Ritorno「Canna Cinq~ある姫君と人形師の話~」

Canna Cinq

前回に引き続き今回もRitornoのアルバムを紹介します。
この作品はZanniより前に発表されたアルバムですが、ミュージカルの比率が高くてサンホラ系同人音楽として聞ける内容だったZanniに比べると、こっちはボイスドラマの中心の内容になっていて、収録時間の半分以上はセリフ、ナレーションになっており、ボイスドラマの合間にちょこちょことミュージカルパートが挟まれているような構成になっています。

従って、この作品はあくまでボイスドラマとして聞いて、おまけとしてミュージカル(音楽)を楽しむという聞き方が正しいのかもしれないですね。全編に音楽が配されているZanniとは違い、ボイスドラマパートのバックにもほとんどBGMがないですし、ミュージカルパートもトラック分けされておらず音楽の部分だけ繰り返して聞くことが出来ないので、音楽としてこの作品を評価するとどうしても厳しくならざるを得ないかもしれないです。
まあ、ドラマCDサークルなんだから音楽として聞くのを想定してないのは当たり前なのかもしれませんが…。

しかしながら、音楽をおまけと割り切るには余りに惜しいほどにそのミュージカルパートが良く出来ているんですよ。前回の記事でも書いた通り、まじで他のサンホラ系サークルを凌駕するくらいの音楽性を持ってるんですよね。
特に、#3「機械人形」はまじで名曲ですね。トラックの演奏時間は8分になっていますが、半分以上はボイスドラマなので曲としては実質3分程度しかありません。しかしこの3分の間に非常に濃密な展開が詰め込まれており、ミュージカルならではの大勢のボーカルの掛け合いやコーラスの絡み合い等、実に緻密に作りこまれた豪華な楽曲になっています。こんな素晴らしい曲がボイスドラマのおまけみたいに配置されてるのが信じられないほどw ミュージカル系アニソンや同人サンホラフォロワーが好きな方は必聴の名曲ですね。

もう1つのハイライト曲は#8「昔話」ですね。この曲はメロディ展開も素晴らしいんですけど、なによりもストーリー上の仕掛けと連動した後半部分の異様な盛り上がり方が最大の聞き所ですね。まあ、盛り上がる部分で音量上げるのはちょっとずるいなぁと思いつつも、これは初めて聞いた時は鳥肌ものの衝撃ありましたねw これも必聴曲です。
#4「人形師」の序盤のデュエット曲も良い曲ですね。まさに絵に描いたようなミュージカル系ラブソングで小っ恥ずかしくなるほどw 他の曲もミュージカルパートは短いですが、どれも完成度の高いメロディとアレンジを聞くことが出来ます。

ストーリー面では、Zanniに比べるとかなりシリアスな展開なんですが、個人的にはコミカルなセンスを存分に発揮していたZanniの方が好きかなぁ。シリアス物にするにはちょっと設定が甘い気もしなくはない。ストーリー的な仕掛けと音楽の絡ませ方が巧いので十分楽しめますけどね。

このままでも十分素晴らしい作品だとは思いますが、やはりこれだけ優れた音楽やってるんだし音楽リスナー向けの配慮が欲しかったところではありますよね。まあその配慮を実現したのがZanniだと思いますが。
とにかく音楽部分が長いボイスドラマパートに挟まれていて非常に聞きづらいので、音楽編集ソフト使ってトラックを自力で分割するのもアリだと思いますよw かなり面倒くさいですがその労力に見合うだけの価値のある音楽だと思います。
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Ritorno「Zanni」

zanni.jpg

ドラマCDサークル、Ritornoのアルバムですね。
おすすめCDの欄にずっと置いてあったにも関わらず長らく記事書かずに放置してた訳ですが、これもぱっちりひつじと同じで、とっておきのオススメ作品はどのタイミングで投下するか迷うんですよねw とりあえず秋M3前には上げとこうと思って今回書き上げましたw

