Octaviagrace「Polyhedra」

http://www.octaviagrace.net/

オタクヴィアグレイス…じゃなくてOctaviagraceの1年ぶりの新作EPでございます。オタクじゃなくてオクタです。間違えるほうが難しいと思いますが。

まあでもめっちゃオタク向けであることは事実ですよね。前作に続いてジャケ画に化物語シリーズでお馴染みのVOFANさんを起用してコミケで売っても良さそうなオタクな雰囲気を維持。でも前作ほどに「美少女ジャケ」って感じではなく今回はオシャレな構図も相まってサブカル感が強まってる気もしますけども。
ちなみにiTunesで購入したので今回もジャケ写真の掲載はなし。リンク先でご覧ください。

さて本題の音楽についてですが、今回のミニアルバム、前作にあたるフルアルバム「Outward Resonance」に比べてだいぶ音が良くなりましたね。
前作ってやけに音が軽くてメタル感の乏しいサウンドプロダクションだったんですけど、1st EPと2nd EPがしっかりメタリックな音作りをされていたことを考えればその軽さは意図的なものだったと考えられますね。おそらくJPOP系のリスナーを意識しての判断だったのでしょう。
しかし今回の新作では再び鋭さと重厚さを伴う音作りに戻っており、メタルバンドらしさも取り戻した感じではあります。メタラー的には当然ながらこの変化は好印象であります。

そしてボーカリストの実稀(己稀)さんの歌声、これも特筆すべきでしょう。Octaviagraceも活動開始から2年半ということで時が経つのは早いなぁという感じでありますがこの間に最も目覚ましい成長を遂げたのはこの己稀さんで間違いないでしょう。今作では過去最高に安定感があり力強い歌唱を披露しています。
1st EPの時点では(昔のRoman so Words作品でのボーカルの危うさに比べたらはるかに安定した歌唱だったけど)まだ拙さも残っていたんですが、しかし今作での堂々たる歌唱、もはや音程の危ういアマチュアボーカリストの影は消え去り、プロフェッショナルな風格を感じさせるものになっていますよね。やはり何度もライブを重ねることで喉が鍛えられたってことなんでしょうね。この成長っぷり、ロマソ初期から己稀さんを見守ってきたリスナーさんならばかなり感慨深い物があるのでは。

そして楽曲、今回も安定感ある曲揃い。フルアルバムということでバラエティ感を持たせた前作とは違って、今回は「JPOPな爽やかメロディ+テクニカルな演奏+耳障りにならない程度の適度なメタル要素」という持ち味を通底させた楽曲が並んでいて全体的なまとまりという意味でも前作より印象良いです。今作もメンバーのうち4人が作曲に携わっているのに散漫さは全くなくてどの曲においてもOctaviagraceらしさが感じられるのは凄いと思う。
…とはいえ、どの曲も安定してるんだけど突出したキラーチューンが欠如してる感も否めないんですよねえ。心を揺さぶるようなメロディがない。例えば1stならばロストモラトリアムとかDramatic Quietがハイライトでしたし、2ndなんて平凡な曲が皆無で全曲が強力な楽曲で固められていたんですけど、今回の場合は全曲が平均点クリアしてるけど天井を突き破ってるような破壊力の曲が無いっていうか…? まあコンポーザー4人もいるしリリースのペースもそんなに早くないのでネタ切れって訳じゃないと思うし、メロディの出来というよりかやっぱり好みの問題なのかなぁ。自分的にはロストモラトリアムみたいな切なくキャッチーなメロディを求めてるんで…。
しかし所属ボーカリストの共通するRoman so Wordsのほうは寡作ながらも春の新曲においては卓越した爽やかメロディの名曲を発表していましたし、ここに来て自分の中ではロマソの株のほうが上回りつつあるかも。ロマソはコンポーザーがYUIさん1人だけでしかもクサメタル系もJPOP系も両方で名曲生み出してるから…やっぱり強い。

今回の収録曲で新機軸なのは3曲目「Dear Diablo」ですかね。きらびやかなチェンバロが鳴り響く同人ゴシックみたいな曲。テクニカルなギターリフとウィーーンって機械音みたいなシンセの組み合わせも面白い。

ジャケは前述の通りオタク感あるんですけど、アー写のほうは女2人男3人で何とも言えないリア充感が漂ってますよね。新しいアー写ではそのイメージに拍車かかった。女1人だったらいわゆるオタサーの姫みたいな感じになると思うんですけど(?)

