Liesvect「Liesvect 3 -verdict-」

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http://liesvect.wixsite.com/liesvect/liesvect3

劇的な音楽を奏でることを信条とした新進気鋭のメタルサークル、Liesvectの4作目。フルアルバムとしては2作目ですね。今回も気合が感じられまくりの必聴作品に仕上がってますよ。

昨年秋、このサークルが持てる力を全て投入して作り上げたであろう大ボリュームのフルアルバム「-Observer-」では、M3デビューから1年しか経っていないサークルがあれほどの濃密な内容のフルアルバムを生み出したことに衝撃を受けましたが、それからたった半年のインターバルで再びフルアルバムが届けられることになろうとは…全くもって驚異的なスピード。オリジナル系でフルアルバムを半年で連発したサークルなんてセミプロ級を除けばかなり珍しい事例なのでは? 東方アレンジでも半年でフルアルバムに漕ぎ着けるのは簡単ではなさそうに思えますし。改めてこのLiesvectのモチベーションの高さに驚かされますね。

もちろん内容についても、制作期間の短さに比例して完成度が下がったなんて事は無く、前作の充実度をそのまま引き継いだ安定の内容になっています。楽曲そのものの出来栄えも相変わらず良いんですが、このLiesvectの大きな「売り」の1つであるテクニカルなギターワークはさらに洗練されてその魅力を増しているように感じます。

基本的に前作の延長線上の内容と言って良さそうなんですが、大きな相違点としてはアルバム全体の構成ですね。前作では3人のコンポーザーが楽曲を制作していて、各々がジャンルを気に留めない自由な作風で制作していたためか、全体としては統一感が希薄で「コンピレーション的」とさえ感じられてしまう散漫さが出てしまう弊害があったんですよね。
前にも書いた気がしますが「バラエティ感」と「散漫」というのは紙一重で、おそらく制作側としてはバラエティ感のつもりだったんでしょうけど個人的には後者としか感じられなかったんですよ。作品を貫く「軸」が存在しない、そんな不安定な感覚が漂う構成でした。

しかし今回の新作においては、作曲者がメインコンポーザーのBlueさん1人に絞られたことで明確な統一感が生まれましたね。徹頭徹尾ドラマチックでテクニカルなメロデス的な作風を貫くことにより、このLiesvectというサークルがどこに向かっているのか、何をどういう風にリスナーにアピールしたいのかがはっきりと示されたことは重要だと思います。
メタルに縛られる必要はないとしてもやはり方向性の中心となる「ブレない」要素があって欲しいし、これだけモチベーション高いサークルなんですから漫然としたコンセプトで活動し続けるなんて勿体ないですよね。

ただ、こんな風に書くと、じゃあ前作のBlueさん以外の楽曲は無駄な要素だったのか? って受け取られそうですがそんな事は無くて、ちゃろんさん作の2曲とかむちゃくちゃハイクオリティだったしあの2曲がアルバムの大きな聞き所になってたのは疑いようのない事実なんですよね。Blueさん以外の曲も個々の楽曲としては非常に素晴らしかったんですよ。ただ統一感が無かったっていうだけで。
っていうかむしろ、ちゃろんさんの曲が素晴らしすぎたので、デスメタルと一緒くたにアルバムにぶち込む雑多な構成にこそ違和感を抱いていたというのが正直なところです。デスメタルとポップスの食い合わせって相性悪いのは当然で、デスメタルを食べ物に例えるならば激辛調味料ですよね、刺激の強さが魅力だけどあらゆる味を呑み込んでしまって辛さばかりが印象に残る。まあメタラーは感覚が麻痺してるからデスメタルとポップス混在してても普通に聞けちゃうんですけどね…。

そして、今作はメニューを減らして辛さを全面に出した本格カレー専門店としてリニューアルした(?)Liesvectですけど、ちゃろんさんの生み出す繊細な味に未練がないとも言い切れないけどでもやっぱりここは潔くカレー屋として頑張って欲しい訳ですよ。ミチザネさんのスクリームをメインに据えて活動していく以上は純然なポップスを並行して収録するのは得策ではないと思いますが、でも単にアグレッシブなだけではなくキャッチーな女性ボーカルの歌メロやテクニカルなアレンジもLiesvectの大きな売りですからね、そこにはまだまだ大きな可能性が拓けていますよね。多彩なジャンルを取り入れつつも散漫さを出さないってのが調理人の腕の見せ所ってことになるでしょう。

では各楽曲についてですが、まず1曲目「Gates」、前作の1曲目とほぼ同タイプの「分かりやすいサビ」があるメロデスチューン。ジャンルが多岐に渡っていた前作においては1発目がデスメタルであることに一般リスナーを遠ざける弊害を感じたりもしましたが、今作においてはメロデスな作風が一貫していることもあってこのアグレッシブな曲を冒頭に配置することに必然性が感じられます。
申し分のないメロデス曲だと思うのですが、ただ、音が依然として軽めに聞こえてしまう事と、あとスネアの金属音の残響がノイズっぽく聞こえてしまうのが惜しい…。楽曲の出来とギターのテクニカル度は界隈でも確実に上位に入るレベルだと思うんで、あとは残る課題は音作りだけですよね。これを次回作で解決してくれれば完璧なんじゃないかと。

