VRAIN「Vaptism Of Mars」

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http://vrain.jp/top.html

新ルール「リンク召喚」の導入によって物議を醸している遊戯王の新シリーズ「VRAINS」。
そのタイトルの元ネタとなったのが何を隠そうこのVRAINというメタルバンド

…な訳ないですよね…。遊戯王スタッフの中にこんなマニアックなバンド知ってる人間がいるとは到底思えない。どう考えても偶然ですな。
しかしながら、この遊戯王のタイトルがきっかけで「そういやそんな名前のバンドあったよな…」とふと思い出して試聴を聞きCDを買ったという人間が存在したりする訳ですよ。ここに。

というか名前だけなら以前から知ってたんですけどね、でもこのバンドはジャケがね…見ての通りB級の極みって感じですからね。それで敬遠してまともに聞いてなかったってのが正直なところです。
しかし改めて聞いてみると、実は演奏力はかなり高めだし楽曲の完成度も高く、そして何よりも同人メタルに通ずるアニソンメタル感が強いのが決め手ですね。同人メタルを聞く者としては避けちゃいけないバンドだったんだなぁと今更ながら。

このバンドの音楽性ですが、一言で言うとXJAPANフォロワー。かなり分かりやすい形でXを元ネタとするフレーズが多用されてます。Xのコピーバンドすれすれな展開もけっこう聞ける。
ていうか更に言うならSilent Jealousyフォロワー…そこまで限定しちゃっても過言じゃないかも。Xの代表曲の中でもSilent Jealousyに特化してオマージュ楽曲を作るバンドみたいなイメージ。Silent Jealousyリスペクトバンド。少なくともこのアルバムだけ聞いた感じでは。

こんな風に書くとオリジナリティが無くてどの曲も似たり寄ったりのつまんないバンドみたいに思えるでしょうが、実際はそうじゃないんですよね。確かにギターフレーズや楽曲展開にはSilent Jealousyオマージュが至る所に散りばめられてるんですが、しかし歌メロにこのバンドならではのオリジナリティがある。アニソン風のサビメロでしっかりXと差別化できてるし、各楽曲の個性も確立できているので似たり寄ったりな楽曲の寄せ集めになっていないんですよ。どの楽曲のメロディも秀逸な出来栄えで捨て曲はほとんど無いってくらいのクオリティ。
ボーカルは女性ボーカルなんですが、声質はCROSS VEINのボーカルから発狂ハイトーンを抜き去ってB級臭と昭和臭を付け加えたような感じ(?)。 まあ要はちょっと古めのB級アニソン的な雰囲気。キーボード兼任のボーカルみたいですが歌唱力は十分だと感じます。ていうかこの女性ボーカルさん残念ながらもう脱退しちゃったらしいですね…。

あと本家Xに無い要素としてはシンセサウンドの多用ですね。公式のプロフィール欄には「ネオドラマチックサイバーハード」なんて書いてあって、サイバーっていうキーワードからプログレメタル的な雰囲気を連想しちゃいますが実際のところは(少なくともこのアルバムでは)SFっぽい雰囲気とかは無くてあくまでシンフォニックメタルのイメージの範疇でシンセが使われてる感じ。このシンセの与えるB級クサメタル的な芋臭さがV系寄りな洗練した雰囲気を持つXJAPANとはまるで異なる印象をもたらしてます。
あとはバックコーラスですね。これもB級クサメタルな雰囲気を助長してますが、クレジットを見るとCROSS VEINのメンバーがコーラスで参加してるんですよ。言われてみればCROSS VEINっぽさがある。このバックコーラスが何気に重要な役回りを演じていて、ともすると薄っぺらくなりがちなクサメタルサウンドに厚みとスケール感を付与しています。

