシングルなのですが、1曲だけであっても存在感は十分。前作で高まった期待を全く裏切らない素晴らしい曲に仕上がっていますね。ボーカルは1stにも参加していたeupeさんが担当しています。
イントロの出だしの時点から壮麗でクサクサなストリングスのフレーズが炸裂して、そこに趣きたっぷりのスパニッシュギターが絡み、とどめはeupeさんのコーラス。そこからはメタリックなリードギターが入って疾走開始、まさにクサメタラー歓喜なパターンですよね。このイントロの40秒間だけでも最高の出来ですな。
当然ながら歌メロも素敵。eupeさんの透明感ある歌声もぴったり合ってますね。でも歌メロの隙間にクサクサなシンセやギターのフレーズががっつりと入り込んでくるから全体的に演奏パートの印象が勝っているというのは1stミニアルバムと同様ですかね。
間奏はやはり長めで、これでもかっていうほどにドラマチックな展開とクサメロがぎっしりと詰め込まれていて大いに満腹感あります。一般的な同人ゴシック曲に比べても情報量は格段に多い楽曲でしょうね。情報量多すぎてぼんやり聞いてると曲構成が把握しづらいくらいですからね。
クラシカルな様式美とテクニカルな演奏、そしてクサクサなメロディ、Pratanallisの魅力が余すところなく披露されたキラーチューンですね。これは来るべき次回作への期待が否応なく高まる内容ですよ。

改めてこのサークルのポテンシャルは非常に高いと言わざるを得ないですね。もうちょっとサウンドプロダクションさえ良くなればもはや非の打ち所のない存在になり得るんじゃないでしょうか。
あと、このサークルの中心人物であるギタリストのヒノデさんは先日紹介した黄昏の旅団のボーカリストJunseiさんのソロ作品にも参加していましたが、そこでもテクニカルなギターワークと卓越したアレンジセンスを披露していましたね。このサークルは単体での活動だけでなく他サークルとのコラボにおいても今後この界隈において重要な役割を担っていくような予感がしますよねえ。ほんとガチで注目すべきサークルですよ。

SilencePhobia「Residue of Memories」

http://silencephobia.com/

現状でオリジナル同人メタルシーンには優れた音楽性や尖ったセンスを持つサークルが多く存在することは言うまでもない事なのですけども、その中でも特にこの界隈の行く末を占う上で重要な鍵を握るサークルの1つがこのSilencePhobiaなんじゃないかと思ったりする訳です。

このサークルのM3初参加は1年前でしたが、その時に頒布された1stシングル「The discarded sensibility」が初作品にしていきなりハイクオリティなサウンドを披露していたことには衝撃を受けましたね。ご存知のように同人音楽においてはこの手のメタルコア系サウンドって主流が完全に東方アレンジのほうにあるイメージですから、オリジナルでもついにこれだけのクオリティの新規サークルが出て来たのか!というある意味で同人メタルの新たな流れが起こりつつあることを予感させる作品でした。

そしてその半年後の2015秋M3、残念ながらその時には完全新作は発表されなかったのですが、このサークルのメンバーが以前にコンピレーション作品に提供した楽曲が無料配布されまして、その曲がこれまた強力なインパクトのある代物だったんですよね。可愛らしい女性ボーカルが歌う電波ソング的なノリのパワーメタル曲で、SilencePhobia本来の音楽性とはまるで別物なんですがこれはこれで素晴らしい曲でした。このサークルが潜在的に持つ音楽的センスの幅広さが顕著に現れた曲だったと言えるでしょう。

そして今作。秋の無料配布が「番外編」的な曲だったので完全新作としては1年ぶり。
この1年の間に作り貯めた曲があるだろうから5曲くらい入ったミニアルバムになるかな?とか漠然と想像してたんですが…実際のところ1stよりも曲数の少ない2曲入りシングルとなっているのでボリューム的にちょっと物足りないのは否めないですかね。
それと試聴の段階では1stにあったDjent的な要素が削減されてるような印象もあったんで、必ずしも事前の期待度が高かった訳ではないんですが、しかし蓋を開けてみれば今回もやはり凄い内容でしたよ。このサークルのポテンシャルの高さを改めて思い知らされる内容だと言わざるを得ないです。個人的な再生回数も前作よりも今作のほうが上回ってますしヘビロテを誘発する中毒性も強力ですね。そして収録曲は2曲しかないとはいえ各曲のキラー度は高いので満足感は十分に高いです。
一聴しただけだとテクニカル要素が減退したように聞こえたりもするんですが、よくよく聞けばテクニカルなフレーズは楽曲に自然に溶け込んでいるのでむしろ洗練された結果というべきでしょうか。

