Ephebophilia「Spectrophilia」「Schwester」

Spectrophilia.jpg

先日の雑記にも書いた通り、各所で高く評価されてるっぽいこのサークルさんですが、遅ればせながらこの冬コミ発表のミニアルバム聞いた感じでは、個人的にはそれほど即効性があるタイプの音楽とは思えなくて、正直なところいわゆるスルメ盤に類する印象でしたね。評判が良いって意識をせずに聞いてたら1回だけ聞いてお蔵入りした可能性も無きにしもあらず。まあ音も悪いしボーカルも演奏もヘナヘナですからね、一聴してすぐに魅力が分かるタイプではないと思うんですけど。
しかしメロディセンスが他より抜きん出ているというのは間違いないですね。あと演奏はヘナヘナだけど何気にアレンジ面で緻密に作られてる感もあったりでそこも好印象。

いちおうジャンル的にはメロスピになるんですかね、サークルカットにもそう書かれてたような気がするし。
ただ、メロスピ系って一口に言っても同人音楽的にはかなりバリエーションがありまして、
①洋楽メロスピ系、②邦楽メロスピ系、③メタルっぽいアニソン系、④メタルっぽいV系、⑤メタルっぽいゲーム音楽、⑥メタルっぽいサンホラ曲
…ざっと挙げてもこれくらいにルーツ毎の分類が可能だと思いますね。パッと聞いただけならどれも似たように聞こえるでしょうけど、どれをルーツにしているかによってかなり毛色が異なってくるかと思います。(ちなみにXは完全にメタルなのでXがルーツなサークルはV系ではなくメタルに入れていいと思ってます。)
このサークルさんの場合はやはり②と④かなぁ。特に前半の曲の#2、#3が④で、後半の#4~#6が②って感じがします。このサークルは2人メンバーがいるみたいですが、片方が前半のV系っぽい曲を手がけていて、もう片方が後半のクサメタルっぽい曲を担当してるのかなとか想像したり。細かい担当曲とかの情報がどこにも書かれてないんで実際のところは知る由もないんですが。

自分はメタラーなんで当然ながらというべきか、やはり後半の曲調のほうが好きですね。特に注目すべきは5曲目「Beyond the sin」ですよね、これは名曲でしょう。曲名からしてクサメタルっぽい感じですが、開幕からクサメタル直系と言えるようなダサさと紙一重の激クサなギターフレーズが展開して、やはりスタイリッシュなV系ルーツのメロスピとは一線を画してますね。でも単にクサいだけじゃなく、ベースの音がテクニカルな感じに絡んだりしてアレンジはなかなか凝ってる感はあります。そしてサビでは女性ボーカルがキャッチーで且つ切迫感のあるドラマチックなメロディを高らかに歌い上げます。この盛り上げ方いいなぁ。それに続く間奏もずいぶんと長めで、ギターの演奏に拙い部分はあるもののドラマチックという点では申し分なし。間奏明けでCメロの穏やかな歌メロが入るんだけど、次はサビが来るなと思わせといて、この後に入る歌は実は1回目のサビとは別のメロディなんですよね、ちょっとサンホラ的な複雑な展開ですな。サビのメロディ秀逸だから普通に繰り返しても良かった気はするんだけど、あえて複雑にする意気込みは買いたいと思いますw

6曲目も同じくクサメタル的な楽曲ですね。初っ端からハイトーン駆使したクサクサな歌メロが展開しますが、これも繰り返しが無くて1回しか登場しないのがなかなか勿体ない。Aメロではピアノが美麗なフレーズを奏でてますなぁ。サビは作品の締めに相応しい雰囲気の大団円系(?)の歌メロで盛り上げてくれます。
順番が前後しましたが4曲目も良いですね、バラード系なんで疾走はしないですがその分メロディの良さをじっくり味わえます。

前半も良く出来てるとは思うんだけど、V系ルーツのゴシック系は同人音楽において完全に飽和状態なんで新鮮味が薄いというのが本音ですかね。でも単なるありきたりなゴシック系ではなく、アレンジにメタルっぽい要素も取り込まれてるんで没個性には陥ってないところは十分評価できると思いますね。


Schwester.jpg

という訳で、冬コミ作品は後半のクサメタルっぽい曲調が気に入ってたんで、春M3の新譜(1曲入り)もその方向性で作られてたらいいなぁと思いつつ聞いてみたら、期待通りクサメタル路線だったので安心しましたね。やはりオリジナリティを追求するならこの路線でいくべきっていう自覚はあったのかな。それとも冬コミ後にリスナー側から意見があったのかもしれないが。
新譜は1曲入りですが聞き応えは十分ですね。序盤は疾走せずゆったりな展開ながらも、ホーンセクションが鳴り響きドラマチックに演出します。ただ、疾走するまでに時間かけすぎでちょっと冗長な感じはあるかな。2分過ぎにようやく疾走開始するんですが、リフが完全にクサメタル系のフレーズであり、良い意味でダサい。幻想音楽系イメージで売っていても根っこの部分はメタルなんだなぁと感じられて実に好感持てますねw 少しドラガの名盤1stを思わせる雰囲気もあり。5分半あたりからのクワイアと絡む展開も最高だなぁ。
この調子で次回作も作ってくれるなら大いに期待できるでしょう。


それと、素人Pさんがニコ動に投稿した曲の一覧もちょっとだけチェックしてみたんですが、「プログレッシブ・サーカス」っていう曲があったのでホイホイされて聞いてみましたが…。うーんやはりプログレ系の人ではなさそうw
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Laralastudio「さよならプラネット/チョコレイト」

さよならプラネット チョコレイト

このブログはいつもメタル系とかプログレ系ばっかり推してる気がしますけど、ポップス系を全然聞かないっていう訳ではないんですよね。偏りはあるけどいちおう雑食のつもりですし、割と同人音楽全般に興味持ってるつもりです。
ただ、メタル系にありがちな「とりあえず疾走させとく」みたいな力押しとか、プログレ系みたいな展開の複雑さや発想の奇抜さで魅せるような手段が使えない分、ポップス系はメロディセンスとボーカルの力量、アレンジの質だけで勝負しないといけない部分があったりで、ちょっと選定基準を厳しめにせざるを得ないところありますよね。