そんな感じで、飛び抜けた良さはないけどいつも通りの魅力が詰まっているという安定期な作品と言えるのかもしれないですね。個人的にはOctaviagraceの最高作は2nd EPの「RECOLLECT STORIA」だと思ってるんで初めて聞く方にもそっちをおすすめしたいですが。
っていうかOctaviagraceがきっかけでRoman so Words知る人のほうが多かったりするのかな…。ロマソは「Es another」から入門がおすすめですがオクタビアのファンの方ならば普通にフルアルバム「Es」から聞いていいと思います。
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Zemeth「ROUGE NOIR」

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http://mighty487.wixsite.com/zemeth

今、メタラーの間で大絶賛の嵐を巻き起こしている「究極」のオタク系クサメタルプロジェクト、Zemethの1stフルアルバムです。

ほんと、デビューしたばかりの知名度の無いプロジェクトにも関わらず、ここまで絶賛の意見ばかりで埋め尽くされてるのは異例なことなのではないでしょうか。
中には、今まで聞いた音楽で最高の音楽だと評する意見すらあったりしましたがあながち誇張とも思えない。それくらい凄いオーラがあると思う。ジャンルを越えて「クサい」音楽を偏執的なまでに追求してそれを成し遂げてしまった、とてつもない音楽。
ユニオンや激ロックでも推してるし、ここまで話題になっていれば自ずと各レビューサイトでも取り上げられて高評価になるのは必然でしょう。

で、同人音楽を取り扱ってるうちのブログ的に重要なのは、このZemethの中心人物(ていうか1人プロジェクト)であるJUNYAさんは元ボカロPであり、かつてオレオレウサギ主催のコンピにも曲提供していたっていう事実ですね。さらには、ジャケ画は同人メタルでお馴染みすぎるリブユウキさん。ジャケ裏にはBarrage Am Ringの文字もあり。ぶっちゃけ、これってもう実質的に同人メタルCDですよね? 同人イベントで売ってないっていうだけで。

激ロック等の紹介では執拗なまでに「GYZEのRYOJIが参加」って強調されてましたが、別に1曲で弾いてるだけだしそこまで重要な要素ではない気もするんですが、しかしどんなに素晴らしい音楽であっても無名アーティストだったら興味を持ってもらうきっかけが無いですもんね。だから有名バンドのメンバーがゲスト参加という情報は不可欠なのでしょう。GYZEのメンバーがゲスト→GYZEが認めるほどのクオリティの音楽だとリスナーは考えるでしょうからね。
なんというか、このZemethは音楽性においても同人メタルの今後の指針になり得るくらいに強烈な内容なのですが、売り方においても同人メタル界にヒントを指し示してるように感じる訳です。

音楽性としては「哀愁歌謡ノスタルジックメロディックデスメタル」と銘打たれてる通り、ひたすら歌謡曲もしくはクラシック由来のクサい泣きメロを追求しているプロジェクトなのですが、このZemethというプロジェクト名自体がRPGの「イース」シリーズから取られているそうでして、つまり根本の部分からゲーム音楽の影響が決定的に濃い音楽なんですよね。そういう意味でもオタク系メタル→同人メタルとの関連性が強い。
自分はイースシリーズについては名前は知ってるけどあまり詳しくは知らない感じでしたが、サントラCDの試聴をちょこっと聞いてみた限りでもその影響の程は感じ取れましたね。

で、それだけ話題になってるメロデスっていうことはきっと相当クオリティ高いんだろう…って思うリスナーもいるかもしれないですが、実はクオリティについては同人CDに割と近い。デスメタルを称するには音がかなり軽い。完全にゲーム音楽レベルの音圧。「ゲーム音楽のメロデスアレンジ」と評するのが一番しっくり来そう。
でも、このZemethはあくまでクサいメロを徹底追求するためのプロジェクトだと思うんで、デスメタルである必然性は薄いというか、インストだと印象良くないからとりあえずデスボ乗っけたみたいな感じも無きにしもあらず? 実際デスボのミックス小さめだし。
しかし自分のように普段あまりデスメタルを愛聴していない軟弱メタラーにとってはこの控え目デスボと音圧の低さがむしろ好印象で、そのおかげでかなり聞きやすいサウンドになってると思う。ゲーム音楽は好きだけどデスメタルはちょっと…っていう非メタラーにも余裕でおすすめ出来ます。逆に海外メタルばかり聞いてるガチガチなメタラーだと物足りないかもしれないけど。

