FC2ブログ

Linked Horizon「真実への進撃」の感想

2019-06-25_032950.jpg

https://shingeki.linked-horizon.com/

えーと今回紹介するLinked Horizonっていう音楽サークルなんですが、「進撃の巨人」二次創作の「最大手」として名高い壁サークルのようです。原作愛めっちゃ高い系サークルとしてファンからの信頼も厚いらしい。ちなみに二次創作とは言っても曲自体はオリジナルなんでいわゆるイメージソングってやつですね。
そしてこのLinked Horizon略してリンホラの特異性としては、単なる進撃の巨人二次創作っていうだけではなくて、なんと自身の別名義「Sound Horizon」のセルフ二次創作もその進撃二次創作に大胆に絡めてあるって点にあります。セルフ二次創作クロスオーバー?…非常にややこしい…。

そんなややこしい「サークル」(サークルと書いてルビでそれっぽい言葉を当てはめるやつ)リンホラの最新作なんですが、今回は収録曲がたった2曲しかないんですよね。まあ一般アーティストでシングルが2曲なんて至って普通の事なんですが、サンホラ/リンホラのシングルで今まで2曲収録って無かった気がするし、さらには過去にはシングルにも関わらず平気で10分越えの曲が入ってて大ボリュームだったりの前例もあったから、もしかして今回も2曲だけと思わせて長大な組曲なのか!?なんて期待してたんですけど結果としてそんなことは全然なかったぜ。4分半&5分半の2曲。どちらも普通の尺。

…別に普通の尺だからガッカリなんてことは無いんですけどね、でも今回の進撃4期(正確にはシーズン3の2クール目)の主題歌となった「憧憬と屍の道」がTVサイズの段階で既に複雑な曲構成をしてたことから考えても長尺期待してしまうのは仕方ないことかと。
でも今回は長尺にしなくて正解だったと思う。もし「憧憬」が8分とか10分とかあったら絶対にダレてたと思うから…。4分半だからこそ無駄がなく引き締まっている。

実を言うとこの「憧憬」、最初にTVサイズで聞いたときはいまいちピンと来なくてちょっと地味な印象もあったんですよね。イントロからして「まーーーた弓矢メロディかよ何度目だ」って感じで新鮮味も薄かったしサビがどこだか分かりづらい曲構成でもあったし。
ところが何度か聞くうちに徐々にハマってきて、今回のOP映像が特に気合入ったものであることも相まって「もしかして進撃ソングの中でも弓矢に次ぐくらいの名曲なんじゃね?」って印象に変わっていきましたね。
ってか進撃アニメ本編のほうもストーリーの盛り上がりが最高潮に達してると思うし、EDのシネマスタッフの曲もめっちゃ名曲だし、ここに来て全ての要素が頂点に達してる気がする訳です。ぶっちゃけ進撃というコンテンツのブームはとっくの昔に過ぎてる感は否めないんだけど、「質」はそれとは無関係に尻上がりになってるという事実、改めて進撃って凄すぎるコンテンツだと思うしそれに継続的かつ徹底的に関わっているリンホラはとてつもなく恵まれているアーティストだなぁって思う訳です。進撃以上にRevoさんが担当するのに相応しい作品はなかっただろうしまた進撃の主題歌にRevoさんの音楽以外はあり得ないなぁって。え? YOSHIKIフィーチャリングHYDE? そんなものありましたっけ?(すっとぼけ)

で話は戻って「憧憬」なんですが、ローランの皆さんが口を揃えて「憧憬フルはジェットコースター!」って言ってたけどそんなにジェットコースターかなぁ?…割と普通じゃね? 「Interview with Noel」に比べたらこんなの公園の滑り台レベルでしょ(言い過ぎ)。
もちろんいきなり少年少女合唱団が入ってくるのは意表を突かれますけどね。言うほど複雑すぎないし良い意味で無駄のない構成だと思う。2番で別メロディに変わるのでまた弓矢の不評を繰り返すのか?と思わせといてちゃんとサビに戻るからアニソン的な安心感もキープしてるし。
メロディ自体も、弓矢の雰囲気を継承しつつも完全なる「再演」は最小限に留めて新規メロディで固めてあるし、メインのサビも超盛り上がるラストサビも歴代最高クラスの出来栄えだと思う。