2曲目、3曲目、及び7曲目はどれもSilent Jealousyをベースにしつつそこにキャッチーなアニソンメロディを乗せたドラマチックな構成と爽快感ある疾走を聞かせる楽曲が並んでます。もちろん単にSilent Jealousyをコピーしてるだけではなくオリジナル要素もあるし各メロディも秀逸なので全く退屈はしません。前述のようにバックコーラスも重要な要素。

4曲目、7曲目はかなりテンポ速めで、特に7曲目「Niagara」はブラストビートに近い爆走を聞かせるアグレッシブなナンバー。どうでもいい事ですがこの曲の「ナイッ!ナイッ!アガラッ!」ってコーラス聞いてると某杉浦綾乃を思い出す…。

5曲目は「バラエティ担当」のシャッフルビートジャズ風で…毎度毎度のように言ってますが個人的にあんまり好きでない曲調ですがツインリードの間奏の浮遊感が気に入ってますね。

6曲目「Vampire Kiss」は今作最長の7分越えの長尺曲だけあって曲展開も割と複雑でプログレメタル感あり。Xで言えば「Rose Of Pain」ポジションの曲か。中間部でシューベルトの魔王を引用した展開も出てきます。
9曲目も徐々にテンポ上がっていくドラマチックな構成ですな。

ラスト10曲目もXのバラードをリスペクトしまくりな展開。オリジナリティは無いけどやっぱりこのハモり倒すツインギターの間奏はたまらん。

こういうXリスペクトなメタルを聞いてると改めてXの圧倒的な偉大さを思い知らされますが、でも本家Xって実はけっこうバラエティに富んでるし、YOSHIKI曲以外はあんまりクサメタラー向けな曲調じゃなかったりするんで、このVRAINみたいにXのクサメタル的に美味しい部分だけを抽出した純度の高い音楽性っていうのは案外メタラーにとって重宝するものなのかもしれませんね。

いずれにせよ、演奏クオリティも楽曲クオリティも共に高く、Xフォロワーとしてもアニソンメタルとしても非常に良質な内容の作品になっていますのでおすすめしたいです。名前は知ってるけどジャケで敬遠してスルーしてたっていうリスナーは他にもいそうな気がしますし。
ていうか遊戯王VRAINSでこのバンドを主題歌にして欲しいなぁ…無理ですね…はい。
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Octaviagrace「Outward Resonance」

http://www.octaviagrace.net/

ご存知Roman so Wordsの己稀さんが在籍するテクニカルポップスバンドの1st「フル」アルバム。っていうか最早このOctaviagraceの知名度はロマソ越えてそうですけどね。今や実稀の名義のほうが有名なのかも?

リリースは昨年の10月、リリース時がM3前の時期だったこともあり時間なくて簡易感想しか書けなかったんでいちおう記事にしておこうかと。
そういやBABYMETALの2ndアルバムも簡易感想しか書いてなかったな…でもベビメタのレビューなんていくらでもあるから別にいいか。

ちなみに、iTunesで購入してしまったんで最近恒例になってるジャケ写真は無しです。ぶっちゃけこのアルバムはジャケが最大の魅力だと言ってしまいたくなるくらいにはジャケが秀逸なので是非とも見て頂きたいんですけどね。VOFANさんの手がけた美麗イラストはコミケで売っても良さそうなほどのオタクテイストを持ちながらも一般人をキモオーラで遠ざけない普遍性も持ち合わせていて本当に素晴らしい。これは同人CDの観点から見ても指標になり得る傑作アートワークだと思いますね。

