幻覚アリア「月光ミュオソティス」

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http://www.genkakuaria.com/
同人ゴシックにメタルコア要素を大胆に導入したサウンドによりメタラーからの支持も得ている人気サークル、幻覚アリアの昨年秋の(実質)2曲入りシングルです。

(実質)2曲入りシングルとしては「蒼黒フリージア」以来なんですが、その「蒼黒」と比較すると今作は少しパンチが足りないと言わざるを得ないかも? なんせ「蒼黒」のほうは収録曲2曲ともキラーチューン級のインパクトを誇る楽曲でしたからね。それに対して今作の2曲はちょっと地味かもなぁ。悪くはないんだけど…。

まず1曲目の表題曲「月光ミュオソティス」なんですが、2ndアルバム以降このサークルの音楽的特徴になっていたメタルコア要素が希薄になっていて、1stアルバムの時のようなヘヴィさ控え目なサウンドに回帰してる感あるんですよね。
メロディについてはほんと素晴らしい、同人ゴシックならではの耽美で格調高いクサメロに彩られた良曲なんですが、しかしサウンドについてはやはりここ数作で「幻覚アリア=メタルコア」ってイメージがすっかり定着してたこともあって少し物足りなさを感じてしまうのが事実。
トレードマークである分厚いクワイアのほうは健在で、楽曲に荘厳なイメージを与えています。やっぱりこのクワイアが無いと幻覚アリアじゃないよね。

2曲目「忘却アルカディア」、同人メタル界隈でも人気の実力派歌い手おこげちゃんさんをフィーチャーした楽曲で、伸びのあるパワフルな歌声によりボーカルパートについては安定の出来栄え。こっちはいちおうメタルコア要素はあるんですけど、でも心なしかブレイクダウン時のヘヴィさが前作に比べると弱い気がする…? 同じくおこげちゃんさんをフィーチャーした他サークルがもっとガチなメタルサウンドやっていたのでそれと比べてしまうと尚更。
もちろん、非メタラーのゴシック系リスナーにとってはヘヴィさとかどうでもいい代物でしょうから、まあその辺りの折り合いでこういう音に仕上げた可能性もあるかな。

メタラーを完全にターゲットに据えたかのような激しく勢いのあるサウンドで攻めてきた「蒼黒フリージア」の時には、デビューからたった半年のサークルがこの域まで到達するとは、もしかするとこのまま進化したらAsrielや妖精帝國の域にまで行く可能性もある?とか思ってたんですが、それから2年経ってもあんま進化してないのが少し寂しくはあります。

今作の路線で次のアルバムが作られるとしたらやっぱりメタルコア要素は抑え目になるのかなぁ…うーん。メタラー的には、重くて速くて荘厳でテクニカルでメロディアスでクサクサな作風にして欲しいとか思っちゃうんですけど、そんなトッピング全部を盛り付けた特盛りラーメンみたいな音は一般リスナーからすると胸焼けを催すものなのかもしれないし…やっぱり難しいですなぁ。
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幻覚アリア「極凍メルヴェイユ」

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夏の真っ盛りだというのに寒々しいタイトルの作品を紹介するってのもタイミング悪い気がしますが…。
でも、そもそもこれリリースされたの冬じゃなくて春だし、それにメタラーっていう人種は1年中ギャーギャーうるさい音楽やらクッサい音楽を聞いてる季節感ない者なんで自分的には別に気にならないですね。はい。

幻覚アリアにとってこれが3枚目のミニアルバムですかね。
前作「煉獄ガーデン」がメタルコア+女性ボーカルゴシックというメタラー向けスタイルを確立させた好内容だったので今回の新作にも期待していたのですが…。試聴を聞いた段階では心なしかメタルコア要素が減退してるような印象もあったものでして、少し不安があったのも事実です。もし脱メタルして他の同人ゴシックと同じV系路線になってたらもう買わなくていいかなぁって気持ちもありましたからね。