まあポップス系サークルなんて数が多すぎて自分が把握してるのはほんの一部分だとは思うんですが、その中で今回取り上げるLaralastudioは特に推したいサークルですね。前述のポップス系の主な武器、メロディセンスもボーカルの歌唱も共に突出した魅力を持ってるサークルさんだと思います。これだけの高品質な音楽を作ってるサークルが知名度いまいちだとか信じられないくらい(記事書く度に同じこと言ってる気がしますけど…)。まあ同人音楽というジャンル自体が需要と供給のバランスが崩壊しまくってるんだろうし音楽性の高さに反して埋もれてるサークルなんて列挙したらキリがないんでしょうけども…。

さて今回の新作についてですね。
毎度イベントでLaralastudioに言及する時はしつこいくらいに「1stが名作だから1st買いましょう」と繰り返し書いてましたが、実際1stは名曲揃いだしこれを越える作品は早々作れないだろうなって思ってたんですけど、今作に関しても試聴を聞いた段階では「あーやっぱり名作1stには全然及ばないなぁ」って印象だったんですよね。新規のボーカルさんが参加してて雰囲気が別物の楽曲が半分を占めてるのも微妙な印象に繋がってましたし。
ところがしかし、実際にCDで聞いてみたらイメージ全然変わりましたね、特に1曲目の「さよならプラネット」、これがまじで名曲なんですよ。これは1stの名曲群に匹敵…どころかLaralastudio史上で今のところ最高の名曲かもしれない。その他の収録曲も素晴らしく、個人的には前作より全然気に入りましたね。

前作の「OZ」が出来が悪いって訳じゃないんですけどね。むしろ客観的にクオリティで判断したら前作が一番かもしれないし、実際に前作が好きって人が多いかもしれない。ただ、前作は美麗なジャケに象徴されるように、ちょっとスタイリッシュでかっちり固まりすぎな感じも否めないというか、1stにあった良い意味での「ゆるさ」みたいのが失われてる気がするんですよね。まあこれは完全に好みの問題だとは思うんですけどねw
それに対し今回は1stの良さが戻ってきてる気がする。ジャケも1stの落書き風に戻ってますしねw (この落書きジャケが好きっていう人間は自分くらいかもしれないがw)
新ボーカルさんの担当曲も試聴では違和感ありまくりだったけど、CDでじっくり何度も聞くとこれはやはり間違いなくLaralastudioの曲だなぁっていう良さが発見できるんですよ。

そして何より1曲目の「さよならプラネット」ですね。
これは前作ほどハードな訳でもないし、1stほどゆるい訳でもない。言うなれば1stと2ndの中間的な曲調だと思うんですが、まさにLaralastudioの良い所取りといった感のある名曲に仕上がってると思いますね。メロディ、アレンジ、歌唱、歌詞の世界観まで全てが完璧な出来で、やはりこのサークルさんの才能は本物だなと確信に至らせる曲だと思います。
曲名の通りに宇宙をイメージした楽曲だと思うんですが、イントロからその微SF感(?)が見事に表現されてますね。そして歌詞が新海監督の「ほしのこえ」をちょっと想起させるような内容になってるのがやばい。何光年の時差があるとかそういう宇宙規模な歌詞が散りばめられてますからね。実際にはそういうセカイ系を想定して作られた歌詞じゃなくて、あくまで距離感を表現するための比喩であって「想像上」の話だとは思うんですけど、そっち系の世界観にイメージ繋げるってだけでも相当に強力な効果がありますよね。メロディ展開が異様にドラマチックだし、柳かおりさんの熱唱も過去最高級の冴えを見せてるからそういう壮大なSFな世界観に当てはめてみても説得力があるのが凄いんだよなぁ。
そしてアレンジ面ではベースが目立ってるのが非常にインパクトありますね。2番のAメロBメロとかベースライン荒ぶりまくって、ポストロックとまではいかなくても相当にテクニカルな印象を与えてますね。今までこんなにベース目立ってたっけ?と思って前作聞き直してみたら、2曲目とかけっこうベース暴れてたんですな、でもギターのほうが目立ってたからあんまり印象に残らなかったみたいで。

という訳で1曲目が突出した名曲だと思うんですが、その他の曲も良曲で、新ボーカルさんが歌ってる#2と#5は「名曲感」漂ってると思いますね。ボーカルが無気力系ウィスパーボイスなのでメロディが際立ってないのが惜しいかもしれないですが(あえてこういうタイプのボーカルさんにしたんでしょうけど)、メロディの完成度でいえば1stの曲にも全然負けてないと思う。なんというか、「意識の高いメロディ」って言えばいいのか、勢いとか惰性でメロディ作ってるんじゃなくて、「名曲作るぞ!」っていう意気込みが伝わってくるようなメロディと言いますか。ぶっちゃけ、このサークルさんも1stではそういう意識の高いメロディ満載だったけど、さすがに作品を重ねていったら惰性なメロディ増えてきそうかなっていう予感が前作にはあったんですよね、しかし3作目でもこれだけ名曲揃えてくるとは、これは本物だなと確信しましたね。

2曲目の「チョコレイト」、曲名通りに甘ったるいデジタルポップスなんですが、これはさすがにハスキーな声質の柳さんじゃ歌えないでしょうねw 従来のLaralastudioとはちょっと別系統な曲が出来上がったけど、柳さんには歌わせるの難しい曲調だしどうしようか、じゃあゲストボーカルに歌ってもらうか、みたいな流れで新ボーカルさん起用したのかもしれないですね。その逆に新ボーカル決めてから曲作った可能性もあるかもしれないけど。
5曲目の「宇宙ピエロ」も素晴らしいメロディですね。前作の「ゆらゆらムーンライト」に通ずるメロディとアレンジといいますか。「宇宙」繋がりで1曲目と対になってる感もあります。
2曲とも曲調としては今までのLaralastudioからすると異色としか言いようがないんですが、メロディの完成度が非常に高いので充足感は十分にあるんですよね。もうちょっとメロディ歌い上げるタイプのボーカルさんだったらもっと名曲感が増してたような気もしますが。
というかこのゲストボーカルの方ってMarmalade ButcherやAl-Kamarでも歌ってたみたいですな。なんとなくイメージ的に近いサークルばかりですね、サブカル系というか。

4曲目の「君」は、特に名曲って感じはないけど良い雰囲気のバラードですね。
異色曲を2つも含んでるのに総合的には1stに近い名作感があるという、ちょっと不思議な感じもありますねw もし2ndの方向性で固めて新作を作ってたら、今回は良かったとしても次回辺りでワンパターンに陥ってた可能性もあるかもしれないですし、そういう意味でも今回の新機軸な方向性は良い選択だったのかも。
方向性はともあれ、メロディの良さという一貫した魅力を持っているサークルさんですし、今後も大いに期待したいことには違いありません。