で、肝心の中身の音楽については、簡易感想でも書いた通りちょっと微妙なライン。
ミニアルバムでありながらも非常に濃密な内容であった過去作2枚に比べると、今作はフルアルバムで曲数が倍増したことによって明らかに内容が薄まってしまってる。というか単純にキラーチューン級のインパクトの曲が少ないと言わざるを得ない。前作「RECOLLECT STORIA」なんて収録曲4曲ともキラーチューンもしくは準キラーな強さを誇っていたというのに。
あと、心なしか過去作より音が軽くなってるようにも感じるし、従来のテクニカルメタルな印象が後退してしまってるかも。まあそれは一般層の開拓のために意図的にやってる可能性もありますが。
さらに、フルアルバムということもあって今まで無かったジャズっぽい曲調や民族っぽいリズム取り入れた曲など割とバラエティ豊かな作風になってるんですがそれによって散漫な印象も強まってしまってるんですよね。
で、トドメはボーナストラック。1st EP収録の名曲「Dramatic Quiet」のアレンジバージョンが収録されてるんですが、皮肉なことにこの過去曲のきらびやかなオーラと新曲の小じんまりとした雰囲気が対比されて余計に今作の曲が地味に感じられてしまうんですよ。

と、ネガティブな印象を書き連ねてしまいましたが決して駄作という訳ではありません。あくまで過去作と比べると地味っていうだけで、今作も高水準に位置する作品であることは間違いないかと。何度も聞いてれば味が出て来るスルメ作品。でもやっぱりキラーチューンが足りないっていうのは否定し難いところではあるんだけど。キラーがあと2曲くらいあればアルバム全体が引き締まったと思うんだけどなぁ。

序盤の1曲目~3曲目あたりは従来のOctaviagraceのイメージを完全に踏襲したテクニカルな演奏とキャッチーなメロディを合わせ持つ楽曲が並んでます。元々からこのバンドはメタルというよりかは「テクニカルなJPOP」という趣きの濃い作風だったと思うんですが、今作では音が軽めのプロダクションになってることも手伝ってJPOP的イメージに拍車がかかってるかな。まあ自分は音圧とか速さを求めるメタラーじゃないからJPOP的でも一向に構わないんだけど、でも単純にメロディが過去作に劣ってるというのは否めないかなぁ。ドラマ性も足りないというか。いや普通に良い曲なんですけどね、過去作が良すぎただけか。てかオクタビアはLIGHT BRINGERみたいにFukiさんの超絶ハイトーンでねじ伏せる…もとい歌メロに絶大な説得力を持たせるっていう芸当が出来ないから作曲の出来が余計に重要になってくる感じか。己稀さんもめっちゃ上達したと思うけどメロディの持つポテンシャルを積極的に引き出せるってほどの力はまだ持ってない気がするし。

で、4曲目は問題作…ってほどじゃないですが、民族調の8曲目と共に「バラエティ感」の主犯となってるジャズ調の曲。この4曲目と8曲目を許容できるかどうかで本作の評価が分かれそう。いつも言ってるようですが個人的にはこの歌謡ジャズ調がどうも苦手なものでしてどうしても印象がネガティブに傾いてしまう訳ですが、でも当然ながらこういう曲調が好きなリスナーも多いはずだと思いますしまあ結局は好みの問題っすな。ちなみに8曲目の民族調もあんまりピンと来ないんだけど両曲ともシンセによるプログレメタル風の間奏は好き。

そして5曲目「リベリオン」はメタラー待ってましたの疾走クサメタル曲。小賢しいプログレ要素は抜きのストレートな爽やかツーバス疾走。これがアルバムのハイライトだと思ってるリスナーも多いはず。
でも…個人的にはこの曲も絶賛は出来ないんだよなぁ。っていうのは、こういうクサメタル系の曲ってやはりRoman so Wordsの十八番な訳で、ロマソと完全に同じ土俵に立っちゃうとOctaviagraceは分が悪いんだよなぁ。あっちは何週間も大鍋で煮込み続けた超濃厚な豚骨スープみたいなクサさな訳じゃないですか、それに対してオクタビアはずいぶんとあっさりしてるんだよねえ。この曲はオクタビアの持ち味であるテクニカルなアンサンブルも控え目なので差別化も出来ずロマソのインパクトには届き得ない感じ。
7曲目のほうも、疾走度は少し低いけどクサメタル系っていう意味では同じ系統か。こっちのほうが5曲目よりクサさ濃いめだから比較的好きな感じかな。テクニカル要素はやはり抑え目だけど。

