Fuki Commune「Welcome!」

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A025435.html

2014年発売の「Monument」以来となるLIGHT BRINGER待望の新作…ではないんですよね。Fukiさんソロ名義の1stアルバムでございます。

でもLIGHT BRINGERのキーボード奏者であるMaoさんがほとんどの収録曲を作ってるみたいだし、更には発売に先駆けた試聴音源を聞いてみた限りではLIGHT BRINGERのイメージをそのまんま継承したかのようなキャッチーな歌メロ&メタリックで疾走感あふれるサウンドの楽曲が揃ってる印象だったんで、これ実質的にほぼLIGHT BRINGER新作でいいんじゃね? というかMaoさん中心だからMao BRINGER?
とかまあそんな感じの期待感を持っていざ新作を聞いてみた訳ですけど…。

結論から言うと、このFukiさんソロ作はLIGHT BRINGERとはだいぶ異なる音楽性ですね。もちろん共通点も多いんですがやはり似て非なるものであるというべきか。
LIGHT BRINGERの最終作(になってしまう可能性の高い)「Monument」も今作と同様に大半の曲をMaoさんが作っていた訳ですが、まあこっちは名義がFukiさんソロですからね、そりゃ方向性が違ってて当たり前なんですけどね。

この2作の違いを一言でいえばこっちはプログレメタル要素がほぼ皆無ということですね。
主役はあくまでFukiさんの歌声であり演奏陣は基本的にバックバンド的なポジションに収まってる感じでしょうか。その演奏陣はMaoさんを始めとして若井望さんやBABYMETALの神バンドのメンツ等の実力派揃いなんですがそれぞれの演奏力を前面に出したような見せ場は控え目といった印象です。

一般的なメタラーやアニソン系リスナーならばおそらく、LIGHT BRINGERにおいて多用されていたテクニックをひけらかすような「邪魔な」プログレ演奏パートが減って聞きやすくなったと感じるのではないでしょうか。実際、感想をサーチしてみた限りでは今作に対して好意的な意見、絶賛する意見が大半でしたしね。
でも個人的にはやっぱりプログレ要素が無くなったのは寂しいと言わざるを得ない…。いやもちろんFukiさんソロなんだから演奏陣が無駄にしゃしゃり出るような内容になってる可能性なんて最初からほぼ無かったと分かってはいるんですけどね。なんというか、プログレパートが無くてもFukiさんの歌うキャッチーな歌メロさえあれば十分に満足できるだろうと思ってたんですよ。でもいざ聞いてみたら、思ってた以上にプログレパートがないのが物足りなさに繋がってる…。やっぱりLIGHT BRINGERというバンドの魅力においてプログレ要素の比重は高かったんだなぁと改めて再確認。

それにしても、Maoさんの作る曲ってLIGHT BRINGER時代はひねくれたアレンジが特色だったというか、特に「Monument」ではウネウネした気味の悪い(?)シンセを前面に出した偏屈な曲ばっかりだったじゃないですか。「Gothel」とか典型例で、あの曲ってせっかくのパワフルな歌メロを不気味なシンセが台無しにしてる感すらあって、インディーズバンドならまだしもメジャーバンドがこんな変態的アレンジするなんてずいぶんとイカれてるなぁと感じたものです。Maoさんって見た感じは爽やかイケメンなのに何でこんな根暗くさい変態性を好むのか。なかなかに不思議です。
しかしですね、「Monument」個人的にめっちゃ大好きなアルバムなんですよ。人気作の「Scenes of Infinity」より断然Monumentのほうが好き。Monumentを駄作扱いしてるファンがけっこう多いみたいだけど…まあ変態すぎるから仕方ないとは思うんですが。メロディもスルメ系なのは否めないし。

その「Monument」に比べると今回のFuki Communeでは変態性を完全排除、万人受けしそうなキャッチーで分かりやすいメロディに徹していてほんと大きな変わりようですよね。いや元々Maoさんの曲はメロディ分かりやすかったんですけどね、アレンジが変態だっただけで。
しかしその変態性の欠如のせいで予想以上に物足りない…。Fukiさんの歌声は言うまでもなく国内メタル女性ボーカルで最高峰の実力がある訳で、バックの演奏など関係なしにその歌声だけで全てをねじ伏せるような説得力を間違いなく有しているのですが、でもはっきり言ってFukiさんが凄いのは当たり前なんですよね。最強なのが当たり前。だから最強プラスアルファを求めてしまうってのも正直ありますかね…。