デスメタル的なアグレッションは二の次三の次になってると思うけど「美しさ」に関わる部分は一切の妥協なしに作り込まれている印象。特にリードギターの音色はこのZemethの生命線でしょう。メロデスに限らずクサメタル系の理想と言っても過言でないくらいに美しく安定感のある音色。これが無かったらこのクサメタル桃源郷は実現できなかったでしょう。

そしてアルバム構成、これがZemethの大きな特色の1つ。JUNYAさん自ら「全曲がキラーチューン」と紹介していましたが、信じ難いでしょうけどこれが嘘偽りない真実なんですよ。まじで全曲が凄まじいまでのクサいメロで埋め尽くされ、全ての曲が全力全開。常にテンションMAX。「最初から最後までラスボス戦」…と表現したら一番伝わりやすいかな? ここまで一片の隙もないクサメタル美学を貫いた作品って他に例を見ないのではないか。
この手のクサメタル愛好家って、アルバムに色んな曲調がバラエティ豊かに入ってたとしても結局は疾走キラーチューンばかりエンドレスリピートしてしまう傾向あると思うんですが、それを見越してスキップしたくなる「捨て曲」がゼロの全曲キラーチューンを実現してしまった訳ですね…。恐るべき発想。

とはいえ…ここまでテンションMAXを持続してると似たり寄ったりの曲調が延々と連続して、ぶっちゃけ途中でかなり飽きるんですよね。肉が好きだから肉オンリーの食事してるようなもんですからね。栄養バランスも味のバランスもへったくれもない。1曲1曲を単独で聞けば「神の音楽か!?」って衝撃を受けるんですが、アルバム全体として聞くと評価は必ずしも高くならないっていうのが正直なところですかねえ。
しかし、JUNYAさんとしては、途中で飽きるなんて百も承知の上でこのアルバム作ったんだと思う訳ですね。あえてバランスも構成も無視しまくって「ワンパターンの美学」を実現させたという意味で、やはりこの作品は特定の需要に対して徹底的に特化した類まれな傑作であることは認めざるを得ないと思うんです。

このアルバムから特に気に入ってる曲をチョイスするのは難しいですね…。全曲キラーチューンだし全曲が似たり寄ったりって感じなので…。とりあえず1曲目「VALENTINE LIBIDO」2曲目「LAVENDEL」9曲目「SCARLET NIGHTMARE」あたりが特にメロディが神ってるかな。7曲目「FATEFUL DESPAIR」8曲目「GENOCIDE MOON」も捨てがたい。やっぱり歌謡曲系メロディが秀逸ですね。さすがV系をルーツに持ってらっしゃるだけあるというか。日本人にしか出来ないクサメロでしょう。

そんな訳で個人的にはアルバム全体を通して絶賛できる作品ではないんだけど、個々の楽曲の破壊力は比類なきレベルだし、多くのクサメタラーにとっては掛け替えのない傑作となり得る超絶な作品であるのは疑いの余地はないでしょう。こんな凄まじい作品が同人音楽近辺から出て来たという事実は同人メタルシーンにとって新たな希望をもたらしてくれるに違いありません。

Among the Sleep「casket EP」

https://among-the-sleep.bandcamp.com/releases

皆さんご存知の同人メタル界が世界に誇るテクニカルギタリストあにょ(gen)さんが、イケメン天才ギタリストichikaさんとコラボレーションした話題作ですね。

同人音楽を聞く人達に対しては「あにょさんの新プロジェクト」って紹介したほうが一発で伝わると思うんですけど、やはり多くのリスナーにとってはichikaさん主導のプロジェクトだと認識されてるんでしょうね。ichikaさんツイッターのフォロワーは1万越えてますし海外でも既に高く評価されてるみたいですからね。演奏テクニックに差があるとは思わないけど知名度に差があるのは否めないところなのか。実際にお2人のどちらが主導権を握ってるのかは知らないんですけども。
「ichikaと元abstractsのgenのコラボレーション」という紹介文が理想的だと思うんですが今のところそういった文言は確認されておりません。ほんと、あにょさんのabstracts脱退の件についてはうやむやになってる感があって釈然としませんけどね…。っていうかichikaさんもabstractsに所属してた時期あったの? それもよく分からないんですけども。wikipedia的なものが無いから分からないことだらけ。誰かwikipedia作って。

