Crimdoll「フルール・トロワー 〜森への招待状は甘い木漏れ日の風とともに〜」

2017-01-26_235340.jpg

http://crimdoll.tumblr.com/

なんか、東京藝術大学の卒業展示とやらでCrimdollの新作が販売されてるらしいっすね。その情報を見て、そういやまだ昨年出たCD聞いてなかったなと思い出して遅ればせながら聞いてみた次第です。

ここ1年くらいCrimdollのことほとんど話題に出してなかった気がしますが…1stアルバム出すまではけっこう期待してたんですよ。レトロなプログレッシブロックと物語音楽を融合するという極めてニッチな試みは大いにマニアックな関心をそそるものでありましたから。
しかしながら、ようやく出たアルバムがどうにも釈然としない内容で…。というかぶっちゃけ個人的にはあの「魔術の帰着点」を1stアルバムとしてカウントしたくない気持ちもあるんですよね。尺だけは確かにフルアルバム級なんだけど内容が色々と中途半端だし。ドラマパートが多いせいで音楽として聞くと中身スカスカな印象を拭えない。
でもそれはあくまで構成的な問題であって、楽曲自体は良く出来てたんですよね。メロディセンス、アレンジセンスは一貫して優れたものがあったと思うんです。だからこそ余計に構成に対する不満があったのも事実なんですが。

で、本題であるこの昨年夏のシングルはどうなのかというと、これがアルバムの時に比べてずいぶん「まとも」になってる。…って、まともって言い方には語弊ありまくりですが要するに構成面での中途半端さが解消されてるってことですね。ドラマパートを最低限に抑えて尺の大部分でちゃんと音楽を聞かせてくれます。
ドラマパートが悪いっていう訳じゃないんですがやはり肝心の音楽の印象が薄まってしまいますからね…。あと、音楽って何度も繰り返して聞くのが前提だしBGM的に聞き流すこともある訳だけど、ドラマCDって1回聞けば割と気が済んでしまうし聞き流すのも向いてないし、要するに相性が悪い。
っていうか自分も最近は物語音楽系サークルはほぼ全く聞いてないから「耐性」が落ちてるってのもあるかな…個人的な事情ですが。

もう1つ変化したポイントとしては、この曲はギターが入ってるんですよね。初期(メンバー脱退前)にもギターのメンバーはいなかったみたいだしこれが初のギター導入? このサークルの委託頒布常連のレトロ志向メタルバンドRisingfallのギターの人が弾いてるみたいですが、このギターパートがサウンドの完成度に大きく貢献してる。音の厚みが増してるし70年代プログレ風味も増しましたね。「本格」プログレッシブロック度がけっこう上がった気がする。
あとはベースも欲しいところだけども…打ち込みでいいからベースサウンド入れて欲しいなぁ。

収録曲は1曲。しかも9分という長尺。まあそれはプログレですしいつもの事なんですが、従来のセリフパートとインプロヴィゼーションが大半を占めた曲とは違って今回は9分の尺をしっかり音楽で埋めているので楽曲の構成美、ドラマチックさも増してます。特に終盤ガッツリ盛り上がる構成がとても好印象ですねえ。
暖かみのあるアナログシンセの奏でる叙情的なメロディと前述の新要素であるギターパートの絡みが最大の聞き所だと思いますが、歌メロも相変わらず秀逸。同人音楽ならではのキャッチーなメロディセンスとレトロサウンドの融合。やはりこれがこのサークルのオリジナリティの中核でしょう。ドラマパートが無くともオリジナリティには揺らぎはないですね。
生演奏のドラムパートも、今まではただリズムを刻んでるだけって感じだったけどこの曲ではそれなりに見せ場があるような気もしなくはない。

そんな訳で、1stアルバムで興味を失いかけたんだけど今作でまた改めてこのサークルのポテンシャルを再確認できた感じでしょうかね。次のアルバムには期待したいところです。今度こそプログレと物語音楽の見事な融合を聞かせて欲しいなぁと。

そういやこの作品のアナログレコード盤が秋M3で回転してたらしいですね。ごく一部のマニアの中で話題になってたようで。装丁の細かいネタとかマニアが喜ぶパフォーマンスにも長けてるサークルですよね。ジャケデザインにもプログレ作品のパロ要素あったりするらしいけどうちはプログレ詳しくないから分からん…。
卒業展示のほうの新作は春M3でも頒布するんだろうけど、でも1曲しか入ってないシングルをいちいち小分けで頒布っていうのは買う方としても面倒くささあるから1枚にまとめてくれないものだろうか…。
スポンサーサイト

