V.A.「otogism」

https://otogi-records.bandcamp.com/album/otogism

先日紹介したDIAさんも参加している昨年末にリリースされたポストロックコンピレーション作品。アマチュア作品とは思えないほどのハイレベルな楽曲が10曲も収録されているのに無料ダウンロード! 投げ銭ですらないのが驚きですね。これはポストロックに興味のない人も是非とも聞いてみるべきだと思いますよ。ほんとに聞き応えある楽曲ばかりなので。

さて念のため、ポストロックというジャンルがよく分からないというリスナーの方のために簡単に説明をしておきますとですね、ポストロックというのはですねえ…えーとですね…。…うーん…難しい…。
クリーントーンのギターで割とテクニカルで無機質な演奏でけっこうアンビエント寄りで雰囲気重視感のあるインスト中心のロック…て感じで漠然と捉えているジャンルですけど、ぶっちゃけこのコンピに入ってる曲ってそのイメージに当てはまらない曲が多いんですよね。ハードコア寄りな歪んだギターの曲もいくつもあるし。どこまでがポストロックの定義の範疇なのか分からないっす…。ほんと難しいジャンル…。
まあ厳密な定義はよく分からんけど曲がカッコよければそれでいいや的な。そんな大雑把なノリでも楽しめるくらい素敵な楽曲満載なので大丈夫だと思います。はい。

1曲目はお馴染みのDIAさん。澄み渡ったストリングスの音色で穏やかに幕を開けますが途中からマスロック然とした鋭いメカニカルなギターリフが展開していきます。DIAさんの得意とするRPGサントラ音楽とito projectでのハードコア&マスロック要素が融合したような聞き応えある楽曲に仕上がっていますね。

2曲目myriadさんの曲は激情ハードコアっぽいエモーショナルでアグレッシブなパートとアトモスフェリックなパートの対比が見事。これもめっちゃ本格的な楽曲ですね。

3曲目kvoldさんの曲はエレクトロニカ寄り。っていうかロックであるかすら怪しいくらい大半が電子音で構成されてる。

4曲目nemo asakuraさんは電子音+クリーントーンのギターでいかにもポストロックらしい穏やかな出だしですがそこからマスロック的テクニカルな展開に移行してさらにシューゲイザーな幻想的な展開まで登場するという盛り沢山な曲。

5曲目は同人メタル界隈でもお馴染みsoft ni deadmanさん。「emotion」という曲名通りエモーショナルで激しくテクニカルな展開を見せる曲。

6曲目natsumegさんの曲もクリーントーンの静かな出だしからエモく勢いのあるハードコア寄りサウンドに移行する展開。

7曲目の微熱さんの曲はかなりアヴァンギャルドでけっこうホラー感あり。

8曲目griffon nakanoさんはこのコンピの主催者? さすが主催者だけあって圧巻の出来栄え。ハイレベルな楽曲揃いの今作に置いても更に頭一つ分抜けたクオリティ。マスロック的なテクニカルな演奏が満載でしかもかなり複雑な展開を持った楽曲なんですがメロディも叙情的でドラマチックなので聞き応え抜群です。

9曲目yakaさんの曲、唯一のボーカル入りの曲ですね。これはポストロック興味ない人におすすめしたい曲。女性ボーカルの声質が儚げなアニメ声でめっちゃ同人リスナーに刺さるタイプの声だと思うんですよ。メロディ自体も素晴らしいし幻想的な雰囲気も最高。

最後を飾る10曲目のサナトリウムさんの曲は唯一のボカロ使用曲。シューゲイザー寄りな轟音ギターとボカロの歌声の対比が映える。

総じてハイレベルな楽曲ばかりでアマチュア臭さのある楽曲が皆無っていうくらい平均点高いコンピなんですが特に8曲目と9曲目が強い。この2曲だけでも聞いて頂きたいですね。
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DIA「架空RPG2 ~世界樹編~」

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https://diadiadia1.booth.pm/

一人激情ハードコア「ito project」及びRPGサントラ風音楽でお馴染みのDIAさんが昨年秋リリースした最新作。「架空RPG」の第二弾です。

一昨年の秋のすみすさんとの合作アルバム「Phantasic Anthologia」は界隈でも大好評を博していましたが今回はDIAさん単独の作品になってます。
すみすさんと言えばRPG風楽曲をまとめたツイッター動画が5万RTも記録して話題になりましたが改めてRPGサントラ風楽曲の需要の高さというのを再確認した形になりましたよね。アレンジ作品と違って既存のゲームやアニメのイメージ補正を受けられないオリジナル音楽というのは視覚的な想像力を促すテーマの設定が重要なのだと。やっぱりオタク文化って視覚重視ですもんね。音楽の良さだけじゃなかなか広まらない。