2曲目の「13の冬」、タイトルからして13のパートからなる13分に及ぶ組曲かと思ったが全然そんなことはなかったぜ(的外れな期待)。「もし壁」にも通ずるバラードタイプの楽曲。あちらと違って暗めの曲調ではあるけど。まあこちらも良い意味で無駄のない比較的シンプルな曲ですね。
ミカサ役の石川由依さんがボーカルということで話題になりましたが、リンホラ歌姫として1ミリの不足のない完璧すぎる歌唱に脱帽せざるを得ない。こんだけ上手けりゃそりゃ歌ってもらうしかないよねえ。声優さんが歌ってるからキャラソンとしての側面もあるだろうけどそこはリンホラだから一般的なキャラソンの枠には嵌らない深さもあるかなぁ。進撃アニメの最新話のミカサとのシンクロ度も高かったですねえ。
梶裕貴さん(ご結婚おめでとうございます)もリンホラ参加を希望してるって話だけどそのうち歌うこともあるんですかね。
朝夜メロディはねえ…あざとい。ひたすらあざとい。

自分の買ったのは初回版なのでボーナストラックは美しいバイオリンによる「憧憬」の再演。通常版のほうがやばいって噂ですからね…非ローランの方々は通常版のほう買ったほうがいいのでは。

という訳でボリューム的には歴代最小でしたが内容は無駄がなく充実しているシングルでございました。まあボリューム少ないのはRINNEに向けて溜めてるからですよね(定期)
スポンサーサイト

Linked Horizon「楽園への進撃」の感想

2018-09-20_030954.jpg

https://shingeki.linked-horizon.com/

いつもだと通常版ジャケのほうが限定版より良さげなことも多いんですけど今回は限定版一択ですな。通常版は完全に下位互換って感じでかなり地味…。ってか限定版は実写Revoで通常版はアニメ絵Revoなのか。
ちなみにアニメイトで買ったから差し替えジャケは兵長。

さて「自由への進撃」以来となるリンホラ進撃sideのマキシシングルですね。
自由への進撃は前期OPと後期OPが両方入っててアニソン的にだいぶお得感のあるシングルだったと思う訳ですが今回はアニメ使用曲は1曲のみ。しかもOPではなくED曲だし、進撃アニメファンからすると前作と比較して薄味なシングルに感じるかもしれませんが…。
でも裏を返せば、アニメ未使用曲ではあるけどガッツリと進撃の世界観に寄り添った、カップリング曲扱いするには余りに超クオリティで超本気なイメージソングが2曲も付いてくる訳ですから、ある意味でこっちのほうがお得と言えなくもない?

そして音楽性についてですが、少しばかり変化が見受けられます。
近年のサンホラ/リンホラと言えば複雑な曲構成が特徴的であってそれは進撃ソングも例外ではなかったんですが、今回は意外なほどにシンプル。1曲目「黄昏の楽園」だけはサビがどこか分かんないような構成だったりするんですがその他の2曲はAメロ→Bメロ→サビという至って「普通」の曲構成。まあ、大ヒット曲の「紅蓮の弓矢」が2番で全く別曲になるという構成でアニメファンの不評を買ったからそれへの反省?もあったりするのかは定かではないですが…。聞きやすくなったのは事実だけどサンホラファン的にはちょっと寂しい部分も無いとは言い切れないかなぁ。

あと、過去曲のメロディの「再演」が多用されるのは近年のサンホラ/リンホラではお約束となっていた訳なんですけど、今回はそれがさらにパワーアップして(?)既存の有名曲(Revo曲ではない)のメロディが思いっきり出てくるというのも特徴的といえるかもしれない。
ぶっちゃけパクリ呼ばわりされても否定しづらいレベルのギリギリなラインなのでファン的にも少し冷や汗な案件かも…? これは果たして意識的にやってるのか無意識なのか…。