2曲目「Phantasmagoria」は前作にも参加していた女性歌い手の月乃雛さんをフィーチャーした曲。この曲も前作の2曲目に近い作風ですが、相変わらず印象的なキャッチーなメロディが満載でまさにBlueさんの本領発揮といった出来栄え。1番のサビと2番のサビのメロディが違うというサンホラのような曲構成にも驚き。
ボーカルの月乃雛さんは歌唱自体の安定感も然ることながら、声質がBlueさんの作る楽曲のイメージにぴったり合ってますし、今後もLiesvectで歌って欲しいと願わずにいられませんよね。専属ボーカルになってくれれば一番ですけどね、それはさすがに難しいか…。
ギターソロの流麗さも前作より更にレベルアップしていて聞き応え抜群。

3曲目は「Redemption」…でいいんですよね? どうやら手違いでCDのパッケージに記載されてる曲順が1個ずつズレてるみたいなんでちょっとややこしい。詳しくは公式ツイッター参照。
ボーカルは続いて月乃雛さん。この曲においてもアグレッシブなメロデスリフとキャッチーな女性ボーカルメロが見事に両立されてる。2曲目とこの曲の作風をLiesvectの基本的な方向性、すなわちLiesvect「らしさ」だと認識して良さそうですかね。テクニカル、ドラマチック、アグレッシブ、この三拍子が完璧に揃ってる。

4曲目「Vlce」はクリーンボーカル無しでミチザネさんの独壇場。BPMは抑え目ながらも突進力の高いメロデスリフによって勢いを感じさせる楽曲。

5曲目「Verdant Machine」はDjent的なプログレッシブな雰囲気を充満させたミドルテンポ曲。やはりテクニカルな演奏には前作からの確かな進歩を感じさせる。シンセサウンドの入れ方も絶妙ですね。クリーンボーカル無しかと思いきや終盤近くになって月乃雛さんのボーカルが入るという異色な構成。

6曲目「Nexus」、再びミチザネさんのスクリームオンリー。この曲もアグレッシブでありながらもシンセの入れ方にプログレッシブなセンスを感じるかも。ミチザネさんは前作で披露したクリーンボイスけっこう良い感じでしたし、この曲あたりでクリーンで歌って欲しかった気もするかな?

7曲目「Sheen」は界隈でも屈指のハイトーン&パワー系の女性ボーカルであるおこげちゃんさん歌唱曲。言うまでもないけどやはりこの歌唱力は圧倒的。っていうかおこげちゃんさん担当曲に作中で一番テクニカル&変態的なアレンジを詰め込むっていうのがなかなか攻めのスタンスを感じ取れますねえ。特に2分半あたりからの間奏でのキモい(褒め言葉)リフの連続攻撃がやばすぎ。しかしこれによってAdust Rainを始めとする他のおこげちゃんさんフィーチャーしたサークルの楽曲との差別化に成功してる気もする。
もちろんメロディ自体もおこげちゃんさんのハイトーンに相応しいドラマチックさを備えていて文句なしにキラーチューン。

8曲目「Remains from」、前作でも終盤の「Ashes」において複雑めな曲構成のドラマチックな楽曲を配置していましたが、今作ではなんと10分近くの長尺曲。終盤にクライマックス的な盛り上がりポイントを置くという美学が見て取れますね。終盤に転調して登場するサビメロが特に好き。

9曲目「Fatel Vision」、これは前作の時点で既にサウンドクラウドで公開されていたインスト曲なんですが個人的にめちゃくちゃ気に入ってた曲なんですよね。てっきりお蔵入りになったのかと思いきやこうしてアルバムに収録されたのは嬉しい限り。
それにしても改めて聞いても名曲ですよねえ…透明感あふれる爽やかで軽やかな疾走感とフュージョン寄りなスタイリッシュでテクニカルなギターワーク…Liesvectで一番好きな曲かもしれん…っていったら言い過ぎかもしれませんがとにかく良い曲ですよ。今作のアグレッシブな作風とは合わないかな?と思いきや不思議なくらいエンディングに相応しい感じになってる。

ジャケットは今回はめちゃくちゃ硬派。オタクイベントで売られてるCDとは思えないほどに硬派。ディスクユニオンに置いてあっても違和感ないでしょうねこれは。

次回作はいつになるのか…秋にまたアルバム出ちゃうのか? さすがにそれはハイペースすぎて息切れが心配になりますし、やはりここはクオリティアップのためにも1年はかけて欲しいところでしょうか。といってもすでに楽曲とギターは完璧だからあとクオリティアップするべきなのはサウンドプロダクションだけですけどね。
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Liesvect「Liesvect 2 -observer-」