さて今作についてですが内容は「架空RPG」第一弾と概ね同じ路線ですね。もちろんサウンドは第一弾のときに比べて強化されていて、特にオーケストラサウンドは大幅にスケールアップされ壮大感は格段に増してます。もはやすみすさんの助力無しでも迫力あるシンフォニックサウンドを再現可能になったようですね。第一弾を上回る高品質なサントラ作品に仕上がっていると思います。全編に「本格的」オーラが漂ってる。
ただ、DIAさんの持ち味と言えるエモーショナルなロックサウンドは出番が少なめで「Phantasic Anthologia」のときのようなシンフォニック&ラウドロックな曲は6曲目と10曲目だけとも言えるので正直少し寂しい感じもあるのですが、その分だけシンフォニックサウンドが増強されてるし全体のバランスは取れてますね。むしろロック要素を削ることで一般的なサントラ作品としての精度は上がっているかなと。まあそれでもメタラー的にはちょっと寂しいですけど。
あとは心なしか第一弾に比べるとキャッチーなメロディが減ってる気もするんですよね…だからやっぱり第一弾の上位互換の出来とは言い難いかな。

19曲も収録されていて聞き応えは抜群なのですがその分だけ各楽曲が短く、始まって間もないのにフェードアウトしてしまう曲がいくつもあるのも物足りないところ。9曲目とかめっちゃ良い感じのピアノ美メロ曲なのに1分も絶たないうちに終わっちゃいますし、4曲目も勇壮なシンフォニック曲なのにやはり1分足らず。
まあサントラ風作品だから仕方ないんですけどね。「Phantasic Anthologia」は1曲1曲の完成度が非常に高かったから楽曲単位で楽しめたけどこちらはあくまでサントラとして架空ゲームの世界観を思い浮かべながらBGM的に聞くのが向いてる感じでしょうか。

一番気に入ってる曲はラスト19曲目ですね。ピアノで奏でられる美しいテーマフレーズが感動をそそります。ストリングスも本格的な響きでまるで映画音楽のよう。
あとクライマックス直前の17曲目のオーケストラサウンドの迫力とドラマチックなメロディも素晴らしい。

DIAさんと言えばやっぱりゲーム音楽にとどまらずメタルやハードコアやポストロックなどの幅広いジャンルに精通しているのが強みだと思うんですけどサントラ風作品だとそれらが十分に活かされてない感じもするんですよねえ。まあテーマ性の強い作品だから色んな要素をぶっ込めないっていう都合もあるんでしょうけど、一度くらいやりたい放題やった作品も聞いてみたい気がする。
次のM3の新作は久しぶりに激しい系作品になるらしいんでメタラー的には大いに期待しております。

ジャケ絵はお馴染みtac-t!sさん。先日web雑誌のインタビューも受けてらっしゃったみたいですが本当に幅広く勢力的に活動してらっしゃるみたいですね。

赤城ヰト「僕らの世界地図」

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https://sleeping-breaker.booth.pm/items/621925

「変拍子エレクトロボカロP」こと赤城ヰトさんが昨年秋M3でリリースした初のフルアルバム。なんと14曲入りで50分にも及ぶ大ボリューム。

実はこのフルアルバムと併せて「伊織の人」というボカロPとのスプリットシングルもリリースされていまして、さらにはこのM3翌月に開催されたネット上の同人音楽イベントAPOLLOではインストアルバムも発表。なんというハイペースっぷり。
それだけに留まらず冬コミではベストアルバムも出す予定だったみたいですがそれはさすがに諸事情で延期になってしまったようです。まあそれでも驚くほど多作であることに変わりはない。活動開始から2年ほどしか経ってないみたいなのに何作出してるんだろうか。さすがボカロ界隈のスピード感覚は別物っていうか。

音楽性としては従来通り変拍子を交えたピアノ&エレクトロニカサウンド主体なんですが今作は10曲以上のフルアルバムということもあってバラエティ感も富んでます。民族調ありアコースティック風サウンドあり壮大プログレ展開あり。
相変わらずサウンドは洗練されていて高品質なボカロミュージックなのですがメロディは割と淡々としていてキャッチーさも乏しいのでメロディを追って楽しむ音楽というよりかはサウンドや雰囲気や世界観を味わう聞き方に向いてる感じですかね。サントラ作品のような感覚で聞くのが吉なのかなと。
変拍子を多用していても変態性やマニアック感よりも洗練されたオシャレ感のほうが先行してる感じなのも従来同様。

