Clinochlore「a Tale」

a Tale

Clinochloreの2ndミニアルバムですね。
1stも素晴らしい作品だったんですが、この2ndは更なるクオリティアップを果たしていて凄い作品になっています。

7曲入りですがそのうち3曲がインストの小曲なので実質4曲なんですが、この少ないボリュームには似つかわしくないほどのスケール感を有してることに驚かされますね。
歌詞も物語性が強いんですけど、それ抜きでも音だけで具体的な情景が浮かんでくるレベルで強く想像力を喚起する音楽になっていると思います。ここまで独自の世界観を構築してるサークルは同人音楽でも屈指なんじゃないですかね?
楽曲やアレンジはどれも非常に高度な出来で、ポップスやジャズやクラシックや民族音楽などの多様な要素が渾然一体になっていながらも全体的にとても整合性を感じる音になってると思いますね。
サウンド面では、音質的にはやや軽い感じはありつつも、使われてるオーケストラの音源は生音に比べても遜色のないリアルな音で驚きます。完全に同人というレベルを越えてる感ありますね。
そしてボーカルの森野木々さんの声質がまたこのファンタジー的な「異世界」を表現するのにぴったり合った最高の声だと思うんですよ。全要素が満点に近い作品に仕上がってると思います。

#1「第一幕」と#5「第三幕」が特にすごい曲だと思うんですが、第一幕の方は、メルヘン系の軽やかなメロディを壮大なオーケストレーションが装飾していて展開もアレンジも完璧な仕上がりです。第三幕の方はサビでの壮大すぎる盛り上がりに圧倒されますね。どちらも名曲だと思います。そして、ラストの第四幕でそれまでの雰囲気に反するデジタルロック的な曲が入るサプライズ的な展開も効果的ですね。

ジャケがまた良いんですよね。最初見た時はPS2のゲーム「ICO」のイメージアルバムかと思いましたよwこの遺跡の雰囲気とか影みたいな女の子とかめっちゃ似てますよねw
ICO好きだったんですよね…。仕掛けとか面倒くて苦労した思い出あるけど世界観が凄い好きだった。まあこの作品はICOとは無関係だと思いますけど、ICOのあの圧倒的な世界観に負けないくらいのスケール感はあると思いますよ。裏ジャケでは表ジャケと同じ構図で現代的な風景が描かれていて、これもまた想像力かきたてますよね。

ボーカル曲が5曲未満のミニアルバムとしては、個人的には今まで聞いた同人音楽でも最高クラスの作品だと思いますね。秋M3にも新譜出るみたいですがそちらにも期待したいです。
スポンサーサイト

Clef Doll「Virtue」

virtue.jpg

このサークルさん、現時点では3枚のミニアルバム出してるみたいですがこれが2枚目みたいですね。

セリフやナレーションが曲中に入るいわゆるサンホラ系の同人音楽ですが、ドラム含めた全楽器が生演奏なのでインディーズ音楽的な雰囲気もありますね。ボーカルが男女のツインボーカルなのも特徴です。
曲調はアップテンポのメタル的な曲が目立ってますが、演奏が割と粗いのでメタルというよりはビジュアル系に近い雰囲気ですかね。サンホラ的な同人音楽要素を取り入れたビジュアル系って感じでしょうか。

クオリティ面ではぶっちゃけ、演奏もボーカルもいかにもインディーズレベルって感じで、全体的にB級臭が満ちていて特に目立った魅力はないかもしれません。
しかしながら楽曲の出来はかなり良いんですよ。どの曲にもキャッチーなメロディが備わっていて、リフやギターも耳に残るフレーズが多くて良く出来てると思いますね。
特に疾走曲の#1や#3なんかはキラーチューンと呼べる出来なんじゃないかと思います。牧歌的な#2も良いですね。アテアの仔等あたりに近い雰囲気かも?バラードの#4もメロディの良さが際立っていますね。#5はボーカルは女性ですがいかにもビジュアル系っぽい雰囲気の楽曲ですね。どれも良曲だと思います。
音は悪いけど曲は良いっていう、いかにも同人音楽らしい(?)魅力を持ったサークルさんだとも言えるかもしれないですねw