http://liesvect.wixsite.com/liesvect/liesvect2

新進気鋭のメタルサークル Liesvect がデビューから1年の時を経て放った、このサークルの超本気が詰まりまくった驚愕必至のフルアルバムです。
なんと14曲収録の大ボリューム、そして全てボーカル曲で尚且つゲストボーカルは実力派揃い、テクニカルでメロディアスでプログレッシブでアレンジの細部まで計算されたハイレベルな演奏、どれを取ってもデビューから1年のサークルとは信じられないクオリティであり、全ての同人メタラー必聴の絶大なインパクトを内包した作品でございます。

http://adtoe.blog.fc2.com/blog-entry-683.html
大まかな感想は先日の記事に書いた通りなのでそちらを参照して頂くとして、今回は各楽曲について詳細な感想を書き綴っておこうかと思います。
その前に、このLiesvectについてご存知ないリスナーの方々もいそうなので簡単に説明しておこうかと。
前述の通りこのサークルのM3デビューは1年前の秋M3だったのですが、そのデビュー作はボカロをフィーチャーした内容で、音楽性も今作とは少し異なりメタルコアやメロデス要素のないパワーメタル寄りな作風でした。
それから2ヶ月後の冬コミでも新作が発表され、そちらはデビュー作の収録曲を元Ether所属で知られる桜璃さんが歌唱した新バージョンと、新規のインスト曲が追加された企画盤的なシングルとなっていました。
で、その後は春M3にも不参加でしばらく表立った活動は無かったのですが、その間にこの大ボリュームのフルアルバムを作り上げていたという訳ですね。他の一般的なメタルサークルならばフルアルバム制作に1年以上を要するのが普通だと思うんでやはり驚異的な速度だと思います。
ちなみに個人的な意見ですけども、春M3でこのフルアルバムから先行シングル的に1~2曲くらい頒布しても良かったような気もするんですよね。1stからこのフルアルバムでけっこう急激な音楽性の変化もあった訳なんで、合間を埋める何か欲しかったというか。そのほうが違和感も軽減されただろうし…。まあ結果論なんですけどね。

では具体的な楽曲についてですが、まず1曲目「Void.Abyss」、これは新加入の男声ボーカリストのミチザネさんを大々的にフィーチャーした曲で、なんとクリーンボーカルパート無しのメロデス曲です。前作とは完全に別物というか、むしろ前作との共通点を見出すほうが難しい。それをアルバム1発目に持ってきてるんだから実に大胆な選択ですね。さらにはこの曲だけでなく、3曲目は男性ボーカルオンリー、4曲目はこれまたデスボイスオンリーとなっており、序盤の印象がひたすらアグレッシブなことになってます。
このアルバムは全体的には女性ボーカルをフィーチャーしたキャッチーな楽曲が主体で、非メタルのポップス曲もいくつも収録されているというのにも関わらずこの序盤の構成、まるで女性ボーカル目当てで聞こうとしている軟弱リスナーを門前で蹴り飛ばして追い返してるかのよう。良くも悪くも冒険的と言えますかね。この構成にどういう意図があるのか分からないですが、現時点で正式所属している専任ボーカリストはミチザネさんしかいないみたいなんで、やはり正式メンバーの見せ場を最初に設けたかったということなのかなぁ。あとは、このアルバムは全3部構成のコンセプチュアルな仕様になってるみたいだからそのコンセプトからの必要性に依るものなのかもしれない。
もちろん、前作との比較とか全体の流れなどの要素を無視してこの曲単体で聞いてみればカッコイイ曲であることは間違いないと思うんですよ。サビではキャッチーな東方風なメロディが流れたりとか同人メタラーのツボを押さえた曲展開になってますしね。

2曲目「Void.ウタヒメ」、これはイベント前にフル公開されていたリードトラック的な楽曲だと思うんですが、サウンドクラウドでこの曲単体で聞いたときはいまいちピンと来なかったんですがアルバムの流れで聞いてみると実に優れた楽曲であることを実感できましたね。というか前作に無かった要素であるメタルコア…というよりメロデス要素と言ったほうが正しいのかな、このアグレッシブなパートにどうも違和感あったんですが、他の曲ではメロデスパートもちゃんと楽曲に馴染んでる感あるんで、どうやら違和感はこの曲だけのものであったようです。
7分越えの長尺曲ということもあり起伏に富んで実にドラマチックな展開を見せる曲ですよね。特に歌メロのもたらす高揚感は今作中でも上位に入るかと。1stはボカロだったこともあって歌メロの強さは感じにくい部分もあったのですが今回は実力あるボーカリストの力を借りることでダイレクトに魅力が伝わってくる気がします。
ギタープレイの流麗さ且つメロディアスなフレーズも楽曲の劇的な展開に大きく貢献しているのですが、それと共にキラキラしたシンセのフレーズも非常にドラマチックさを演出していて、これは1stにあった魅力である「清涼感」に通ずるものを感じるので個人的に評価したい部分ですね。