1曲目「Obsession」、疾走感抜群なメタルコア曲。というか現状でSilencePhobiaの楽曲って疾走曲しかないんですよね。中途半端なテンポの曲など無し。潔すぎる。きっとフルアルバム作っても全曲疾走してるに違いない。
しかし、単に脳筋な発想で疾走オンリーな訳じゃないんですよねこのサークルは。緩急の付け方が絶妙だし、随所にテクニカルなフレーズが仕込まれてるから単調さとも無縁。この曲も典型的なメタルコアかと思いきや、シンコペーションを活かしたリフがハイセンスなノリを生み出してますね。ちょっとV系風味なスタイリッシュ感もあるかもしれない。ハイクオリティな演奏に比べるとボーカルはちょっと埋もれ気味な印象もあるんだけど、でもこういう感じの歌声は嫌いじゃないです。まあボーカルはゲスト扱いみたいだし自己主張が強すぎないくらいで丁度いい気もしますね。歌メロ自体はキャッチーで最高の出来だと思います。
あとギターソロがめっちゃドラマチックなメロを奏でててクサクサな感じなのが良いですよね。もっとギターソロ多めに聞きたいですよ。

2曲目「Relief from despair」、これはクリーンパート無くてひたすらメロデス系リフで押しまくる曲。というかこれはメロデス寄りメタルコアってよりかは完全にメロデスに聞こえますね。ハードコアなテイストがほとんど感じられないし。
3分ちょいの尺しかないのに曲構成は意外に複雑。とはいえリズム的にはずっと疾走しっぱなしなんですが、リフの種類が多いんですよね。ほとんど同じリフ繰り返してないんじゃないかってくらいに次々に新しいリフが登場する。それでいながら耳に残るメロディアスなリフが多いのだからかなり贅沢な曲だと思いますよ。1分半あたりに登場するピロピロなフレーズが特に印象に残りますよね。ここはテクデス感あると思う。いかにもサビっぽいリフが2種類出て来るからある意味でダブルサビ曲?

ジャケ絵は前作と同様にいかにもメタルって感じのクリーチャーが描かれた硬派なデザイン。メンバーの1人のなじろうさんがイラストも担当してるみたいですが、イラスト上手いメンバーがいるサークルって強みあると思いますね。やっぱりビジュアル的なイメージは重要ですからね。
というか、のなじろうさんが最近サウンドクラウドに上げたカバー曲、Animals as LeadersとかProtest The Heroとかテクデスバンドとか…分かりやすい傾向ありますよね。1484さんもドリームシアターのカバーをいくつも上げてるし…やっぱりそっち系の傾向が明らかにあるサークルなんだなと。

演奏クオリティもサウンドクオリティもアレンジセンスも全て高いレベルで備えてるサークルだと思うし、あと足りないのは固定のボーカルくらい?
人気獲得できるポテンシャルを十分に持ってるサークルだと思うんでやっぱりアルバム作って欲しいですよね。シングルばっかりだとなかなか注目を浴びるの難しそうですしね。

SLASH MENTAL「SLASH MENTAL」

https://twitter.com/slash_mental

新規サークルです。先日の春M3のメタル系新規サークル枠ではここが一番の注目株だったと言えそうですね。きっとほとんどの同人メタラー諸氏はチェックしていたことでしょう。

しかしながら、このサークル(バンド)の「スラッシュメンタル」とかいうネーミング、見るからにネタ系だし、1stミニアルバムのジャケがこれまたネタっぽい雰囲気(このバンドのオリジナルTシャツを着た女性をエロっぽい構図で写しているという代物で…完璧にいかがわしいDVDみたいな外見)なので、もしかしたらそのイメージで判断して買い控えたメタラー諸氏も居たかもしれませんね。

でもそんなネーミングやジャケのイメージとは裏腹に、実際の内容はネタ要素など皆無の至ってシリアスな方向性で、しかも新規サークルとは思えないほどのハイクオリティなサウンドを披露していてかなりのインパクトありますよ。
やっぱりネーミングとジャケのデザインで損をしてそうな気がするなぁ…。とはいえネタっぽいジャケなのはこの1stミニアルバムだけで、春M3合わせの新作だった2曲入りシングルのほうはいかにもメタルらしい禍々しい硬派なデザインのジャケになってたんでそっちを買ったっていうメタラーが多いのかもしれない?