黄昏の旅団「Melody of memory」

Melody of memory

同人メタル界の小野正利ことおじゅんさん(注:そんな呼び方してるのはこのブログの人だけです)を擁するメロハーサークル黄昏の旅団の春M3新作シングルでございます。
この前の雑記でもちょこっと書きましたが、ほんと過小評価されてる感がしてならない。新作も素晴らしい内容で、ボーカル良し、メロディ良し、サウンド良し、ほとんど非の打ち所のない出来だと思うんですけどね。

前回のCI projectの記事も実質的におじゅんさんのボーカルに主にスポットライト当てた内容でしたし、おじゅんさん推しが続いてる訳ですが。ほんとしつこいようですがハイトーンボーカリストとして逸材だと思うんですよねー。同人メタルの範疇だけでなく、ジャパメタ全体の規模で考えてもこんだけ声の存在感があるボーカルってあんまりいないと思う。AzraelのAkiraさんやMinstreliXのLeoさんみたいな細い声質のハイトーンボーカルなら多いんだけど、こういう小野正利タイプの声って希少だと思うんですよ。まあ勿論、超絶歌唱力の持ち主である小野正利さんを比較対象にしちゃうと色々と厳しいところはあるかもしれないですが、ポテンシャルという意味では本当に素晴らしいボーカリストだと思うんです。

正直、同人音楽界隈は女性ボーカルの需要が圧倒的なのでこういう男性のハイトーンボーカルがあんまり評価されないっていう実情はありそうですが、ジャパメタ全体ならこういう声質が好きっていう人は多いんじゃないかと思うんだよなぁ。
しかし、そのターゲット層となり得るメタラー層へのアピールがいまいちだという感も否めないんですよね。冒頭で今回の作品も「非の打ち所のない出来」と書きましたが、もし1つ欠点があるとしたら、前作に引き続き今作でも疾走曲がないっていう点かもしれないですね。やはり何だかんだでメタラーって疾走曲が大好物ですからね、ボーカルもメロディも素晴らしくても疾走曲がないから決定打がないという中途半端な印象を与えてしまってるのかもしれない。(個人的には疾走なくても全然構わないんですが、あくまでメタル界隈の一般論として)
でも、前作に続いて今作も疾走曲がないというのは単なる気まぐれとは思えないんですよね。普通この手の音楽性なら疾走曲を1曲くらいはやると思いますからね。最初から疾走系メタルが眼中にないのか、もしくは疾走を避けることに信念があるとしか思えない(?)
もし黄昏の旅団では疾走曲やりたくない事情あるのなら、別のプロジェクトでおじゅんさんボーカルの疾走メタルやって欲しい気もしますね。とりあえず一度クサメタラーに媚びた曲やって欲しいw

話が前後しましたが、新譜の内容に話題を移しましょうか。
明るくポジティブなメロディが満載だった前作とは少し方向性を変えて、今作では若干ダークな雰囲気に移行してる感がありますね。しかしメタル的なダークさ、ヘヴィさではないので重苦しさは皆無で、メロディのキャッチーさも健在なので親しみやすい内容であることに変わりはありません。そしてアコースティックな民謡要素も増えています。悶絶メタルさんではその辺が売れ線に移行したと否定的に評されてますが、個人的には全然そんなことないと思いますね。
確かに民謡系は同人音楽ではポピュラーなジャンルなんですが、今作での民謡要素って他サークルとはちょっと風味が違うといいますか、先日話題にした「J-RPG系」に例えて語るならば、他サークルが一般的ファンタジー系RPGのイメージだとしたら、この黄昏の旅団の新作の場合はイメージが西部劇風な荒野の風景なんですよね。RPGで例えたらワイルドアームズって感じですねw
まあわざわざRPGに例えるまでもなく、そもそもオリジナリティという点ではぶっちゃけおじゅんさんが歌ってるだけで他との差別化が出来ちゃってると思うんですよ。こういうタイプのボーカルが希少な訳ですから。だから全く問題なしw

各楽曲について書くと、まずイントロに続く2曲目、チェンバロやパイプオルガンの音が入ってるので若干ゴシック系っぽい雰囲気になってますが、やはり他のゴシック系サークルとは全然違う音ですよね。他サークルはV系やアリプロからの影響が基本になっているのに対し、この曲はあくまでメロハー系が根底にあって、その上にゴシックっぽいアレンジかぶせたみたいな趣きですからね。歌メロは勿論非常にキャッチーでドラマチック、前作と変わらぬクオリティで聞かせてくれます。おじゅんさんのボーカルに関しては、これは作品全体に言えることなんですが、前作のようにハイトーンを多用せずに中音域主体でじっくり聞かせるスタイルになってますよね。ハイトーン歌唱はちょっと不安定なところもあるから封印した?ハイトーンボーカル好きとしては少し寂しい感もありますがw
3曲目は民謡要素が中心でメロハー要素がサビで少しだけ登場するといった感の展開ですね。勇壮な雰囲気を放つクサメロが素晴らしく、これは名曲でしょう。
4曲目は全編が民謡系のアコースティックな演奏で占められてますね。これも素晴らしいメロディなんですが、ラスト付近でクワイアと絡むパートが特にかっこいい。

前作もそうだったんですが、今作も捨て曲なしで素晴らしいメロディの楽曲ばかり。おじゅんさんも逸材なんですけど作編曲担当のMariさんも相当な才能をお持ちですよね。
しかも、発表された新曲はこれだけじゃないんですよね。新譜とは別に無料配布コンピで2曲、イベント後に1曲公開されてるので、新譜と合わせて計7曲…。まとめて出してたらもはやミニアルバムに出来るレベルの量じゃないですかw

特にイベント後に無料公開された「Pandora's Box」がインパクト大きかった。イントロの時点でやられましたね、完全にPanic Attackのリフだしww 実はおじゅんさんのプロフィール見るとDreamTheater好きって書いてあるんですよね、これはもう確信犯的なものでしょうw この楽曲も全体的にはテクニカルなメタルって雰囲気じゃないんですけども、イントロがこれだから否応なしにそっち系の印象を植え付けることに成功してますねw でもこの曲の一番かっこいいのはBメロ以降のGates of Babylonっぽい(?)中東系のアレンジだと思いますね、ここはほんと盛り上がらざるを得ない。メタルってよりハードロック系のノリだと思うけどこういう展開はいいですなぁ。イントロのインパクトを除いても、このサークルさんの多彩な音楽性の可能性を見せ付ける強烈な楽曲になってると思います。
1コーラスだけ公開されている「Eternity」は次回作にフルが収録されるのかな?本編のメロハー路線とは一味違うモダンなメタル風のアレンジになっていて異色な曲になってますね。次はこういう路線で行くのか? CI project新譜に割と近い方向性だしこういうのもアリかもしれない。
「The edge of the world」は新譜4曲目とほぼ同路線の民謡曲ですね。Bメロのシンフォニックなアレンジが聞き所か。

