Malikliya「WRAITH」

https://malikliya.bandcamp.com/album/wraith

ICDDを始めとして多くのバンドやグループのバックで活躍するドラマー修平さんが主催する個人サークルMalikliyaの、なんと2年半ぶりとなる新作です。現在制作中のアルバムからの先行シングルとなります。

長かったですねえ…てっきりICDD等の活動が多忙でもうMalikliyaとしての活動は無いのかと思って諦めていたので…アルバム制作中という朗報はとても嬉しかったですね。同人音楽でも希少なポストブラック系サークルですからほんと期待です。

同人メタルでもトップクラスの知名度と実力を誇るICDDことImperial Circus Dead Decadenceのドラマーを務めている修平さんのことをご存知の方は多いと思うのですが、その修平さんがICDDとは無関係の個人サークルで作品を発表していたことを知る人は少なかったんじゃないかと想像します。
なんせ、Malikliya名義でのイベント参加は今回の夏コミを除けば3年前の2014年の秋M3のたった1回のみで(思えばあのM3はかなり不作気味でMalikliyaが数少ない希望だったんですよね…懐かしい)、しかもそのM3のときも制作がかなりギリギリな状態で頒布作品の詳細情報が出たのは確かイベント前日でしたからね。情報を知らずに買い逃した人は多かったんじゃないかなぁ。実際、戦利品をずらーっと並べてツイッターにアップするのを毎度やってる系リスナーの写真の中にもMalikliyaのCDは1つも確認されなかった記憶があります。

しかしこのMalikliya、実はそういった大量買い系リスナー≒オリジナル同人音楽の主流を買い漁るリスナーの琴線に直撃するタイプの音楽だと思うのですよね。誤解を招くことを承知であえて分かりやすく表現するとすれば、同人ゴシックに様々な要素を加えて強化したような音楽性。この繊細で耽美で厳かでメルヘンな雰囲気、同人ゴシック系が好きなリスナーに刺さらない訳がない。
もちろん修平さんとしてはこのMalikliyaを同人ゴシックとして作ってる気は全くないだろうし、ジャンルを越えた新しい音楽として創造してらっしゃるんだと思いますが、あくまでリスナーに伝わりやすいようにカテゴライズするなら同人ゴシックが一番近いっていう話ですね。

同人ゴシック系サークルって90年代のV系バンドをルーツにしてそこに同人ならではのメルヘン要素を加えたサークルが大半を占めると思うんですけど、V系をルーツにしてるって意味では修平さんも同じと言えそうですが、相違点はやはりポストブラック要素とプログレメタル要素。プログレメタル要素については、初参加時のサークルカットにて大きく記載されていただけで実際の音楽性にはあまり反映されてないように聞こえますが、でも今回の新曲で言えばBメロの辺りとか…心なしかOPETHっぽく聞こえなくもない? あくまでも隠し味程度ですけどね。
それに対しポストブラック要素はウェイトが大きい。ブラストビートをフィーチャーした同人ゴシックサークルなら他にもいるけど(とはいえガチドラマーの修平さんのブラストビートに比べたら他のサークルの打ち込みブラストビートは貧弱ですけどね)、シューゲイザー要素こそが他と差別化する決定的な要素でしょう。このアトモスフェリック感あふれるアレンジと音作りがMalikliyaの音世界を唯一無二な物にしていると思います。

っていうか、そういう煩わしいジャンル分けとか抜きにしても単純にメロディがめちゃくちゃ良いんですよね。今回の新曲の「WRAITH」、1st EP収録の超名曲「Whisper of fog」に匹敵する極上のメロディ。童謡のように無垢でノスタルジックな三拍子メロディが暴力的なブラストビートと絡み合うというギャップ感。これが最高に素晴らしい。