1曲目の「黄昏の楽園」、これがいきなりのサプライズ曲。なんと全て少年少女合唱団による歌唱という前代未聞の楽曲。分かりやすく例えれば「ダークみんなのうた」とか…そんな雰囲気。クレジットに女性ボーカルがいなかったから全部Revo曲だと思わせといて…まさかこんな手で来るとは。
しかも進撃ソングでありながらもサンホラのアルバム「Elysion~楽園幻想物語組曲~」への「Link」が大々的に仕掛けられてるということでサンホラファンへの殺傷力が非常に高い楽曲となっております。
まあ進撃のほうでもキーワードになってる「楽園」とサンホラのElysion=楽園、これを関連付けてくるのは十分予想できたけど、ここまで直接的にやってくるとはね…。
メロディでも歌詞でもSEでも至るところにエリ組を想起させるネタが大量に仕掛けられてて考察の甲斐がありまくりそうな楽曲なんですが、それらはローランの皆様に任せるとして…個人的に興味深いのはイントロが「自由への進撃」の3曲目の「もしこの壁の中が一軒の家だとしたら」な事なんですよね。フルアルバム「進撃の軌跡」をすっ飛ばしてここに繋がるのかっていう。自由への進撃のうち2曲がアルバムに再録されちゃったからあのマキシが無かったことにされたみたいで少し寂しかったんですが、ここで繋がったことによって自由への進撃の独立した存在意義が再び出てきたのかなって。別の世界線?みたいな考察もあるようで気になる。
シンプルな構成の楽曲が多い本作においてこの曲だけは多少複雑な展開がある。とは言っても4分未満の尺だしいつもの複雑怪奇な長尺曲に比べたら全然分かりやすいですけどね。後半の「楽園はどこにある?」あたりからの展開が特に好き。
ぶっちゃけ「暁の鎮魂歌」よりもこっちのほうがメロディ的には好きかも…?

2曲目「革命の夜に」、サビメロがX Japanの「紅」っぽいと散々言われてた曲ですな。1度目聞いたときは「言うほど紅っぽいか…?」って思ったけど2度目で「あ…やっぱ紅ですな…」ってなった。でもね、この曲ってAメロとCメロの存在感が強くて、サビはそんなに重要度高くない気がするから聞いてるうちに全く気にならなくなるんだよね。サビはオマケみたいなもん。…とまで言ったら言い過ぎだけど。
この曲は勢いのある勇壮シンフォニックロック調でまさに「ザ・進撃ソング」って感じだしこれをOP曲にすれば良かったんじゃね?って誰しもが思うでしょうけど、でもこれをアニメで使用してたら「紅のパクリwwwww」ってまとめブログとかで晒されてプチ炎上してたかもしれんから…まあシングル限定曲で良かったのかな…。
これは果たして、進撃3期のOPにXのYOSHIKIさんの曲が抜擢されたことと無関係に偶然似てしまったのか、それとも「Link」を他アーティストまで広げるというRevoさんのいつもの手法がさらにパワーアップした結果なのか…。もし後者を意識的にやってるとしたら…なんという恐れ知らずな…。

3曲目「暁の鎮魂歌」、進撃3期ED曲。シングルなのにアニメ使用曲が3曲目に配置されてるってだけでもかなりレアな事象でしょうな。
この曲はイントロからいきなりジブリなメロディ。今までもこのジブリっぽいメロディは何度も使われてきたんだけど、今回はもはや言い逃れできないレベルで原曲まんますぎる…。ギリギリすぎる。Revoさんどんだけこのメロディ好きなんすか。
Revoボーカルの進撃ソングとしては初のバラードタイプの楽曲ですが、壮大なシンフォニックアレンジや分厚いクワイアなど今までの進撃ソングの構成要素はしっかり引き継いでるんでイメージの隔たりは無い。少年少女合唱団が入るのも初の試みだと思うけどアニメ未視聴で初聞きがこのシングルだったら1曲目にインパクト持ってかれるだろうな。

4曲目は恒例のボーナストラック。今回は珍しくCDDBにボーナストラックの曲名が入ってました。「黄昏の追憶」というタイトル。なんか限定版と通常版で曲が違うらしいんだけど、限定版だと1曲目の後半のオルゴールアレンジですね。

「Nein」以降顕著になってきた、メロディのアイディアが尽きてきてるのでは?という疑惑がここにきて更に加速してきてるので正直不安も隠せないところなんですが、まあ次なるサンホラのアルバムこそが本番だから…うん。いつも同じこと言ってる気もするけど…。

やはりEDはリンホラだった

もちろん信じてましたよ。放送局であるNHKの紅白歌合戦に出場した過去がありしかもイメージアルバムを作り上げるほどに作品愛が深いアーティストを外す選択肢などあるはずないですからね。
ってか、新たにOPに抜擢された超大物アーティストYOSHIKI feat.HYDEが余りに通常営業すぎて、YOSHIKIソングとしては秀逸なんだけど進撃ソングとしてはどうなの?という疑問符がファンの多くから上がる中、相対的に作品愛MAXのRevo氏の評価が上昇するという現象もあったりで…まさかYOSHIKIさんほどの超大物を踏み台?にするなんてやべえなリンホラ。

で、そのリンホラの新曲である「暁の鎮魂歌」、恒例のTVサイズ配信が始まったので早速ダウンロードしましたがレコチョク独占配信っておいおい。レコチョクなんて使ったことねえよ。おかげですげえめんどくさい手順を経ることになった…。