Crimdoll「魔術の帰着点」

http://crimdoll.tumblr.com/

プログレッシブロックと物語音楽の融合を目指して活動する、同人音楽界でも異彩を放つサークルの記念すべき1stアルバムです。

…と言いたいところなんですが、この作品かなり変則的な構成になってまして、これを1stアルバムとして紹介するのはちょっと憚られるかもしれないですね…。
前半は秋M3で頒布された長尺曲のライブバージョンが収録されていて、後半は新曲なんですが、これが秋の新曲と同様にドラマパートが多めで、音楽として楽しめるパートは半分ほどしかないのでボリュームという点で満足いくとは言い難い内容になってます。

もちろん、ボリューム不足とはいえ個々の楽曲の完成度は十分に高いんですが、しかし合間に挿入されるドラマパートによってただでさえボリューム不足な音楽の魅力が余計に薄まってる感も否めないかと。代わりにドラマパートがめっちゃ聞き応えあるって訳でもないですし…。ドラマパートがトラック分けされている配慮は嬉しいんですけどね。
改めて、ドラマパート付きの同人音楽って難しいですよね…。言うまでもなくドラマCDというのはM3においても確固として1ジャンルを形成しており否定すべき点など一切ない完全な作品形式であると思うのですが、ドラマパートと音楽が半々で収録されている作品の場合だとドラマと音楽でどっち付かずの内容になってしまうこともありますよね。サンホラくらいのセリフの比率ならば音楽の魅力にほとんど影響はないんですが、ドラマパート寄りな内容だとかなり難しそうです。

そして何よりこの作品、秋M3からたった2ヵ月で発表された新作ですからね…。そこが一番引っかかる点ですかね。
変則的な構成であるとはいえ、まさかこの早さで仮にもアルバムとして出せるだけの曲数を揃えてくるなんて予想だにしなかったですし驚きましたよ。しかも今回プレスCDですしね。どんだけ短期間で作り上げたんだっていう。サークルさんのモチベーションの高さには感嘆しつつも、やはり本音を言えばもうちょっと時間をかけて完成度を高めて欲しかったと思っちゃいますね…。メンバー脱退等のマイナス要因があって予定通り制作できない事情もあったんだろうから仕方ないとは思うんですが。前回の感想で、妥協してとりあえずアルバム作って欲しいとか書いた気がしますがちょっと妥協のベクトルが違う気が…。

否定的なことばかり並べてしまいましたがもちろん魅力的な部分もしっかりあります。
アルバムとして考えるとボリューム不足な内容ではあるんですが、ボーカル入りの曲が3曲入ってるので、今まで1曲づつしか発表してこなかったCrimdollとしては最大の収録曲数であることには違いないですね。そしてその3曲ともメロディの出来栄えは素晴らしく、改めてこのサークルのポテンシャルの高さを再確認できるかと思います。

まずボーカル入り新曲の1つ目、7トラック目の「朝日の射す食卓」ですが、出だしは穏やかなピアノパートが2分ほど続き、その後にレトロなシンセの音色が乗ってきてここから本番開始という感じです。やはりこのシンセの音色はプログレ感ありますよねえ、というか今回の新作は今までのマニアックなレトロ趣味が減退して物語音楽的な作風に寄ってる印象あるからシンセの音色にしかプログレ要素がないと言っても過言じゃないんですけどね。
ボーカルパートが登場するのは後半に入ってから、しかも出番も少なめなんですが、美しいメロディラインによって存在感はしっかり主張してます。

ドラマパートを挟んで、ボーカル曲2つ目の10トラック目「闇に遺された星屑」、これもプログレ要素はシンセの音色だけかなぁ。でもこんなシンセ使ってる同人音楽なんて他には無いと思うからこれだけでも強烈なオリジナリティありますけどね。
ボーカルパートはやはり完成度高いです。物語音楽系のツボを押さえてるこのメロディ展開、改めてセンスあるなぁと感じざるを得ません。サビでは少しアップテンポになりドラマチックさもありますね。

11トラック目「未知行きの波止場」、これはオルガンをフィーチャーしたバラード系の曲で、やはりメロディ良いですなぁ。派手さはないけど実に味わい深い1曲です。全体的にプロコルハルムの「青い影」みたいな雰囲気かな。ちなみにプロコルハルムは青い影しか知りません(にわか)。

前半のライブバージョンについては、なんせ長い曲なものですから詳細にオリジナルバージョンと聞き比べたりはしてないんですが、ライブでもこれだけ再現できるということは演奏力もけっこうあるんでしょうね。

しかしながら、今作で最も話題性ありそうな要素ってやはりCDのパッケージ部分でしょうね。裏ジャケや帯や盤面でレトロな雰囲気を細かく再現してるのは驚きます。ものすごいマニア向けな要素ですよねえ。