3曲目「Void.Solid ploof」、これはミチザネさんフィーチャリングなんですがスクリームは少なめでほとんどがクリーンボーカルですね。クリーン主体とはいえ女性ボーカル目当てで聞いたリスナーが求めてるタイプの曲ではないでしょうし前作の作風とも全く別物なんだけど、ミチザネさん普通にクリーンでもカッコイイと思うしDjentyでテクニカルな演奏は聞き応えありまくりだし十分すぎる魅力を備えていると思いますね。
というか次の曲もそうなんだけどこのテクニカルなアンサンブル凄まじいですよね。前作よりはるかに進化している。ちょっと音が軽めなんでこの手のハードコアな音が好きなリスナーからすると物足りない部分もあるかもしれないけどテクニカルメタルが好きな者としては満足度は高いです。特に、ベースがまるでリード楽器のように動き回ってギターフレーズと絡んでくる展開には痺れますよ。前作にもあったけどこれがBlueさんの得意技って感じありますね。

4曲目「Void.Calyx」、再びデスボイス(スクリーム)オンリーでアグレッシブな楽曲です。こちらもDjent的なヘヴィ&テクニカルチューンなんですがベースラインの目立ち方は前曲以上。もはやLiesvectの「売り」はこのベースラインなのかなと思えるほど。

5曲目「Void.juggernaut」、これが今作のベストチューンですかねやっぱり。とにかく驚くべき完成度の高さ。歌唱力抜群のおこげちゃんさんをフィーチャリングすることでボーカルパートは当然ながら完璧だし、メロデス的リフも今作中では最も説得力のある劇的なフレーズを備えていることに加え、間奏パートではプログレメタル的なテクニカル展開をこれでもかと詰め込んでいますし、ほんとに全く隙の無い出来栄え。テクニカル要素がありながらもそれが嫌味にならないように上手く構成してることも含めて、同人メタルとして理想的な音を提示していると言っても過言でないんじゃないですかね。これなら東方メタルの上位サークルにも全く負けてない思うし全ての同人メタラーに聞いて欲しい曲ですね。

6曲目「Eclipse.Erosion」、これはDjentサウンドに歌謡曲的な粘っこい歌メロが乗るスロー曲。今作中では比較的地味な印象な曲ではあるんですが割とスルメ曲かもしれない。

7曲目「Eclipse.Polaris」、これもハイライトチューンの1つでしょうね。客観的には5曲目が1番かなと思うけど主観的にベスト選ぶとするならこっちかもなぁ。それは藍月なくるさんが歌ってることとも無関係ではない…むしろ関係ありまくりなんですが、でも藍月なくるさん補正を抜きにしても素晴らしい曲だと思うんですよ。スタイリッシュなDjentリフを下地にしながらもそこにキラキラシンセの装飾やドラマチックなツインリードギターが絶妙に絡んで作中でも随一の完成度のサウンドを聞かせていますね。特にサビ後の間奏でのゲーム音楽感あふれるシンセのフレーズがツボです。同人メタル(オタクメタル)ならではの魅力に満ちているし、派手な疾走展開は無いのにキラーチューン感あるのは凄いと思う。雰囲気も1stミニアルバムを継承してると思うしなんとなくBlueさんって名前の通りこういう青っぽいイメージの曲のほうが得意に思えたりします。
もちろん、藍月なくるさんの歌唱も非常に重要な要素です。楽曲の持つ透明感と藍月さんの歌声の繊細な美しさが相乗効果を生み出していると思います。というかぶっちゃけ、この歌声をフィーチャリングしたメタル曲をやってくれたってだけでも感謝の言葉が出て来るくらい。それほどにオタクホイホイでDT殺しなボイスですよまじで。(※ DT→Dream Theater)
サビでボカロ前提みたいな超高音な歌メロが登場するのは愛嬌ですかね。まあ元々ボカロメタルだったんだし。

8曲目「Eclipse.einmal」、ここから「コンピレーション」ゾーンの開始ですね。これより前の曲は全てBlueさん作の楽曲だった訳ですがここからちゃろんさんと低燃費さんの曲が代る代るに登場する感じの構成です。1つのバンドの作品で複数のコンポーザーが作曲していることは全くもって一般的なことなのですが、しかしこのアルバムの場合はコンピレーションと評さざるを得ないですかね…。作風が違うというより共通点を見出すのが難しい。「バラエティ豊か」っていうのは何かしら一貫した「軸」が存在する場合に使うべき形容だと思うんでやっぱりこのアルバムには相応しくないかなぁ。ボーカルも違うし楽器の音色もジャンルも何もかも違う。
でも、コンピレーションであっても楽曲単体で聞けばめちゃくちゃ良く出来てる訳なんですよ。特にちゃろんさん作の曲。この曲と12曲目がちゃろんさん作みたいですが、両曲ともに歌メロの良さは突出してるし、洗練されたコーラスワークを始めとしてアレンジにも一流感が漂いまくりだしゲストボーカルのチョイスも完璧だし…。ほんと非の打ち所がない。こんだけ素晴らしい曲ならばメタラー以外の一般リスナーからも注目を浴びそうな気がするんですが…。でもそこはデスボイスオンリーの曲で開始するアルバムに収録されてるって点が足枷になってるかもしれない。
だから結局、この曲もオタクメタラー向けな楽曲なんですよね。オタクメタラーって「俺はメタラーだけどアニソンもアイドルソングも何でも聞くしむしろアイドルソングのほうがメインになりつつある」みたいな雑食性が当たり前になってるじゃないですか。そういう雑食性を前提にしている良くも悪くも非常にオタクメタラーらしい感性で形成されたアルバムなのかなぁと。もちろんBlueさんの楽曲に限定すればちゃんと一貫性のある内容になってるんで方向性に迷いがあるとか試行錯誤って感じは無いんですけどね。