そういう事情はとりあえず置いといて本題の音楽についてですが、天才ギタリスト2人がコラボしてるんですから言うまでもなく超絶技巧の嵐。どこを切ってもテクニカル&テクニカル。技と技のぶつかり合い。ワールドワイド級のクオリティであるのは疑いようがないですが、下手したら海外の有名バンドすら越えてるかもしれない? それくらいやばい。
音楽性は一言でいえばDjent系ギターインストってことになるんでしょうけど、メカニカルにザクザク刻んでるだけのChug系Djentとは訳が違う。指板を一切の淀みもなく縦横無尽に駆け巡る常人離れしたギタープレイにはひたすら圧倒されるのみです。その常人離れなプレイが×2なんですからもうね。

演奏については動画を見た限りではあにょさんがギターでichikaさんがベースとクリーントーンのギターっていう分担になっているようですが、作曲についてはクレジットが無いので不明ですね。
なんとなく個人的な想像ですけど、1曲目と2曲目はメロディに東方アレンジっぽさがあるからあにょさん作で、3曲目以降はあにょさんの引き出しには無さそうなファンタジックなアレンジが出て来るからichikaさん作曲なのかな? 確証は全くないですけどね。

1曲目「Cloudbuilt」、演奏動画も公開されてるリード曲ですけど、もうほんとに超絶技巧vs超絶技巧の殴り合いのような凄まじさ。ichikaさんの奏でる5弦ベースも速弾き連発で音に隙間が無い。物凄い密度。Earthists.のときも思ったけどichikaさんのトレードマークとなってるクリーントーンのギターの幻想的な響きは非常に美しいんですがロック曲との相性についてはちょっと微妙なところだと思うんだけど、でもこのクリーントーンじゃないとichikaさんって感じがしないですもんね。

2曲目「Ghost」も基本的にHerbivoraの東方アレンジの延長線上の雰囲気なんだけど、ichikaさんのベースとクリーントーンのギターが加わることによって音の厚みが格段に増してる。

3曲目「Dream」、これが今作のハイライトでしょう。出だしから童謡のようなメルヘンなシンセの音が飛び出してきて意表を突かれますが、あにょさんの曲でこういう音は聞いたことないからやはりichikaさん作曲かな。同人音楽との親和性も高そうなファンタジックな音、エレクトロニカ系アプローチ、そしてポストロック的なアトモスフェリックな音、それらがテクニカルギターサウンドと見事に溶け合って摩訶不思議な世界観を作り上げています。まさにタイトル通り夢の中のようなサウンド。

4曲目はタイトル曲「casket」、これはichikaさん作っぽい気がするけど…ちょっと微妙なライン。共作という可能性も。今作で一番アップテンポで勢いのある曲。テクニカルだけど難解さは皆無でとても心地良い。ちなみにcasketって宝石箱っていう意味みたいだけど棺桶って意味もあるようで…。なかなか厨二心をくすぐる意味深な単語を持ってきてますなぁ。

5曲目「april」、この曲はベースが主役。曲の大半がベースソロで構成されてる? でもichikaさんのベースの音色は独特なのでメロディ楽器として機能しちゃってますね。

ジャケがこれまた秀逸で、forn EPと同じファンタジー路線なので完全にこれはあにょさんではなくichikaさんの趣味でしょう。同人音楽界で活躍するあにょさんよりもichikaさんのほうが同人音楽寄りなセンスしてるのは面白いかもしれない。

ichikaさんは1st EP出した時点で早くもワールド級の評価が確立されちゃってる感ありますけど、今後もあのクリーントーンの作風を続けていくんだろうか。あの路線を発展させていくのって難しいような気もするけど。
まあ自分は同人音楽リスナーなんでやっぱりあにょさんの今後の活動のほうが断然気になりますね。このコラボをきっかけに更なる飛躍をしてくれるといいんだけど。実力はあにょさんもワールド級であるのは疑いようがないですしね。ボーカル入りのプロジェクトを本格始動しないのかなぁ。

「進撃の軌跡」がRevoさんの最高傑作…??