具体的な音楽性はというと、名前通りスラッシュメタル…なのかと思いきやそうではなく、メタルコアやエクストリームメタル系のいわゆるモダンなサウンドをベースにして女性ボーカルによるキャッチーな歌メロをフィーチャーしたタイプで、現状の同人メタルシーンでは典型的と言えそうな類のサウンドですね。
ただ、全曲で女性ボーカルが歌っている訳ではなく、収録曲の半数はクリーンパートが無くてほぼデスボイスオンリーな楽曲になっていることは意外性あるかもしれない。単に需要に沿ってるだけでなく攻めのスタンスも感じますね。

クオリティに関しては前述の通り、演奏もサウンドプロダクションも共々に新規サークルらしからぬハイレベルな内容なんですが、まあこのサークル自体はこれが初のCDなのかもしれないけど各メンバーは他のサークルなりバンドなりで経験を積んでるんだろうからガチな初音源ってことはないでしょうけど、でもオリジナル同人メタルにおいて無名サークルがこれだけのクオリティの音源をいきなり出してくるのはやっぱり特筆に値すると思います。ちょっと前ならばこのレベルのサークルは確実に東方アレンジやってたでしょうからね。同人メタルの流れが変わりつつあることを象徴するサークルがまた1つ増えたと言えるかも。
あと付け加えるならこのサークル、まだ1stミニアルバム出したばっかりという時点ですでにオリジナルTシャツを制作して販売してたことにも意外性ありましたね。ガチで売りに来ている、「上を目指してる」タイプのサークルなんだなというのが伺えるかと。

各収録曲についてですが、1曲目「I LOVE METAL」、疾走メタルコアサウンドにEDMなシンセの音が乗り、デスボイスとキャッチーな女性ボーカルの歌メロが交互に登場するという典型的な同人メタル曲ですね。もちろん演奏とサウンドのクオリティは新規サークルとは思えない安定感。「オーオーオー」っていうシンガロングパートがあるのは明らかにライブ前提で作ってる感じしますね。ちなみにこれ東方メタルサークルAdust Rainのメンバーの人が作った曲みたいですな。なんとなく歌メロが東方っぽいのもそのせいか。すでにそのメンバーさんは脱退してしまってるようですが…。
2曲目「Brainwashing」、これはキャッチーな1曲目とは打って変わってひたすらアグレッシブでファストなエクストリームメタル路線。クリーンパートはないんですがサビ部分で男性ボーカルのバックコーラスあるんでそれなりにキャッチーさもありますかね。

3曲目「BUSTER」、これまた打って変わって今度は女性ボーカルをメインに据えためちゃくちゃメロディアスな疾走シンフォニックメタル。同人クサメタルお馴染みのパターンと言えそうなクラシカルな超クサクサフレーズが連発。この手の展開が好きな人にはたまんない1曲でしょうなぁ。サビメロで三拍子系のリズムになって変化を加えているところも良いですな。ただ、尺が3分弱しかなくて割とあっさり終わってしまうのが残念。もっと展開を盛り込めそうな曲なのになぁ。

4曲目「Rey de lo diablo」、これが今作のハイライト曲でしょうね。メタルコアのアグレッションとクラシカルなクサさ、そしてキャッチーさが見事に融合したキラーチューン。デスボイスとオペラティックな女性ボーカルの絡みが絶品。この女性ボーカルさんはやっぱり逸材だと思います、一般メタラーにもアニソン系メタラーにも両方から受け入れられそうなタイプの歌声と言えそう。この3曲目と4曲目の流れは同人メタラーならば必聴ですね。

5曲目「No Reason To Speak Of」、これは再びクリーンパートの無いメタルコア曲。ただ、メタルコア的なリフが中心に据えられてはいるんですが意外に疾走展開は抑え目だったりします。そして最も印象的なのはポストロック的な静かで叙情的なパートで、このポストロック要素のおかげで全体的に不思議と聞き心地の良い曲に仕上がってる気がしますね。
6曲目「Sodom (demo)」はボーナストラック扱いですが、demoって付いてる割には十分に完成度高い曲ですよね。