しかし蓋を開けてみれば、結局のところ今作もほぼ前作の延長線上の作風でメタル要素もしっかりキープされてて一安心しました。やっぱりこのサークルは自身のアイデンティティにメタルが含まれてるんだろうなぁという(もちろんV系からの影響のほうが大きいだろうしあくまでV系メタルではありますが)。まあそれでも前作ほどゴリゴリなメタルコアな展開は多用されてない感じではありますけどね。
そんな訳でメタル要素が維持されてるのは歓迎なんですけど…でも1年ぶりの新作の割にはあんまりクオリティに進歩が見られないのは少しばかり寂しいかもしれない。
思えばこの幻覚アリアもM3デビューから2年以上経ってるんですよね。出て来たばかりの頃は「新規サークルでこのクオリティは凄えな!」と思ってたんですけど、2年経過した今となっては、現状のこのクオリティはそれほど特筆に値するものでは無くなってしまってるかも。もちろん同人ゴシックの中では上位だけど、突出した印象は無くなっちゃったかな。
とはいえ同人音楽でこれ以上のクオリティを望むのもなんだか野暮な気もするんですけどね。同人音楽を聞き慣れた耳を持ったリスナーならこのレベルのクオリティに不満を持つリスナーはほとんど居ないだろうと思うんで。メジャー進出を狙ってるというならまた話は別ですが。

イントロに続く2曲目「冷傷の夜」、この曲はなんと言ってもリフが良い。エクストリームメタル感ある小刻みなリフとそれにかぶさるストリングス。これが楽曲の屋台骨になってます。加えてそのリフを変形させて発展させた感覚のギターソロも実にカッコいい。これらの要素はクロスフェードではあまり聞けない部分だったので試聴の段階から印象は大幅に良くなりましたね。
ただ、せっかくエクストリームメタル風味なのにどうもギターの音が薄っぺらいという感じが否めず、そこだけ惜しいですかね。幻覚アリアってメタルコア寄りな曲は十分ヘヴィに聞こえるんだけど低音部の弱い曲はやたら軽く聞こえちゃうんですよ。でもまあ、もしギターをヘヴィにしたらメタラー受けは良くなっても同人ゴシック系リスナーには歓迎されない可能性もあるしこれくらいで丁度良いのかも…? それでももうちょいヘヴィでも構わない気がしますが。
ボーカル担当しているのは東方メタルAdust Rainの人ですよね、こういうゴシック系の曲調にも声質合ってますね。というかAdust Rainもオリジナル出して欲しいっすね。

3曲目「極凍メルヴェイユ」、アルバムタイトル曲ですがこれは文句なしに名曲。現時点で幻覚アリア最高の曲かもしれん。メロディ良すぎるしメタルコア的な展開もバッチリ入ってて担当ボーカルさんの声質も素晴らしいし非の打ち所ないっすね。「蒼黒フリージア」みたいにAsriel意識し過ぎな感じもないから尚の事このサークルの代表曲に相応しいかもしれない。

4曲目「ユキヤナギ」、今回のバラード枠。前作のバラード枠「Erica」に比べると若干ドラマチックさで劣る感じもあるんだけどメロディは十分に良いですよね。

5曲目「追憶のロマンシア」、これは男女ツインボーカル曲。男性ボーカルのほうはこのサークル主催のyukki#さんが参加していたV系メタルサークルSilent Differenceのボーカルしるへいさんで、はっきり言ってめっちゃ上手い。上手いんだけど…でもそのせいで女性ボーカルがオマケみたいに聞こえちゃう弊害があるんですよね。女性ボーカルさんも全然下手じゃないんですけどさすがに力量の差があるのは否めないかな。個人的には同人ゴシック曲はやっぱり女性ボーカルで聞きたいのでどうにも微妙な印象だったりするんですが、でも曲自体はとても良いです。メタルコア要素もしっかり入ってるし。
この曲の一番の聞き所だと思うのはCメロですね、ここの女性ボーカルオンリーで歌うメロディが1stアルバム収録の「Snow Tears」のCメロに近いノリなんですよ。以前も書きましたが自分が幻覚アリアで一番好きなメロって同曲のCメロですからね。この曲のCメロも同じく素晴らしいですよ。
この曲にはメタルコア要素と並んで幻覚アリアのトレードマークと言える分厚いクワイアも入ってるんですけど、心なしか今回はクワイアが奥に引っ込んでるように聞こえる。ちょっと勿体ない気がしますね。

前作が気に入ってた人なら今作も迷わず買って問題ないんじゃないですかね。相変わらずメタラー向けなゴシックサークルです。3曲目がサークル史上最高の曲だと思うんで今作から入門するのもアリかなと。
メタルコア要素でしっかりオリジナリティも保ってるし、メロディもワンパターン化せず高水準のままだと思うんで、あとはギターの音がもうちょい厚みを増してくれれば言うことないかな。

幻覚アリア「煉獄ガーデン」

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今、同人ゴシックで最もメタル的な音楽性を掲げてるサークルっていうとやっぱりこの幻覚アリアになるんでしょうね。
V系由来の音楽性を持つ同人ゴシックサークルが多い中で、そのメタル要素を前面に出した音楽性は十分に個性になってると思うのですが、この2ndアルバムではそのメタル的な方向性に更に磨きがかかり、もともと高かったクオリティも更に向上していて素晴らしい内容になっていると思いますね。

…まあこれも昨年春の作品なんでもう1年も経ってる訳ですが…まだ新作出てないからギリギリセーフですよね…?