個人的に今作で一番気に入ってるのはボーナストラック除くラスト曲「Emerging oath」で、そうそう自分がOctaviagraceに求めてるのはこれだよ!と膝を打ちたくなるほどツボにハマる切なくキャッチーなメロディが展開される爽やかロックチューン。しかしこの曲も音が軽いせいで過去作のキラーチューンには一歩及ばない感あるんだよなぁ…。メロディは文句なしに最高なんですけどね。

そんな感じで、悪くはないんだけど薄味な印象の拭えないフルアルバムなので、初めてこのOctaviagrace聞くっていうリスナーにはミニアルバムの「RECOLLECT STORIA」もしくは「RESONANT CINEMA」をおすすめ致します。2作ともめちゃくちゃ濃厚ですので。
もちろんこのフルアルバムもハズレ作品って訳じゃないんですけどね。一般的評価は全く低くなさそうだし。プログレメタル要素が邪魔くさく感じるリスナーやバラエティ感を求めるリスナーなら今作のほうが気に入る可能性あるかな。ジャケもめちゃくちゃ良いし。

地球ists.

https://twitter.com/earthistsjp
って事でEarthists.の1stアルバム「Dreamscape」フラゲして聞いたんですが、すげえバンドだというのは聞く前から分かり切ってたんですが実際にアルバム聞いてみると本当にとんでもないバンドだと思い知らされました。
演奏テクニックもサウンドプロダクションも余りにもハイレベルすぎて、聞いてる途中で日本のバンドだということを忘れてしまいそうになる程の凄まじさ。こりゃ改めてERRAやafterimageと同じ海外レーベルと契約するのも当然の成り行きだなと。

しかも、テクニカルに次ぐテクニカルな展開で埋め尽くされてるにも関わらず難解な印象は抑え目で、キャッチーさが際立ってるのも特筆すべきポイントかと思います。キャッチーと言ってもクリーンボーカルの歌メロがキャッチーって訳ではなく…はっきり言ってクリーンボーカルはオマケ程度の存在感なんですよね。基本的に世界レベルのクオリティなんだけどクリーンだけは稚拙さが残ってて、そこだけ日本のバンドっぽさがあるかもしれない。まあボーカルについてはもう遺伝子的な差があると思うし海外バンドと同じって訳にはいかないですよねえ。
しかし、それを補って余る程にギターフレーズがめっちゃキャッチーで聞き所が満載なんですよ。超絶テクニカルなんだけど必要以上に変態的な方向には傾かず、あくまでキャッチーで聞きやすい。先行公開されてた「Resonating Light」に象徴されるような前のめり?で明るくグルーヴィーなリフがアルバムを通して多用されてます。重さに特化した曲やダークな雰囲気の曲は少ない。
てかこのResonating Lightは例のイケメン天才ギタリストichikaさんがゲストでギターソロ弾いてるけど突然クリーントーンのタッピングがピロピロ入ってくるからけっこう意表突かれますよね。そういや激ロックのインタビューにichikaさんが元abstractsって書いてあったんだけどマジっすか…。abstractsってどんだけ天才抱えてたの…。
紹介記事にこのバンドがネイチャーコア?なるジャンルを自称してるって書かれてたから名前の通り地球をイメージした壮大なアンビエントパートが多用されてんのかなぁと事前に想像してたんだけど実際のところそんなにアンビエント要素は無いっすね。フュージョン系インストDjentな曲が真ん中に配置されててそれが良いアクセントになってるけど。基本的にテクニカル&キャッチーで音がギッチリ詰まってる感じで「大自然系Djent」って雰囲気ではないかな。あとジャズっぽいオサレなピアノの音を取り入れた曲もいくつかあるけど打ち込み感がある音色でちょっと惜しいかも。