CI project「Keep the faith」

Keep the faith ジャケ

「CI project」で検索すると同名の音楽グループのサイトがヒットするからちょっと紛らわしいですよね。まあこのサークルさんの場合は完全に同名じゃないからいいんですが、スペルが完全一致してるとラスエフでややこしいことになるんだよなぁ…。

まあそれはどうでもいいですねw 作品の話に入りましょう。
今回の春M3新譜となるこの作品は3作目のCDのようですね。実は以前1stアルバムも聞いてたんですが、1stは男女ツインボーカルをフィーチャーしたロック色の強めな作品で、楽曲もサウンドも普通にクオリティ高いんだけどなんだかいまいちパッとしないなぁ…みたいな印象だったんですが、今作では黄昏の旅団のハイトーンボーカリストのおじゅんさんをゲストボーカルに迎え、なかなか大胆にメタル方面に舵を切った感がありますねー。おかげで音的なインパクトも段違いになってるんじゃないでしょうか(少なくともメタラー的には)。

今回の新譜でいきなりメタル化したみたいな印象だったんですが、改めて1st聞き直してみると、この時点でけっこうハードなギターが目立った音やってたんですね。更に遅ればせながら2ndも聞いてみたら、こっちも1曲目のギターが完全にスクリーモ系の音だったりして、なるほど元々そっち系の音だったのか。サークルの中心人物であろうIssyさんのプロフィールにもミクスチャーが得意って書いてあるし。
つまり、おじゅんさんという強力なハイトーンボーカリストの協力を得ることでようやくやりたかった音楽を形に出来たって感じなのかな?

やはりおじゅんさんのボーカルは強力無比ですよね。なんというか、声の存在感だけで楽曲の魅力が何倍にも増幅されてる感じ。これだけ(良い意味で)自己主張できる歌声って同人メタルで希少なのでは。ボーカルのおかげでハードなギターサウンドも見事に活きてます。おじゅんさんの声は黄昏の旅団みたいなメロハー路線に合った声質だと思ってたけど、こういうスクリーモ系のサウンドにもぴったりはまるとは意外だった。何度も書いてるようですが本当に逸材ですなー。

各楽曲について書くと、まず1曲目は流行りのピコリーモ系の曲ですね。ハードなギターサウンドとおじゅんさんの歌いあげる力強くキャッチーな歌メロが絡み、実に爽快なキラーチューンになってます。2曲目もほぼ同路線のスクリーモ系の楽曲ですね。これもかっこいい。
3曲目はダウンチューニングなギターでちょっとダークな雰囲気があるメタルコア系の曲ですね。間奏では変拍子系のカオティックなフレーズが飛び出したりでなかなか実験的。
締めの4曲目はメロディの美しいバラード曲。おじゅんさんのボーカルも冴え渡ってます。

とまあ、そんな感じでメタラー的には非常に歓迎すべき方向性になっている作品だと思うんですが、前作までの女性ボーカルメインの路線が気に入ってた方は今作の方向性をどう思ってるんでしょうね、やっぱり微妙な評価になってしまうのかな…。
このサークルさん確か今回のM3で壁配置だったと思うんですけど、つまりそれって前作がかなり売れてるってことですよね。売れてるにも関わらず大胆に方向性を変更するとは…なんかロック魂を感じる(?)
この前の雑記にも書きましたが、おじゅんさんはハイトーンボーカリストとして素晴らしい逸材だと思うんですよね。だから敢えて同人音楽界隈の傾向に背いてまでおじゅんさんをフィーチャーした作品を作ってくれたことに個人的には拍手を送りたいです。



http://tasogare-no.jimdo.com/download/
そういえば、黄昏の旅団の新曲が公開されてましたね。これはwwイントロがめっちゃPanic Attackだww まさかこういう路線で来たか…これはちょっとニヤリとしてしまいますなぁw やはりこのサークルさんは推すに値すると確信したw
黄昏の旅団の記事も近いうちに上げますのでそっちで詳しいことは書くつもりです。(ぶっちゃけ新譜よりこのサウンドクラウドの新曲のほうがインパクトあるかもしれないw)

同人Djent初心者

最近の記事でもDjentって連呼しまくってましたが、実際に同人メタラーの皆さんがシーンの現状をどう感じられてるかは分かりませんが、少なくとも主観ではDjent系が同人メタルにおいてかなり盛り上がりを見せつつあるジャンルだと思えるんですが、どう思います?

まあ自分の好みがプログレメタル系に偏りまくってるからそう思えるだけって可能性も勿論あるんですけどねw
しかし、Lost my Proustを始め、記事でも紹介した新規サークルのTears Fall Spills、あにょさんのThe Herb ShopもDjent色が濃くなってましたし、同スペースに委託されてたEMOKOさんのサークルはガチガチなDjentですし(ちなみに無料公開されてます)、やはりDjent系サークルが目立ってきてることは無視できないんじゃないかと。


とはいえ、Lost my ProustもDjent要素がメインって訳じゃないですし、Tears Fall SpillsなんかはガチなDjentlemanな方に聞かせたら「これのどこがDjentなの?」って怒られそうなくらいのレベルですし、誰が聞いてもDjentと言いそうなのはEMOKOさんのところくらいなのかもしれないなぁ。
従って、同人メタルにDjentの波が来てるっていうと語弊があるかもしれないですね。あくまでDjent「っぽい」、Djent風味のサークルが増えてきたといえば良いのかな。

実際、Djent風味、くらいのレベルが一番聞きやすいかもしれないですね。自分もゴリゴリしまくりでメロディの希薄なDjentだとちょっと苦手ですしね…あくまでドリームシアター系が好きなリスナーなんで。EMOKOさんの新譜とかガチだからけっこう敷居が高く感じてしまいましたし…。こんな軟弱メタラーなのでDjentlemanとか絶対に名乗れないですねw
(そもそもDjentlemanって自称したらなかなかこっ恥ずかしい呼称ですよね…語呂が良いから多用したくなるんだけどw)


http://djent-tanan.tumblr.com/
そういえば、秋M3でこんなコンピ売ってたんですよね…。Djent多難…なんという駄洒落w ちなみに買ってないんですけどね…。なぜかというと昨年の秋の時点ではまだDjentに興味薄だったんですよ…。つまりにわかも良いところw
今思うとこれ買わなかったのは悔やまれるなぁ、750円でこんなに多くのサークル聞ける訳だし。まだショップ委託に在庫残ってるかな…。