ちなみに1st「Preambule」のほうも良曲が揃ってます。こっちもオススメですね。#2、#3、#4あたりが主な聞き所ですかね。3rdはまだ未聴ですが。
とにかくコンポーザーさんの才能には確かなものがあるサークルだと思いますね。今後も要チェックなサークルさんかもしれません。

IRUMA RIOKA「Crimson Princess」

Crimson Princess

IRUMA RIOKAさんの2ndアルバムですね。
この方の主催するサークルHollow Mellowの今年の春M3で発表した2ndミニアルバムは、個人的に同人ゴシックでも最高峰に位置すると思うくらいの凄い作品だったのですが、ソロ名義のこのアルバムも素晴らしい内容になっていますね。

この方が他のゴシック系ボーカリストと一線を画しているのはやはりシンガーソングライターであるという点でしょうね。そもそも女性コンポーザーっていう時点で珍しい気もしますが、自らボーカルと作曲手がけているというのは素直に凄いですよね。
Hollow Mellowの方でも非凡な作曲能力を披露していましたが、このソロ名義作品でも個性的かつハイセンスな楽曲が並んでいます。
楽曲のジャンルも多岐に渡り、ロシア民謡的な曲からクラシック的なフィーリングを持つ曲やプログレメタル的なアレンジを持つ曲までバラエティに富んでおり飽きさせずに楽しませてくれます。単なるゴシックの枠に留まらない、サンホラに通ずるような素養を感じますね。
IRUMAさんの歌声は、歌唱力という面ではパーフェクトとはいえないかもしれないですが、情熱的でパワフルでありながらもゴシック的な妖艶さと少女のような無垢さも感じられるような多面性のある素晴らしい声だと思いますね。

アルバムで聞き所となる曲は#3、#4、#6、#7、#8、#9辺りでしょうか。特に後半は良曲が揃ってますね。#4や#9はバラード系の曲ですがサビの情熱的な歌唱が素晴らしい。#6は勇壮さを感じさせるシンフォニックなアレンジが秀逸でアルバムでもハイライトとなる名曲だと思います。#8では間奏でプログレメタル的なテクニカルな演奏も聞けますね。
ただ、Hollow Mellowの方が非の打ち所のない完璧なサウンドだったのに比べると、このアルバムはちょっと音が全体的に軽いのが惜しいところですよね…。そのせいでせっかくのプログレメタル的なアンサンブルも魅力を削がれてしまっている感がありますし。
もっと音が良かったらかなりの名作になってた気がしますね。

Land-YOU「ひとひらの刃」

ひとひらの刃
コンポーザー甲斐ユウさん主催のサークル、Land-YOUのシングルです。
前回の記事に引き続き今回も甲斐ユウさん作品です。このシングルではジャケットからも分かる通り和風なアレンジの楽曲が収録されてますが、まあアレンジは和風でもメロディはいつも通りのゴシック系って感じですかね。

収録曲は3曲とも安定した出来ですが、特に2曲目はキラーチューンと呼べる出来ですね。間奏のネオクラ風のギターソロが特に最高です。
#1と#3も良いメロディだとは思うんだけどちょっと地味かもしれない。まあ個人的に和風アレンジがそんなに好きじゃないってせいもあると思うんですけどね。和風だと少し演歌っぽく聞こえることもあるし。
クオリティは依然として高いので和風メロディが好きなリスナーさんなら満足できること請け合いだと思いますね。
3曲とも別々のボーカルさんが歌っているようですが、どの方も安定して上手いと思うけど特に印象に残るほど突出した実力のボーカルさんはいないかもしれないです。

Land-YOU名義の作品もまだ全部聞いた訳じゃないんですけど、聞いた3枚の中では次のシングル「双世アイエノリエ」が最高作なんじゃないかと思いますね。小曲を除くと1曲しか入ってないシングルですがその1曲の破壊力が半端ないです。
Paradise Eve名義でも3部作の3作目の騎士エメラルドが最高だと思いますし、なにより今年になってから葉月ゆらさんやRe;Reに提供された楽曲が自サークルの楽曲を上回るほどのキラーチューン揃いでしたし、甲斐ユウさんの才能はここ1~2年で本領発揮されてるような気もしなくないですねw
別名義を含めればそれなりに活動歴長いコンポーザーさんみたいですが、メロディのアイディアが尽きるどころか進化してるってのは凄い。
次回作にも大いに期待したいですね。次のM3でも曲提供なのかな?