あとゲストボーカルの繊細なウィスパーボイスもこのMalikliyaの世界観を成立させるのに多大な貢献してると思うんですけど、このボーカルの柿崎李咲さんって「暗黒系」アイドルユニットの「NECRONOMIDOL」の方らしいですね。アイドルっぽさが皆無のめちゃくちゃ上手いボーカルだからびっくりしましたが。
同人界隈ではなくあえてアイドル界隈からゲスト引っ張ってきたというのは、もちろんこのNECRONOMIDOLの方が実力を買われたってのもあるんでしょうけど、話題性という点でも実に戦略的ですよね。もし同人界隈からゲストを迎えても、それでは同人界隈の内輪だけで話題が終わってしまう。でもアイドル界隈から連れてくればアイドル好きなリスナーの興味を惹くことも出来る訳で。同人音楽って割とアイドル音楽と近似の音楽性だと思うんですよ、でも同人音楽は極めてリスナー層が限定的なのでせっかく高品質な音楽があっても多くのリスナーに聞いてもらえないし本当に勿体ないんですよね。そこでアイドル界隈からゲスト持ってくるという方法…これは閉鎖的な同人音楽界における打開策になり得る? でもまあ一般的な同人サークルじゃアイドルとコネがある訳がないんで無理でしょうけどね…。

ジャケについては…えーと今回の記事ではいつものように写真を載せてませんけどそれは自分が夏コミでCD買えなかったからなんですね…実はBandcampで買いました…はい。Bandcampのほうが100円高かったけど仕方ない。
こんな記事を書いてるのに買えてないっていうのは情けない…まあ100枚あれば大丈夫だろうと油断してたんですよ…。
それはともかく、今回のジャケも素晴らしいですけど、どっちかというと1st EPのジャケの幻想的な感じのほうが好みなのでアルバムのジャケはあっちの路線にして欲しい気もしますね。

という訳で、同人音楽リスナー全てにおすすめしたいくらい素晴らしい音楽なんですが、前述のように特に同人ゴシック系リスナーは絶対に琴線に触れると思うんで強くおすすめしたい。個人的には本隊のICDDよりMalikliyaのほうが好きなくらいです。
アルバムは秋に完成するのかどうか微妙なところでしょうけど期待しましょう。
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Lost my Proust「Requiescant in Peace and Grace[rE:]」

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https://lostmyproust.jimdo.com/

「サイバー+変拍子+ポストハードコア」なサークルLost my Proustの1年ぶりとなる待望の新作!!なんですが、今回は完全新作ではなくて1stアルバムのリメイク(再録)作品となっております。
現在のクオリティでもって装い新たに生まれ変わった傑作1stアルバム、新規に聞くリスナーはもちろん初期から聞き続けているリスナーにとっても価値高いものになること請け合い

…とテンプレ気味に無難に済ませたいところですが話はそんなに簡単じゃないんですよね…。
まあ、皆さんご存知のようにリメイク作品っていうのは往々にして評価が難しい代物になりがちなのですよね。特に、初期からリアルタイムで追っている「めんどくさい」タイプのファンにとっては、思い入れのある初期作品が作り直されることに対して複雑な思いを抱くこともあるでしょう。かく言う自分もまさにその典型でして、このLost my Proustの1stアルバムのリメイクにどうやって向き合えばいいのか、未だに決めかねている感もあります。なんせ、自分が同人音楽CDで最も愛聴したアルバムですからねえ…思い入れについては誰にも負けない自信あります。

って訳で、扱いの難しい本題に入る前に、アンケート解答の報酬である完全新曲「VALEN」のほうの感想を先に書いておこうかと思います。会場で配布されたステッカーの裏のQRからアクセスしてアンケートに答えるとダウンロード出来るやつです。めっちゃ素晴らしい曲ですのでまだ聞いてない方は早く聞くことおすすめしますよ。