リリハルとかも…モダンで複雑なリズム展開だしDjentっぽいと言えなくもないけど、特にDystopiaの2曲目とか。まあ無理やり含める必要はないですけどもw


東方アレンジのほうは全然チェックしてないから分かんないんですが、Djent系サークルならけっこうありそうですよね。
https://soundcloud.com/as-killing-your-breakdown
前回のM3のサークルチェックでちょこっとだけ聞いたこのサークルとか間違いなくDjentですな。かなりのゴリゴリ感。
http://clockworkstracer.com/index.html
オレウサ無料コンピに参加してたこのサークルさんもけっこうDjent系か。
他にもいっぱいありそうだけど。
ちなみに東方サークルに関しては、とりあえずオリジナル作品をお待ちしてますって感じのスタンスですw

The Herb Shop「ANONYM EP」

ANONYM EP

このサークルさん今回は委託参加だったし事前に情報出るのも遅かったから見落としてた方もけっこういたりするのかな? そうでもない?
まあ、イベント後に速攻で無料公開されてるから見落としてても全く問題なかったと思うんですけどね、むしろ見落としてた方がお得だったと言えなくも無い訳でw

しかしながら相変わらずの超テクニカルな演奏で度肝を抜かれますなぁ、こりゃ無料で聞くのは申し訳なくなるクオリティでしょう。本当にハイレベル過ぎる。前にも書いたけど、これで知名度いまいちのサークルだというのが信じられないくらい。

てっきり東方アレンジの方の新作が出るものとばっかり思ってたのでオリジナル名義の新作が出たことは個人的には喜ばしいですね。
今までのThe Herb Shop名義でのシングルは1曲収録のものばっかりだったのですが(前作の2曲目は他サークルの作品だったっぽいし)、今回は3曲入ってるのでボリューム的な意味では過去最高かもしれないですね。ただ過去作は1曲づつとはいえ複雑な展開の長めの曲だったのに対し、今回は割とコンパクトな楽曲が揃ってるので聞き応えという点では同等とも言えるか。

前作まではOPETH辺りを彷彿とさせるダークでメロディアスなプログレメタルという印象だったのですが、今作はメロディがやや減退しモダンな要素が増してDjent的な音楽性に接近していますね。テクニカルでカオティックな展開も今までより増量されてる印象。
しかしこのサークル主催のあにょさんのギタープレイはフュージョン系の身軽さがあるのでこういうDjent的なフレーズをメインでやっても重苦しくならず、非常に聞きやすいんですよね。単に超絶技巧系の演奏なら飽きてしまいそうですが、この方のプレイはしっかりメロディも押さえているし、この手のメタル特有のマニアックな雰囲気も控えめなので敷居が低く、万人におすすめ出来そうな感じです。

1曲目はフュージョン系テイストが強めの爽やかなフレーズが印象的な曲ですが、中間部でDjent的な複雑でヘヴィな展開が入りますね。2曲目は初っ端からDjent的な展開なんですが、過剰な重苦しさはなくやはり聞きやすい。3曲目でもフュージョン系の軽やかさとDjent的な複雑さを両方堪能できます。

プログレメタル、Djentといったジャンル分けのマニアックさで敬遠せずに是非一聴してみることをおすすめします。なんせ無料公開されてますしねw
本当に同人音楽離れした凄まじいテクニックとセンスをお持ちのギタリストだと思いますよ。毎度書いてるようですが、ここまで凄いとボーカルとか入れる余地がない感じ。…と思いきやサウンドクラウドにI'M LOOKING FOR A NEW VOCALISTって書いてあった…。ボーカル入れるとしたらどんな感じになるんだろう。よっぽど上手いボーカルさんじゃないとギタープレイと釣り合い取れないと思うんだけど。
次回も出来ればオリジナルの作品出して欲しいですね。

Tears Fall Spills「Strangers EP」

Strangers EP

ここは新規サークルだと思いますが、確か300円か200円で売ってましたし、メタル系はとりあえず片っ端から買うっていうリスナーさんならきっと買ってるでしょうね。個人的には今回の新規サークルの中では確実に「当たり」の部類に入ると思います。新規サークルで当たりを引くとなんか嬉しいですよね。

音楽性はDjent寄りのメタルコアって感じでしょうか。とはいえDjent要素はそんなに強い訳じゃなくて、隠し味程度に入ってるってレベルですかね。Djent特有のゴリゴリしたフレーズやテクニカルな展開は要所要所でちょこっと登場する程度で、ほとんどは普通のメタルコア系の音です。
ただ、プログレメタル好きとしてはその微Djent成分が非常に重要というか、これがなかったらほとんど楽しめなかったと思いますね。

サウンドは新規サークルにしては割と良い方じゃないでしょうか。核となるギターのサウンドもしっかりしてますし、音圧もそれなりって感じです(同人音楽基準では)。
ただ、ボーカルはちょっと素人くさいかもしれませんね、カラオケレベルというか。でもむしろその素人くささが良い味を出してる感はあるんですよね。やはり素人くさいは同人音楽では褒め言葉ですなw

しかしさすがに2曲目のボーカルはヘナヘナすぎるかもしれないなぁ、この曲がおそらく作品中で一番ヘヴィでDjent要素の強い曲だと思うんだけどボーカルで台無しになってる感が否めない。最初に再生した時にこの2曲目聞いて、こりゃしょぼいサークルかもなーって思ってしまいましたから。
でも3曲目以降で劇的に持ち直すんですよ。3曲目はインストなんですが、これが2曲目のヘナヘナ感が嘘みたいにタイトでテクニカルな展開を聞かせてくれる良曲なんです。Djentやカオティックコアと呼ぶにはちょっとストレートなアレンジかもしれないですが、疾走感も抜群で、随所にテクニカルな見せ場もあって実に爽快なインスト曲です。途中で唐突にジャズ風になったりしてBTBAM系の影響も見えますね。
そして、間髪入れずに続く4曲目、これはニコ動に先行してアップされていた楽曲ですが、やはりこれがミニアルバム中のハイライト曲でしょうね。これはまさにDjent寄りメタルコアといった曲調で、適度にテクニカルなリフが絶妙なフックになっています。そしてサビはJロック的なキャッチーなメロディを聞かせてくれますし聞きやすさという点でも申し分なし。ボーカルは上手いってほどじゃないんだけど音外してる訳じゃないし十分な歌唱だと思いますね。