正直言って色々と物足りない内容ではあることは否めないんですが、裏を返せばそれはこのサークルへの期待度が高いということに他ならないですし、Crimdollの本気は全然こんなもんじゃないと信じてます。メロディセンスもアレンジセンスも高いポテンシャルを持ってると思いますからね。次のアルバムではきっと、プログレッシブロックと物語音楽の融合という前代未聞の音楽性を見事に実現した作品を作ってくれるでしょう。

Crimdoll「魔術の帰着点 パート 1: 世界が無に還る場所」

http://crimdoll.tumblr.com/

70年台プログレッシブロックと物語音楽の融合を目指しているという、同人音楽界においても殊更にマニアックな趣向で活動しているサークルの新作です。

順調に行けば今回アルバムが出るはずと思って期待していたんですが…メンバー脱退などの不測の事態があって残念ながらアルバム制作のほうは中断せざるを得なくなってしまったようですね。活動開始当初は5人くらいメンバー居たみたいですがどんどん減っていって今は2人でやってるようで、まあサークル内の詳しい事情とか知る由もないんですが、方向性のマニアックさに付いていけなくなってメンバー抜けてしまうってこともあるのかもしれないですねえ…。

で、アルバムが出せなくなった代わりに今回は別路線での新曲を頒布すると事前にアナウンスされていたんですが、なんとその新曲はクラウトロック的な即興演奏とセリフパートが中心の20分越えの長尺曲とのことで…はっきり言ってこの情報が出た時点では不安しか無かったんですよね。自分はプログレ好きって言っても支離滅裂なサイケデリックな演奏とか好きじゃないし物語音楽のセリフパートも長過ぎるとひたすらダルいですからねえ…。

しかし、いざ完成品を聞いてみたところ、これが意外に悪くない。
確かに即興演奏パートとセリフパートは長すぎて一度聞いたらもう聞きたくないレベルではあるんですが、6分あたりから10分あたりまでの歌パートについては十分に完成度高いし、昨年冬コミで頒布された「妖精の踊り」と比べても遜色ない出来だと思いますね。
レトロ風味のシンセの音色も心地良いし、何より歌メロが素晴らしい。もしこのサークルがレトロなプログレを志すだけの完全マニア志向なサークルだったら自分もちょっと付いてけない感じになってたと思うんですが、実際のところこのCrimdollはメロディセンスもしっかり持ち合わせてるんですよね。さすが物語音楽との融合と言うだけあってファンタジー系同人音楽を思わせるキャッチーでツボを押さえたメロディ展開です。これは個人的に重要なポイントですね。やっぱりメロディつまんなかったら例えプログレだろうがなんだろうが聞く気にはなれないですからね。

即興演奏パートについても改めて全部聞き直す気にはなれないけど、シンセの音色が面白いから思ったほど退屈ではなかったんですよね。ゲーム音楽っぽい雰囲気も良いし。これってDTM音源じゃなくてガチなアナログシンセなんでしょうね、 ライブの告知にアナログシンセの実機を演奏とか書いてありますし…。さすが本格的プログレッシブロックとか言うだけのことはあるな。
でも正直言えばやっぱり歌パートだけトラック分けして欲しかったかな、6分から10分の間だけを何度も再生する操作が面倒くさいですし…。
あと、CDに付属してた「設計図」がでかすぎて持ち帰るのがけっこうアレでしたね…。設計図とかいうからどんな小難しい文章が書き込まれた代物なのかと思いきや…普通に可愛らしいイラストとストーリーが書かれている厚紙でした。

それと、今回頒布したCDに不備あったそうなんですが、どうせ即興演奏ばっかりなんだろうしちょっとくらいノイズ入ってても別にええわと思ってたんですが、なんと歌パートの真っ最中に音が途切れるという…これはちょっと痛いかも。でもちょっと音が途切れるくらいなら構わないですね。CDのドライブにダメージ与えるような不具合だったらさすがにしんどいですけどね…。

今回の新曲を聞いて改めてCrimdollへの期待感が高まりましたし、やっぱりアルバム完成させて欲しいですね…。ベーシスト脱退しても打ち込みでベース入れりゃいいじゃんとか思ってしまうんですが、「本格的」だからそれじゃダメなんですかね…。
その辺りは妥協してとりあえず1枚アルバム(ミニアルバム)を完成させて、その後に「本格的」な作品を目指せばいいとか思ってしまうんですけど…どうなんでしょう。やっぱり散発的な音源だけじゃこのサークルのスタイルの全体像が見えて来ないし、知名度も上がらず埋もれたままだと思うからもどかしいんですよね…。現状でこのサークルに注目してるのって同人音楽というニッチなジャンルの更なる深みに住まう超マニアックなリスナーだけなんじゃないかと思えてならないんですが。