変拍子ピアノフレーズ&木琴の音色&童謡風味のメロディという従来通りの赤城ヰトさん流ポップスを踏襲した2曲目と5曲目、ヘヴィなギターサウンドをフィーチャーしたダークなプログレメタル的な雰囲気の3曲目、アコースティックギターのフレーズが印象的な6曲目、作中随一のキャッチーなサビメロと幻想的なシンセが魅力の9曲目、マーチングバンドなリズムが特徴的なタイトル曲の13曲目、などなど聞き所は多いですがやっぱりハイライトは組曲のように繋がっている10曲目~11曲目。
荒涼とした雄大な雰囲気を感じさせる10曲目「out side+=暗闇=」、7分以上の尺がありアトモスフェリックな音世界を満喫できますが途中でいきなり強烈なノイズが発せられるパートがあってけっこうビビります。
曲間を空けずに繋がっている11曲目「禁止区域」は神秘的なクワイア音源が良い雰囲気出してる。

ジャケ絵は…何なんでしょうこれは何を表してるのか…難解なイラストですな。そしてCD媒体にはジャケ付いてないので盤面の印刷のみ。お世辞にも見栄えが良いとは言えない…。スプリットシングルのほうはちゃんとジャケあるのに。

RAINBOW PALETTE「CLEARNESS WORLD」

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https://naka-dai.booth.pm/

「エレクトロやプログレッシブ的ポップ曲を初音ミクや鏡音リンレンに歌ってもらってます」
というサークルカットの文言に釣られて買いました。もちろん「プログレッシブ的」ってとこ。非常にシンプルかつ安易な動機です。
まあやっぱりサークルカットにジャンルについての情報をいちいち掲載してもらえるとうちらみたいにジャンル買いしてるリスナーには有り難いですよね。何も情報ないと取捨選択するのが大変だし。もちろんジャンルだけを当てにしていると優れたサークルを見逃す危険性もあるけど…。

で、「プログレッシブ的」を目当てに買ってみたこのサークルの音楽は実際プログレだったのかというと正直微妙なところ。明確に変拍子を使ってる曲は1曲だけに留まり、ほとんどは一般的なポップスの範疇。プログレというカテゴライズは厳しいかなぁ…。
とは言え「ハズレ」作品ってことはありません。なんせ曲が単純に良いから。すごく良いから。メロディ良いしアレンジも洗練されてる。無名なボカロPとは思えないくらい完成度高い曲ばかり。やっぱ知名度とか再生数ってあんま当てにならないなぁと思ったり。
っていうか自分はこのミニアルバムしか買わなかったんですけどもう1枚のミニアルバム「鏡音ちゃんは語りたい」ってほうが変拍子度が高かったみたいですな…後から気付いたという。そっちも買うべきだったか。

このボカロP独自の一貫した作風があるって訳ではなく割とバラエティな作風なんですけど前述の通りとにかく曲が良い。特に2、3、6曲目。正直いうとこの3曲ばっかり聞いてます。

1曲目「Spring Comes Around」はインスト。でも短い序曲ではなくガッツリ3分強の尺がある。エレクトロニカなんだろうけど…最近のノリではなくレトロゲーのBGMにありそうなフュージョン風味っていうか?

2曲目「Lost Summer」からはボカロ曲。清涼感あるキラキラシンセと軽快なハンドクラップの音色が心地良い。メロディも文句なしの素晴らしさでほんと完成度高い。

3曲目「My Happiness」も続いて名曲。反復する独特のピアノフレーズとボカロならではの高音を活かした歌メロがドラマチックに響く。この透明感ある音作りとかボカロの調教とかほんとにいちいち出来が良いなぁと。

4曲目「Kitune Bana」は祭り囃しをフィーチャーした和風曲で、5曲目「Autumn Wind」は曲名通りで秋らしいロマンチックな寂寥感を表現した楽曲。

そして5曲目「Good-bye, Lemon Candy」がこのミニアルバム最大の聞き所であり最もプログレッシブという形容が相応しい曲でもあります。変拍子4つ打ちキラキラエレクトロニカソング。ですが変拍子であることよりもやっぱ特筆すべきはこのノスタルジック感あるメロディセンスですよ。これは普段ボカロ聞かない人にも訴えかけるくらい素晴らしいメロディだと思うんです。アレンジと音作りもボカロと親和性高くてまさに完璧。

ラストの6曲目「Sunny Spot」は再びフュージョン風味のレトロ感あるインスト。

そんな訳で5曲目がかなりの名曲なんでそれだけでも聞く価値あるミニアルバムかなと思います。割とバラエティ感ある作品ですけどキラキラシンセポップ中心で構成したアルバムも聞いてみたい気がする。

Xorsizer × Junsei × Pratanallis「TRINITY」

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https://www.xorsizer.com/trinity

「厨二」×「熱血」×「技巧」、女性同人音楽リスナー待望の夢の共演がついに実現!
「三位一体」のイケボバトル!