ふとAmazonレビューを覗いてみたらですね、びっくりするくらい絶賛の意見ばっかりなんですよね。ツイッターのローランの方々が絶賛しててもいつも通りの事で驚きは皆無ですが、なんせアンチ意見が書き込まれることも珍しくないAmazonレビューですからね。
ていうかさらに仰天したのがこのアルバムがRevoさんの「最高傑作」とまで評する意見が複数あるんですよ…。え…まじで?? MoiraやRomanよりも上だというのか??
まあAmazonレビューってあんまりコアなファンは書き込んでないような気もするけど、それでもここまではっきりした傾向があることは無視できないですよね。
もしガチなローランでも進撃の軌跡が過去のサンホラの名作群を上回ってると考えてる人がいたら驚きですけども…。

自分はこのアルバムは割とNeinと同種の作品だと捉えてたんですけどね(メロディの「再利用」が多いという意味で)。
思えばNeinは賛否両論の嵐でレビューもずいぶん荒れてましたが…あの時とは雲泥の差。なにがここまで明暗を分けたのか。

まず、考えられるのは「分かりやすさ」ですかね。
今回のアルバムは進撃の巨人のイメージアルバムですから、いつものサンホラみたいに考察しないと基本ストーリーさえ把握できないという敷居の高さが無くて、例えば「あ、これはアニについて歌った曲か」って気付けばそれだけで原作漫画やアニメ見てる人ならばすんなり理解できる訳ですよね。そこが決定的な違い。
あと、進撃の巨人という漫画及び映像作品をバックグラウンドに付けていることで、従来のサンホラに比べて圧倒的に視覚的イメージが強い。しかも並の映像作品じゃなくてあんだけハイクオリティな作品ですからね。補正が相当でかい。
それと、非ローランな進撃ファンからすれば、一般的な「キャラソン」のイメージを大きく逸脱する壮大かつ緻密なアレンジの楽曲と作品の世界観をこれ以上にないほどに見事に反映させた歌詞は非常に新鮮味があるのではないでしょうか。Revoさんの音楽をずっと聞いてる人間には「通常営業」だけども。
もちろん、今回は長尺曲が無くてコンパクトでシンプルな構成の楽曲が中心であることも「分かりやすさ」において重要。

もう1つ、レビュー見てると「今回はコミカルな要素が無いから良い」みたいな意見が散見されるんですよね。つまり近年のサンホラにおけるコミカル要素を邪魔だと考えてるリスナーはけっこう多いのかなぁと。まあ分からなくはないけど…でもコミカル要素も含めてRevoさんの音楽の魅力だと思うんですけどねえ。コミカルがNGな人だと西洋骨董屋根裏堂あたりの楽しげなミュージカル調もダメなの? 勿体ないなぁ。まあ人によってRevoミュージックに求める物が異なるのは仕方ないですけども。

あとは、単純に今作においてメインになってる勇壮なシンフォニックアレンジ曲を好むリスナーが多いということか。Revoボーカルのシンフォニックロック曲を好む人が多いっていうことなら個人的にも歓迎できるかな。自分もRevoボーカル推しのファンですからね。「二ヶ月後の君へ」とかほんとハイトーン駆使しまくってるしルクセンダルクの頃と比べてもめちゃくちゃ歌唱スキル向上してますよねえ。ていうかRevoボーカル中心の作品が最高傑作と評されてるのならむしろRevoさん本人としても大満足だったりする?
シンフォニックロックで統一したアルバムという意味ではメタラー向けでもあるのかなぁ…。でも基本的に紅蓮の弓矢の延長線上の曲調ばっかりだからあれが琴線に触れなかったメタラーは聞かなくていいと思うけど。

ちなみに、自分も先日の記事では少し否定寄りな感想を書きましたけど、この1週間ずっと聞き続けた結果、「最期の戦果」や「冷たい棺」あたりの完全新曲もだんだんと「スルメ」ってきましたね。特にアニ曲ね。やっぱり勇壮な曲調が良いし歌詞も素晴らしい。まあそれでも過去の名曲群と比べると一歩劣るのは否定し難いところですが。