9曲目「Eclipse.Singularity」、再びBlueさんの曲に戻りますがこの曲もパワフルハイトーンのおこげちゃんさんフィーチャリングによりボーカルパートは非常に強固な仕上がりで、尚且つ適度なプログレメタル要素がしっかり聞き所として機能しているのも好感を持てますね。5曲目ほどのキラー感は無いけどばっちり安定してる。

10曲目「Eclipse.泡沫の旅人」、再び藍月なくるさんの天使ボイスのターン。もうこの歌声だけで嬉しい。新メンバーの低燃費さんの曲ですが…まあこれもかなりコンピレーション感が強いですね。曲としての出来はもちろん素晴らしいです。7分近くの尺はちょっと長いかなぁ。

11曲目「Eon.Noar」、この曲はちょっとパッとしない感じあるかなぁ…。まあ14曲も入った大ボリュームアルバムですからね、1曲くらい印象の薄い曲があっても仕方ない。

12曲目「Eon.chromaticity」、ちゃろんさん作ですが、はっきり言って楽曲の良さではこれが最強でしょう。試聴で断片的に聞いた段階でもこの曲の印象が突出してましたからね。高揚感あるシンフォニックアレンジ、名曲感が出まくりのメロディ展開。ゲストボーカルの方の歌声も美しすぎる…。まじハイセンスすぎるでしょ。ちゃろんさんってギタリストのはずなのに2曲ともギターの音が全く入ってないのが不思議でならないんですが、もしギター入ってたらこの雰囲気は出せなかったと思うんで曲調を考慮してのことなのかな。
メタルを好まない一般リスナーにも気に入ってもらえるであろう名曲だと思うのでこのフルアルバムに雑多な感覚で収録されちゃってるのが勿体ない気さえしますね…。実際、M3戦利品写真をざっくり見てた感じだと非メタラーでこのアルバム買ってた人は少ないようにも感じたんで…。

13曲目「Eon.fraps」、藍月なくるさん歌唱ですが、ほんと良い曲ですよねこれも…。ボーカリスト補正はもちろんめちゃくちゃありまくるんですが、歌声の魅力をきっちり引き出すだけの楽曲の良さがあるというかですね。Endorfin.とはまた違った感覚の音作りが良いですなぁ。何気にCメロの展開が好き。

14曲目「Eon.Ashes」、締めはやはりBlueさん。いよいよ大ボリュームフルアルバムも最終曲ということでクライマックス感、ラスボス感のあるドラマチックな展開が用意されてるのが嬉しいですね。変拍子展開とかは無いんですけど割と複雑な曲展開があってプログレ感もがっつりあるし実に良いですねえ。クリーンの歌メロにメロデスのリフを絡める展開が非常にスリリング。これもけっこうBlueさんの得意技かな。

そんな訳で、個々の楽曲はほんとに素晴らしくて捨て曲もほぼ無いと思うし驚異的な内容になってるのは確かだと思います。
しかし全体の構成についてはまだ色々と考慮すべき余地があるだろうし、このサークルの真価が問われるのはやっぱり次回作なのかなぁと。まあ中心人物のBlueさんの曲はちゃんと「軸」もしっかりしてるんだし心配はなさそうですけどね。

Liesvect新作聞きました

http://liesvect.wixsite.com/liesvect/liesvect2

Liesvectフルアルバム…ほんと凄い。これだけ大ボリュームなのにも関わらず1曲1曲が細部まで作り込まれていて妥協など全く感じられない。本気も本気、まさに超本気が詰め込まれた圧巻の内容ですね。これだけの内容を本当に1年足らずで作り上げたのか信じ難いほどです。

とはいえ、試聴の段階で感じていた違和感みたいのが全て払拭されたという訳ではなく、やはり幾つか引っかかる点はあるんですが、それでも個人的に嬉しかったのは1stにあったプログレメタル要素が今回もしっかりキープされている事ですね。このサークルは根っこのアイデンティティの部分にプログレメタルがどっしりと存在してる訳ではないのかもしれないですが、自分がこのサークルに興味を持ったのはやはりプログレ要素な訳でして、もしそこの部分が揺らいでたら少なからず失望していたと思うので一安心しました。試聴の段階ではけっこう不安あったんですよね…。
プログレ要素を維持といっても1stの作風そのままではなく今回はDjent寄りになってはいますがテクニカル系という括りに入ることは間違いないかと。