5曲目は打って変わって軽い曲調に転じ、これはメタルコアでもDjentでもないただの邦楽ロックって感じですかねー。メタラー的には微妙かもしれないですがメロディは良いのでこれはこれでアリかなぁと。
6曲目は再びメタルコア系のノリに戻り、これも適度なDjent系の展開が心地いい良曲になってますね。歌メロはやはりキャッチーです。

まあ実質的な聞き所は#3、#4、#6の3曲って感じなんですけど、価格を考えればこれで十分すぎるほどの良作品だと言えるでしょう。
まだ個性がそれほど強く確立されてるって訳でもなく、Djent要素があるって言ってもLost my Proustみたいな強烈な独創性にまで至ってるレベルじゃないからインパクトが大きい訳じゃないんだけど、それでも普通にメロディセンスやアレンジセンスは優れてるので今後が楽しみなサークルさんなんじゃないかと思います

(^O^) (^O^) (^O^)

http://mmpk.web.fc2.com/tomorou.htm
悶絶メタルさんで「てぐせ壱」が紹介されてるwww
いやーびっくりしましたね。てっきり同人メタラー達からことごとくスルーされてたんだとばっかり思ってましたからね、やっぱりしっかり新規サークルを見逃さずにチェックしてる方はいたんだなぁと一安心。さすが悶絶メタルさんと言うべきかw
まあ、低評価なのは仕方ないですかね、悶絶メタルさんのレビュー傾向的にこういう明るいメロディは低評価だというのは分かってますし。音も悪いしね。
ただ、うちみたいに同人音楽ばっかり聞いてる人間にとっては音の悪ささえも魅力に感じてしまうんですがw 色々と麻痺してしまってる気がするw
このサークルさんが最終的に同人メタラー諸氏から評価されるかどうかは置いといて、とりあえず認知されずに埋もれるようなことがなくてホッとしましたねw さすがに悶絶メタルさんをチェックしてない同人メタラーは少数派でしょうから。



Lost my Proustも近いうちにレビュー来そうな気はするけど、こっちも高評価とはいかないだろうなぁ、プログレメタル、Djent系リスナー以外には受けが良くなさそうですし。
ちなみに、Lost my Proust新譜を更に聞き込んだ結果、一番凄い曲は2曲目の「Jasper」かもしれないと思い始めましたね。プログレメタル的に即効性があるのは3曲目で、このサークルさんの魅力が総合的に集約されてるのは1曲目だと思うんですが、メロディセンスとかアレンジの妙が一番にじみ出てるのは2曲目なのかなぁと。「やはり只者じゃねえ!」って確信に至らせる曲なんですよね。


そういえば、黄昏の旅団が低評価気味だったのはちょっと残念ですね。このサークルさんはメロディセンスも素晴らしいし、何よりボーカルのおじゅんさんは間違いなく逸材だと思うんですけどねー。ラスエフのリスナー数も1桁だし、やっぱり同人メタラーからの注目度も低いのかなぁ…。なんか過小評価されてる気がしてならない。こういうハイトーンボーカル好きな人この界隈にけっこういると思ってたんだけどなぁ。

lutaphampha「Siberialaska」


シベリアッ(高音)

アラスカッ(高音)

という訳で、春M3サタアラ2枚同時リリースの片割れ、lutaphamphaの新作でございます。

先日の記事でサタアラのことめっちゃ持ち上げまくってた訳ですけどね、本当に鮫肌胤興さんは同人メタルシーンを牽引し得る鬼才だと思うんですけども、しかしこのlutaphamphaに関しては、敢えて別名義サークルを立ち上げてまで多角的に音楽的な可能性を模索するというその挑戦的な姿勢は高く評価されるべきだとは思うんですが、正直こういうポストロック、アンビエント路線ってのは自分の好みとはちょっと離れてるかもなぁって感覚もあったんですよね。非メタラーからはむしろこっちの方が評価高かったのかもしれないですが。

しかし、今回の新作のクロスフェード聞いてみて、お?今回はもしかするとサタアラよりlutaphamphaの方が良いんじゃないか?って思ったんですよね。冒頭のMenoさんによるカオスすぎるコーラス、ずいぶんとアバンギャルドで奇抜な路線で攻めてきたなぁっていうインパクトもあったんですが、それ以上に胤興さんボーカルの曲のスケール感が完全にプログレの物だし、こりゃ冬コミの曲みたいにめっちゃプログレッシブな楽曲になってるんじゃないのかという期待があった訳です。

まあ、蓋を開けてみれば、クロスフェードで断片的に公開されていたアバンギャルドなコーラスと男性ボーカルの部分は3分程度の短い楽曲のものだった訳ですけども、それでもこの曲はかなり気に入りましたねー。胤興さんが1曲全部でリードボーカルを取るのってこれが初めてなんじゃないかと思うんですけど、ぶっちゃけMenoさんボーカル曲よりよっぽど好きな感じかもしれないw まあ素人くさい歌声ではあるんでしょうけど、同人音楽では素人くさいって褒め言葉ですよね?w サビの高音ボーカルとかけっこうしんどそうに聞こえるし、歌える曲に制限があるかもしれないですが出来れば今後もリードボーカルやって欲しいですね。
それにしても、サビの壮大なスケール感は本当にツボ。あんまり壮大にしすぎてプログレに接近するとサタアラとの差別化が出来なくなるのかもしれないですが、こういう曲またやって欲しいです。

Menoさんの歌う2曲目はほぼ前作の延長線上の作風なんですが、それでも若干プログレッシブな雰囲気が増してる気がする? サビでのストリングスとかスネアの連打とか。前作はデジタルな音が主体でしたしね。
3曲目はインストですが、これはかなり実験的な要素が強いですね。お馴染みのキャッチーなメロディも無し。実験音楽寄りのアンビエントみたいな? まあプログレもアバンギャルド系だとこんな感じだしそんなに離れた音楽性ではないかもしれないけど。
無音トラックを挟んで収録されている「呼吸するディストピア」のリミックスバージョンは、ちょっと聞いただけではオリジナルバージョンとの違い分かんないですが、音が整理されて少しすっきりした感じかな。改めて聞くとこの曲の中間部のフレーズとかけっこうサタアラに近いんだよな、プログレっぽいメロスピというか。