そんな感じで改めて初音源とは思えないハイレベルな内容であります。オリジナル同人メタルもこれくらいハイクオリティなサークルもっと増えてくれれば願ったり叶ったりなんですけどねえ。このサークルにも同人メタルの新たな流れを牽引する存在になって欲しいです。
次回作はどうやらフルアルバムになるとのことで、このクオリティでフルアルバムならきっと凄い物が出来上がりそうですよねえ、期待して待ちたいです。

Chronocrow「クロイカラス」

http://chronocrow.jimdo.com/

Crow'sclawではありません、Chronocrowです。新規サークルですのでお間違えなきよう。

これは先日のM3で無料配布されたこのサークルの初CDですが、一聴するとギターインスト作品のようですが実はボーカルを入れる予定だったようでして、シンセで仮音が入ってる部分がボーカルが歌うはずだった歌メロなんでしょうね。現状で音源制作の全てを1人でやっているという主催の加山さんがご自分でボーカルも担当するつもりだったのが、人に聞かせられるレベルには達しなかったため断念したんだとか。どんな歌声なのかちょっと聞いてみたかった気もしますけどね。

そんな訳で実質的にギターインスト作品となっている今作ですが、新規サークルとしてはなかなか悪くないクオリティですよね。特別な可能性を感じるってほどに突き抜けたセンスや個性を持ってる訳ではないし、割と無難なタイプのオーソドックスなパワーメタルではあるんですが、演奏レベルや音質において平均点は十分にクリアしてると思うし、特にリードギターの音色が綺麗でドラマチックなクサメロを丁寧に聞かせていることは高評価ポイントになり得るのではないでしょうか。
同人メタルでこういうオーソドックスなパワーメタルと言えばSPARESPINEが思い浮かびますが、濃厚テイストが持ち味のSPARESPINEとはまた違った爽やかでカラッと乾いた音の感触が個性になってる気がしますね。洋楽メタルで例えるならRIOTあたりに近い?

さて各曲についてですが、まず1曲目「Over the chaos」、この曲は最初からインスト曲として作られた曲みたいですね。リードギターの音は綺麗なんだけど…この曲については無難すぎてあんまり面白みないかもなぁ。本番は2曲目以降ですね。

2曲目の表題曲「クロイカラス」、これが1曲目とは打って変わって疾走しまくりだしリードギターの奏でるメロディも非常にドラマチックだし、なかなかのインパクトある曲に仕上がってると思いますね。前述のようにRIOTっぽい雰囲気もあるんだけどギターのハモリ方とかやはりX JAPANの影響が伺えますかね。この曲はボーカル入れる予定だった部分に仮音が入ってるんでいちおう未完成版ということになるんでしょうけど、それほどカラオケ音源な印象はなくて、リードギターの出番が多いのでギターインストとしてすでに完成されてる感もあります。ただ、疾走が一直線すぎてもうちょっと一工夫欲しい感じはあるんですけどね。

3曲目「鐵」…くろがねって読むんですかね? この曲は力強いうねりのあるギターリフが特徴的。2曲目よりはテンポは落ちますがやはり疾走感は十分にあり、中盤のギターソロにおいてもメロディアスでドラマチックな展開が聞き所になってますね。
4曲目「With love」、タイトルから分かる通りキャッチーなメロディの曲ですが、疾走してるしメタラー向けなアレンジに仕上がってる曲だと思います。いかにもエンディングって感じのメロディが良い。

ギターインスト作品として聞いても十分に楽しめる内容だとは思うんですが、でもやっぱりボーカル入れたらどんな風になるのか聞いてみたくなりますよね。もし秋M3に参加するのであればこの作品のボーカル入りバージョンを作って欲しいなぁ…。
ボーカル入れるとしたらどんなタイプの歌声が合うんでしょうね…。主催の加山さんとしては熱い男性ボーカルを想定してるようですが…まあ影響元のバンドを見てもそれは必然か。でも同人音楽の風潮に倣って女性ボーカルにしてみても良さげな気もしますけどね。どんなボーカルが合うのか妄想しつつこの音源を聞いてみるのも楽しいかもしれません。

enigmatic blue「first quantum」

http://nobumusicblog.blog110.fc2.com/blog-entry-123.html

プログレメタル系ギターインストサークルによる1stフルアルバムです。

このサークル主催のギタリストteshimaさんはドリームシアターのカバーバンドもやっておられるようですし、実際テクニカルなフレーズも多用されているので便宜的にプログレメタル系として紹介しますが、でもそれほどプログレメタル的な様式に特化した音楽性ではなくて、もっと間口が広くて耳馴染みの良いタイプのギターインスト作品に仕上がっていますね。