今回はED曲ということで今までの進撃ソングとは異なるバラード系。もちろん途中から壮大なオーケストレーション入ってリンホラらしさも十分なんですけどね。
特徴的なのは少年少女合唱団な清純なコーラス。改めて考えると今までこういうコーラス使われたことなかったんだな。そして出だしのコーラスのメロがモロにジブリ。今までもこのジブリ的メロ展開は幾度も使われてたし、きっとRevoさんのメロディセンスの奥底に存在してるんだろうなぁとは思ってたが今回は露骨すぎるな。
TVサイズでたった1分半しかないのに起伏の激しい楽曲構成で、これはフルサイズではさらに複雑な展開になるのが容易に想像できる。Bメロがサビと同等の盛り上がり方するからサビが二段階あるような印象。ってかいつもボーカルのミックス小さめだけど今回はいつも以上にボーカル引っ込んでるように聞こえるな。

フルサイズは9月発売のマキシシングル収録か…。「自由への進撃」のときみたいに2クール目のOPもここに収録されてんだろうな。

繋げたがりのRevo氏のことだから、進撃関係ない歌詞だと不評のYOSHIKIソングもそのうち無理やりに「Link」させてきそうですなぁ。

Octaviagrace「Polyhedra」

http://www.octaviagrace.net/

オタクヴィアグレイス…じゃなくてOctaviagraceの1年ぶりの新作EPでございます。オタクじゃなくてオクタです。間違えるほうが難しいと思いますが。

まあでもめっちゃオタク向けであることは事実ですよね。前作に続いてジャケ画に化物語シリーズでお馴染みのVOFANさんを起用してコミケで売っても良さそうなオタクな雰囲気を維持。でも前作ほどに「美少女ジャケ」って感じではなく今回はオシャレな構図も相まってサブカル感が強まってる気もしますけども。
ちなみにiTunesで購入したので今回もジャケ写真の掲載はなし。リンク先でご覧ください。

さて本題の音楽についてですが、今回のミニアルバム、前作にあたるフルアルバム「Outward Resonance」に比べてだいぶ音が良くなりましたね。
前作ってやけに音が軽くてメタル感の乏しいサウンドプロダクションだったんですけど、1st EPと2nd EPがしっかりメタリックな音作りをされていたことを考えればその軽さは意図的なものだったと考えられますね。おそらくJPOP系のリスナーを意識しての判断だったのでしょう。
しかし今回の新作では再び鋭さと重厚さを伴う音作りに戻っており、メタルバンドらしさも取り戻した感じではあります。メタラー的には当然ながらこの変化は好印象であります。

そしてボーカリストの実稀(己稀)さんの歌声、これも特筆すべきでしょう。Octaviagraceも活動開始から2年半ということで時が経つのは早いなぁという感じでありますがこの間に最も目覚ましい成長を遂げたのはこの己稀さんで間違いないでしょう。今作では過去最高に安定感があり力強い歌唱を披露しています。
1st EPの時点では(昔のRoman so Words作品でのボーカルの危うさに比べたらはるかに安定した歌唱だったけど)まだ拙さも残っていたんですが、しかし今作での堂々たる歌唱、もはや音程の危ういアマチュアボーカリストの影は消え去り、プロフェッショナルな風格を感じさせるものになっていますよね。やはり何度もライブを重ねることで喉が鍛えられたってことなんでしょうね。この成長っぷり、ロマソ初期から己稀さんを見守ってきたリスナーさんならばかなり感慨深い物があるのでは。

そして楽曲、今回も安定感ある曲揃い。フルアルバムということでバラエティ感を持たせた前作とは違って、今回は「JPOPな爽やかメロディ+テクニカルな演奏+耳障りにならない程度の適度なメタル要素」という持ち味を通底させた楽曲が並んでいて全体的なまとまりという意味でも前作より印象良いです。今作もメンバーのうち4人が作曲に携わっているのに散漫さは全くなくてどの曲においてもOctaviagraceらしさが感じられるのは凄いと思う。
…とはいえ、どの曲も安定してるんだけど突出したキラーチューンが欠如してる感も否めないんですよねえ。心を揺さぶるようなメロディがない。例えば1stならばロストモラトリアムとかDramatic Quietがハイライトでしたし、2ndなんて平凡な曲が皆無で全曲が強力な楽曲で固められていたんですけど、今回の場合は全曲が平均点クリアしてるけど天井を突き破ってるような破壊力の曲が無いっていうか…? まあコンポーザー4人もいるしリリースのペースもそんなに早くないのでネタ切れって訳じゃないと思うし、メロディの出来というよりかやっぱり好みの問題なのかなぁ。自分的にはロストモラトリアムみたいな切なくキャッチーなメロディを求めてるんで…。
しかし所属ボーカリストの共通するRoman so Wordsのほうは寡作ながらも春の新曲においては卓越した爽やかメロディの名曲を発表していましたし、ここに来て自分の中ではロマソの株のほうが上回りつつあるかも。ロマソはコンポーザーがYUIさん1人だけでしかもクサメタル系もJPOP系も両方で名曲生み出してるから…やっぱり強い。

