DIA&すみす「Phantasïc Ånthologia」

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http://phantasicanthologia.tumblr.com/

四コマ漫画家兼DTMer…じゃなくて四コマ漫画も描ける天才肌マルチクリエイターなDTMerことDIAさんが、オーケストラサウンドを得意とするDTMerすみすさんとダッグを組んで生み出した作品がこの「Phantasïc Ånthologia」ですね。
この圧倒的な完成度、壮大なスケール感…。今作を2016年の同人音楽ベスト作品に選ぶリスナーも少なからずいると思いますが、それほどに豪華絢爛な内容になってます。
同人音楽において架空ゲーム音楽サントラというジャンルはポピュラーですけど、メタラー向けという観点ではおそらくこの作品は最高峰の完成度なんじゃないでしょうか。

DIAさん単独でも以前に「架空RPG」というゲーム音楽サントラ風の作品を作っていて、それも素晴らしい内容だったのですが、今回は更なるスケールアップを果たしていると言えそうです。ゲーム音楽モチーフのインスト作品という点は変わらないのですが、今作ではオーケストラサウンドを得意分野としているすみすさんと組むことによってシンフォニック度が大幅に増加。全編がド派手な音で埋め尽くされてて、まるでRPGの山場で流れる高揚感あふれるBGMばかりを選んで収録したかのような内容。なんというか、うちらオタクメタラーが好きなタイプのゲーム音楽の美味しい部分だけを抽出して固めた感じ? RPG好きなメタラーにとっては理想的な内容と言っても過言でないのでは。
しかも、ただ派手なシンフォニックサウンドだけではない。DIAさんが得意とするエモエモしいハードコアなバンドサウンドが共に鳴り響くことにより更にメタラー的に美味しく、そして他とは異なるオリジナリティも見事に獲得しています。普通、ゲーム音楽系の激しい曲って言ったら十中八九がメロスピ系サウンドですからね。やはりゲーム音楽とラウドサウンドの融合は大いに新鮮味あります。もちろん、クサメタラーが好きなバトル系のメロディも取り揃えてますし、ほんとに幅広いリスナーにおすすめ出来る音楽性だと思う。

1曲目は不穏な空気感を煽るイントロ。そこから2曲目「Minnesanger」の壮大な冒険の幕開けを思わせる勇壮な曲調へと繋がります。この曲のメインのメロディ奏でてるのはオカリナ? 実にRPG感のある音色ですよねえ。そして壮大なシンフォニックサウンドとDIAさんお得意のV系センスを交えたポストハードコアなサウンドの絶妙なコンビネーション。緩急の付け方も実に巧みで、ほんと最高ですねえ。
3曲目「この空に願いを」、こちらは爽やかでキャッチーなメロを聞かせるタイプの曲なんですがやはりバンドサウンドの使い方が素晴らしく、単なるBGMの枠に収まらない音になってると思います。

4曲目「Oracion」はすみすさん単独曲。バンドサウンドも少しだけ入るけどギターは打ち込みなのかな。でも十分にカッコいいですよね。シンフォニックサウンドの完成度はさすがの一言。
5曲目「Fallen Leaves in the Twilight」は民謡要素が濃いですがやはりラウドなバンドサウンドのおかげで一筋縄ではいかない印象を放ってますね。叙情的なピアノのメロディも素敵。
6曲目「Determination[We Are Mission Launch]」は待ってましたのバトル曲。テンション上がりまくりの劇的なツインリードギターに加え、Djent的なテクニカルなフレーズまで登場したりしてDIAさんならではのハイセンスっぷりを存分に聞かせてくれます。やはりこれも単なるRPGバトル曲には収まらない音楽性ですねえ。

7曲目「Snow Grassland」、これはバンドサウンド無しのシンフォニック曲なんですが意外にもDIAさん単独。もちろんDIAさんだけでもシンフォニックな完成度は高い。「架空RPG」を思い出す曲調かな。
8曲目「Trouvere」、これはロック度が最も高い曲かも。ポストハードコアなフレーズがけっこう前面に出てるし疾走パートもある。意表を突いて8bitサウンドが登場するのも面白い。

9曲目「約束と理由の行方」、これはDIAさん単独。ゲーム音楽風味はちょっと控え目で、エモいギターサウンドが目立ってる感じ。事前にDIAさんが「ポストブラックな曲がある」って言ってたけど試聴では全くそれっぽいの無かったから不思議に思ってたんですが、この曲の後半がポストブラックだったんですねえ。エモいギターとブラストビート。最高です。個人的に今作で一番好きなのはこの曲かも。

10曲目「少年の旅路とジョングルール」、バンドサウンドは無いですが実にゲーム音楽らしい王道シンフォニック曲。
11曲目「最期は、僕の手で」、なんでしょうこの意味深タイトルは。どんなストーリーが込められてるのか気になってしまうではないですか。親友がラスボス化したとかそういう系の鬱エンドなのか? 曲調としてはラスボス打倒後のエンディング曲って感じでしょうかね。切なさと開放感が入り混じったような感じ。