このサークル、何が特色かと言えば、やはりメロディが良いことかなぁと。
テクニカル系かと思わせといて実はメロディめっちゃ良いんですよ。全編を通してキャッチーなメロディが満載で、東方アレンジのギターインスト作品と比較しても遜色ない…と言っても大袈裟ではないレベルでゲーム音楽的(RPGの戦闘BGM的)なメロディが揃ってると思います。これはDemetoriとか埼玉最終兵器とか好きなリスナーさんも気に入るんじゃないかなぁ。
もちろん、いかにもプログレメタル的な捻りの効いたアレンジとドラマチックな構成美もしっかりと完備されているのでそっち系が好きな方でも満足できるでしょう。

ただ、弱点を指摘するとすればやっぱり音作りでしょうかね。リードギターの音色に関しては十分にメジャー感ある音作りになってると思うんですが、いかんせん低音域が弱い。せっかくのプログレメタル的なテクニカルなリフが、低音域が弱いせいで軽くて迫力不足な印象になってしまっているんですよ。そのせいもあって、全体的にメタルというよりかはフュージョン寄りな印象の作品になってますかね。良いリフけっこう多いと思うだけにほんと勿体ないですよ。

1曲目はSEが主体の短い序曲。
2曲目、これは以前に無料配布されていた曲の新録版かな。プログレメタル的なテクニカルなアンサンブルが主体の楽曲ですが、疾走感も十分にあるし何よりもメロディが秀逸なので、プログレ系以外のリスナーでも楽しめること請け合い。
3曲目もめっちゃメロディがキャッチーですなぁ。ほんとアレンジ作品にも引けを取ってない。リフの音が軽いのだけが勿体ないですが。

4曲目、出だしはメタルコア系のツインリードリフっぽいフレーズから開始しますが本編はやはり爽やかフュージョン風味。
5曲目、序盤はダークでアジアンテイストあるリフが主体でダウナーな曲調ですが、後半パートで入ってくるサビメロがメロディアスで実に良い。前半の収録曲に比べると即効性は少ないけどプログレ的な魅力は高いですね。

6曲目、Djentにも通ずるようなカオティックなリフで幕を開けますがやはり低音域が弱いのが惜しい。サビでは疾走してガッツリと盛り上がります。カオスなパートとメロディアスなパートの対比が絶妙。この曲に限らないのですが、どの曲においても曲構成がよく練られているという印象で聞き応えありまくりですね。
7曲目、これはプログレ要素は控え目で、ストレートでメロディアスな曲調ですね。これも超キャッチーなメロディ。
8曲目、これは8分越えの長尺曲ということもあって最もプログレメタル寄りな曲ですね。他の曲に比べるとキャッチーさも抑え目でシリアスな雰囲気。

同人音楽の美徳?とも言えるメロディのキャッチーさとテクニカルなギターワーク、そして緻密なアレンジ、それらを兼ね備えた素晴らしい作品だと思います。サウンドプロダクションにはまだ弱点が残っていますが、オリジナルの同人プログレメタルというニッチすぎるジャンルにもこれだけハイレベルなサークルがいるって事実は頼もしい限りですよね。

M3から2週間

今回の春M3、イベント前の時点では正直いって微妙なラインナップかもなという予感もあった訳ですが、蓋を開けてみればこれが予想を大幅に上回る豊作感あるラインナップへと化けましたね。
例によってまだ半分も開封できてないんですけど、今回はヘビロテしたくなる作品の率が高めな感じしますね。事前に期待度が低かったけどいざ聞いてみたら当たりだったというダークホース枠も充実してます。イベント直前にギリギリでチェックして購入したサークルとかこのブログでも事前に紹介できなかったところあるんですけど、その中にもかなりのダークホースありましたね。後日紹介するつもりです。