このサークルさんのことを知ったのは今年の春M3のサークルチェックでカタログ調べてる時だったんですが、サークルカットに「ミュージカル風ドラマCDサークル」って書いてあったので、ミュージカル系、サンホラ系のノリが好きな自分としては気になっていたんですよね。
しかしながら、ミュージカル「風」ということだし、あくまでドラマCDがメインで、音楽要素(ミュージカル)はおまけ程度なのかな?と想像してたのですが、確かに自分が最初に聞いた「Canna Cinq~ある姫君と人形師の話~」の方はボイスドラマの合間にミュージカルがちょこちょこ挟まれるって感じの構成なんですよね。
それでも、音楽が「おまけ」なんてことは全然なくて、ミュージカル部分は短いながらも非常にクオリティ高くて、メロディもアレンジもボーカルも凄まじい完成度だったのでかなり衝撃を受けたんですよ。ぶっちゃけ、音楽を専門でやってるサークルよりもよっぽど高度な音楽性を持ってるんじゃないかと思えるくらいですw
せっかくこんなに良い音楽やってるのに、ボイスドラマの合間で細切れみたいになってるのが本当にもどかしく感じましたねw 音楽の部分だけ繰り返し聞くことが出来ないトラック構成になってましたし。

そして、そのボイスドラマとミュージカルの比率を逆転し、完全に音楽リスナー向けな内容になっているのが今回紹介する「Zanni」なんですよ。Canna Cinqで感じていたフラストレーションがこの作品で解消されましたねw
もはや他のサンホラ系サークルと肩を並べるどころかそれを凌駕してるくらいのクオリティの音楽を聞くことができます。それどころか本家サンホラの域に迫ってるんじゃないかってくらいのレベルですよ。こんだけの内容にも関わらず「ドラマCDサークル」を名乗られてしまったら、他の音楽サークルは立つ瀬がないんじゃないかって余計な心配してしまいますねw

音楽的には、#3や#4あたりがハイライトだと思うんですが、この2曲のサビとかまじ名曲級で、同人音楽勢ではなくサンホラを比較対象にしてもいいくらいの完成度だと思いますよ。具体的にはMarchenあたりの楽曲ですね。まあ同じくグリム童話モチーフだから余計に比較しやすいというのもありますがw
#6のバラード曲もなかなかの名曲なんですよね。かなりコミカルな雰囲気の中で歌われるにも関わらず後半でぐっと盛り上がってけっこう感動しちゃいそうな展開に仕上がってるのが凄いと思う。センスの良さに脱帽です。
まあ全体的に見たらサンホラには全く及ばないでしょうけども、ドラマCDサークルの楽曲が超有名メジャーアーティストの楽曲と比較可能な地点に到達してる時点で恐るべきことだと思いますよw

それと、音楽以外のこの作品のドラマCDサークルならではの魅力として、「分かりやすさ」というのが挙げられると思いますね。
音楽とドラマCDの差って、繰り返し聞くかどうかって部分にあると思うんですよ。音楽は何十回と再生するけど、ドラマCDならストーリーを把握したらもう聞かないってことが多いと思うんですよね。
サンホラ系の音楽はあくまで音楽なので、繰り返し聞くことを前提にしているから、あえてストーリーを難解にして何回も聞き込むことを聞き手に求める作りにしていることが多いと思うんですが、このRitornoはドラマCD志向なので、1回聞いただけでストーリーが把握できるような親切な作りになってるんですよ。個人的にはこの分かりやすさが気に入りました。
必ずしも考察が必要な複雑なストーリーが優れていて、簡単なストーリーは劣っているなんてことは決してないですからね。シンプルなものだからこそよりセンスが求められるってことも往々にしてありますしね。
それに、ただ分かりやすいというだけでなく、所々にボイスドラマならではのセンスが光っていて、ストーリーから声の演技まで本当に作りこまれてるとひたすら感心してしまいますよ。やっぱりこういうのは音楽サークルじゃ作れないかもなぁ。

あと、サンホラ系にありがちな薄暗い鬱展開がなくハッピーエンドなのがいいですねw 個人的には絶望系の暗いストーリーはあんまり好きじゃないんですよね。こういう絶妙なコミカルなバランス感覚、これもドラマCDサークルだからこそなせる技なのかな。
しかも、2曲目あたりでよくあるサンホラ系の残酷な展開を予感させておいて後半で見事ひっくり返してハッピーエンドになるというのが心憎いですねw あえてサンホラ系同人音楽の王道パターンを破ってる感じもしなくはないw
まあ、ドラマCDサークルだからもしかしたらサンホラの影響は直接受けていないのかもしれないですね。ドラマCDの要素とミュージカルを足したら偶然サンホラっぽくなっただけとか。それが良い方向に働いてるのかも。

音楽サークルとして聞いてもドラマCDサークルとして聞いても一級品という、本当に凄い作品だと思いますね。個人的にはセリフ入り同人音楽の理想形と言える作品だと思ってます。もしドラマCDサークルだと思ってスルーしてる方がいたら是非聞いてみることをおすすめしますw
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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