Paradise Eve「少女ルビー」

少女ルビー

コンポーザー甲斐ユウさんと久遠ゆんさんによる企画プロジェクト、Paradise Eveの三部作シングルの第二弾ですね。

このブログでも何度も書いてますが、個人的に甲斐ユウさんはゴシック系同人音楽で屈指のコンポーザーだと思ってるんですよね。このParadise Eveではその最高の楽曲が久遠ゆんさんの卓越した歌唱の助力を得ることで魅力を存分に引き出されていて素晴らしい音像を生み出してします。
甲斐ユウさん主催のプロジェクトLand-YOUの方でも色んなボーカルさんが歌ってますけど、個人的には久遠さんの声が一番この方の楽曲にあってるように感じますね。
ぶっちゃけ、Aliesonでは久遠ゆんさんの歌唱にそれほど魅力を感じなかったんですが、このParadise Eveでの歌唱はすごい好きなんですよ。このお二人の組み合わせは、ボーカルとコンポーザー、お互いの魅力を最大限に引き出している最高の組み合わせなんじゃないでしょうか。

さてこのシングル「少女ルビー」についてですが、甲斐ユウさんの生み出す耽美的で美しい旋律を味わえる安定した作品になっていますが、第三弾の「騎士エメラルド」がキラーチューン級の楽曲が揃った凄い内容だったので、それに比べるとちょっと地味かもしれない?
#1の序曲からなだれ込む#2は紛れもないキラーチューンなんですけど、#3と#4は少し盛り上がりに欠ける感じもあるんですよね。まあそれでも良いメロディであることには間違いないんですが。次の第三弾が最高の内容なので、この第二弾はそれに向けて力を溜めていたのかもしれないですねw
とにかく#2は必聴の名曲だと思うのでこれだけでも聞く価値あると思いますね。分厚い造語コーラスとオリエンタルなアレンジが絡み歌メロも素晴らしく、特にサビ後のコーラスが最高ですね。

このParadise Eveは騎士エメラルドを最後に新作はもう出ていないみたいですが、久遠ゆんさんもAlieson休止でフリーになってるんじゃないかと思いますし、またこのお二人の組み合わせで新作作って欲しいと思いますね。

新譜情報(同人以外)

どうやらM3カタログは28日発売らしいですね。カタログ購入後はこのブログもチェックリストと新譜紹介の更新ばっかりになると思いますが、今回は同人音楽以外で気になる新譜を紹介しとこうと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=-pxCSszETMM
まずは一言雑記の方でも紹介したMarchen Stationですね。
ドラガ新作にも参加してたLeo Figaroさんがボーカル務めるプロジェクトなんですが、実は1stは聞いてないんですけど、今回の新譜はクロスフェード聞いてめちゃくちゃ欲しくなってしまいましたよw すでにこのクロスフェード何十回もヘビロテしてしまっていますw
クラシカルで大仰なアレンジにまるでボカロのような機械的な早口ボーカルが乗り、強烈な個性を放つサウンドになっているんですが、ボカロっぽい加工ボーカルってだけでも賛否両論になりそうなのに、更にラップまで入ってますからねwまさにメタル界の禁じ手のオンパレードw
しかしながらこれが単にニコ動系リスナーに媚びたような印象はなくてあくまで意欲的な挑戦に聞こえるのは楽曲クオリティが高いからでしょうね。
サウンドや音質はぶっちゃけ同人レベルだと思うんですが、曲がめちゃくちゃ良い。試聴聞く限りではキラーチューンだらけって印象ですよ。ここまで充実してると、もしかしてクサメタル最強と名高いMinstreliXすら越えるかもしれない?
とにかくこれは大期待ですね。買う前にクロスフェード聞きすぎて飽きてしまいそうですがw


http://www.youtube.com/watch?v=Ez0ZLS5w9EI
それからこれ。なんとディズニーのメタルアレンジだそうです。ジブリメタルの二匹目のドジョウ的な企画に思えるし特に新鮮味はないですが、著作権にうるさいイメージのあるディズニーがこれ許可したってのが凄いですよねww
あと個人的に好きなボーカルのみーやさんが歌ってるのでちょっと気になりますが、これは買うかどうかは分かんないですねw