しかし何と言っても今回最強なのはともろうさんの新作。アホのようにヘビロテし続けた結果、同人音楽で最も周回数が多い作品にまで上り詰めました。余りにも素晴らしすぎるのでまだまだヘビロテ続けるかもしれない。控え目に言ってともろうさんの天才的な才能とセンスが詰め込まれた至高の作品。イベント来れなかった人のためにも早くBandcamp等で公開して欲しいですねえ。こんな最高すぎる作品が無料配布だったなんて信じ難いですな…。

というか今回は無料配布に当たり多かったですね。Xorsizerの無料配布曲も中毒性高くてずっとヘビロテしてましたし(このコラボでアルバム出して欲しい…)、Pratanallis新曲も素晴らしい完成度でした(近いうちに記事も書きます)。
まだリッピングしてない無料配布もけっこうあるんですがその中にも当たりあるかもしれないですね。

現状で開封した作品の充実度が高すぎて、今回の目玉作品だったはずのHollow Mellowまだ開封してないという有様だったりする訳ですが…。でも今月中にはリッピングしたいですね。


https://www.youtube.com/watch?v=G9jk0kicFMI
なんせ今月は現代プログレ最強のバンド(主観)、Frost*の新作が来ますからねえ…それまでにはM3作品の注目どころは一通り開封しておかないといけないですよね。2ndでは脱プログレしてUKロック化してしまったFrost*ですけど、今回はあの超絶名作「Milliontown」のキラッキラなシンセサウンドが戻ってきている…! まさに至高のプログレサウンドですな…。MV共々に最高すぎて溜息が出ますねほんと…。

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A025435.html
そして来月にはFukiさんのソロアルバムも来ますからね…楽しみは多いですよ。メタル度が高い作品なのかどうか…まあ参加メンツを見れば不安はないですけどね。

というか…Lost my Proustのニンテンドーコアのやつっていつ出るんですか…。

Junsei「The Roots」

http://junsei-vocalist.jimdo.com/

今、同人メタル界で最もアツい歌声を聞かせるボーカリスト、おじゅん改めJunseiさんが放つ初のソロ名義作品でございます。しかもその熱唱を最大限に活かすクッソ熱いメタル路線でメタラー歓喜必至!

今までも黄昏の旅団とCI projectにて歌唱活動をなさってたJunseiさんですが、ここに来てついにソロ名義の活動を開始しました。前述の2サークルにおいても素晴らしい熱唱を聞かせてくれていたのですが、今回はソロ名義ということで、Junseiさん個人が真にやりたかった音楽性がこの作品に詰まっているのだろうと想像できますね。
しかもタイトルが「The Roots」ですからね、この作品にJunseiさんの音楽的なルーツが込められていると解釈するのならば、今作の1曲目と2曲目で聞けるメタリックな音楽性がさらに特別な意味を持っているとも感じられますね。

黄昏の旅団にて昨年の春に発表された楽曲「Give courage and hope to you !!」と夏コミで頒布された同名のシングルにおいてもメタラー歓喜モノの疾走メタル路線が披露されていたのですが、今作の1曲目「The Roots」も疾走メタルという点で共通しているとはいえ似て非なる物と言えますかね。
黄昏の旅団のほうは疾走はしていてもシンフォニック要素を含む洗練されたサウンドが核になっていて整合性の高い仕上がりになっていたと思うのですが、それに対して今回のソロ作は、ロックの衝動的な側面を重視したような攻撃的なギターリフを前面に出した鋭い音像になっていて、やはり明確な違いは感じます。
まあ後者はアレンジとギター演奏を担当したPratanallisのヒノデさんのセンスに依るところも大きいのかもしれないですが、それでもソロ名義作ということを考えればこれがJunseiさんの目指す方向性であることには違いないのでしょうね。
もちろん言うまでもないことですが、黄昏の旅団とソロ作でどっちが良いとかいう優劣を決める話ではなく、それぞれに魅力があるということですけどね。

それにしてもこの表題曲「The Roots」、素晴らしい曲ですね。サビメロが最高、この手のアニソン風味のパワーメタルとしては理想的なサビメロの展開なのではないでしょうか。主役であるJunseiさんの歌唱が絶品であることは当然なのですが、それを支えるヒノデさんのギターワークも見事すぎますね。随所で聞かせるテクニカルなフレーズがドラマチックな曲展開をサポートし、そしてPratanallisのほうでは聞けない無骨なギターリフが攻撃性を演出します。ただ、サビ後のピアノのフレーズでまんまPratanallisの部分があってそこが愛嬌ですかね。事ある毎に「同人ゴシックで最も期待度が高い~」とか枕を付けてPratanallisを紹介してきた気がしますがほんとヒノデさんは今後の同人メタル界において重要な役回りを担ってくれれそうな人材だと思いますよ。