そして、試聴の段階で危惧した通り、はっきり言って今作は方向性が散漫でコンピレーション作品感あるのは確かだと思うんです。でも、散漫なのはあくまでBlueさん以外の2人のメンバーの曲であって、メインソングライターであるBlueさんの楽曲に限定すればちゃんと一貫性のある作品になってるんですよね。その一貫性とは具体的にはメタルコア要素、プログレ要素ですね。やはりBlueさん=Liesvectなんだなと。
ちゃろんさんの曲はほんとプログレでもメタルでも何でもないアニソン系ポップスって感じで非常に雑多な印象を与えるんですが、じゃあ捨て曲なのか?というとむしろ真逆で、楽曲単体で評価するのならちゃろんさん作の2曲が確実に上位に来ると思う。メロディもアレンジもすこぶる良い。アニソン系楽曲としてめちゃくちゃ高品質。やっぱり只者じゃねえな…ちゃろんさん。
新メンバー?の低燃費さんの担当曲は…もう完全に別サークル感あるかもしれない。まじコンピレーション。でもよく見ると低燃費さんの曲って2曲とも藍月なくるさんフィーチャリングなんですよね…。この点において非常に共感できる。藍月なくるさん…ホントに至高のオタク向けボーカリストすぎる…。

そして、イベント前の記事でしつこく言っていたLiesvect「らしさ」についてですね。多くのリスナーにとってはどうでもいいことなのかもしれないですが個人的には最重要項目です。オリジナリティが確立されてるか否かで個人的に推せるかどうか決まる感あるので。
そのサークル(アーティスト)の独自性、他では聞けないそのサークルならではの「売り」という事ですが、例えばボーカリストが固定の場合ならそのボーカルが独自性になり得ると思うんですよね。超個性的なボーカリストであればジャンルとか無視して歌声だけでブランド感を構築できますし。同人音楽でいえば葉月ゆらさんとかその典型かなと思うんですが。
で、多彩なゲストボーカルを起用した場合はどうなるのかっていうとやはり扱うジャンルが重要になってきて、その他には、癖のあるアレンジ、あと楽器の音色も独自性になる気がします。
Liesvectのこのアルバムの場合は、(Blueさんの曲に限定すれば)メタルコア要素もしくはプログレ要素がオリジナリティになるのかなって気がしますが、プログレ要素はともかく、メタルコアってけっこう類型的になりがちなジャンルなのでテンプレ通りに展開させると没個性に陥りそうなんですがBlueさんの場合はメタルコア的な展開に少し毛色の異なるリードギターを乗せたりゲーム音楽風味のキラキラしたシンセを絡めたりして没個性を回避してる感もありますかね。

それでも、個人的に感じているLiesvect「らしさ」っていうと1stミニアルバムのテクニカルパワーメタルな作風から発散されていた「清涼感」「透明感」のほうが当てはまりそうな気もするんですよね…。その清涼感と透明感は未収録曲の「Fatal Vision」に継承され大幅に進化を遂げていた訳ですが。ほんと、何度もFatal Visionに言及してていい加減しつこいかもしれないですが、それくらいあの曲ツボだったんですよ…。特に前半のピロピロパート。インスト曲だから多少地味な感じもあるんですが、むしろゲストボーカルの力を借りないインスト曲だからこそ純度の高い音になってる可能性もあるかな。
Fatal VisionによってLiesvectの更なる可能性が垣間見えてしまった訳なので、もしあの曲があのタイミングで公開されていなければもっと素直に今作を楽しめたかもしれない…? なんて罪作りな曲なんだ。
メタルコア路線も当然ながらカッコイイんですけどね。そして界隈の需要的にもおそらくメタルコアのほうが求められてるに違いない。でもあの「清涼感」と「透明感」を放棄するのは余りにも勿体ないなぁと…。

それと、今作は序盤部分にデスボ(スクリーム)オンリーのアグレッシブな楽曲が並んでいるのがけっこう挑戦的だなと思いましたね。非メタラーの同人音楽リスナーってたぶんデスボイスオンリーの曲は忌避する傾向あると思うんですよ。今作は非メタラーも聞きやすい女性ボーカルポップスをいくつも収録しているのにも関わらずそれと対極になるアグレッシブな楽曲で幕開けするっていうのがね。
ちなみに個人的にはデスボイスオンリーの曲にはさほど違和感なかったりします。1stと余りにも別物すぎる作風なのでむしろこれは完全に割り切ってしまえば他サークルのように聞けてしまうんで。割り切って聞けばめちゃくちゃハイレベルな曲だと思います。

現時点では特に気に入ってる曲は5曲目、7曲目、12曲目、14曲目ですかね。詳細な感想はもうちょっと聞き込んでから書きたいと思います。しばらくしたら追記しますので。

今回もゴチャゴチャ書きましたけど、Liesvectはまだデビューからたったの1年しか経ってない訳ですからね。たった1年でこのハイレベル???って改めて驚愕しますけど、このフルアルバムは超本気作だとは思いますがこれが「ゴール」であるはずないですし、まだまだ通過点に過ぎないと思うので、不満点=伸び代ってことで今後がますます期待大のサークルなんじゃないかと思います。恐るべきポテンシャルを持つサークルですよ。
というかとりあえず一言感想を書くつもりだったのに何だこの長文は。