海外志向のバンドだから日本のバンドならではの魅力は多少希薄かもしれないし突き抜けた個性があるって訳じゃないんだけど、とにかく邦楽離れしたワールドワイドクオリティに圧倒されまくるし、そしてキャッチーなリフの多用によって普段テクニカルメタル系を聞かない人にも敷居も低い音になってるかなと思います。割と似たタイプの曲が多いにも関わらず途中でダレたりしないし、捨て曲もほぼ無くて全編を通して安定して楽しめるという本当に充実した凄い作品。
ただ、音楽は凄いけどジャケだけちょっと残念だなぁとか思ってたんですけどこのデザイン担当してるのPLINIのジャケ手がけてる人なのか…まじかよ…。PLINIのファンタジックで素敵すぎるジャケと比べるとずいぶん差がないですか…?


https://twitter.com/TOWER_Anime/status/839319172471349248
M3カタログ発売日は4月1日で確定かな。まさかタワレコのアカウントで判明するとは。タワレコに行くような層にも浸透するほどにM3がアマチュア・インディーズ音楽における総合的なイベントに成長したらいいなぁと常々思ったりするけどそうしたらビッグサイトで開催しないとスペース足りないっすよね…。

Tears of Tragedy「STATICE」

http://tears-of-tragedy.com/

X系V系&冬系テクニカルメロディックスピードメタルバンド、Tears of Tragedyの3rdアルバムです。

なんじゃその謎ジャンルは…。というツッコミ必至の紹介ですが、まあ個人的なこのバンドの印象を単に連ねただけですね。
このTears of Tragedyはいつもうちが紹介してるマイナーな同人メタルサークルじゃなくてメタラーなら誰でも知ってるような知名度あるバンドだし今更説明するような必要もなさそうだけどいちおう個人的な解釈を書いときます。
X系ってのは…もちろんX JAPANです。このバンドの音楽性の根底にあるのはやっぱりXからの影響だと思えてならないので。随所からYOSHIKIさんに通ずる美意識を感じ取ることが出来ます。特にDAHLIAの作風に近いですよね。
V系は…そのまんまヴィジュアル系。X以外の一般的なV系バンドからの影響もあると思います。リズムワークとか。オサレで耽美な雰囲気とか。
冬系…もう音のイメージが冬そのものですからね。キラキラ北欧系。ボーカルの声質から音作りに至るまで冬っぽい雰囲気が充満してます。さらに言うならクリスマス。クリスマスメタル。発売日が12月ってのも必然かって思うほど。
そしてテクニカル。めちゃくちゃテクニカル。元々から演奏技術は非常に高いバンドだったと思うんですが今回はドリームシアターそのものみたいなフレーズもあったりしますね。全体的にはプログレメタルって感じではなくあくまでメロスピ系なんですが。

うちは同人音楽紹介するブログなんで同人音楽的な観点からこのバンドを評価するとしたらですね…ぶっちゃけ「理想」の1つですよね。同人メタルの「上位互換」。
同人メタルって、クオリティについてはアマチュアレベルだからメジャーのバンドや全国流通してるインディーズバンドに劣ってるのは仕方ないんだけど、それでも同人メタルはオタク的な土壌から発生した独特のセンスという武器があるので必ずしも有名バンドの下位互換に甘んじてはいないと思うんですよ。しかしながら完全に上位互換と言えてしまうバンドも存在する訳で、このTears of Tragedyはその1つなのかなぁと。
Tears of Tragedyがオタク文化から直接的な影響受けてるとは思わないけど、オタクミュージックと重複する部分は少なからずあると思うんですよね。女性ボーカル、キャッチーな歌メロ、ゴシック系に通ずる耽美さ、キラキラなシンセなど。実際、もしこのバンドがアニソンに抜擢されたとしても全く違和感ないと思う。されないと思うけど。