2曲目「Kandata」は、テンポ的にはさほど速い訳でもないんですが、ドライブ感あるリフによってBPM以上の速さを感じさせる曲かもしれません。ギターの後ろで鳴っている浮遊感あるシンセの音色も効果的。こちらでもJunseiさんの熱唱は絶好調。キャッチーさは1曲目に比べても抑え目で、メタル的なアグレッシブさを重視した曲であると言えるかな。

3曲目「淵」は、それまでの流れとは打って変わって静かなピアノの音色を基調としたバラード曲。1曲目と2曲目とは違ってこの曲ではヒノデさんのサポートも無いと思われるので、おそらく完全にJunseiさん単独で制作した「真の」ソロ作なんでしょうね。ピアノとストリングスのアレンジに若干の不慣れな感触が残っているとはいえ、歌メロのほうは実に素晴らしい出来だと思います。黄昏の旅団のほうの名曲クラスの楽曲と比べても遜色ないレベルだと思います。Junseiさんのコンポーザーとしての可能性も大きく感じさせる曲ですね。

ジャケ絵がカッコ良い男性キャラクターのイラストであることもポイントだと思うんですよね。やっぱり男性ボーカル作品ならばジャケも男性キャラクターにしたほうが整合性が取れるんじゃないかと思うので。
もちろん、同人音楽伝統の美少女ジャケにすることが悪いこととは思わないし、自分もオタクの端くれなんで美少女ジャケのほうが購買意欲が湧くっていうパターンもあるんですけどね。でもやっぱり内容とジャケ絵が合っているに越したことはないかなぁと。


http://www.xorsizer.com/
そして、今回のM3で発表されたもう1つのJunseiさん参加作品、Xorsizerの無料配布曲「Versus~正義と反逆の決戦歌~」のほうも感想書いておきたいと思います。
はっきり言ってこれが予想をはるかに上回る素晴らしい内容でした。楽曲の発散する熱量においては上記のJunseiさんソロに勝るとも劣らないほど。

実を言うと、パスパルさん主催のSymholicの作品はあんまり買ってなくてですね(1stはリアルタイムで買ったんですけどね)、まあこのブログにSymholicの感想記事が一個も載ってないことを見て頂けば察しは付くと思うんですが…。Xorsizerについても同様で、多少気になるところはあったけどやはりスルーしてました。
しかし今回のJunseiさんとのコラボ新曲、これがめちゃくちゃ良い。ストリングスのアレンジにはSymholic同様に淡白というかドラマチックさに欠けるようなもどかしさはあるものの、それを補って余りあるほどにボーカルパートが素晴らしい。Junseiさんの激アツなボーカル、そしてパスパルさんの少し拙さはあれどもひたむきさに好感を持てるストレートな歌声、このお2人の繰り広げるボーカルバトルが最高に熱い1曲になっております。

あと、曲の途中に挿入されるセリフがこれまたクッソ熱いんですよね。長々しいナレーションではなくてほんの一言の短いセリフなんですがこれが実に効果的。「ただちに死をもって償えっ!(イケボ)」とか「さあ反撃の時間だ(イケボ)」とか、いちいち熱くて楽しすぎるんですよ。これって、聞いてるリスナーだけじゃなくてきっと制作してるお2人もめっちゃ楽しんで収録したんじゃないかなぁって想像しますね。
サンホラのMoiraラストのアメテュストス vs レオンティウスの辺りが好きな人とかきっとツボるんじゃないかなこのノリは。

これはこの1曲だけで終わらせたら勿体ないコラボだと思うなぁ。是非ともこれでアルバム作って欲しいなぁ…。欲を言えばゲストギターにヒノデさんが参加したりすれば更なる最強なことになりそうな気もする。
でもこういう路線は同人音楽界隈的にはあんま需要なさそうなんでアレですけども…。「どっちが受け?」とか妄想しちゃうような女性層からの需要ならありそう? いや…そんな層から需要あっても困るか…。

demi「蛹の遂抗」

http://demiworks.net/

毎回書いててしつこいようですが、美メロを求める同人音楽リスナーなら絶対聞くべきサークルだと思うのがこのdemiです。
カタログに書かれていた「メロディ過多」っていう表現はまさにこのサークルの音楽性を語るのにぴったりな言葉だと思ったんですが、実際どの作品においても例外なく美しいメロディへのこだわりが強く感じられるサークルなんですよね。