今回の収録曲で新機軸なのは3曲目「Dear Diablo」ですかね。きらびやかなチェンバロが鳴り響く同人ゴシックみたいな曲。テクニカルなギターリフとウィーーンって機械音みたいなシンセの組み合わせも面白い。

ジャケは前述の通りオタク感あるんですけど、アー写のほうは女2人男3人で何とも言えないリア充感が漂ってますよね。新しいアー写ではそのイメージに拍車かかった。女1人だったらいわゆるオタサーの姫みたいな感じになると思うんですけど(?)

そんな感じで、飛び抜けた良さはないけどいつも通りの魅力が詰まっているという安定期な作品と言えるのかもしれないですね。個人的にはOctaviagraceの最高作は2nd EPの「RECOLLECT STORIA」だと思ってるんで初めて聞く方にもそっちをおすすめしたいですが。
っていうかOctaviagraceがきっかけでRoman so Words知る人のほうが多かったりするのかな…。ロマソは「Es another」から入門がおすすめですがオクタビアのファンの方ならば普通にフルアルバム「Es」から聞いていいと思います。

Zemeth「ROUGE NOIR」

2017-07-04_233924.jpg

http://mighty487.wixsite.com/zemeth

今、メタラーの間で大絶賛の嵐を巻き起こしている「究極」のオタク系クサメタルプロジェクト、Zemethの1stフルアルバムです。

ほんと、デビューしたばかりの知名度の無いプロジェクトにも関わらず、ここまで絶賛の意見ばかりで埋め尽くされてるのは異例なことなのではないでしょうか。
中には、今まで聞いた音楽で最高の音楽だと評する意見すらあったりしましたがあながち誇張とも思えない。それくらい凄いオーラがあると思う。ジャンルを越えて「クサい」音楽を偏執的なまでに追求してそれを成し遂げてしまった、とてつもない音楽。
ユニオンや激ロックでも推してるし、ここまで話題になっていれば自ずと各レビューサイトでも取り上げられて高評価になるのは必然でしょう。

で、同人音楽を取り扱ってるうちのブログ的に重要なのは、このZemethの中心人物(ていうか1人プロジェクト)であるJUNYAさんは元ボカロPであり、かつてオレオレウサギ主催のコンピにも曲提供していたっていう事実ですね。さらには、ジャケ画は同人メタルでお馴染みすぎるリブユウキさん。ジャケ裏にはBarrage Am Ringの文字もあり。ぶっちゃけ、これってもう実質的に同人メタルCDですよね? 同人イベントで売ってないっていうだけで。

激ロック等の紹介では執拗なまでに「GYZEのRYOJIが参加」って強調されてましたが、別に1曲で弾いてるだけだしそこまで重要な要素ではない気もするんですが、しかしどんなに素晴らしい音楽であっても無名アーティストだったら興味を持ってもらうきっかけが無いですもんね。だから有名バンドのメンバーがゲスト参加という情報は不可欠なのでしょう。GYZEのメンバーがゲスト→GYZEが認めるほどのクオリティの音楽だとリスナーは考えるでしょうからね。
なんというか、このZemethは音楽性においても同人メタルの今後の指針になり得るくらいに強烈な内容なのですが、売り方においても同人メタル界にヒントを指し示してるように感じる訳です。

音楽性としては「哀愁歌謡ノスタルジックメロディックデスメタル」と銘打たれてる通り、ひたすら歌謡曲もしくはクラシック由来のクサい泣きメロを追求しているプロジェクトなのですが、このZemethというプロジェクト名自体がRPGの「イース」シリーズから取られているそうでして、つまり根本の部分からゲーム音楽の影響が決定的に濃い音楽なんですよね。そういう意味でもオタク系メタル→同人メタルとの関連性が強い。
自分はイースシリーズについては名前は知ってるけどあまり詳しくは知らない感じでしたが、サントラCDの試聴をちょこっと聞いてみた限りでもその影響の程は感じ取れましたね。