1曲目はイントロ的なインスト曲…みたいなんですけど実はiTunesで購入したからこの曲聞けてないんですよね。iTunesだとこのイントロが未収録で曲番号が1個づつズレてます。
2曲目「月が満ちる前に」、これは文句なしの完璧な曲。プログレ要素はないけどこの曲については歌メロが完璧すぎるから何の不満もございません。そうそう、こういう曲が聞きたかったんだよ!と言いたくなるほど、Fukiさんの歌声の魅力を活かし切った名曲。

3曲目「輝く夜へようこそ!」、これは怪盗ジョーカーっていうアニメのEDテーマ曲に抜擢された紛うことなきアニソンであるようですが…実は怪盗ジョーカー1度も見てないんですよね…。1度くらいは見ておくべきですかね。絵柄からしていかにもキッズアニメって感じですが、この曲も子ども向けアニメに相応しい雰囲気のアニソン風ロックナンバーに仕上がってると思いますね。まあアニソンなんだからプログレ要素なくて当たり前ですよね。この曲についても非常に完成度高い歌メロなので不満などないです。

4曲目「I’ll never let you down!」、これは超パワフルな疾走チューン。Fukiさんの圧倒的歌唱と爆走サウンドが織りなす隙のない出来栄え、まさにメタラーのための曲。ファンの求めてるものにガッツリ応えた曲調だと言えるかなと。間奏開けのFukiさんの「ンーアアッ!」って唸り声?がすげえ迫力だと思います。でも、この曲あたりからプログレ要素ないのがちょっと物足りなくなってくるんだよなぁ…。

5曲目「僕が生きる世界」、これは疾走感は抑え目ですが歌謡曲的なメロディと軽快なグルーヴで安定した展開を聞かせますね。でも個人的にはやっぱり「普通」な曲止まりかもなぁ…。

6曲目「朝な朝な」、これは乙女ゲーか何かの主題歌で、作ってるのもMaoさんではないのでここまでのアルバムの流れと明らかに異質な感じです。普通に良いメロディのバラード曲だとは思いますが。

7曲目「狂い咲け雪月花」、これもエロゲ主題歌なのかな。こういう取ってつけたような和風アレンジのメタル曲ってあんま好きではないんですけど、この曲は歌メロがとても良い。サビ盛り上がりますよね。若井さんのギターソロもドラマチック。やっぱりこういう曲調のほうが得意なんでしょうかね若井さんは。

8曲目「青い季節に」、再びMao BRINGERに戻ります。この曲は2曲目と並んで今作のハイライトだと思っております。この甘酸っぱい青春メロディ。Monument収録の「魔法」をアップテンポにしたような感じですかね。こういう曲調のときのFukiさんの可愛らしさと力強さを合わせ持った雰囲気がとても好きです。

9曲目「Liberator」、打って変わってシリアスな曲調に。サビメロの展開は2曲目にちょっと似てるけどこっちのほうがメタラー向けな雰囲気ですかね。変態性はないけどちょいプログレ感ある曲調かな。これもゲームへの提供曲らしい。

10曲目「未来」、6分を越える本作最長の楽曲で、前半バラードで途中からアップテンポになるというドラマチックな曲構造を持ち、演奏陣の見せ場も十分にあるので割とプログレ寄りな曲と言えそうですね。でもサビメロがちょっと展開が単調な気がして…個人的にそれほど気に入ってる訳ではなかったり。

11曲目「Sail on my Love」、これはLIGHT BRINGERの「Genesis」の最後を飾る爆走キラーチューン「Love you」を彷彿とさせる曲調ですね。まさにアニソンメタラーをホイホイしまくりそうな強烈なインパクトを持ってます。でも「Love you」に比べるとサビでの爆発力が足りない気もするんだよなぁ…まあLove youが名曲すぎるだけだしこの曲の出来が悪い訳じゃないんですが。