そのdemiの美メロ創造への飽くなき挑戦の一つの到達点と言えるような名曲が、今回の新作の表題曲「蛹の遂抗」なのではないでしょうか。
ほんとこの曲はdemiの最高傑作と言ってしまっても構わないとさえ思うんですが、どこを切っても至上の耽美メロだらけの曲ですよねえ。これ以上の美メロ曲を作るのは難しいのではと思えるくらいの出来栄え。AメロもBメロもCメロもサビも全てが美メロ的な聞き所になっていると思いますが、というかこの曲ってサビに辿り着くまでの過程がけっこう長めですが、その途中のBメロもサビに採用できそうなレベルの風格あるメロだと思うんですよね。なかなか贅沢なメロディの使い方してるかもしれない。
もちろんメロディだけでなく、バックの音作りも完成度高いです。特にベースはいつも通りに良い仕事していて、フレットレスベースの音色の醸し出す温もりが楽曲の美しいイメージを下支えしていますね。
メロディ、音作り、歌詞と世界観、どれにおいても過去最高水準の傑作。

とはいえ、自分は「迷信」より前の廃盤作品については聞いたことないので、あくまで「迷信」以降のdemiの最高傑作と言ったほうが正確かもしれないですね。廃盤作品のリメイク版とか作って欲しいなぁ。「迷信」も持ってないという人けっこういそうだし…。

まあそれは置いておいてこの新曲の話題に戻りますが、この曲は「過信」収録の名曲「消えよ、悲しみの影」においても素晴らしい歌唱を聞かせてくれた川名唯さんが再びボーカルを担当して耽美の極みな歌唱を披露しているのですが、ただ、この曲は「過信」より更に耽美メロへの探求が極まっていることによるのでしょうか、異常なまでに高音パートが多くて、その結果ボーカルさんにも相当な負担をかけてるなぁというのが感じ取れますよね。特にサビとかボカロ前提の音域かと思えるほどにやばい。川名さんの歌声は素晴らしいと思うし別にボーカルとしての力量不足とかいう問題では全くないんですけどね。
しかし、もしボーカルさんの音域を考慮して音程を下げてたらこれほどの耽美MAXな楽曲になり得なかったと思うんでこれも仕方ないんでしょう。まあライブでの再現とか想定してない曲だと思うんで全く構わないと思うんですけどね。代わりにボカロ使用してたら味気ない曲になってたでしょうから。でも、このちょっと無茶してる感じも同人音楽ならではの魅力と言える…かも?

2曲目以降はいつも通りインスト曲なんですが、今回はインスト曲も侮れない出来になってますよ。
2曲目「蛹の部屋」は、今までdemiで使われたことのなかったと思われる荘厳なパイプオルガンの音色をフィーチャーしたインストで、これがびっくりするくらいに神々しい。1曲目の極上耽美メロで浄化されたリスナーをこのパイプオルガンが天上に誘うかのような構成になっていて実に効果的な配置だと思いますね。この神々しい音に聖歌のような歌声を乗っけたら更なる新境地が拓けそうな気がする。

3曲目「蛹の集中」はそれまでの美メロとは打って変わって電子音楽的な要素が濃いインストで、ゲーム音楽感が前面に出ているこの方向性もdemiならではのものなんですが、でも今作に関しては1曲目から2曲目への流れが完璧なこともあってちょっとこの曲だけ浮いてる感じあるかも。でも単に流れに合ってないというだけで、曲単体で聞くと十分に面白いんですけどね。

ジャケはいつも通り現代アート的な絵柄でこれも実に良い。ジャケのアートワークも含めて独自の世界観を確立してるサークルってそれほど多くないと思うのでそういう意味でもdemiって希少だと思いますね。

今作の路線で進化を続けて3rdアルバムを完成させたとしたら…とんでもない作品が出来そうな気がしますよねえ。完成が待ち遠しいのですが、でもあんまり焦って作って完成度下げたら勿体ないと思うんで、やっぱりじっくりと制作して頂きたいなぁと…。いつも言っててしつこいですが。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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