それにしても、今回の新譜はクロスフェードの見せ方が上手かったなと思うんですよね。クロスフェードでは良い感じに聞こえたけどフルで聞いたらガッカリとかそういう意味じゃないですよ?w なんせ本編には含まれない、クロスフェードでしか聞けない音声が入ってますからね、試聴で聞かせる部分のチョイスとか構成も上手いし、クロスフェードだけで1つの作品として成り立ってる感じ。これはなかなか新しいですよね。

Satanic a la mode「OΔYΣΣA」


例えばの話ですけどね、「今の同人音楽で一番重要なサークルってどこだと思う?」っていう質問が投げかけられたとしてですね、唐突にそんな不穏な質問を投げかける人なんていないと思うんですけど、あくまで例えばの話ですからね? まあ、そんな質問されたら普通なら無難に知名度の高い大手サークルとか人気サークルとかを挙げるんじゃないかと思うんですけど、自分ならサタアラことSatanic a la modeを挙げたいと思いますね。
「重要なサークル」っていうのは、人気とか売り上げとか関係なく「存在意義が大きい」って意味のつもりなんですが、まあさすがに同人音楽全体を通してサタアラが最重要サークルとか言ったら異論がありまくるんじゃないかと思うんですが、少なくとも同人メタルに限定したら納得して頂ける方もいるんじゃないかと。(それでも異論いっぱいあるでしょうけどw)

さて、サタアラのどの辺が「存在意義が大きい」のかというのを説明すると、過去の記事でも何度か書いてますが再度書いておきますと、万人受けしない難解な要素(プログレ、実験音楽等)を、親しみやすいオタク的感性(アニソン、ゲーム音楽)で解釈したというその独創的な音楽性ですね。この方法論って同人音楽ならではのものだと思うんですよ。
オタク文化の外の音楽、メタルにしてもパンクにしてもプログレにしても、それをそのまんま同人音楽で模倣してもつまんないと思うんですよね。だって同人音楽ってオタク相手に売ってる訳ですから、オタク要素のない音楽じゃオタクイベントでわざわざ売る意味が分かんないし。
かといって、オタク要素だけしかない音楽ってのもつまんないんですよね。オタク的な感性の中で完結しちゃっててそれ以上に発展する可能性が少ない。結果、シーンが似たり寄ったりな音楽ばっかりになってしまう。

やはり、オタク文化外の一般の音楽をオタク的に解釈してこそ同人音楽ならではの独創性が生まれるし、表現に広がりが生まれて面白みが出るんじゃないかと思うんですよ。それを理想的なスタンスで体現してるのがこのSatanic a la modeだと思うんです。
まあ、万人受けしない要素をアニソン的に解釈した音楽なんてサタアラに限らずいくらでもあるとは思うんですが、このサークルさんはバランス感覚が非常に優れていると思うんですよね。常に挑戦的な姿勢を維持しながらも、キャッチーさも決して忘れていないのでどちらか一方の要素が暴走するようなこともない。このスタンスは同人音楽におけるお手本的な1つの指標になり得ると思うし、サタアラが実際に同人メタルにおいてどれくらい影響力あるのかは分かんないけど、少なくとも存在感は大きいのではないかと。
同人音楽って、決してアニソンやゲーム音楽の下位互換じゃないと思うんですよね。それら商業音楽には成し得ないことを出来る自由度がある。そういう可能性を感じさせてくれるサークルさんだと思います。

やっぱり「骨」って同人メタルにおいてエポックメイキングな作品だったと思うんですよね(あくまで初心者の主観だから同意得られないかもしれないですがw) 1stの割と分かりやすいメロスピ路線から敢えて進化の道を選んで「骨」を作り上げたことはほんと称賛されるべきだと思う。この作品によって同人メタルの可能性って相当広がったんじゃないかな。
もちろん、別名義でlutaphamphaを立ち上げ、そちらで更なる可能性の模索を行っていることも見逃してはいけないですね。2サークル並行で活動というのもこのサークルさんの音楽的に貪欲な姿勢が現れてる事実だと思う。



…という訳で、前置きが長くなりましたが、ここからようやく本題の新譜についてです。新譜…タイトル読めません!

前置きで散々持ち上げといて何なんですが…今回の新譜は過去作に比べるとインパクト薄いかもしれないですなぁ…。まあ昨年の夏コミのシングルが名曲すぎましたしね…。正直、あれを越える曲は早々作れるもんじゃないと思うし。
過去の名曲に比べると若干地味ではあるかもしれないですが、もちろん出来が悪いなんてことはないですし、十分に楽しめる内容になっています。

挑戦的なスタンスは今回も健在で、今回は新たな試みとしてデスボイスがフィーチャーされてますね。試聴ではかなり大々的にデスボイス導入されてる印象だったけど、フルで聞くと実際はデスボイスの比率は少なめで、あくまでアクセントとして使われてる感じ。デスボイス苦手なリスナーさんでも普通に聞けるんじゃないかと思います。

収録曲は夏コミシングルと同じで3曲になっており、ボーカル曲が1曲とそれを挟むようにイントロとアウトロが配置されてるのも同じ。イントロとアウトロはインスト曲ですが、独立した曲としてしっかり楽しめるほどにアレンジが凝ってるのもいつも通りですねー。
メイン曲の「pain, rain, unchain」ですが、今回は初のドロップチューニングなんだそうで(骨の3曲目のSatanic modeとかけっこうモダンな音だったけどあれは別にドロップチューニングじゃなかったのか)、デスボイスとも相まってなかなかアグレッシブな雰囲気になってますが、歌メロではSayuさんの歌い上げるお馴染みのキャッチーなサタアラ節が堪能できますね。特にキャッチーなのは転調して妙に明るくなるCメロですな、ここのメロディが一番好きかも。
カオティックな演奏はいつも通りなんだけど、ゲスト参加(?)のギタリストの人がいないからテクニカルなギターソロ少なめなのがちょっと物足りない要因なのかもなぁ。

今回のシングルは突出した名曲って感じではなかったものの(コンピの収録曲をこっちに入れて欲しかったw)、本番は次のフルアルバムの方ですからね、期待して待ちましょう。
そういえば、「ボニーピンク」担当のオレウサのぎゃぷいちさんってどこに参加してるんだろう…。やはりイントロとアウトロに入ってる謎の奇声なのか?w