そして無音トラックを挟んで最後にボーナストラックも収録されてて、これは収録曲のチップチューンメドレーですね。これも良いっすねえ。

そんな訳で、ゲーム音楽好きなリスナーはもちろんのこと、メタラーも大満足できること請け合いの超豪華作品です。全同人音楽リスナーにおすすめ出来ると思う。
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DIA Music Lab「架空RPG」

https://diadiadia1.booth.pm/items/205082

「ito project」でオリジナリティあふれる激情ハードコアサウンドを披露しているDIAさんが、別名義で架空のRPGサントラというコンセプトで制作したアルバムです。
当然ながらゲームのBGMを意識した作風なので、ito projectのほうで聞けるダークでアグレッシブな音像とは全く別物と言える音楽性なんですが、完成度という点でito projectの作品と同等の出来栄えだと思います。

ゲーム音楽と一括りに言っても、穏やかな民謡曲もあればクラシカルな曲もあるしメタルやプログレ的な曲もある訳ですから、実質的にオールジャンルな作品と言えそうですよね。使用している楽器の音源も相当な種類に上るでしょうし、これだけ幅広い音楽性を1人で全て創り出してしまうDIAさんの才能というのはやはり只者じゃないと改めて思いますね。ぶっちゃけこれだけ完成度高いサントラを作れちゃうんだからもう普通にゲーム会社で音楽制作できるんじゃないかって思えるほど。

BGM的な作品ということもあって各曲は短めですが13曲も収録されているのでかなり満腹感のある作品になってるかと思います。
1曲目はいかにも物語のプロローグと言った感じの穏やかな曲。これから始まるであろう冒険を予感させるワクワク感の詰まったメロディが秀逸ですね。浮遊感あるシンセの音色が効果的。
2曲目は村をイメージした曲のようで、民謡的なメロディと素朴なアコースティックギターの音色が良い。

3曲目は草原をイメージした爽やかな曲で、個人的にも特に気に入ってる曲ですね。軽快なドラミングが心地良い。
4曲目は待ってましたという感じの疾走感ある戦闘曲。やっぱりメタラー的にはRPGの音楽と言えば戦闘曲こそがメインなんですよね。サントラでも戦闘曲ばっかりリピートしてるとかありがちですからね。この曲もそんな例に漏れず素晴らしい曲だと思います。オルガンを基調としたプログレ感あるフレーズがやはりツボりますよ。2分未満しかない短い曲なのが惜しい。

5曲目は港をイメージした曲、これもアコースティックギター良いっすね。
6曲目は鉱山をイメージした曲で、これは特に民謡要素が濃い1曲ですかね。
7曲目は再び戦闘曲。こちらは力強いツインリードギターが主体の曲になってますね。これぞメタル系戦闘曲!と言った王道感あります。中間部のリフではito projectらしいフレーズも聞けますね。
8曲目も民謡曲ですが木琴の音が印象的ですね。
9曲目も木琴が目立ってるんですが、この曲はダークな曲調も相まって最もito projectのイメージに近い曲かも。
10曲目は浮遊島のイメージ曲みたいですが神秘的な雰囲気が良いですね。
11曲目、これも木琴が活躍しててito projectっぽさあるかな。

12曲目はいよいよラスボス曲。クライマックスの緊迫感あふれる曲に仕上がってると思いますね。荘厳なオルガンのイントロに続いて変拍子展開が入るのはFF6のラスボス曲を意識してる感じ? 2分半しかない曲ですが実に密度の濃い曲ですね。
13曲目はラスボス打倒後のエピローグ曲でしょうか。後半ドラマチックに盛り上がるのが素晴らしいですね。このFFっぽさあるテーマフレーズ最高ですわ。

非常に完成度の高いサントラ作品ですしゲーム音楽好きな方なら言うまでもなく必聴でしょう。ただ、DIAさんのメインであるito projectのほうは割と音楽性が限定されているからこのサントラで披露したような多彩な方向性が活かされる可能性がほとんど無いのがちょっと惜しいですかね。まあito projectでシンフォニックアレンジとか出て来ても場違いすぎますからね…。なのでDIA Music Lab名義でまた何か作って欲しい気がしますね。

ジャケットはお馴染みtac-t!sさんが手がけていて、可愛らしい絵柄が良いですよね。tac-t!sさんはシリアス系でも可愛い系でもどっちでも行けるのはやっぱり強みでしょうね。というかこの右側にいるヤギの骨みたいなのってPhantom Quartzにもいたような。

ito project「亡失の書」



イベント前にも書いた通り、なんでこんなに素晴らしいサークルを今まで見落としてたんだろうって後悔するくらい凄い音楽なんですけど、でも本当に過去にもイベント参加してたのか…? もしかすると今回がM3初参加だったりする…? 主催の方が北海道にお住まいみたいだし東京のイベントとか来るの大変だろうからなぁ。
昨年のカタログがすでに行方不明だからM3参加してたか否か確認できなかったりするんですが。まあ、バンドキャンプでの配信が主みたいだしイベント参加の有無とかさほど関係ないんでしょうけどね、ただうちは同人音楽扱うブログだから同人音楽サークルだと定義する都合上で必要っていうだけで。