あと気になる新譜といえば、言うまでもなくサンホラの新譜ですね。ジャケットが違和感ありまくりですが果たして内容はどうなっているのか…。まあRevo神が駄作なんて作るはずもないんで不安なんて全くないですけどねw
リンホラの時はサンホラ知らない人が買って二番以降が違うとか文句つけててだいぶ不快な思いもしましたが、まあ今回はサンホラ名義だから知らないで買う人なんていないだろうし安心ですかねw

SPARESPINE「燃えるからだとひきかえに」

燃えるからだとひきかえに

同人メタルサークルSPARESPINEのフルアルバムですね。

このサークルさんの作品は無料配布の「深夜の高速軌道」で初めて聞いたのですが、無料にも関わらず非常にクオリティの高い音源だったので驚かされたのですが、このフルアルバムの方は更なる力作っぷりですね。
同人メタルでは珍しくドラムを含めた全楽器が生演奏で、しかも代表の岩下タミさん1人で演奏してるってだけでも凄いんですが、特筆すべきは全11曲で演奏時間70分近くという同人離れした大ボリュームで、相当な時間をかけて作り上げたんだろうなというのが聞いてるだけでも伝わってきます。

音的には「深夜の高速軌道」と同じ叙情的なツインリードギターを主体にしたパワーメタル路線ですが、こっちは女性ボーカルなので若干印象は異なるかもしれないですね。やはり女性ボーカルだと同人メタルっぽくなりますね。
メロディセンスもなかなかの物で、各楽曲にフックのあるメロディやリフがしっかり組み込まれていますし、しかも各曲のメロディにしっかり個性があって、疾走曲ばかりにも関わらず似たような曲ばっかりになっていないのも好印象ですね。
そして注目すべきは終盤に収録されてる長尺のプログレメタル的な展開を持つ楽曲(#9、#10)で、これがかなり聞き応えあってアルバムのハイライトになっていると思いますね。変拍子等のテクニカルな展開はありませんが、複雑で非常にドラマチックな展開を堪能できます。まあプログレメタルとはいってもドリームシアター的な感じじゃなくてX JAPANの長尺曲に近い雰囲気かな?

全体的にハイクオリティですごい気合の入った力作だとは思うんですが、ただ、ボリュームがありすぎて聞き疲れるというのも否めないかもしれないですね…。終盤の長尺な曲以外も6分越えの曲が多いし。プログレメタル的に聞かせる曲以外は4~5分くらいでコンパクトにまとめた方が聞きやすかったかも?
あと、ボーカルで参加してるヒメゴトのucoさんは音域が低めだから楽曲の良さを十分に引き出せてないような気もしなくない。ヒメゴトは割と低めのキーの曲が多いからこの方の歌唱が合ってると思うんだけど、この作品はもうちょいハイトーンのボーカルさんが合ってたんじゃないかなぁ。
あとドラム生演奏は十分に上手いんだけど、プログレメタル的な展開を際立たせるには打ち込みの方が良かったかもしれない。

所々で惜しい点はあるんだけど、その辺を改善出来れば凄い名作になるんじゃないかっていう強力なポテンシャルを持った作品だと思いますね。
まあ自分としてはプログレメタル的な曲があるだけでも高く評価したくなるんですけどねw
次のM3では新作アルバムが出るみたいですし、更なるクオリティアップを果たした作品になっていることを期待してます。

RomariaCrusade「正常の国のアリス」

正常の国のアリス

RomariaCrusadeの18thアルバムですね。
本当はもっと早く感想上げたいと思ってたんですがタイミング逃して遅くなってしまいましたw

皆さんご存知の通り、このサークルは今年の春M3の直前の時期に事件を起こして、悪い意味で大いに話題になってしまった方の所属していたサークルで、その事件のせいで活動停止になってしまって今は公式サイトも消えてしまってますね。
しかしその事件については今さら言及しても意味ないし、何か述べても不毛だと思うのでやめておきます。
自分はあくまで音楽(作品)を聞きたいのであって、それを作った方の人格やリアルでの境遇には興味ないんですよね。
まあ、メジャーの場合はアーティストの人柄を含めて人気あるって場合が多いですけど、同人音楽は基本的に顔出しはしてないですしね、やはり作品と製作者の人格は分けて考えたいですかね。
自分はツイッターでもサークルさんのアカウントはほとんどフォローしてないんですが、それは製作者さんの私的なツイートのせいで作品のイメージが左右されるのを避けたいという意図があるからです。