あと、最後に一言付け加えるとするならば…藍月なくるさん本当に素晴らしい歌声ですよね…(推しすぎ)。

Liesvect「Bloom」



http://liesvect-bloom.tumblr.com/

「ボカロだからスルーした」はもう通用しない! 新進気鋭テクニカルパワーメタルサークルの新作シングルです。

初参加だった秋M3からたった2ヵ月のインターバルで発表されたシングルなんですが、収録曲はボカロ曲だった原曲にゲストボーカルの歌を乗せてリメイクした曲が2曲と、あとインストの新曲が1曲(もう1曲はSE)という内容なので、完全新作というよりは企画作品的な色合いが濃い作品なんですがそれでも十分に聞き応えありますよ。特に、ボカロではなく人間ボーカルになっている意味合いは大きく、より幅広い層にアピールし得る内容になっているんじゃないかと思います。

個人的にはボカロバージョンでも特に不満はなかったんですけど、でもボカロだと聞き手を選ぶ部分もありますしね、特にメタラーだとボカロ苦手っていう人は多そうだし。
今回ゲストボーカルとして参加しているのは何とあの桜璃さん、同人音楽リスナーならば誰もが知るEtherの前任ボーカリストです。もうこの時点で同人音楽的にはこの上ない話題性だと思うんだけど…今回買わなかったメタラーさんとか居ないですよね?

桜璃さんと言えば、Etherだけでなくソロ作品のほうでもメタル系の作品を出してたのが非常に印象的ですよね。2枚あるソロ作品がどちらもメタルで固めた作風だったからきっとご本人もめっちゃメタルお好きな方に違いないと思ってるんですが。Etherのシンフォニックメタル寄りな作風って実は桜璃さんが支えてたのかなぁ。現ボーカルのエルム凪さんになってからすっかり民謡方面に傾いちゃってますからね。別に民謡が悪いって訳じゃないんですがメタラー的にはちょっと残念かなぁと思ってるだけで。

話をLiesvectに戻しますが、今回のシングル3曲目「Naked」、これは前作収録曲のリメイクでニコ動にも投稿されてる曲なんですが、これが単にボーカル乗っけただけのリメイクかと思いきや、なんと原曲に比べてめちゃくちゃクオリティ上がっててびっくりしましたよ。たったの2ヵ月でここまでクオリティアップを果たすとは、このサークルのモチベーションの高さに驚かざるを得ないです。
とにかく音質が良くなっていて、前作ではモヤがかかったような音質だったギターやドラムの音がとてもクリアになってる。特にドラムは前作ではチープな音色が弱点だと感じてたからそこが劇的に改善されたのはめっちゃ好印象ですね。これドラムの使用音源を変えたのかな、もしくはミックス・マスタリングの技術が向上しただけなのかもしれないけど。とにかく音の迫力が段違いですよねえ。これをたった2ヵ月間で…まじ凄え。
そのクオリティアップした音源の上にゲストボーカル桜璃さんの歌唱が乗る訳ですが、言うまでもないけどやはりボカロと生身の人間の歌唱では存在感が違いすぎますね。桜璃さんもめちゃ歌唱力すげえってタイプのボーカルさんではないかもしれないですがやっぱり同人メタル曲との相性は良すぎる声質ですよねえ。かつてのEtherが好きだったリスナーさんなら尚のこと魅力的に響くことでしょう。

4曲目「羨望」、これも前作曲のリメイクですがこちらのほうがストレートなパワーメタルな曲調なこともあって、より桜璃さんの声質がハマってる感じありますね。ギターの音も厚みを増しているから全体的なスケール感も倍増してますし、これはほんと多くの同人メタラーに聞いて欲しい1曲ですよ。

順番が前後しましたが、本作の前半に入ってる2曲はリメイクではなく新曲で、1曲目はほとんどSEのトラックなんで実質2曲目のインストだけが新曲と言えるでしょうか。
この2曲目の「葉脈」、Liesvectの売りと言えるテクニカルなギターワークが詰め込まれた聞き応えたっぷりなインストですね。曲構成もかなり複雑。ただ、さすがに秋M3と冬コミのインターバルが短すぎた事とリメイクに力を主に注いだこともあってなのか、ちょっと演奏に安定感が足りずバタバタしてるパートも見受けられ完成度という点では万全ではないかもしれませんが、まあ今回はスケジュールきつすぎたでしょうし本番は次回作でしょう。

ジャケについては明らかに方向性が変わり美少女イラストをフィーチャーしたものになっていますね。まあ前作の知的な雰囲気のジャケを気に入ってた方にとっては微妙に感じることもあるかもしれないですが、多くの同人音楽リスナーにとってはこの美少女ジャケのほうが興味を惹かれることでしょう。というか、女の子の足元の氷の結晶に前作のスタイリッシュさも残ってるから割と良いとこ取りな感じもありますよね。取って付けたような美少女ジャケではないしセンスを感じます。

企画作品的なシングルとはいえ短期間での確実な成長を見せつける内容であり、今後がますます期待できるサークルですね。今の同人音楽は勢いが衰えてるとか一部で言われてるみたいですがそんな悪評を吹き飛ばすくらいの活躍して欲しいものですよ。