先日の記事にも書いた通り、この新曲は2ndアルバムの頃の「ストイック」なLost my Proustと3rdアルバムのキャッチーさの際立った「万人向け」なLost my Proust、そして新機軸の要素を取り入れた現在進行系で進化を続けるLost my Proust、この3つのLmPが1つの曲の中に凝縮された物と言えるかもしれません。
まずギターフレーズやシンセのフレーズは「B.I.S.」や「tinnitus aurium in glassmoon」を思わせる趣きで、非常にLost my Proustらしいというか、ある意味で集大成的である「extraterrestrial」に近いかもしれない。プログレッシブでDjentyなグルーヴとサイバーなシンセサウンド、Lost my Proustの基本的構成要素ですね。
しかし、これだけだと安定感はあるけど新鮮味は足りない楽曲になり得るところでしたが、Hidaka Mikuさんによる歌メロが3rdアルバムを踏襲した超キャッチーな路線。具体的には「Flying Fishs」に近い、ちょっと語弊あるけどアイドルソング路線とさえ言えそうな愛らしさを持った歌唱。やっぱりHidaka Mikuさんってこういう自然体な歌唱のほうが合ってる気がするんですよね。HATEのときみたいにビブラート効かせた歌唱だとちょっと肩に力が入りすぎてる感もあって良さが活きてないっていうか…。歌メロについては3rd路線で正しい気がします。あと、イントロからクリーンボーカル入るのって初だったりする? これもボーカリストとして蓄えた自信の表れかな。
そして楽曲後半では新機軸要素も顔を見せます。メタルコアお約束のブレイクダウンの代わりにアトモスフェリックなエレクトロニカパートを入れてるんですがこれが素晴らしい。ハンドクラップっぽいパーカッションの音も実に新鮮味ある。これって流行りのフューチャーベースとか意識したのかな? 自分もEDMのジャンルには疎すぎて確かなことは言えないんですけども…。とにかく、この浮遊感あるエレクトロニカサウンドとキャッチーなメロの相性がめちゃくちゃ良い。
という訳でこの路線で次回作を作ってくれるなら次も名作になるのは確実ですね。ってかLost my Proustは同じ作風を繰り返すことはせず常に前進し続けてることが一番の魅力ですから次回作までにはさらに進化していることでしょう。

…で、そろそろ本編であるリメイクアルバムの話に取り掛かりたいところですが…新曲のようには綺麗に評価できないのが正直なところ。
せっかくリメイクしたってことはオリジナルバージョンとは桁違いのクオリティに生まれ変わってるのを期待したいところなんですけど…ぶっちゃけそれが微妙なラインなんですよねえ…。確かにクオリティは上がってるけど見違えるほど良くなったと断言できるほどのレベルではないっていうか。
自分はLost my Proustの楽曲センスやアレンジセンスについては非常に高く評価していますがサウンドクオリティについてはまだまだ発展途上だと思うんですよね。2ndアルバムのときクオリティがグンと上がったけどそれ以降は割と横ばいなところあると思うし…。
せっかく名作である1stをリメイクするんならクオリティがポテンシャルの限界に到達して、これ以上はアマチュアレベルじゃ無理ってくらいまで成熟してからリメイクに踏み切っても遅くはなかったんじゃないかとも思えるんですよ。今回委託してたmarutyuさんのサークルを比較対象にするのはちょっと酷かもしれないですけど、あのクオリティはキツいとしてもあれの一歩手前くらいなら可能だったんじゃないかなぁみたいな妄想をしてしまう。まあこれも結局リスナーの勝手な我ままな意見でしかないんですけどね。
ってかまじでmarutyuさんのサークルはクオリティ高すぎて…このハイレベルサウンドで無名サークルとか嘘だろ??みたいな。改めて同人メタルシーンの平均レベルが上昇してるのを実感するところですね。Lost my Proustのデビューした4年前とはもうクオリティの基準が変わってる。

ではリメイクアルバムの具体的な楽曲の感想をば。
1曲目「Chronus vs Caerus」はラウドロック系でよくあるEDMなインスト序曲…だと思いきや、このSF映画を思わせるようなスケール感とプログレメタルに通ずるようなサイバー感、やはりこの時点で只者じゃないことを匂わせてますね。
リメイクバージョンではギターのミックスが大きくなってかなり印象変わってる。出だしからいきなりデーンとギターが主張してきて、オリジナル盤を愛聴してた人間にはサプライズですな。