Crimdoll「妖精の踊り」

妖精の踊り

悶絶メタルさんのレビューで意外なほどの高評価を得たこともあり(ごく一部で)注目を浴びている、同人音楽でも珍しいレトロなプログレッシブロックを志すサークルです。
秋M3で無料配布された音源はたった1分半しか収録されていないデモ音源だったので、正式な音源としては今回のが初音源となるんでしょうかね。

それにしても、ほんと悶絶メタルさんでの高評価には驚きましたよ。なんせ、この1年くらいの間に登場した新規サークルで高く評価されたところってほとんどなかったですからね、それが、このCrimdollは1分半しかない試聴同然の音源だけであんなに評価されてたんだから悶絶メタルさん的に相当に期待されてると考えていいんじゃないですかね。

もちろん、自分もプログレは好きなので個人的にもこのサークルには注目してたんですけど、でも秋の短い音源を聞いた限りではちょっとレトロ趣味が過剰すぎるし演奏も音質も粗が目立つし、志は高いけど現状ではまだそこまで期待できるサークルじゃないかなと思ってたんですよ。

ところがですよ、今回の冬コミ音源、1曲しか収録されてないし尺もプログレとしては決して長いとは言えない6分程度ではあるんですが、これが思ってたよりかなり良い感じなんですよね。
相変わらずのレトロ趣味で音質もかなり悪いし演奏も不安定なんですが、単純に曲やアレンジの質が高いんですよ。なによりメロディがキャッチーなのがやっぱり良いです。どのジャンルにおいても耳に残るメロディというのは重要ポイントですよね。女性ボーカルも必ずしも上手いとは言えない歌唱ではありますが十分に健闘してるし、これは物語音楽系のリスナーにも十分アピール出来るだけのメロディだと思いますよ。
インストパートも、テクニカルと言えるような要素は無いんですがメロディ重視で堅実に演奏してる感があって好感持てます。チェロとシンセの音色が本当に良い味を出してますよね。

4部構成の組曲になっているんですが、各パートが本当に短くてあっという間に次のパートに移り変わってしまうところとかサンホラ二期的な忙しさを感じますね。プログレとして聞くと短すぎるような気もしなくはないんですが、物語音楽として聞くのならこれくらいの長さが丁度いいでしょう。
最初のパート「a) 冷めぬ夜に」では優雅なチェロの音色と共に物語音楽的なファンタジックでキャッチーな歌メロを女性ボーカルが歌い上げ、「b) ステップ」はタイトル通りに軽快な雰囲気のキーボードプログレ的なインストパート、「c) 夢から覚めて」はちょっと不穏でアバンギャルドな雰囲気を醸すKing Crimson的なパートで、ラストの「d) 誘われるがままに (妖精の踊り)」ではドラマチックな歌メロが大団円的な盛り上がりを演出し、それに続くインストパートも最高ですね。やっぱりこの最後のパートが一番の聞き所ですかね、素晴らしいメロディですよ。

懐古趣味的でありながらも同人音楽リスナーを惹き付ける要素もしっかり組み込まれており、まさにコンセプト通りの「プログレッシブロック+物語音楽」な音世界が体現されていますね。素晴らしいと思います。これなら再び悶絶メタルさんの高評価は確実でしょうね。
まあ個人的にはレトロ趣味にあんまり興味ないので、代わりにもうちょっと音質を向上して欲しいかなと思わなくもないんですが、プログレマニアな方々はこの音質のほうが雰囲気あって気に入ってるのかもしれないですし現状で十分なのかもしれないですね。
いずれにせよ、非常に面白い試みをやってるサークルであることは間違いないですし今後も期待したいですね。
ほんと、面白いサークルが続々と出て来てオリジナル同人音楽はマニアックな方向でひっそり盛り上がりを見せていますよね。この辺の流れに乗れてないのは勿体ないですよ、あとはMoon Safariっぽいサークルが出てくれば完璧かw
秋のデモ音源の本編は春M3で発表されるのかな? 次は3曲入りくらいのミニアルバムが出ると良いなぁ、プログレって構成美で魅せる音楽ジャンルだからある程度まとまった尺があった方が良いに決まってますしね。

Crimdoll「辿り着いた空 (「妖精とサウィン祭」より)」

辿り着いた空

プログレッシブロック…!それはクラシックやジャズの芸術性をロックミュージックに大胆に導入した孤高の音楽ジャンルである!
…と、なんとなく悶絶メタルさん風の書き出しにしてみました(?)。