やっぱりこれが最高傑作とまで言われたら違和感ありまくりだけど、でもアーティストとしては最新作が最高傑作認定されるのはこの上ない喜びなんだろうなぁ。進化を続けてる証ですからね。「○○の頃は良かったけど今は…」みたいな評価が一番凹むでしょうしね。

ローランの中でRevo作品の最高傑作を決める投票とかやったら恐ろしく票が割れそうですな。古参ファンならエリ組が最有力、新しめのファンだとNeinを推す人もいそう? 個人的にはMoira推したいけどRomanもMärchenも捨てがたいし…。あと曲単体だったらInterview with Noelとか愛咎を推したいかも。

「進撃の軌跡」感想の続き

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今回は既存曲が多めなこともあって、Neinほどには聞き込むのに時間を要する感じではないけど…それでも一般的アーティストに比べたら情報量が多大であることに変わりはないし2日3日程度の聞き込みで足りてるかどうか分かんないですが…まあとりあえず現時点での感想を書いておきます。

すでに述べたように新規のメロディのパワーが足りないという感想はやはり覆し難いところではあるのですが、Neinと2作品連続して同じ印象を得てしまったということは…もはや決定的な傾向であると認めざるを得ないでしょう。
自分がRevoさんの作る音楽を他の類似品と一線を画する特別なものだと考えていた根拠というのは、作り込まれた世界観と考察に値する深みのある歌詞、複雑でありながらも整合性を感じさせる卓越した構成力など…それも勿論欠かせない要素なんですけど、何よりもメロディの良さにこそ魅力を感じていたんですよね。メロディが圧倒的に良い。それが全盛期のサンホラの持つ魅力の核であった訳です。
しかしながら、どんな稀代のメロディメーカーであってもあれだけ荒っぽいメロディのぶっ込み方をしてれば勢いが多少落ちてしまうこともあると思うんですよ。なんせメジャーデビュー10年ですもんね…。普通にメロディ使ってるアーティストであっても10年もやってればネタ尽きて来るでしょ…。

しかし、そうであったとしてもやっぱり自分はRevoさんの音楽は他と明確に線引き出来る特別さを保ってると思うんです。というのは、Revoさんが過去に山ほど名曲を作ってきた事実は覆らないし、しかも、それが単なる「過去」にならないのがサンホラ/リンホラの特異性だからです。
熱心なRevoファンの方々の反応を見てれば一目瞭然だと思いますが、Revoミュージックにおいては過去のメロディの再登場が特別な意味を持ってる。皆さん過去の曲との世界観の繋がりや共通性を強く求めてるから、単なる新規メロディよりも過去メロディの再登場のほうが意味を見出しやすい訳で。メロディより物語が重要視されてるとも言えるかもしれないけどメロディそのものが物語の一部だと考えれば必然性はありますね。別にメロディが軽視されてる訳じゃないんで誤解なきよう。
まあ、今やファンもサンホラ/リンホラに新たな試みとか新鮮味とかあんまり求めてないように感じられるし(もしEDMとか流行りのサウンド取り入れても喜ぶ人はあんまりいないでしょう…Neinも1曲目だけだったし)良くも悪くも後ろ向きで「守り」に入ってしまったとも言えるかもしれないけど、でも過去に積み重ねてきた作品が偉大であるからこそ「守り」が成立するのであって、積み重ねがなくファンからの信頼の薄いアーティストには出来ない芸当ですよね。(ライブではなくスタジオアルバムにおいて)過去曲が現在進行系の武器になるアーティストなんてサンホラ/リンホラ以外にはいないでしょう。

で、今回のアルバムは「進撃の巨人」のイメージアルバムなのでNeinほどに過去曲大胆に引用してる訳じゃないんですが、そもそも進撃ソングの過去曲ってそんなに数多くないし「座標」と「代償」は引用を中心に構成された曲だから実質的に「弓矢」と「翼」の引用が散りばめられてる訳ですが、さすがに今回はその2曲のメロディが多すぎる気もする…。例えばMoiraの場合は、ここぞという盛り上がる場面でテーマメロディ再登場してうおおおおお!!!!!ってなった訳ですけど、今回は弓矢のメロディ多すぎるからクライマックスで弓矢のメロディ来ても感動が薄まってる感もあるというか…。といってもやっぱり「心臓を捧げよ」の後半が盛り上がるのは違いないんですけどね。