2曲目はボーカル曲1発目「Rise into the Ray」、これもオリジナルに比べてギターがめっちゃ前に出てきててだいぶ印象が異なります。まあギターのミックス以外にも違いは勿論あるけどパッと聞いただけじゃ気付かないレベルかな。やっぱり、リメイクというより再録、リミックスバージョンという印象のほうが正しいか。
まあ再録バージョンの出来はともかく、元々のオリジナルバージョンが優れた楽曲であることは疑いようがない。っていうか、1stアルバムのボーカル曲1発目ですでにこんなジャンル不定の楽曲やってたことが改めて凄い。この曲っていちおうメタルコア(ポストハードコア)という位置付けではあるんだろうけど、ギターリフの緻密さはハードコア系とはだいぶ感触が異なるし、何よりシンセですよ、シンセ入りのラウドロックだと思わせといてまさかドリームシアター的なプログレメタルなシンセソロをやるなんて、信じられない離れ業なアイディア。ジャンルの枠にはまらない、Lost my Proustのオリジナリティを象徴する楽曲の1つなんですけど、驚くべきはこれメインコンポーザーのHidaka Mikuさん作じゃなくてギターのsyunsukeさん作なんですよね。zakiさんも含めコンポーザー3人いるのに3人とも極めてLost my Proust「らしい」楽曲を作ってるって驚異的ですよね。これだけ個性的な音楽なのにそれぞれが個性を完璧に体現してるっていう。これってメジャーのアーティストでも実現するの難しいんじゃないの?
しかしこの曲、唯一欠点があって、それはブレイクダウン。このあからさまなテンポダウンの存在によって「音の薄さ」「スカスカさ」を強く印象づけてしまうし、それによってメタルコアというジャンルの尺度で必然的に評価されることになりジャンル不定の自由さの足枷になっちゃってるんですよね…。メタルコアって「音圧こそ正義」みたいなジャンルだからこのサークルの音楽性には明らかに不利っすよね…。このブレイクダウンが無ければ音の薄さを馬鹿にされることもなかったんじゃ…。

3曲目「For My」、はい来ましたLost my Proust最重要楽曲。この曲が無ければ自分がLost my Proustにハマることはなかったであろう運命的な曲。他の楽曲がメタルコア、ポストハードコアを下地にしながらさり気なくドリームシアター要素やサイバー要素を入れてオリジナリティ確立しているのに対し、この曲だけはものっすごいストレートにドリームシアターやってる。どんなに集中力が散漫なリスナーであってもこれ1発聞いただけでプログレメタルだって絶対に気付きますからね。
しかし改めて今聞くと、他の収録曲に比べるとこの曲はプログレメタル要素がストレートすぎてオリジナリティという意味では劣るかもしれませんが、この「分かりやすさ」はやはり不可欠でしょうな。この曲が無ければLost my Proustが普通のメタルコアとは一味も二味も違う音楽性ってことに気付かない可能性ありますからね。
元々から非常に完成度の高い楽曲だったので再録バージョンでも印象はさほど変わらない。やはりギターのミックスでかくなっただけ。この曲の主役は言うまでもなくzaki.mymyさんのベースプレイ。イントロからいきなりソロぶちかましてきますからね。7割くらいベースのための曲って感じすらある。ハイライトは2分10秒あたりからの怒涛の変拍子フレーズ→疾走の流れ。ここは何度聞いても鳥肌ものですよねえ。メタルコア系だと思って聞いたらまさかこんな超絶テクニカルな曲を聞くことになるとは…とにかく当時も衝撃受けましたよ。そしてベースプレイだけでなくギターソロも叙情的でカッコいいプレイなんですよねえ。今のLost my Proustに失われてしまったもの…それはギターソロ。ハードコア寄りになってギターソロ廃したのか、もしくはライブの再現性を考慮してなのか。でもまたギターソロやって欲しいなぁ…。

4曲目「Gallow」、これはオリジナル盤リリース当時にリード曲として公開されてた曲ですが、未だにLost my Proustの全ての楽曲の中でも上位に食い込む素晴らしい曲だと思う。ほんと名曲。
キャッチーなシンセサウンドとラウドロックの組み合わせ、一聴するとよくあるチャラ系ラウドロックに聞こえてしまうでしょうけどよくよく聞くとLost my Proustならではのオリジナリティが随所に織り込まれてることに気付きます。やはりここでも鍵となるのはzakiさんのベースプレイ。Aメロの背後で動き回るテクニカルなグルーヴをまとったベースプレイ、これがダンサブルでありながらプログレッシブなイメージを作り上げオリジナリティに大きく貢献しています。そしてBメロのHidaka Mikuさんの歌メロ、今はすっかり使われなくなったケロケロ加工ボーカル。自分けっこうケロケロ声は肯定派なんで今でもケロケロ使って欲しいと思ってたりするんですが…まあその辺りはこだわりなんだろうなぁ。ケロケロ嫌がるメタラーも多いみたいだし。
再録バージョンはギターのミックス大きくなったのと、シンセの一部フレーズ変わってる?