まあ同人音楽であろうがなかろうがとにかくメタラーなら必聴の素晴らしい音楽であることに変わりはないです。
というか正確にはメタルじゃないですよね…ギターの音がクリーントーン中心で全然メタリックじゃないですから。でもリフがメロデス系の叙情的なメロディを奏でているからクサさもありますしかなりメタラー向けな感じはします。

ジャンル的には激情ハードコア、もしくは激情カオティックコアという名称が相応しいのでしょうけど、一般的なハードコア系サウンドと毛色の違うV系っぽい要素がそこに加味されているのがオリジナリティでしょうか。具体的にはギターの音色やリズムパターンにV系要素が感じられます。
実を言うと個人的にV系ってそんなに好きって訳じゃなくて、過剰に敬遠してた時期もあったくらいなんですが(音楽がどうのって以前に雰囲気が苦手なんだと思う…)、でもこんだけカッコ良い音楽だったらジャンルとかどうでもよくなりますよ。
それに、このito projectの場合はV系の良い部分(と言ったら語弊あるかもだけど)を抽出して絶妙な具合でもって独自の音楽に昇華してる感があり、やっぱりセンス良すぎだと思います。具体的にはV系独特のシャキシャキしたリズムパターンをカオティックコアの展開と融合させてる感じですかね。それによってこのカオスでありながらも非常に親しみやすいリフが生まれてる感じでしょうか。
もちろん自分はプログレプログレ連呼してる人間なんで当然ながらカオティックコアとしてこの音楽を聞いてるんですが、V系要素が無かったらここまで良くなかっただろうなぁと思いますし。

しかしながらこのサークルの1番すごいのって、作曲もギターもボーカルもミックスマスタリングも何もかも主催のDIAさんが1人で手がけてるって点ですよね。それでこれほど完成度が高くオリジナリティも備えた音楽を作ってるんだから天才的としか言いようがない。どうやら今回の新作は海外のインディーズレーベルで発売されるみたいですが、まあこれだけ凄い音楽なら海外で認められても全く不思議じゃないですな。
サークル名は某SF作家さんほぼそのまんまのネーミングですが…きっとお好きなんでしょうね。

さて今回の新作についてですが…。というか自分はこのito projectをまともに聞き始めたのがたった1ヶ月前でそれからバンドキャンプの音源を聞き漁った感じなんであんまり新作という感慨がないんですがまあそれは仕方ない。
事前にはカセットテープ(!?)でリリースされるとアナウンスされていて驚いたんですが結局普通にCDで出すことになったようです。というかカセットテープとかあっても再生する装置ないしどうすりゃいいんだ…。アナログレコードみたいにコレクションアイテム的なもの想定してたのかな。

基本的な方向性は1stミニアルバム「遠方より終着」とほぼ同じ路線ですね。目新しい要素はあんまりないけど、まあそれは1stの時点でクオリティ的にもオリジナリティ的にも完成の域に入っていたということだからあれ以上の進化は難しかったんだと思いますが、もちろん安定感は抜群なのでさすがという感じです。これだけオリジナリティある音楽なら大きな変化は必要ないのかもしれませんね。
ただ、V系要素が更に色濃くなったのは多少変化したポイントですかね。4曲目とかクリーンボーカルがメインになってるからV系ソングの趣きが強いですし。

1曲目はボソボソした語りとギターノイズによる不気味な序曲。
2曲目はこれぞito project節と言えそうなカオティックでテクニカルでメロディアスさも兼ね備えた楽曲で、相変わらずほんとに聞いてて心地良いサウンドですよねえ。歯切れの良いリズムが最高。DIAさんのデスボイス(スクリーム)ってブラックメタル的な甲高い声でかなり禍々しい雰囲気ですし、最初はちょっと怖く感じましたが今は慣れました。
3曲目は木琴の不穏な音色が印象的なスロー曲。「喚起 / 契約」の3曲目と同路線だけどなかなかのホラー風味ですな。

4曲目はブラストビートで爆走しまくりな曲でまさにメタラー向けですね。もちろんito projectならではの凝ったリズム展開もあるから単調さは全くないです。
5曲目はPVにもなっていた曲で、クリーンボーカルを前面に出した新機軸ですね。やはりこの曲はかなりV系寄りな方向性ですな。DIAさんのクリーンボーカルけっこう好きな感じです、こういうタイプのハイトーンボーカル良い。あんまりクリーンパート増やすと軟弱な雰囲気になってしまうから最低限に抑えてるのかもしれないけど。
6曲目もクリーンボーカル入ってて割とV系寄りな作風かな。

全体的には僅差で1stの方が好きかもなぁって感じも無きにしもあらずなんですが今回も安定しまくりな内容であることは間違いないです。V系が好きなリスナーなら今回のほうが気に入りそうですね。

遠方にお住まいということもあり頻繁にイベント参加とか難しいんでしょうけど…今後も注目していきたいサークルですね。これだけのセンスとクオリティを持った同人メタルって稀有だと思いますから。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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