だいぶ話が逸れましたが、要するに製作者がどういう人であれ、作品が素晴しければ素直にその作品に賛辞を送るべきだと思う訳ですよ。そして、今回取り上げるこのRomariaCrusadeの作品はそのまさに賛辞に値する素晴らしい音楽が収められていますね。

まずこのサークルの魅力として、とにかくメロディが素晴らしいという点が挙げられます。このアルバムの収録曲の#1、#2、#4、#5あたりはまさに名曲といっていいくらいに優れたメロディを持っていますし、他の作品も試聴を聞いただけで魅了されてしまうくらい非常にインパクトある「名曲オーラ」が出てると思うんですよ。
同人音楽シーンにはハイクオリティな作品作ってるサークルさんがたくさんいますけど、どのアルバムにもコンスタントに名曲を収録できてるサークルさんって実はそんなに多くはないと思いますしね。全曲の作曲を手がけている星見さんのメロディセンスはほんと非凡な物があると思いますよ。それだけに活動停止が惜しまれてなりません。
まあ、音質が悪いのがこのサークルの弱点かもしれないですが、サウンドクオリティなんて機材にお金かければいくらでもクオリティアップ出来ると思いますしねw やはり音楽の最重要な要素はメロディですよね。

そしてボーカル面でも、小鳥遊まこさんの表現力豊かに多彩な歌声を使い分ける歌唱は素晴らしいの一言です。星見さんもさすがニコ動で人気だっただけあってかっこいいイケメンボイスですよね。自分は男女ツインボーカル曲好きなんでお二人が歌ってる曲がかなりツボでした。

もうイベントでは入手は出来ないと思いますが、同人ショップにはまだ在庫があるみたいですしおすすめの作品ですね。

Ritorno「Canna Cinq~ある姫君と人形師の話~」

Canna Cinq

前回に引き続き今回もRitornoのアルバムを紹介します。
この作品はZanniより前に発表されたアルバムですが、ミュージカルの比率が高くてサンホラ系同人音楽として聞ける内容だったZanniに比べると、こっちはボイスドラマの中心の内容になっていて、収録時間の半分以上はセリフ、ナレーションになっており、ボイスドラマの合間にちょこちょことミュージカルパートが挟まれているような構成になっています。

従って、この作品はあくまでボイスドラマとして聞いて、おまけとしてミュージカル(音楽)を楽しむという聞き方が正しいのかもしれないですね。全編に音楽が配されているZanniとは違い、ボイスドラマパートのバックにもほとんどBGMがないですし、ミュージカルパートもトラック分けされておらず音楽の部分だけ繰り返して聞くことが出来ないので、音楽としてこの作品を評価するとどうしても厳しくならざるを得ないかもしれないです。
まあ、ドラマCDサークルなんだから音楽として聞くのを想定してないのは当たり前なのかもしれませんが…。

しかしながら、音楽をおまけと割り切るには余りに惜しいほどにそのミュージカルパートが良く出来ているんですよ。前回の記事でも書いた通り、まじで他のサンホラ系サークルを凌駕するくらいの音楽性を持ってるんですよね。
特に、#3「機械人形」はまじで名曲ですね。トラックの演奏時間は8分になっていますが、半分以上はボイスドラマなので曲としては実質3分程度しかありません。しかしこの3分の間に非常に濃密な展開が詰め込まれており、ミュージカルならではの大勢のボーカルの掛け合いやコーラスの絡み合い等、実に緻密に作りこまれた豪華な楽曲になっています。こんな素晴らしい曲がボイスドラマのおまけみたいに配置されてるのが信じられないほどw ミュージカル系アニソンや同人サンホラフォロワーが好きな方は必聴の名曲ですね。