5曲目「antidote」、Lost my Proust最大の異色曲。なんせメンバー以外がメインボーカルやってる唯一の曲ですからね。そして曲調もダークな雰囲気の他の曲とは一線を画するエモ爽やか系。ぶっちゃけアルバムの流れから完全に浮いてるし、1stアルバムだからまだ方向性が定まってなかったのかなぁなんて邪推したりしますが、でも単体としてはめちゃくちゃ良い曲なんですよね。自分も初めて聞いたときはこの曲が一番好きでしたから。
とにかくメロディが秀逸。Hidaka Mikuさんの卓越したメロディセンスを象徴する楽曲の1つだと思う。間奏のシンセ類も実に美しい。あとAメロBメロがクリーンでサビでスクリームという逆転の展開もLost my Proustのひねくれっぷりが顕著に表れてる。

6曲目「tinnitus aurium in glassmoon」、zakiさん作の楽曲ですが、同じくzakiさん作にしてLost my Proust最高傑作候補の楽曲である「Creation of Inane」のプロトタイプと言えそうな曲調。とはいえむこうの下位互換に甘んじてる訳ではなくこの曲もオリジナリティあふれてますけどね。Lost my Proustの凄さって、同じタイプの曲を何度も作ったりせず常に新しいアイディアを供給し続けてることなんですよね。それでいながら「らしさ」の核は完璧にキープしてる。これが唯一無二の理由。
メタルコア、Djentよりもプログレメタル寄りな刻みを見せる精巧なギターリフ、そしてSFチックなサイバー感が満載のシンセ。ゲーム音楽感もあり、これもジャンルの枠に収まりきれない魅力に満ちてますね。あとこの曲もギターソロ良いんですよねえ。今は無くなってしまったギターソロ…。

8曲目「Beyond the Divine Laws」、これも非常に面白い曲なんですよねえ。相変わらずジャンル不定で、しかもLost my Proustで他にこういうタイプの曲が無いし極めて個性的。キラキラシンセを核にしたアップテンポな曲調だけどメタルコアどころかメタルに分類することすら怪しいくらいジャンル不定だったのが、再録バージョンではギターの主張でかくなったことで辛うじてメタルと呼べるようになったかな? まあジャンルの枠にはまらないのがこの曲の面白さだから別に大したことじゃないんですけどね。あと再録バージョンはシンセソロが強化されてるのも良い。
ケロケロかかってるとはいえtac-t!sさんのクリーンが聞ける希少な曲でもありますね。あとこの曲もギターソロ素晴らしい。

8曲目「THE LAST GARDEN」、アルバムの締めはしっとりとしたピアノ&フルートによるインスト。メロディは「Rise into the Ray」なんですけど実はそれに気付くのにけっこう時間かかった。

そんな訳で改めて、Lost my Proustの原点にして最強、優れたメロディと個性的なアレンジを持ち合わせた楽曲ばかりの名作アルバムですよねえ。今回の記事、再録盤ではなくオリジナル盤への言及ばかりになってしまった感もありますが…まあ1stはまともな感想書けてなかったからこれがちょうどいい機会でしたね。

それと再録の出来栄えはともかく、初のプレスCDってだけでも実に感慨深いものがありますよ。Lost my ProustのCDにブックレットと帯が付いてるってだけでもね…。CDの盤面のデザインもカッコいい。さすがtac-t!sさん。
当然、これメロブとかで委託されるんですよね? 委託開始したら店頭にチェックしに行かなきゃ…。