まあMoira等の「全盛期」のサンホラのアルバムに比べると物足りないのは否めないところなんですが、でもアニメのイメージアルバムとして考えるなら、ここまで徹底して作り込まれたイメージアルバムなんて他の例がないと思うし、ひたすら豪華絢爛な規格外の内容であることには違いないですよね。非ローランの進撃ファンがこれ聞いたらどういう反応するのか知りたいところではあります。観測範囲にはローランばっかりなので…。

1曲目「二ヶ月後の君へ」、進撃1話のタイトルパロ。「君」というのはリスナーの事かと思ってたんですが「二月吉日」の二ヶ月後のTV放映時のエレンに向けた曲なのかぁ…なるほどね…。その発想は全くなかった。さすが予想の斜め上を行きまくるグラサン先生。
曲調としては王道を行くRevoボーカルシンフォニックロック調。ハイトーンを駆使する場面が多いのはこの数年間で養われたボーカリストとしての自信の表れでしょうか。
Revoボーカルロック曲が好きな者としてはまさに「これが聞きたかった!」って膝を打ちたくなる出来栄えの曲であるし実際のところ今作中で一番気に入ってる曲ではあるのですが、しかし今作の新規楽曲に共通する「Bメロかと思ったらサビだった」現象(?)がこの曲にも当てはまってまして、ラストに登場する「Theme of the Linked Horizon」のメロのほうが「真のサビメロ」感あるかもしれない。やはり過去曲に負けてる…。でもまあToLHはリンホラ全体のテーマ曲だしね…別枠か。
「13の冬」には今後制作予定の曲も含まれてると思いたい。個人的には。

2曲目「紅蓮の弓矢」、誰もが知るアニメソングの歴史に残る名曲。「自由への進撃」で腐るほど聞いた曲ですが、まあ名曲だから何度聞いても素晴らしいんですけどね、でも前の記事でも書いたように「座標」がこの曲のアレンジバージョンだから同じアルバムに入れちゃうとクドいかもしれませんね…。
アルミンのナレーションが追加されてますが、曲のミックスも変わってるようでボーカルや各楽器の音の分離が良くなった? あと最後のサビの「こ!う!し!だ!」のところの歌い方が変わってますね。

3曲目「14文字の伝言」、タイトルの時点でローラン釣る気満々って感じでしたが内容のほうもローラン大満足&大号泣必至の完成度。まあ進撃ソングというよりただのRevoソングって感じですけどね。
ほんとグラサン先生の「母シリーズ」の安定感半端ない。女性率の高いローランから「女心が分かってる」と評されちゃう訳ですから本物ですよねえ。
他の新曲はサビで盛り上がりきらないもどかしさあったりするんですがこの曲は後半ドラマチックに盛り上がりまくるんで文句なしに泣ける曲になってると思う。Revo流「泣かせ」ソングの真骨頂。
ていうか、タイトルからしてROMANのメロディ絶対入るだろうと思ってたけど…まあ進撃のイメージソングだからそこまでサンホラと繋げる訳にはいかんか…。

4曲目「紅蓮の座標」フルバージョン、基本的に「弓矢」のアレンジバージョンといった趣きでリフとサビが同じメロディなんですけど、追加メロディがそれに勝るとも劣らない良さがあってめっちゃ好きなんですよこの曲。なんせ劇場版Sizeもアホみたいに聞きまくってましたからね。弓矢メロディと追加メロディのバランスが絶妙。
歌詞は原作既読勢からするとネタバレの嵐らしいんですけどね。そもそもタイトルの時点でネタバレっていう。

5曲目「最期の戦果」、雑魚ファンだからイルゼ・ラングナーって誰だっけ?ってなったけど
http://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BC%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%BC
困った時のpixiv百科事典。なるほどね…ものっすごい忠実にキャラソン化してる訳か…さすがグラサン先生…。これなら進撃のコアなファンも大満足なのでは?
この曲は歌詞のストーリー性が特に濃くてサンホラ感がありますね。曲調も「見えざる腕」っぽくてテンション上がる。
でも前述の「Bメロかと思ったらサビだった」現象はこの曲にも当てはまってまして、サビで盛り上がりきらないのがやっぱりもどかしい…。全体的な曲調はめっちゃ好きなんだけどなぁ…。