なんとなく未だに新規サークルのイメージ残ってるんだけど、実はM3デビュー(?)はもう2年前なんですよねえ。時の流れは早い。
2年前の夏に発表された1stアルバムの時点ですでに中堅以上の知名度あるゴシック系サークルと肩を並べられるレベルのクオリティを持っていて、驚異の新人というか同人音楽の平均レベル自体が上昇してる傾向を象徴するようなサークルだったと思う訳ですが、この2ndアルバムでは更にクオリティ上がって凄いことになってますね。この2ndと比較すると1stアルバムは正直いって地味に聞こえてしまうくらいの差があるかも。

とはいえ、今作が1stアルバムの上位互換とは思わないんですけどね。確かに、この2ndアルバムは全体的な完成度は勿論のこと、メタル度もアレンジの華やかさにおいても1stを上回っていると思うのですが、ただ、メロディのキャッチーさが少し減退してる感はあるんですよね。あえてキャッチーさを抑えたっていう可能性もあるとは思いますが。
1stは「空中庭園ディストピア」を筆頭にして覚えやすい歌メロが満載だったし個人的にはそれが気に入ってたんで、歌メロのキャッチーさが足りないのはちょっとばかり残念ですかね。
ちなみに、幻覚アリアの楽曲で一番好きなメロディって「Snow Tears」のCメロなんですよね。サビじゃなくてCメロなんです。…分かる人には分かるんじゃないかと思うんですがあそこのメロって最強ですよねえ。

あと、1stってメタル寄りではあっても音の感触がソフトで割とAriabl'eyeSあたりに近い雰囲気だったと思うんですけど、この2ndはヘヴィで鋭い音像になり、妖精帝國やAsrielあたりを意識した作風に切り替わってる感じありますかね。言うまでもなくその2アーティストは同人ゴシック系音楽の頂点である訳ですが(妖精帝國は同人じゃないけど)。このジャンルにおけるトップを目指さんとするスタンスがありありと見える感じですね。
まあ、さすがに妖精帝國とかAsrielとか超クオリティ過ぎるから(特に前者は)直接的に比較するのは酷だとは思うんですが、でもそれらにはない魅力やオリジナリティもしっかり備わってますし、決して下位互換に甘んじてはいないと思いますね。

イントロに続く2曲目「少女とカトレア」、これは1stの「幻覚サンクチュアリ」の延長線上の作風ですかね。ボーカルも同じ方が担当してるみたいですし。ひたすら耽美な雰囲気で王道の同人ゴシックって感あります。メロディ的には幻覚サンクチュアリのインパクトに及ばない感はあるものの、サウンド面では大幅にレベルアップしてますね。メタリックな音作りは厚みを増しているし、トレードマークと言えるクワイアはより荘厳になっています。前々から疑問なんですけどこのクワイアってDTMの音源なんですかね…生で録音してるとは考えづらいし…。相変わらず凄まじく分厚い音ですよねえ。このクワイアがこのサークルのハイレベルな印象を大きく担ってるのは間違いないかと。間奏でのストリングスの音色も実に本格的で、それに続くリードギターの音色も実にドラマチック。

3曲目「蒼黒フリージア」、これは1stアルバムと今作の合間に発表されたシングルに収録されていた曲ですね。「Album Mix」となっていますが正直シングルバージョンとどこが違うのか分かんない。
しかしながら、改めて素晴らしい曲ですよねえ。サビメロのインパクト含めて総合的な完成度で幻覚アリアで一番の楽曲でしょうね。