そんな感じで、Fukiさんの歌唱は相変わらず凄まじいし演奏陣も完璧だし良い曲も多いんだけど…どうにも比較対象をLIGHT BRINGERにしちゃうといまいち満足できないみたいな煮え切らない感想になってしまうんですが、でもMaoさんこの作品では本領発揮してないと思いますしね。LIGHT BRINGER名義で新作を出してくれればきっと…。

プログレ要素とかどうでもいいっていう層ならば文句なしの名作になり得るんじゃないでしょうかね。大半のファンはMonumentよりこっちのほうが圧倒的に好きでしょうし。

そしてジャケですが、まじFukiさん麗しすぎっすね。そりゃフォト○ョ的な技術とか多少は使ってるのかもしれんけどそれにしたって元が良くなけりゃどうにもならんでしょうしね。これはジャケ買いする人もいるだろうな。
同じくFukiさんアップのジャケだったGenesisと比べると…なんか別人感ありますよね。Fukiさん金髪よりやっぱり黒髪が似合ってるのか。というか若返ってるようにすら見える。若返りとか…某荒木先生じゃあるまいし…。そういやFukiさんってジョジョリスペクトなんだっけ。
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LIGHT BRINGER「MONUMENT」

monument.jpg

自分はLIGHT BRINGERのインディーズ時代のCD聞いてないようなにわかリスナーなのであんまり深くは語れないんですが、とりあえず自分なりの感想を書き留めておこうかと思います。

新譜の発売直前になって活動休止という衝撃的な告知がされた事もあり、ファンにとっては非常に複雑な心境と共に聞かざるを得ない新作であるとは思うんですが、前述の通り自分はにわかですし思い入れは少ないんで普通に新作として客観的に聞けてるとは思います。まあファンの間で一番評価の高いインディーズ時代のアルバム聞けてないんだからこのバンドの事は半分以下しか把握してないことになるだろうし過去作と比較対象するとしてもメジャー作品のみになるからほとんど参考にならない文章になるとは思いますがご了承ください。

まず、Amazonレビュー等を見ると今作の評判はいまいちのようですが、その評価は新参リスナーの自分としても納得ですかね。「GENESIS」にあったようなキャッチーなメロディとテクニカルな演奏の見事な融合は今作では中途半端なレベルに留まっているし、前作「Scenes of Infinity」にあったような勢いも感じられない。
ただ、今作はキーボーディストが作曲の中心になってることもあってかプログレ色がかなり前面に出ていて、プログレメタル好きとしてはなかなか楽しめる作品になってるんじゃないかと思うんですよ。
このLIGHT BRINGER、Jポップやアニソン系のキャッチーなメロディとパワーメタルの融合したバンド、みたいな一般的認識なのかもしれないですが、個人的にはやっぱりプログレメタル的な要素が最重要だと思ってるんですよね。だから比較対象はUnlucky MorpheusじゃなくてALHAMBRAの方が相応しいですよね。更に言うなら表面上の印象に差はあれどMarchen Stationや北欧のA.C.Tと同系統のコンセプトの音楽性とも言えるか。
でもAmazonレビューとか見た感じだとこのバンドのプログレ要素に魅力を感じてるリスナーは少数派のように感じられるし、プログレ要素に着目しないのなら今回の新作は微妙な出来でしかないのかなぁ。前作Scenes of Infinityはパワーメタルを求めてる層には好評だったみたいですが個人的にはGENESISほどハマれた訳ではないですし。やっぱりこのバンドのファン層はパワーメタルを求めてる層とプログレを求めてる層で乖離がありそうですな。同人メタルでもそうなんだけど、作り手側はプログレ要素を盛り込もうとするんだけどリスナー側の需要は少なめみたいな状況ありそうですよね。