このペースだと次回作は来年の夏になるのかなぁ…。遠いなぁ…。今回が完全新作じゃなくて肩透かしだったからなるべく早く新作来て欲しいけども…。VALENが次回アルバムに入るとして残り4曲くらいなら春M3までにいける…?
あとは、音楽性についてはもはや心配は無用でしょうけど、サウンドクオリティはどれくらい進化できるのか。果たしてmarutyuさんに勝てるクオリティまでいけるのか…っていちいち比較対象にするのもアレですが。

shaky ART's「feat. のくしん PxOxD」

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http://maxbet777.blog.fc2.com/

「変態メタル」サークルshaky ART'sの1年半ぶりとなる2曲入りの新作シングルです。

ってか、これ新作なの?前にも同じやつ出てなかった?って思った人は大正解。なにしろジャケが旧譜の使い回しですからね。色変えただけ。まあ使い回しだとしても新作が出ただけでも喜ぶべきなのか。

ご存知のように、shaky ART'sは1stフルアルバムを出すとアナウンスしてから延期に次ぐ延期を重ねておりまして、2015秋に出す予定だったんだからもう2年近く経過しちゃってるんですよね…。当初は自分も期待していたのですが、さすがにここまで延期ってことは単なるスケジュールの問題ではなくて根本的な部分で問題が発生して計画が頓挫してしまったんだろうなぁと推測するしかないんですけどね…。まあ理由についてはなんとなく察しは付きますが…。っていうか、レコーディングも終わってほぼ9割方は完成してるって匂わせるような記事も上がってたのにね…。

で、今回の新作は例によってピンチヒッター?「のくしん」さんとのタッグによる音源となっております。この「のくしん」さん、今までは「謎の男」扱いで詳細が不明だったのですが、名前の響きからしてボカロPか何かなのかなぁと想像してたけど、先日ようやく公開された情報によればどうやら普通にポストハードコア系のインディーズバンドで活動してる人みたいっすね。そっちのバンドの音源もちょろっと聞いたけどイメージそのまんまでなるほどなぁと。

shaky ART'sって基本的にSystem of a Downとマキシマムザホルモンを混ぜたような変態チックなハードコアサウンドを目指してるサークルなんだけど、のくしんさんと組んだ場合は少し作風が異なり、変態度は抑え目で洗練されたスクリーモっぽい音になることが多かったですが、今回もそんな感じ。

1曲目「Jurasick」、feat.のくしんならではのエモ爽やかなサビ。前作もそうだったけど、音さえ良ければ海外バンドに近いクオリティになりそうな気がしますよね。それくらいあべさんのボーカリストとしての力量は卓越してる。

2曲目「PxOxD」、feat.のくしん作品は1曲目が爽やかで2曲目がアグレッシブっていうパターンあったけど今回もそのパターンを踏襲してる。っていうか確かにこの曲はアグレッシブなんだけどメタルコアとかデスメタルっぽいアグレッシブさでは無くて、なんとなくスラッシュメタルに近いニュアンスを感じる。あべさんのシャウトもスラッシュメタル風だし。

残念ながらshaky ART'sはあべさんの個人的な事情により1年間活動を休止するみたいなんですが、でもあべさん自身のモチベーションが折れてしまった訳じゃないようですし、再開したら是非また新作出して欲しいものですね。
っていうか必ずしもリメイクのアルバムに執着する必要はないと思うし、他所のサークルとのコラボとかもやってみたらいいんじゃないかなぁ…今のオリジナル同人メタルは実力あるサークル増えてきてますからね。

Adust Rain「Asking for the Moon」

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https://adustrain.jimdo.com/

東方メタル/ラウドアレンジサークルAdust Rainが春M3で頒布したオリジナル作品です。

事前の告知ではオリジナルEPを出すとの事で期待していたのですが…曲数だけ見れば6曲入りで確かにEPなんですがそのうち4曲がリミックスバージョンとカラオケバージョンなので…実質的に2曲入りのシングルなんですよね。しかも2曲目はボカロ曲のリメイクなので完全新曲は1曲…ボリューム的にはだいぶ物足りないかもしれない。まあ、M3と日程の近い例大祭のほうでも新作を出していたからさすがにスケジュール的にキツかったのでしょう。