春M3で頒布された植木屋さん主催のプログレコンピ「UNA SEA」の時にも書いた事の繰り返しになりますが、悶絶メタルさんのライナーにもある通り、同人音楽とプログレの相性って実はかなり良いんですよね。プログレがルーツだと言われるゲーム音楽を始めとして、サンホラも二期ではプログレ度が色濃いですし、プログレという語彙が積極的に用いられてないというだけで実際にはプログレ的な方法論で作られたアニソン、同人音楽はかなり多いですし、無意識のうちにプログレが同人音楽に溶け込んでいると言えるのではないでしょうか。

ただ、プログレ「っぽい」同人音楽は多々あれども、真っ正面から「プログレッシブロック」を標榜しているサークルは数えるほどしかいなかった訳ですよね。ほとんどはゲーム音楽系かサンホラ系なので。
しかし、今回ついに「プログレッシブロック」を堂々と名乗る同人音楽サークルが現れた訳ですよ。それがこのCrimdollです。
しかも、ただのプログレッシブロックではなく、「本格的」「70年代」という形容まで付いているとなれば、同人音楽界にひそむプログレマニアは否応なしに興味をそそられることでしょう(自分はプログレ初心者だしプログレッシャーとか名乗れるレベルには達してないですが、マニアな方もきっといますよね…?)。
そして、その「本格的」プログレッシブロックを、同人音楽界でポピュラーなジャンルである女性ボーカル物語音楽と組み合わせるというんだから、これはプログレに無関心なリスナーでも興味が湧くのは必然でしょう。物語音楽というジャンル自体はサンホラの模倣の域を出るサークルが少なくて個人的には関心が薄らいでいたのですが、本格的プログレと融合させるというのなら話は別ですよ。A.C.TやMoon Safariといったファンタジックな音像を持つプログレとサンホラ系を組み合わせたら面白いんじゃないか?という漠然とした考えは自分も常々抱いていたものですから、それを実現してくれそうなサークルが登場したことで興味を持たざるを得ませんでしたね。

ただ、今回は初参加ということもあり、ちゃんとした音源はまだ完成していないようで、頒布されたのは序章のそのまた序章、たった1分半しかないデモ音源ではあるんですが、さすがに1分半では音楽性を完全に把握するのは無理だとしても、方向性と雰囲気くらいなら感じ取れるでしょう。
という事でさっそく再生してみましょうか。1分半しか収録されてない音楽CDを再生するの初めてかもしれない。


ー再生中ー

ー1分半後ー


なるほど…。こういう感じか…。確かに70年代プログレっぽいですね、めっちゃレトロですなぁ。うーん、でもここまで古臭くする必要あったのかなぁ、もうちょっと現代的なセンスでまとめても良かったのでは。でもわざわざ70年代プログレって強調するような方々が作ってるような音楽ですからね、これくらいマニアックな音で正しいんでしょう、多分。
あとクオリティ面で惜しいのはドラムかな…生演奏なのは良いけどちょっとバタバタしすぎてる感じが。まあ演奏テクニックというより音の処理の問題なのかもしれないですが。ボーカルもちょっと弱々しい感じはあるけど、これはイベント直前で急遽メンバー交代があったみたいだから仕方ないのかな。いやでも幻想音楽系ではこういう儚い声質はむしろ好まれるかな。間奏のシンセのフュージョン系っぽい音は良いですよね。メロディセンスは…1分半聞いただけじゃ判断しづらいかも。

まあ色々と書いてしまいましたけど、まだ初作品のデモの段階ですし、荒削りだったり試行錯誤の途中だったりするのは当然ですよね。そもそもこれは同人音楽ですし(最近はクオリティ高すぎる新規サークルが続々と出てくるから麻痺しがちですが)、アマチュアの音楽でいきなりレベル高い音源を発表するということの方が特殊なのであって、むしろこれくらいのレベルが普通かもしれないですよね。
それに、クオリティ云々よりもやっぱり重要なのは音楽性ですよ。同人音楽でも珍しいレトロなプログレと物語音楽の融合というアイディアを具体的に提示してみせただけでも評価されるべきなのでは。まあ現状では志の高さにクオリティが追いついてないというのが素直な感想ですが、クオリティなんて作品を重ねれば高まっていくだろうし些細な問題ですよね。
このサークルは冬コミにも当選したようですし、完成版が冬に頒布されるかもしれないですね。期待したいと思います。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

最新記事
カテゴリ
Imy (1)
リンク
検索フォーム
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QLOOKアクセス解析