Ether「機械都市インティモーラ」

機械都市インティモーラ

『同人音楽歴9年目のベテランコンポーザーが惚れ込んだ七色の声を持つ幻想系新人ボーカリスト「エルム凪」が加入!』

という訳で、新ボーカル加入で話題沸騰の新生Etherの送り出した第一弾ミニアルバムの感想記事でございます。


…というか話題になってるんですよね? こんなこと書いといてなんですが、ツイッターで検索してもあんまり感想ツイートとかヒットしないし本当に話題になってるのか不安になってしまうんですがw
Etherの元々の知名度の高さに加え、これだけの充実した内容なら話題にならない訳がないとは思うんですが。ひょっとするとエルム凪さん個人名義でニコ動に投稿してた時のほうが盛り上がってたなんて事はないですよねw ニコ動で発掘された新人ボーカリストということでマニアックに共有してた時は盛り上がれたけどEtherみたいな有名どころに引き抜かれたから何か冷めた…なんて人はいないとは思うんですが。

あと、ボーカリスト交替した後の作品を称賛したら、前任ボーカルを否定することに繋がりそうで気まずいからなかなか評価できないという事情もあったり?
いや、「新ボーカルも良いけど前ボーカルも別の魅力がある」って言えば良い訳ですしね、そんなことで評価を控える人なんていないようなぁw
エルム凪さんは非常に「器用」なボーカルさんで、ジャケの謳い文句にある通りに七色の歌声を使い分ける凄い才能をお持ちだとは思うんですが、基本的な声質に関しては、言い方は悪いですが「毒にも薬にもならない」声と言えなくもないんですよね。
それに対し、前任者の桜璃さんは、若干「不器用」なボーカルさんであったかもしれないですが個性は十分であったと言える訳で、結局どちらのボーカルさんが上だとか語っても意味がないですし、そもそも、そんなこと語ろうとしてる馬鹿はうちくらいしか存在しないでしょうw
しかし、良い意味で自己主張の少ない声でどんな曲調でも歌いこなせそうな器用さをお持ちのエルム凪さんのボーカルと、他サークルへの曲提供が超多数の「職人級」コンポーザーであるRyoさんの多彩さは非常に相性が良いんじゃないかと思うんですよね。この組み合わせでEtherの可能性が無限に膨らんだのは確かなのではないかと。

その可能性が最も顕著に現れた楽曲が、イベント前にも称賛の文章を書いた3曲目の
「赫然の少女」ですね。自分も新参リスナーだからEtherの旧作全部聞いてる訳じゃないですが、おそらく楽曲的にもアレンジ的にもEther史上最高の1曲なのではないかと思うんですがどうでしょう。
この曲の最大の聞き所は2:02辺りから始まる多重コーラスによるカオティックなフレーズ群ですね。やはりここに一番「可能性」を感じました。ここだけ聞いたらほんとプログレッシブとしか言いようがない。イベント前にも書きましたが、知名度や安定感と引き換えにワンパターン化を招きがちな古参勢(相変わらず酷い偏見だけどw)の1つであるEtherがこんなにも挑戦的なフレーズを含む楽曲を試聴1発目に持ってきた事に衝撃を覚えたんですよね。
まあ、実際はこのフレーズも意図的にカオティックな雰囲気を目指して作られた物ではなくて、従来のEtherのインストのメロディにコーラス重ねたら結果的にカオティックになったって程度の偶然の産物なのかもしれないですが、しかしながら、このプログレッシブな展開を拡張して1枚の作品作ったら相当に刺激的な音楽が出来上がるんじゃないだろうか…って妄想してしまうくらいにはインパクトの大きいフレーズだと思うんですよ。
まあこのフレーズを除けば全体的には従来のEtherのイメージからほとんど逸脱しない曲に仕上がってるとは思うんですが、それでも個々のメロディやアレンジの完成度には目を見張るものがありますよね。Etherは物語志向ではあるけどセリフやナレーションはないからサンホラフォロワーには含まれないのかもしれないですが、この卓越したメロディセンスといい、この異様にドラマチックな曲展開といい、音楽的な完成度に関してはサンホラにかなり近い位置に迫ってるなぁということをこの曲を聞いて改めて感じました。

そして、この3曲目と並ぶキラーチューンが1曲目「Intymla」ですね。この曲は従来のEther流シンフォメタルの延長線上で新鮮味はそれほどないんですが、やはりメロディ、アレンジの完成度が突出しているので素晴らしい楽曲になっていますね。エルム凪さんの多重コーラスも良いんだけどやはりこの曲はイントロのストリングスのフレーズのメロディがやばすぎる。もうこのメロディだけで悶絶。あと3:54辺りからの「オーホッホーオーホッホー」ってコーラスはなかなかプログレッシブですなぁ。
2曲目、4曲目は先行配信された「エルフの里」と同様の民謡系のまったりとした曲なんですが、自分は民謡系そんなに好きって訳でもないんで他の2曲に比べたら地味な印象かなぁ。たぶんエルム凪さんの元々のファン層ならこういう曲調のほうが受けが良いんでしょうね。

http://ameblo.jp/etherryo/entry-11830644837.html
そういえば、Ryoさんがこの手のファンタジー系同人音楽を包括した「J-RPG系」というジャンル名を考案なさってこれを広めようと意図してるみたいですが、このPOPは会場でもけっこう見かけたけど、正直、先日書いた持論の「オタクは音楽単体に興味がない」ってやつに当てはめても、やっぱりこんなハイクオリティな音楽であってもRPGの付属品みたいなイメージで売るしかないのか…って思えてちょっと寂しくもあるんですよね。
別にゲーム音楽系って名乗ることに異論がある訳ではないんですけどね、実際にゲーム音楽から多大な影響を受けてらっしゃるんでしょうし。ただ、ゲーム音楽系と名乗ってしまうことによって創作の範囲が限定されてしまい、オタク的な感性を逸脱した挑戦的で革新的な音楽を作り出すことに消極的になってしまいそうな気がして…。まあ末端リスナーの勝手な想いですけどねw

(^O^) 「てぐせ壱」

(^O^)

今回紹介する新進気鋭のメタル系サークルの発表したこの名作アルバムなんですけどね、なんとこの世にたった19枚しか出回ってないらしいんですよ!19枚ですよ19枚! まさに激レア盤! もちろん通販やショップ委託なんてありませんし、超入手困難。もしこのサークルさんがまたイベントに参加してくれれば再販もあり得るかもしれないですが、もし参加しなかったらまじで二度と手に入らないかも…。こんな名盤なのに…。今回のM3で無事にゲットできた方はGJ! 買わなかった方はご愁傷様…としか言いようがない…。こんな名盤を聞くことが出来ないなんて…まじ可哀想に…。


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プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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