さて今回の新作についての具体的な感想ですね。先日の記事にちょこっと書いた通り、「ほぼ前作と同じ」です。
ずいぶんと投げやりな感想ですが…。でも仕方ないことだと思うんですよ。なんせ、前作「Continuation Of The Dream」で築き上げたスタイルが余りにも完璧すぎたから、それを踏襲してマイナーバージョンアップするしか選択肢が無かったんじゃないかと。前作のスタイルに手を加えて進化させようとすればあの完璧さが崩れてしまう訳ですからね。そうすればファンの期待を裏切ることになるでしょうし。傑作を作り上げたアーティストが陥ってしまうパターンですかね。
基本的に前作に類似した曲調が並んでいて、楽曲の配置までもが前作とほぼ同じ。一聴した感じだと前作を微調整しただけの内容か?みたいな印象が強く、とにかく新鮮味は皆無でしたね。

しかし2周、3周と聞き込むことで前作との相違点も徐々に見えてきて、単なる二番煎じではなく、やはり今回も素晴らしい内容なのだと分かってきた感じです。
というか、メロディにおいては今作のほうが僅差で上回ってる可能性も? 前作は前半に良曲が固まってて後半は若干弱いかなぁって印象もあったんですが(なんせ後半が好きじゃなくて6曲目の「Spring Memory」まで聞いて最初に戻ってリピートという聞き方していた)、しかし今回は全編を通して良い曲が散りばめてある感じでしょうかね。バランスの良い構成になってる。
特に終盤のバラード2曲の存在が大きい。両曲とも心に染みる感動の名曲です。テクニカルなバンドサウンドに頼らずともメロディの力だけでじっくり聞かせるこの2曲が作品の構成にメリハリを与えてる。まあ似たような疾走曲ばっかりだと飽きるってのもありますしね。

前半の曲は前作のマイナーバージョンアップ的な楽曲が並んでて、一聴では違いが分かりづらいくらい曲調が似通ってたりするんだけど、しかしメロディの強さは前作に負けていない。どれもばっちり名曲オーラを放ってる。やはりメロディの良さというものはどの音楽ジャンルにおいても最重要ポイントですよね。
そしてTears of Tragedyサウンドの中核とも言えるリズムギターは今回も冴え渡っておりまして、もうこれはね、小気味良いリズムギターを聞かせるメタルバンドのナンバーワンと言っても過言じゃないですよね。このギターワーク聞いてるだけでも心地良いですからね。XとかV系とかテクニカルメタルからの影響が絶妙に混じり合ってこの最高サウンドを生み出してる感じなんでしょうか。
あと、このバンドって曲と曲の繋ぎが上手いんですよねえ。言い換えるとイントロがめちゃくちゃ巧みっていうか。曲が終わって間髪入れずに「ジャジャン!ジャジャン!」と派手なイントロでテンションを繋いでいく手法は見事すぎる。イントロがグダグダな曲ってやっぱり印象良くないですからね。イントロまじ重要。

あとボーカル。このボーカルのHarukaさんって他のバンドで歌ってるのちょこっと聞いたこともあるけど、Tears of Tragedyのときの歌唱のような輝きを全く感じられなくて拍子抜けしたことあったんですよね。まあそれだけTears of Tragedyの音楽性にこれ以上無いほどにハマってる歌声っていうことなんですけどね。Tears of TragedyサウンドにHarukaさんの歌声は必須だしその逆も然りっていう。

それと、今回も後半に10分越えの大作曲が入ってますけど…やっぱりこのバンドは長尺曲はあんまり得意じゃない感ありますよねえ。テクニカルバンドではあるけどプログレッシブなバンドではないってことか。オペラティックな女性ボーカル入れたりデスボ入れたりクラシカルな展開入れたりと工夫してるのは分かるんだけど…途中でダレてしまうんだよなぁ。前作の長尺曲と同様で。それぞれのパーツが悪い訳じゃないんですけどね。やっぱりコンパクトな曲で勝負して欲しい感。