4曲目「Wisteria」、これが今回のハイライト曲ですかね。AメロBメロではDjentっぽいゴリゴリなメタルコアサウンドによるミドルテンポの展開で、サビで一気に疾走するというメリハリ効いた曲構成が良い。シングルの「蒼黒フリージア」の時からメタルコア的なアプローチが目立っていましたけど、今回のアルバムでも全編を通してメタルコア的なアグレッシブなツーバス音が鳴り響いているのが印象的ですし、このサークルはシングル以降メタルコアサウンドを自らのアイデンティティに追加した感じはありますね。もちろん一番のアイデンティティはやっぱりクワイアでしょうけど、そのクワイアはこの曲でも大活躍です。間奏でのストリングスも劇的すぎる。
ボーカルはImyで歌ってる人か。やっぱり上手いボーカルさんですね。今回のアルバムは曲ごとに別のボーカルが担当してるみたいだけど、これぞという決定的なボーカルが見つからない感じなんですかね。もしかしたら今はすでに見つかっていて、次なる3rdアルバムでは同じボーカルが全曲歌ってるかもしれないけど。

5曲目「Erica」はバラード系。1stのバラード曲「終焉の華」ほどのキャッチーさは無いけど、アレンジのドラマチックさはこっちのが格段に上ですね。きらびやかに乱舞するピアノの音色がとても美しく、バラード系だけどしっかり盛り上がりのある曲ですね。

6曲目「ガーデニア-Everlasting-」は今作中でもメタルコア色が最も濃い1曲ですかね。メロデス的ツインギターを中核にして構成されてますし、同人ゴシックとしてはなかなか異色な曲調かもしれない。ボーカルさんの歌声も耽美さはなく明朗な感じ。中盤でメタルコア定番のビートダウンパートがありますが、ここにドラマチックなストリングス入れるのは素敵なんですけど、さすがにダブステップ要素入れるのはやり過ぎかなぁ…ゴシック的な雰囲気が阻害されちゃってる感じ。EDM系のアプローチについてはまだ不慣れな部分あるのかも。
ところでこの曲、冒頭部分でナレーション入りますが歌が始まる直前で「ガーデニア!」ってタイトルコール(?)入るのが印象的ですよね。2曲目でも同様なんですけど、このタイトルコール入れるって発想が地味に面白い気がします。

荘厳なクワイアとヘヴィなメタルコアサウンドを基調として素晴らしい完成度の作品になっているとは思うのですが、ただ、前述の通りメロディにおいては1stのほうが良かった気もするんで、次回作では2ndと1stの良いとこ取りになってたらいいなぁと思う訳ですが、このアルバムから1年間もインターバル空いてる訳ですしね、時間は十分にあったと思いますし、きっと理想的な内容に仕上がってるんじゃないかと思うんで期待したいですね。

幻覚アリア「蒼黒フリージア」

蒼黒フリージア

いやほんとシーンに登場してからたった半年しか経ってないサークルの音源とは思えないですよね…驚異的なクオリティですよ。もはや同人ゴシック系の中堅サークル集団を一気に追い抜いてこのジャンルのトップに君臨するAsrielや妖精帝國あたりのレベルに接近している感さえあります。

夏コミのアルバムもハイレベルな作品だったんですがこの秋新譜は更にクオリティアップを果たしていて、しかもメタラーをターゲットに絞ったかのように疾走曲で固めてきていることがなにより好印象ですね。夏のアルバムもメタル要素は十分だったんだけど疾走感という点では若干物足りない部分もあったんですが、ここまで疾走曲で固めればメタラー的にも不満は全くないでしょう。
メロディはもちろん超キャッチーで完成度は高く、アレンジも完璧、方向性もしっかり定まっているし、その上ダメ押しで今回はDjent系のヘヴィでテクニカルなフレーズまで導入されて他との差別化も計ってますし、もはやケチの付けようのない音楽になっているんじゃないでしょうか。

1曲目はお約束の短い前奏曲で、それに続く2曲目のタイトル曲「蒼黒フリージア」は開幕から荘厳なクワイアと疾走展開で掴みはバッチリすぎます。このクワイア凄いですよね…この分厚いクワイアが他との差を付ける要素になってると思うんですが、どうやってレコーディングしてるんだろう。まさかDTM音源でこんな本格的なクワイアがあると思えないし…。ボーカルは前回のアルバムとは違う人みたいですが、声質からして明らかにAsrielを意識した人選ですなぁ。サビは非常にキャッチーでぶっちゃけAsrielより好きな感じですかね。間奏パートではDjent的な展開が良いアクセントになっております。
3曲目「Beautiful Addiction」、こちらも派手に疾走してますねえ。メタラーホイホイすぎる。前作の3曲目に近い曲調だけどあっちよりはるかに派手さが増している。ボーカルは前作と同じ人かな。2曲目のボーカルさんだとAsrielすぎるからこっちのボーカルさんをメインに据えた方が良い気がしなくもない。間奏での高速で刻まれるギターリフが圧巻です。