もう1つのハイライト曲は#8「昔話」ですね。この曲はメロディ展開も素晴らしいんですけど、なによりもストーリー上の仕掛けと連動した後半部分の異様な盛り上がり方が最大の聞き所ですね。まあ、盛り上がる部分で音量上げるのはちょっとずるいなぁと思いつつも、これは初めて聞いた時は鳥肌ものの衝撃ありましたねw これも必聴曲です。
#4「人形師」の序盤のデュエット曲も良い曲ですね。まさに絵に描いたようなミュージカル系ラブソングで小っ恥ずかしくなるほどw 他の曲もミュージカルパートは短いですが、どれも完成度の高いメロディとアレンジを聞くことが出来ます。

ストーリー面では、Zanniに比べるとかなりシリアスな展開なんですが、個人的にはコミカルなセンスを存分に発揮していたZanniの方が好きかなぁ。シリアス物にするにはちょっと設定が甘い気もしなくはない。ストーリー的な仕掛けと音楽の絡ませ方が巧いので十分楽しめますけどね。

このままでも十分素晴らしい作品だとは思いますが、やはりこれだけ優れた音楽やってるんだし音楽リスナー向けの配慮が欲しかったところではありますよね。まあその配慮を実現したのがZanniだと思いますが。
とにかく音楽部分が長いボイスドラマパートに挟まれていて非常に聞きづらいので、音楽編集ソフト使ってトラックを自力で分割するのもアリだと思いますよw かなり面倒くさいですがその労力に見合うだけの価値のある音楽だと思います。

Ritorno「Zanni」

zanni.jpg

ドラマCDサークル、Ritornoのアルバムですね。
おすすめCDの欄にずっと置いてあったにも関わらず長らく記事書かずに放置してた訳ですが、これもぱっちりひつじと同じで、とっておきのオススメ作品はどのタイミングで投下するか迷うんですよねw とりあえず秋M3前には上げとこうと思って今回書き上げましたw

このサークルさんのことを知ったのは今年の春M3のサークルチェックでカタログ調べてる時だったんですが、サークルカットに「ミュージカル風ドラマCDサークル」って書いてあったので、ミュージカル系、サンホラ系のノリが好きな自分としては気になっていたんですよね。
しかしながら、ミュージカル「風」ということだし、あくまでドラマCDがメインで、音楽要素(ミュージカル)はおまけ程度なのかな?と想像してたのですが、確かに自分が最初に聞いた「Canna Cinq~ある姫君と人形師の話~」の方はボイスドラマの合間にミュージカルがちょこちょこ挟まれるって感じの構成なんですよね。
それでも、音楽が「おまけ」なんてことは全然なくて、ミュージカル部分は短いながらも非常にクオリティ高くて、メロディもアレンジもボーカルも凄まじい完成度だったのでかなり衝撃を受けたんですよ。ぶっちゃけ、音楽を専門でやってるサークルよりもよっぽど高度な音楽性を持ってるんじゃないかと思えるくらいですw
せっかくこんなに良い音楽やってるのに、ボイスドラマの合間で細切れみたいになってるのが本当にもどかしく感じましたねw 音楽の部分だけ繰り返し聞くことが出来ないトラック構成になってましたし。

そして、そのボイスドラマとミュージカルの比率を逆転し、完全に音楽リスナー向けな内容になっているのが今回紹介する「Zanni」なんですよ。Canna Cinqで感じていたフラストレーションがこの作品で解消されましたねw
もはや他のサンホラ系サークルと肩を並べるどころかそれを凌駕してるくらいのクオリティの音楽を聞くことができます。それどころか本家サンホラの域に迫ってるんじゃないかってくらいのレベルですよ。こんだけの内容にも関わらず「ドラマCDサークル」を名乗られてしまったら、他の音楽サークルは立つ瀬がないんじゃないかって余計な心配してしまいますねw

音楽的には、#3や#4あたりがハイライトだと思うんですが、この2曲のサビとかまじ名曲級で、同人音楽勢ではなくサンホラを比較対象にしてもいいくらいの完成度だと思いますよ。具体的にはMarchenあたりの楽曲ですね。まあ同じくグリム童話モチーフだから余計に比較しやすいというのもありますがw
#6のバラード曲もなかなかの名曲なんですよね。かなりコミカルな雰囲気の中で歌われるにも関わらず後半でぐっと盛り上がってけっこう感動しちゃいそうな展開に仕上がってるのが凄いと思う。センスの良さに脱帽です。
まあ全体的に見たらサンホラには全く及ばないでしょうけども、ドラマCDサークルの楽曲が超有名メジャーアーティストの楽曲と比較可能な地点に到達してる時点で恐るべきことだと思いますよw