ちなみに、東方アレンジ中心で活動してるこのサークルなんですが今作が初のオリジナルっていう訳ではなく「DUST & RAIN EP」というオリジナル作品を東方アレンジより前に出してたみたいですね。今は廃盤になってしまってるみたいですがDL販売でリマスター版を聞けるみたいです。いちおうオリジナル作品が出発点になっているという事実は少しだけ重要かもしれません。ずっと東方アレンジ一本でやって行くつもりではないだろうと推測できますからね。

さて、このAdust Rainの最大の特色にして「売り」要素と言えば、やはり界隈屈指の実力派パワフル女性ボーカリスト、okogeeechann(おこげちゃん)さんが正式所属している事でしょう。ただ歌っているだけではなく「正式所属」っていうのがポイント。ゲスト歌唱なら他サークルでもやっておられますけど、あくまでゲストは一時的なものに過ぎない訳ですが、正式所属という事はおこげちゃんさんの持つ力量が全てAdust Rainというサークルの魅力にそのまま加算されるってことですからね。ゲスト歌唱という一時性、不安定性とは何もかも異なる圧倒的なアドバンテージが得ている訳ですね。
(ボカロ、インストサークルを除けば)ボーカリストの確保というのはどのサークルにおいても重要な案件であると思うのですが、これ程に実力ある歌い手を確保できればそれだけで勝者って感じありますよね。

で、このオリジナルシングルについてですが、アレンジ1stアルバム「Nightmare Essence」の時点ではまだサウンドも荒削りでおこげちゃんさんの歌唱以外には突出した個性もあまり感じられない内容だったのが、今作では見違えるほどに洗練されたサウンドに進化していますね。
特に1曲目「Seven Style」のキラーチューンっぷりは半端ない。従来のラウドロック的な音作りが大幅に進歩して安定感があり鋭いサウンドになっているのですが、注目すべきはV系を彷彿とさせるような畳み掛けてくる表打ちスネアのリズムですね。この怒涛の表打ちスネアが醸し出すスタイリッシュな攻撃性がおこげちゃんさんの超絶ハイトーンボイスと絡み合い圧倒的キラー感を生み出してます。V系要素を取り入れることで邦ラウドロックならではの魅力を生成できてると思うし、更に言えばオリジナル同人音楽ってV系人気が根強いジャンルなので、そちらへのアピールという意味でも上手く機能しそうな気がしますね。ボーカル、メロディ、アレンジ全てが完璧な超強力曲です。すぐにでもメジャーデビュー出来ちゃうんじゃないの?って思えるくらいのオーラは漂ってると思う、この曲は。

…とまあ、1曲目は凄すぎるんですがその分2曲目のほうがだいぶ地味に感じてしまう…。ボカロ曲のリメイクだし仕方ないか。普通に良い曲だとは思うんですけどね。メロは良いんだけどアレンジの差かな。どっちかというとリミックスバージョンのほうが良さげ。

おこげちゃんさんの歌声については、歌唱力や音域については凄まじいの一言なんですが、ビブラートが強く声質にけっこう癖があるので、同じくハイトーンを武器にする同人最強ボーカリストFukiさんに比べると汎用性で劣るところはあると思うんですが、でもまあ同人最強クラスのボーカリストであることには変わりないか。

ジャケについては…何度も言ってるようで申し訳ないですがやっぱり歯型に見えて仕方ない…。東方アレンジのほうのジャケとの落差がね…。

1曲目「Seven Style」は全ての同人音楽リスナー必聴の曲だと断言できるし、この路線でオリジナルアルバム作って欲しいと願わざるを得ないのですが、でもアレンジ優先でこれからも活動していくんだろうしなぁ…オリジナル1stアルバムはいつになるのやら…。気長に待ちますか。

SilencePhobia「Liberation of Anguish」

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http://silencephobia.com/

メタルコア系サークルSilencePhobiaが春M3で頒布した2曲入りシングル。
…なんですけど少し変則的な内容になっていまして、2曲のうち1曲は昨年秋に無料配布した楽曲の再収録でして、つまり純粋な新曲は1曲のみってことですね。
とはいえ実は昨年秋の無料配布のほうはまだ感想を書いてなかったんで今回まとめて2曲を紹介しちゃいます。