6曲目「神の御業」、ウォール教のイメージソング? めっちゃ聖歌。大合唱で荘厳。2分ちょいの小曲ですが作中で絶妙なアクセントの役割を果たしてますね。でも「汝~」が「ハンジ~」に聞こえるってネタのせいでちょっと笑えるソングになってしまったんですが…。

7曲目「自由の翼」、これもオリジナルとちょっとミックス変わってるのかな? 自由への進撃で腐るほど聞いたからこれが紅蓮の弓矢の次に位置してないことに違和感もあるけど…。あの曲間の繋ぎ素晴らしかったですからね。

8曲目「双翼のヒカリ」はペトラさんイメージソングか…リヴァペト? 個人的にペトラさんとリヴァイ班はめっちゃ好きだったから全滅した回はショック大きかったなぁ…。視聴意欲が失せたくらい。
楽曲としてはRevo流のバラードで…まあいつも通り。3曲目ほどのドラマチックさはないけど、でも歌詞と合わせて聞けば泣けるソングだとは思う。

9曲目「自由の代償」、「翼」をカオス化したような、ひねくれたアレンジが特徴的な1曲。今作で最も複雑な曲展開を持つ曲でしょうね。劇場版Sizeと比べてほとんど差異がないので、もしかするともっと長く…10分近くの尺にする構想もあったのかもしれない?
この曲のカオスなアレンジは好きなんですけど、でもメロディがほぼ既存曲の流用なのでこのアルバムの「クドさ」の元凶になってるのも否めないところ。

10曲目…「彼女は冷たい棺の中で」、アニのソングだからアニソン…なるほど…。ひんやりしたバラード曲かと思いきや意外にもアップテンポで勇壮な感じ。この曲も歌詞と曲調は良いんだけどなぁ…サビがやっぱり足りない…。他の曲もそうなんだけどAメロBメロCメロは良いんですよ…印象的なサビメロだけ足りない…。
歌詞については今作で一番好きっていうくらいなんですけどね。「悪役」側の心情もしっかり作品に織り込んでることで世界観の厚みが表現できてますよね。
ボーカルは柳麻美さん? 自由への進撃のときとはちょっと違って聞こえるかも。

11曲目「心臓を捧げよ」、2期オープニング。オープニング曲がアルバム最後を飾るクライマックスとして機能しているという驚きの構成。この曲はTVサイズにないCメロ以降の展開が神ってますから進撃ファンも必聴ですね。クライマックスで今までのメロディが総登場する高揚感。でも弓矢のメロディがここに至るまでの過程で使われすぎてるから感動が薄まってる感も否めず…。まあそれでも十分に感動的なんですけどね。
あと、メタラーにしか通じないと思うけど間奏の楽器ソロパートはEAGLE FLY FREE感あるよね。

12曲目(ボーナストラック)は1曲目のアコギバージョン。13曲目は次元をワープする?効果音トラックで…14曲目は初回版のみ収録の「青春は花火のように」、進撃中学校の主題歌ですね。この曲は複雑な構成とか無くてシンプルな曲展開。普通のアニソンとしてすんなり聞けます。ボーナストラックなんだけど1曲目と似通った曲調なこともあって、この曲でアルバム締めることに必然性あるように感じる。ちゃっかり「よだか」とかいうサンホラワード忍ばせて世界観をつなげてんのは抜け目ないっすね。ノエルとの関連性が?

そんな訳で今回も煮え切らない感想になってしまいましたが…まあ今回も「二次創作」だし…第八の地平線が本番だから…まだ慌てるような時間じゃない。第八がまたしてもいまいちなメロディばっかりだったらその時はダメージ超大だと思うけども…。

でも自分はサンホラ2期から入門したにわかファンだし2期の基本方針は全面的に肯定してるから、2期以降は見限ったっていうタイプの元ファンとは全く異質なんですよ。メロディさえ良ければ万事OKなんです。メロディさえ良ければ15分越えの長尺曲でも無問題。20分越えても良い。という訳で次こそはRevo先生の超本気を見せ付けてくださいお願いします。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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