で、それだけ話題になってるメロデスっていうことはきっと相当クオリティ高いんだろう…って思うリスナーもいるかもしれないですが、実はクオリティについては同人CDに割と近い。デスメタルを称するには音がかなり軽い。完全にゲーム音楽レベルの音圧。「ゲーム音楽のメロデスアレンジ」と評するのが一番しっくり来そう。
でも、このZemethはあくまでクサいメロを徹底追求するためのプロジェクトだと思うんで、デスメタルである必然性は薄いというか、インストだと印象良くないからとりあえずデスボ乗っけたみたいな感じも無きにしもあらず? 実際デスボのミックス小さめだし。
しかし自分のように普段あまりデスメタルを愛聴していない軟弱メタラーにとってはこの控え目デスボと音圧の低さがむしろ好印象で、そのおかげでかなり聞きやすいサウンドになってると思う。ゲーム音楽は好きだけどデスメタルはちょっと…っていう非メタラーにも余裕でおすすめ出来ます。逆に海外メタルばかり聞いてるガチガチなメタラーだと物足りないかもしれないけど。

デスメタル的なアグレッションは二の次三の次になってると思うけど「美しさ」に関わる部分は一切の妥協なしに作り込まれている印象。特にリードギターの音色はこのZemethの生命線でしょう。メロデスに限らずクサメタル系の理想と言っても過言でないくらいに美しく安定感のある音色。これが無かったらこのクサメタル桃源郷は実現できなかったでしょう。

そしてアルバム構成、これがZemethの大きな特色の1つ。JUNYAさん自ら「全曲がキラーチューン」と紹介していましたが、信じ難いでしょうけどこれが嘘偽りない真実なんですよ。まじで全曲が凄まじいまでのクサいメロで埋め尽くされ、全ての曲が全力全開。常にテンションMAX。「最初から最後までラスボス戦」…と表現したら一番伝わりやすいかな? ここまで一片の隙もないクサメタル美学を貫いた作品って他に例を見ないのではないか。
この手のクサメタル愛好家って、アルバムに色んな曲調がバラエティ豊かに入ってたとしても結局は疾走キラーチューンばかりエンドレスリピートしてしまう傾向あると思うんですが、それを見越してスキップしたくなる「捨て曲」がゼロの全曲キラーチューンを実現してしまった訳ですね…。恐るべき発想。

とはいえ…ここまでテンションMAXを持続してると似たり寄ったりの曲調が延々と連続して、ぶっちゃけ途中でかなり飽きるんですよね。肉が好きだから肉オンリーの食事してるようなもんですからね。栄養バランスも味のバランスもへったくれもない。1曲1曲を単独で聞けば「神の音楽か!?」って衝撃を受けるんですが、アルバム全体として聞くと評価は必ずしも高くならないっていうのが正直なところですかねえ。
しかし、JUNYAさんとしては、途中で飽きるなんて百も承知の上でこのアルバム作ったんだと思う訳ですね。あえてバランスも構成も無視しまくって「ワンパターンの美学」を実現させたという意味で、やはりこの作品は特定の需要に対して徹底的に特化した類まれな傑作であることは認めざるを得ないと思うんです。

このアルバムから特に気に入ってる曲をチョイスするのは難しいですね…。全曲キラーチューンだし全曲が似たり寄ったりって感じなので…。とりあえず1曲目「VALENTINE LIBIDO」2曲目「LAVENDEL」9曲目「SCARLET NIGHTMARE」あたりが特にメロディが神ってるかな。7曲目「FATEFUL DESPAIR」8曲目「GENOCIDE MOON」も捨てがたい。やっぱり歌謡曲系メロディが秀逸ですね。さすがV系をルーツに持ってらっしゃるだけあるというか。日本人にしか出来ないクサメロでしょう。

そんな訳で個人的にはアルバム全体を通して絶賛できる作品ではないんだけど、個々の楽曲の破壊力は比類なきレベルだし、多くのクサメタラーにとっては掛け替えのない傑作となり得る超絶な作品であるのは疑いの余地はないでしょう。こんな凄まじい作品が同人音楽近辺から出て来たという事実は同人メタルシーンにとって新たな希望をもたらしてくれるに違いありません。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

最新記事
カテゴリ
VA (4)
Imy (1)
リンク
検索フォーム
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QLOOKアクセス解析