SilencePhobiaがM3デビューしてから早2年…。初参加時からクオリティかなり高めで「東方アレンジを経ていないオリジナルサークルがいきなりこんなハイクオリティな音源を出すとは!」って感じでけっこう衝撃的だったんですよね。きっとこれからのオリジナル同人メタルシーンを担う重要サークルの1つになるだろうと期待していたのですが…。

それから2年経過。残念ながらいまだにアルバムを出すような気配は無く…。
最初のシングルが3曲で、次のM3が無料配布1曲、次が2曲、次がまた無料配布1曲、そして先日のM3が実質1曲…。いちおう毎回新曲を出すことは欠かしてないんだけど曲数が少ないのでやっぱり寡作なサークルの部類に入ってしまいますかね。しかし曲数は少ないとはいえ常に強力な楽曲を作り続けてるのは事実なのでポテンシャルの高さは保証されていると言えるでしょう。

で、今回の新作についてですが、相変わらずのハイクオリティな内容。
新曲である1曲目「Liberation of Anguish」はSilencePhobiaらしさが詰まったキラーチューンに仕上がってると言えそう。昨年春のシングル1曲目「Obsession」と同路線で、アグレッシブなメタルコアサウンドを軸にしながらもV系っぽいスタイリッシュなリズムを巧みに取り入れた国産ならではのテイストがあふれるサウンドになってます。この曲はクリーンボーカル無しなんですけどリフがキャッチーだから取っ付きにくさは全く無し。アレンジの緩急の付け方も相変わらず見事で、単調さとは無縁の刺激的なサウンドを実現してますね。至る所からセンスの良さが滲み出てますよ。
SilencePhobiaの「売り」っていうと、やっぱりこのラウドロック然とした音圧の高さと圧倒的な疾走感にあると思うんですが、音圧についてはこの2年の間に同人メタルシーンも着実に進歩していて音圧高めなオリジナル系サークルもけっこう増えたような気がしますが、でも埋もれてしまった訳ではなく依然としてSilencePhobiaは上位をキープしてると思いますし、疾走感についてはここまで愚直なまでに速さにこだわったメタルコア系サークルは珍しい気がしますし十分に個性として確立されてると思いますね。ほんと、SilencePhobiaって速い曲しかないですからね。中途半端なテンポの曲は皆無。実に清々しい。アルバムを制作する際も是非とも全曲疾走を実現して欲しい。

2曲目「Hindrance to Hope」は昨年秋の無料配布曲で、初の女性ボーカルをフィーチャーした曲ってことになるのでしょうか。以前無料配布されたまどマギイメージソングも女性ボーカルだったけどあれは多分カウント外でしょうからね。
女性ボーカル曲っていうことでキャッチーなメロディに主眼が置かれてる感じですが、でも総合的にはクリーン無しの1曲目のほうがキャッチーに聞こえるという不思議。というのはこの女性ボーカルさん割と控え目な歌唱だからメロディの主張が少ないんですよね。別に下手って訳じゃないんだけど…。サウンドについては1曲目と同様に隙のない出来栄え。疾走感も抜群で言うことなし。
SilencePhobiaは今後は女性ボーカル曲もちょくちょくやっていくつもりなのかな。まあどっちかというと1曲目とか「Obsession」の路線のほうが好きなんだけど、同人音楽の需要的にはやっぱり女性ボーカルのほうが良いのか。

今回もジャケ画は秀逸ですね。これもSilencePhobiaの武器の1つ。やっぱりのなじろうさんのイラスト素晴らしい。今までの禍々しい骸骨モンスターな作風とは一味違うSFっぽいイラストでプログレメタル感もある。

まあとにかくアルバムですよね。アルバム出さなければこのサークルの存在が広く認知されるのは難しそうですし…。もし楽曲を量産するのが厳しそうならば過去曲をまとめてベスト盤的なアルバムを出しちゃうという最終手段もある…?
ほんと、これだけ実力あるサークルが埋もれてるのは悲しいですからね。

プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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