只今ボーカルを募集中とのことですが…というかすでに何人ものボーカルさんからコンタクトあったらしい? 何気に注目度高かったりするのかな。それなら喜ばしいことなんですけどね。どんな人が採用されるのか気になりますねえ。最高のボーカルさんと共に作られた次回作を期待したいです。

Liesvect「Liesvect Ⅰ」



http://liesvect.jimdo.com/

今回の秋M3のメタル系新規サークルでは1番注目していたのがこのLiesvectですね。…というか今回は他に新規サークルで目ぼしいところほとんど無かったんでこのLiesvect一択だったという説もありますが…。いや、もし他に選択肢あったとしても有望株であることに変わりはないですけどね。

もちろん、うちのブログごときが紹介するまでもなく他のメタラーの皆さんも余裕でチェックしてましたよね? え?してない? ボカロだからスルーした? そりゃ勿体ない…。
でも大丈夫です。このサークル冬コミにも受かってますからそこで買えばいいんです。それに、何とM3でデビューしたばっかりなのに冬コミでも新作出す予定なんだそうで、しかもゲストボーカルが何と元Etherの桜璃さんらしいですよ…まじか…なんちゅう気合の入りよう。こんな初っ端から勢いありまくりな新規サークルって珍しい気がしますよ。こりゃ期待せざるをえない。

このサークルの特色は何と言ってもテクニカルでプログレ感あるギターワークですね。随所で披露される技巧的なフレーズに魅了されます。でも曲調はパワーメタル系の疾走感が基本にあるので全体的に難解な雰囲気は無くて親しみやすいし、プログレメタラー以外にも幅広くおすすめ出来そうです。

歌パートは全てボカロ使ってるんですけどこのサークルの場合はギターが完全に主役だからほとんど気にならない感じですね。まあ自分はボカロ曲は積極的に聞かないってだけで別に嫌いって訳じゃないから構わないんですけど、一般的メタラーにはやっぱり人間ボーカルのほうが好まれるんでしょうな。
同人音楽リスナーって「ボカロだから買う」という層と「ボカロだから買わない」って層のどちらが多いのか分かんないしこのままボカロで行くのと人間ボーカルにするのではどちらが得策なのか判断付かないですが、ニコ動系リスナーにアピールするなら前者が良いのかな。当然メタラー向けなら後者と。
まあ次回作のゲストボーカルすでに決定してるみたいだし今更の話題かもしれないですが。

さて具体的な楽曲についてですが、1曲目は序章的なインストなんですがこの時点ですでにカオティックな曲調でプログレッシブな方向性が明確に見て取れますね。

2曲目はニコ動でフル公開されていた「Naked」、テクニカル感と疾走感を合わせ持った強力チューンで、このサークルの方向性を端的に表してる楽曲と言えそうです。パワーメタル系のリフもカッコ良いんですけどやっぱり聞き所はツインリードのドラマチックなフレーズですね、これはクサメタラーにもアピール出来そう? そしてもちろん単なる疾走だけでなくプログレッシブな展開がしっかり用意されているのがツボです。歌パートに入る前のリフ展開、中盤のギターソロで転調してベースとコンビネーションで聞かせる部分が特に気に入ってます。
ギターは十分にテクニカルに弾けてると思うんですが、ただ曲の各パーツが流麗に繋がってない部分も見受けられてそこは惜しい部分なんですが…まだ1作目ですし今後いくらでも改善されるでしょうから些細な問題でしょうね。

3曲目「密告ネットワーク」は打って変わってカオティックな要素が濃い楽曲ですね。これはさすがに変態くさくてニコ動には投稿できなさそう。当然プログレメタラー的には美味しい方向性なんですけどね。

4曲目「彗星」、これもニコ動にアップされていた楽曲ですが、こちらも即効性あるパワーメタル展開にテクニカル要素が散りばめられた素晴らしい曲ですね。力強いリフも良いけどやっぱりテクニカルなピロピロフレーズがツボです。サビメロの後半のドラマチックな展開も良いですな。

5曲目「羨望」、これは本作で唯一プログレ要素が控え目でパワーメタル要素が中心になってるストレートな疾走曲ですね。でもギターソロとか長めだしテクニカル感は十分あります。プログレ要素なくともこれはこれでカッコ良い。雰囲気的に初期のサタアラを思わせるところあるかも。

まだ1stなんで音質等で至らない部分は残ってるし必ずしもハイクオリティな出来栄えであるとは言い難いんですが、初作品にして方向性が非常に明確に定まっているというのは高評価されるべきポイントだと思いますね。
はっきり言ってクオリティなんて作品重ねればいくらでも向上するものだと思いますし、やっぱり重要なのは方向性とセンスですよね。このサークルはそのどちらも持ってると思いますし期待度はかなり高いです。是非ともこの路線で突き進んで欲しいです。

あと特筆すべきなのはジャケットとロゴのセンスですよね。音楽の持つプログレッシブで知的なイメージに直結する素晴らしいデザインだと思います。きっと会場でジャケ買いしたリスナーもいたんじゃないかな。

今年のオリジナル同人メタルは新規層が弱かったんで是非ともこのLiesvectには頑張って欲しいですよ。冬コミ新作も楽しみですね。
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同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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