同人音楽としてはほぼ完璧に近い出来の内容だとは思うんですが、ではこのサークルが同人リスナーから大好評で迎えられているのかというと…そうでもない気がするんだよなぁ。ラスエフのリスナー数も微妙だし…。まあラスエフやってない同人リスナー多いと思うからこの数字は全く当てにならないとは思うし、自分はツイッターの同人リスナーの反応とか全く見てないからどの程度の人気あるのか分からないんですが、少なくとも今のところこのサークルを高く評価してるリスナーはあんまり見かけたことないかもしれない…見落としてるだけかもしれないけど。
もしこれだけ完璧なサウンドを提示しても高評価されないとしたら、それほどに同人ゴシック系は飽和状態ってことなんでしょうかね。既存の有名サークルだけですでに満杯状態みたいな?

かく言う自分も、このサークル凄まじいクオリティだとは思うけど推したくなるほどかというと…それはまた別問題なんだよなぁ。客観的に「凄い」とは思うけど主観的な評価はそこまで上がらない感じ。メロディもキャッチーで自分好みだし疾走感もメタラー的に最高だし更にはプログレッシブな要素までも入ってるし足りないものとか思いつかないんですけどね。

でも、これだけハイレベルなサークルが新たに登場するってことは確実に今の同人音楽シーンは上り調子である証拠だと思うんですよね。ゴシック系は飽きたという意見もあるでしょうし自分も正直そう感じてますが、でもそれはリスナー側の感想であって、おそらくサークル側のレベルはこれからも(リスナーを置き去りにして)どんどん上がり続けるんじゃないかと、この幻覚アリアを聞いてるとそう感じざるを得ません。

幻覚アリア「幻覚アリア」

幻覚アリア1st

別にマイナー趣味こじらせてる訳じゃないんですけど、やっぱり個人的には古参の有名サークルよりも新規サークルのほうに惹かれるんですよね。なんせ自分は同人音楽リスナー歴が短いこともあって、古参サークル聞いても必然的に後追いリスナーになってしまいますし、膨大な旧譜の中から1~2枚くらい聞いたとしても中途半端になっちゃうんですよ。結局そのサークルのことを部分的にしか把握できないというか。
しかし新規サークルなら1作目から追うことになる訳ですからしっかり把握できますし、当然ながらリアルタイムで追えば思い入れも深くなりますよね。それになにより、新規サークルの魅力は「可能性」ですよね。大手サークルの完成の域に至った音楽性というのも素晴らしいものだと思うんですが、新規サークルの未完成な音楽性というのも今後の進化が楽しみだし、もしかしたらとんでもない大物に化ける可能性だってある訳ですしね。まあ、1作目から化け物じみたクオリティを見せつけるサークルも稀にいたりするんですが…。

という訳で、今回取り上げるのは春M3から活動開始したばかりの新規ゴシック系サークルの幻覚アリアです。
実を言うと、今回このサークルの新譜買うかどうかちょっと迷ってたんですよね。というのも、この手のゴシック系の音楽性って同人音楽シーンにおいて完全に飽和状態ですからね。ぶっちゃけ目新しさが全くない訳で。でも、春のシングルを聞いた感じではけっこうメタル度は高い印象だったし、あと冒頭にも書いた通り、新規サークルは一通り把握しておきたいという理由もあったので一応買ってみました。さすがにシングル1曲だけじゃ音楽性を伺い知ることは出来ないですし。(それに夏コミは不作気味で買いたいサークルが少なかったですしね…w)
そんな感じで、あんまり期待しないで聞いてみたんですけど、これが予想以上に良い出来だったんで驚きました。いや、春のシングルも新規サークルとは思えないレベルの出来で凄かったんですけどね、でもこういうゴシック系の音じゃ自分のツボにはハマらないだろうなと思ってたんですよ、それが他の収録曲はかなりメタル度が高くて自分の好きな方向性だったんで、良い意味で予想を裏切られた感じですかねー。