それと、音楽以外のこの作品のドラマCDサークルならではの魅力として、「分かりやすさ」というのが挙げられると思いますね。
音楽とドラマCDの差って、繰り返し聞くかどうかって部分にあると思うんですよ。音楽は何十回と再生するけど、ドラマCDならストーリーを把握したらもう聞かないってことが多いと思うんですよね。
サンホラ系の音楽はあくまで音楽なので、繰り返し聞くことを前提にしているから、あえてストーリーを難解にして何回も聞き込むことを聞き手に求める作りにしていることが多いと思うんですが、このRitornoはドラマCD志向なので、1回聞いただけでストーリーが把握できるような親切な作りになってるんですよ。個人的にはこの分かりやすさが気に入りました。
必ずしも考察が必要な複雑なストーリーが優れていて、簡単なストーリーは劣っているなんてことは決してないですからね。シンプルなものだからこそよりセンスが求められるってことも往々にしてありますしね。
それに、ただ分かりやすいというだけでなく、所々にボイスドラマならではのセンスが光っていて、ストーリーから声の演技まで本当に作りこまれてるとひたすら感心してしまいますよ。やっぱりこういうのは音楽サークルじゃ作れないかもなぁ。

あと、サンホラ系にありがちな薄暗い鬱展開がなくハッピーエンドなのがいいですねw 個人的には絶望系の暗いストーリーはあんまり好きじゃないんですよね。こういう絶妙なコミカルなバランス感覚、これもドラマCDサークルだからこそなせる技なのかな。
しかも、2曲目あたりでよくあるサンホラ系の残酷な展開を予感させておいて後半で見事ひっくり返してハッピーエンドになるというのが心憎いですねw あえてサンホラ系同人音楽の王道パターンを破ってる感じもしなくはないw
まあ、ドラマCDサークルだからもしかしたらサンホラの影響は直接受けていないのかもしれないですね。ドラマCDの要素とミュージカルを足したら偶然サンホラっぽくなっただけとか。それが良い方向に働いてるのかも。

音楽サークルとして聞いてもドラマCDサークルとして聞いても一級品という、本当に凄い作品だと思いますね。個人的にはセリフ入り同人音楽の理想形と言える作品だと思ってます。もしドラマCDサークルだと思ってスルーしてる方がいたら是非聞いてみることをおすすめしますw

merci BOX

merci BOX

夏コミ(C84)で発表されたポップス系コンピレーションCDですね。
なんと2枚組で全26曲、演奏時間2時間近くという大ボリュームでありながら、ミニアルバムと同じ1000円という割安な価格設定で、しかも楽曲やサウンドのクオリティも総じて高いので非常にリーズナブルな作品になっていると思います。
が、なんせ同時期に出た同規模のオレオレウサギのコンピが無料ダウンロードだったので、それと比較したら若干こっちのインパクトは削がれてしまってる気もしなくはないですねw しかしこっちも素晴らしい作品だと思いますよ。

コンピレーションCDといっても、複数のサークルがそれぞれ別々に作った楽曲を寄せ集めたというよくあるスタイルではなく、音質や楽器の音色に統一感が見られますし、おそらくレコーディングやミックス等の作業もある程度は共同して作られた作品なのではないでしょうか。まあ詳しくは分からないので適当な予想なんですけどw
その結果、コンピCDにありがちな雑多な雰囲気がほとんど感じられず、あくまで1つの作品として通して聞けるのが好印象ですね。
参加してる方々に知ってる名前が一つもありませんでしたが、「新進気鋭のコンポーザー」によるコンピらしいからやっぱり有名な人はいないのかな。

なんせ26曲も収録されてるので、個人的に好きな曲をピックアップするだけでもこれから聞く人にとっては役立つかもしれないですねw リッピング作業は当然の事ながら苦行なので、後回しにしてるリスナーさんもいそうですしw
全体的にはポップス系の曲が多いんですが、中にはジャズ系やヒーリング系やエレクトロニカ系などの多岐に渡るジャンルの楽曲が収録されています。ボーカルものとインストものが大体半々の比率で収録されていて、ボーカルものも男女の比率がほぼ半々って感じですかね。