…って、「女性リスナー待望」ってのはさすがに誇大広告ですかね…。いや、JunseiさんもPaspalさんも女性リスナーに人気が出て然るべきイケボだと思うんですけどね。
あと、Junseiさんが熱血ボーカルなのはいいとしてPaspalさんを厨二という言葉だけで表現するのは失礼だしヒノデさんを技巧の一言で済ますのも違うよなぁ…もちろん技巧的ギタリストであるのは確かだけど。

まあ細かいことは置いといて。とにかく待望の共演な訳ですよ。
一昨年の春M3で無料配布されたPaspalさんとJunseiさんの共演曲「Versus~正義と反逆の決戦歌」がとても素晴らしい出来だったこともあって、このお二人の共演の続編及び(お二人と交流の深い)ヒノデさんを加えた3人による合作を待ち望んでいたのですがようやく来たかって感じですね。このお三方の仲の良さを考えればもっと早く共演してくれても良かったくらい。

前述の「Versus」におけるJunseiさんとPaspalさんの「イケボ」共演も素敵だったのですが今回はそこにヒノデさんのテクニカルで豊かな音色のギタープレイが加わることによって更に音楽的な完成度が高まっています。
そして今作のサプライズ要素がなんとヒノデさん自身のボーカル。おそらくこれがボーカル初挑戦だと思いますしさすがに自サークルでも歌い慣れてるJunseiさんとPaspalさんに比べるとアマチュア臭がより強いのは仕方ないんですけど意外に健闘なさってるというか、これも同人音楽ならではの手作り感や親近感があって味わい深いなぁと。

収録曲は4曲で、お三方がそれぞれボーカル取った曲が3曲と3人が共演した曲が1曲。あと3人全員が作曲してるんですが各々が作曲した曲とボーカル担当曲がシャッフルされてるのも面白い試み。

1曲目「RESISTANCE」はJunseiさんボーカルでPaspalさん作曲。一聴してすぐ分かる「Paspal節」。メロディの安定感はさすがですが、ただPaspalさんの曲ってSymholic初期の頃から変わらずアレンジや音作りが淡々としてる気がして少し苦手感あるのが正直なところなんですが。でもJunseiさんの熱血ボーカルが乗ると趣きがガラリと変わる。それくらいJunseiさんの歌声には説得力が伴ってるんですよね。それは「Versus」の時もそうだったんですけど。
最も特筆すべきはヒノデさんのギター。ギターソロに突入した瞬間に音の「高級感」が三割増しになるっていうか。ってか心なしか以前より更なるパワーアップしてるような気さえする? もはや壁サークル級のオーラを感じる。やっぱすげえなヒノデさんは。さすが有名音ゲーに収録されただけのことはある。

2曲目「Nihil」はボーカルPaspalさんで作曲がヒノデさんか。これも一聴してすぐヒノデさんの曲って分かりますな。Pratanallisまんまだし。Paspalさんの厨二イケボともばっちり合ってる耽美な曲調。ってかヒノデさんはギターの音はすでに壁サー級だと思うんだけど他の音はまだまだ軽さが残ってるし向上の余地はありそうな気も。

3曲目「悲嘆の空」はヒノデさんボーカル初挑戦曲。まあやっぱり前のお二人には及ばないけど声質自体はけっこうカッコいいですよね。とはいえPratanallisで自らボーカルやるとは思えないのでこの企画限定の貴重な音源になりそう。ギターソロはやはり本格的。

4曲目「TRINITY」はいよいよ3人集結して熱く合唱するハイライト曲。疾走メタルサウンドとイケボバトルで盛り上がります。曲がPaspalさんでアレンジがヒノデさんなのか…全体的にはPratanallisっぽく聞こえる。クサメタル調だけど男性アイドルユニットのような趣きもあるので女性リスナーにも聞いて欲しい(?)。

ジャケはお馴染みの神絵師c.c.Rさん。いつも通りカッコいいイラストなんだけど色調が暗すぎてキャラが見えづらいという惜しさが…。

という訳で素晴らしいコラボ企画でしたね。続編も期待したい。でも個人的には「Versus」での「粛清する!」「砕け散れ!」みたいなクッサいセリフが好きだったんであの続編も聞きたいんだよなぁ。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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