同人ゴシックってV系の影響が濃いサークルが多いじゃないですか、ぶっちゃけ同人ゴシックってよりか女性ボーカル版のV系って感じですよね。でもこの幻覚アリアはかなりしっかりメタルやってるんですよね。メタラーとしてはその点がとても好印象でした。ここまでメタル然としてるゴシック系って意外に珍しい?
コンポーザーの方はV系サークルも掛け持ちしてるっぽいしやっぱりV系の影響はあるとは思うんですけどね、でもギターの音にしてもドラムのアレンジにしてもしっかりメタルの方法論に則ってるし、やっぱりこれはメタルとしか言いようがないですよ。Xの影響が大きいようにも感じないからやっぱり普通にメタルが好きな人だと思うんだけどなぁ。あ、でもバッキングのギターはメタルっぽいけどソロはV系っぽいかもな。

あともう1つの好印象ポイントはメロディのキャッチーさですね。収録曲全てのメロディがキャッチーで完成度の高いものになってます。こういう分かりやすいメロディを取り揃えてくれるサークルって意外に少ないんじゃないでしょうか。あんまり耽美的なメロディとか好きじゃないのですよ…やっぱりこういうアニソン的なのが好きですね。
こういうタイプのメロディ聞かせてくれるゴシック系サークルといえば…やっぱりArsMagnAですかね…。名前が似てるし、冗談で「Ariabl'eyeSっぽい音だったらいいなー」みたいなこと書いてたんですがまさか本当に近い雰囲気になってるとはw しかもジャケが青系という共通点も…。まあ完全に偶然だとは思いますけどねw

そして、驚くべきはサウンドのクオリティですよね。これは春のシングルの時点で分かってたことですが、初作品にして早くも中堅サークルを余裕で越えるクオリティを見せつけてますよね。まあ同人音楽としての評価でサウンドへの配点(?)をあんまり大きくすべきではないと思ってたりするんですがそれにしたってこのクオリティは凄い。
サウンドもメロディもボーカルも完璧とか、ほんと驚異的な新規サークルですな。
まあ、ボーカルに関しては前シングルで歌ってた方のほうが好きっていうリスナーさんも多そうですが、確かにゴシックとしては前のボーカルさんのほうが適任だったと思うんですが、今作で歌ってるボーカルさんのほうが癖のないストレートな歌唱なのでメタル向きな気がしますね。結果としてこのボーカルさんのおかげでシンフォニックメタル的な雰囲気が増強された感があります。前ボーカルさんがこのアルバムで歌ってたらまた全然違う雰囲気になってたんだろうな。

さて各収録曲についてですが、1曲目のインストに続く2曲目、これは春のシングル収録曲のボーカル差し替えたバージョンですね。この曲はゴシック度が高いから前ボーカルさんの方が合ってる気がする。
3曲目はなかなかメタル度が高い楽曲ですね。ギターもザクザク刻んでますし、V系っぽいサークルだったらこの辺はクリーンのギターでジャランって鳴らす感じなんじゃないでしょうかw BメロのバッキングもV系ではあんまり聞けないパターンですよね。でもやっぱりソロはV系っぽいか。
4曲目はバラードですがサビがドラマチックですなぁ。やはりギターとドラムはメタルっぽい。
5曲目はテンポ抑え目だしV系っぽいかな? でもドラムがHR/HM的にどっしり構えててV系っぽいシンコペーションやらないからV系臭はさほどでもないか。この曲はCメロの展開が最高なんですよね。ちょっとXのバラードを彷彿とさせるメロディか? このメロをメインでやって欲しかった…。
そしてとどめの6曲目がキラーチューンなんですよねえ。これはまさにシンフォニックメタル。メタラー諸氏必聴の曲でしょう。勇壮なクワイアといいメロディ展開といい完璧な出来ですよ。ソロ前にプログレっぽい展開がちょろっと入るのも良いですなー。

という訳で、新規サークルとは思えない凄まじいクオリティの作品だと思うんですが、ただ、このブログの人がいつもしつこく言ってるオリジナリティがですね…。前述の通りゴシック系は完全に飽和状態ですからね、メタル度が高いという特色はあるけどそれが突き抜けた個性にまで到達してるのかというと微妙なところではあるんですよね…。
しかし、ここまでクオリティ高ければオリジナリティなんて全く関係なく売れるレベルでしょうしね、そもそも個性とかいちいち気にしてるリスナーなんて自分くらいしかいないでしょうしw
そんな訳でこのブログ的に推せるタイプのサークルじゃないんですが、ゴシック系がお好きな方にとっては大いに期待できるサークルであることは間違いないでしょう。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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