ジャケは…カラフルにしたいっていうコンセプトは分かるんだけど何かゴチャゴチャしてる感あって惜しい…。

まあそんな感じで、マイナーバージョンアップだけど安心安定の内容だし前作が好きだった人なら迷わず買いって感じなんじゃないですかね。いちいち紹介するまでもなく同人メタラーみんな買ってるだろうけども。

Mercy Personality !s Dark「EarthBound」

https://mpid.bandcamp.com/album/earthbound

ようやくリリースされたニンテンドーコアコンピ「We are the nintendocore.jp」に参加しているバンドの1つでございます。ついで…と言ったら語弊ありますがこの1stミニアルバムのほうも紹介しとこうかと。

音楽性はもちろんニンテンドーコア、つまりチップチューン+メタルコアを組み合わせた作風なんですけど、先日紹介したDebug My Video Game Errorがチップチューン的な音色に合わせてメタルコアの部分もカスタマイズを施した洗練された音楽性だったのに対し、このMercy Personality !s Darkは一般的なメタルコアの音にチップチューンサウンドをそのまんま乗っけたという趣きの作風になってますね。
オリジナリティという点ではDMVGEに軍配が上がりそうですが、単純にメタルコアとして聞くとMP!Dのほうが「らしさ」は上回ってるかな。個人的にもどっちかというと僅差でMP!Dのほうが好きかもしれない。試聴を聞いた段階では断然DMVGEのほうが良いと思ってたんですけどね、MP!Dのほうが単純にメロディが好きというのはあるかな。

1曲目「Intro」、名前通り短いイントロ曲なんですがこれはバンドサウンドの無い純度100%のチップチューンですね。いかにもゲーム音楽なメロディも良い。

2曲目「Ashes feat.Luther」、アグレッシブなメタルコアサウンドとチップチューンのコミカルテイストの音色が絡んでニンテンドーコア特有のキャッチーさを演出してますね。中間部で複数の声色のボーカルが掛け合うパートがなかなか変態的な雰囲気を醸してます(ボイスチェンジャーも使ってる?)。ラスト近くで入るクリーンボーカルのエモいメロが特に気に入ってたり。

3曲目「I can't be a brave men!」、これもゴッリゴリに重いハードコアなグルーヴとチープな8bitサウンドの対比が効果的ですね。中間部でゲームの効果音が入るコミカルなパートがありますが、やっぱりEDM入りメタルコアとニンテンドーコアの相違点はこのコミカルな雰囲気にあるんでしょうね。

4曲目「Leave me alone」、これ以降の曲はチップチューン要素が控え目で、この曲も味付け程度にシンセが入ったバラード風のスクリーモ曲みたいな感じなんですけど、でもニンテンドーコアとか関係なしに単純にメロディが良いんですよ。このドラマチックでエモエモしいサビメロ、ほんと最高ですね。ちょっと音程が高すぎてボーカルが歌い切れてなくて素っ頓狂な歌声になってる気もしますがその辺り含めて親しみを持てる曲かなぁと。

5曲目「Reach」、これもチップチューン要素は少なめかなぁ。でも普通にメタルコアとしてカッコ良いしサビがキャッチーで良い。

6曲目「Disappear」、これも4曲目に近い曲調でエモいサビメロが良いですねえ。これもどこにチップチューン要素あるのか分かりづらいくらいに普通のスクリーモ。

ボーカル含め多少荒削りな部分は残ってるとはいえサウンドはなかなかに分厚いしメロディも良いので今後に期待できるバンドなんじゃないかと。
先日のニンテンドーコアコンピ提供曲のほうは更にクオリティアップしてキャッチーさが増量しためっちゃ売れ線な感じになってましたが今後はああいうキバオブアキバ路線(?)で行くのかな。


プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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