まずDISC1では、電波ソング系の曲では#2と#6、ゲームBGM系のインストでは#8と#9、ポップス系では#13、#14辺りが気に入ってますね。
#2はニコ動系、#6はエロゲ系の電波ソングって感じですが、どちらもメロディの完成度高くて聞き応えありますね。
#8はレトロゲーム的なシンセ音が奏でるファンタジックなメロディが心地良く、#9はRPG系の冒険の始まりを告げる陽気なBGMって感じですね。
#13は女性ボーカルがしっとり歌い上げるバラードで、#14も女性ボーカルによる軽快で爽やかなロック曲です。

そしてDISC2の方では、ボーカル曲では#2、#3、#5、#6、#11辺りが、インストでは#8が気に入っています。
#2は女性ボーカル2人によるキャッチーで柔らかな雰囲気の曲で、イントロも含めて印象的なメロディが詰まっています。
#3、#5は男性ボーカルによるR&B系のJポップス的な曲ですね。#6はこのCDの歌ものでは一番好きな曲かな。シンフォニックなイントロから開放感のあるサビまで素晴らしいメロディの完成度だと思います。
#8は和風プログレメタル的なインスト曲で、このCDでは一番メタル的な曲かな。後半のヘヴィな展開がかっこいい。
#11はラストを飾るに相応しい大団円的な合唱曲で、おそらくこのコンピに参加してるボーカルさんが全員集まって合唱してるんだと思いますが、この曲で感動を味わうためにこのコンピを2時間にわたって通して聞く価値はあるんじゃないかと思えるくらいには良い曲ですよw

ここでピックアップした以外の曲もクオリティの高い曲が揃ってますし、聞き応えのある素晴らしいコンピCDだと思います。

葉月ゆら「Platinum」

platinum.jpg

葉月ゆらさんのC84新作ですね。
新譜2枚同時リリースのうちの1枚なのですが、もう1枚のほうはけっこう残っていたのにも関わらずこっちは予想外に早く完売してしまったため自分はコミケ当日には会場で買えませんでした…。
つまり、こっちばかり人気だったということは葉月ゆらさんのネームバリューで売れたというだけでなく、試聴の段階で前評判がかなり高かったってことなんでしょうね。

おそらく、その前評判の高さの主な要因は#5「Diabolikha」の存在だと予想してるんですが、これが試聴の段階でも強烈なインパクト放っていたキラーチューンなんですよねー。葉月ゆらさんといえば甘々なゴシック系ポップスのイメージですけど、ここまでガチな疾走メタルチューンやるなんてかなり意外ですし、このキラーチューン目当てにいつもは葉月さんのCD買わないメタラー層が殺到して早めに完売してしまったんじゃないかと勝手に予想してるんですが、まあ、なんの根拠もないんで単なる予想ですw 悶絶メタルさんでもこの曲だけ高評価になりそうな予感w
この曲、単に疾走メタルというだけでなくアレンジも非常に凝っていて、特にリズム面ではプログレメタル系のテクニカルなアクセントが随所に仕込まれてるのが良いですよね。こういうリズムにこだわったアレンジ大好きです。

とまあ、メタラー層の注目はこの5曲目に集中してそうな気がするんですけど、実は個人的に一番気に入ってるのは#3「眠りうさぎと月の夢」だったりします。メタラーを自称してますけど、実はこういう明るいメルヘン系の曲調が大好物なんですよw KOTOKOさんの超名曲「月夜の舞踏会」に通ずるような雰囲気を持った素晴らしい楽曲だと思います。やっぱり甲斐ユウさんのメロディセンスはただならぬ物がありますよね。
こういう曲調って意外に同人音楽では少ない気がするんですよねえ…。同人音楽はメルヘン系作品多いし、もっとこういう感じの曲が聞いてみたいですね。

そのキラーチューン2曲の他にも、#2の甘々なメルヘン曲も素晴らしいし、葉月ゆらさんの歌声の魅力を存分に味わえる作品になっていると思います。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

最新記事
カテゴリ
VA (1)
Imy (1)
リンク
検索フォーム
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QLOOKアクセス解析