さて各曲の感想ですが、2曲目の「Clockwork Journey」、疾走感満点のパワーメタルだしFukiさんの歌声もパワフルこの上ないのですが、メロディの完成度やスケール感という点では前作の「Hyperion」には全く及ばないかもしれない。でもドリームシアター的なテクニカルなフレーズがふんだんに盛り込まれているのでプログレメタラー的にはけっこう満足感のある楽曲なんですよね。特に3分辺りからのベースソロ→シンセソロの流れは最高ですわ。Hyperionはパワーメタル系のファン層には大きくアピールする楽曲だったんでしょうけど、個人的にはこの曲の方が好きかも。地味だけど。
3曲目の「Gothel」はイントロからいきなりプログレ的なウネウネした不穏な音色のシンセだし、パワーメタル系リスナーやアニソン系リスナーには不評そうだよなぁ。でもメロディは意外なほどにキャッチーだし聞きやすいんですよね。個人的にも気に入ってる曲です。でもやっぱりサビ後に入る気持ち悪いシンセは賛否ありそう。テクニカルではあるけど演奏にシャープさが足りないし、客観的に本作の「中途半端」な印象を象徴する楽曲であることは否めないかな…。
4曲目の「Dicer」はミドルテンポでグルーヴ感のあふれるノリの良い曲で、これも気に入ってます。ハードロック的な音色のリフ良いですよねえ。間奏から歌に戻る時に入る効果音的なシンセの音が何気に好きだったりする。これもちょっと異色な曲調だし印象としては決して派手ではないと思いますがある意味で疾走曲よりも味わい深いと思いますね。

5曲目の「魔法」はプログレでもメタルでもないアレンジで普通のJポップ的だし印象は薄いかな。でもメロディは普通に良いし何気に味のある曲なんですけどね。
6曲目はパワーメタル系リスナーにとってはお待ちかねの劇的な疾走曲ですが、個人的にはキラーチューンってほどではないかな。いや、他のバンドだったら確実にキラーチューンな曲だと思うんですが、このバンドだと疾走してる曲はそれほど面白く感じないんだよな。勿論ただ何の芸もなく疾走してるだけじゃなくて余りにも緻密なアレンジだし凡庸なメロスピとは格が違いますけどね。
7曲目「名もなき友 ~Lost in winter~」は3曲目と並んで中途半端という印象を与える曲かもしれない。プログレ系のアレンジだけどちょっと気怠い雰囲気というか、やはりシャープさが足りず、それなりにアップテンポではあるけど勢いがあるという程ではない。でもこれけっこうスルメ曲だと思うんですよね。特にイントロのフレーズ、これテンポ変えて何度か繰り返されるフレーズですがこれが味わい深い。

8曲目の「Monument」、アルバムタイトル曲であり、まるでバンドの最終曲になることを想定して書かれたような歌詞なのでファンの方々なら感慨深くなってしまうこと必至な楽曲なんですが、バンドを締めくくるに相応しい曲なのかというと…これまた中途半端というか…。曲の出来自体は素晴らしいと思うんだけど、なんでしょうねサビ後に入る腑抜けたようなシンセの音色は…。これでFukiさんの熱唱の余韻が台無しになってる感。もっとあざとい「最終曲」に出来たんじゃないかと思うんだけど敢えて外したのかもしれない? このシンセの音色のおかげで有終の美というよりは何ともやるせないグダグダな最後みたいな印象になってると思うんですがそれがバンドの最後の状態とシンクロしてる部分もあるのかな。もちろん、シンセの音色以外はとても完成度の高い曲だし、単なるバラードに終始せずに途中でプログレ展開があるのも気に入ってますね。

全体的に不完全燃焼と言えるような煮え切らない雰囲気はあるもののクオリティは落ちた訳じゃないし、歌メロもちょっと地味だけど聞き方を変えればスルメ曲と言えなくもないので、名盤とまではいかなくても普通に良作アルバムなんじゃないかと思います。プログレ度は高めなんでプログレッシブなアレンジが好きな自分は前作よりたくさん聞いてるくらいなんですけどね。
しかしこれでこのバンドが終わりとか残念すぎますよね…。FukiさんのボーカルならUnlucky Morpheusがあるし更に新バンドも結成される可能性もあると思うけど、やっぱりこのLIGHT BRINGERみたいなプログレッシブな味わいは他バンドでは無理なんだよなぁ。プログレッシブでキャッチーでパワフルでファストという、全てを兼ね備えた凄すぎるバンドなんですよね…。日本メタル界にとって大きな損失であることは間違いないでしょう。
ただ活動休止も当然悲しいんだけど自分はそもそもインディーズ時代聞けてないから再発して欲しいな…無理だろうけど…。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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