lutaphampha*「hitobitotoito」

http://lutahitobitotoito.tumblr.com/

昨年夏に同人メタル史に残る傑作フルアルバムを発表したご存知Satanic a la mode、その主催のいんきょう(inn)さんが並行して主催する非メタル路線の別名義サークルであるlutaphamphaの1年半ぶりとなる新作EPです。そして何気にいんきょうさんが今年リリースした同人CDはこれが初になる訳ですね。春M3も夏コミも不在でしたから。けっこう間が空いた感覚あります。

lutaphampha…と書きましたが正確には微妙に違いまして、今回から「*」がこっそり名前の末尾にくっついてるんですよね。プログレ好きなリスナーならばこれ見た瞬間にFrost*を連想してしまうこと確実なのですが…。まあFrost*との関係性は定かでないにしても、とにかく名義が微変更されたことでこれが新生lutaphampha*の1作目という風にも捉えられますね。

内容も今までとは若干ですが異なる趣きがあるというか…ちょっとだけ一般的なJポップ寄りなったかも? 特に2曲目でその印象が顕著なんですけどね。まあ音楽性が変わったというよりかはゲストボーカルのチョイスに依る部分もあるのかもしれませんが。
2曲目「Haruka」はやっぱり「普通」のポップスな感覚がありますよね。いんきょうさんが何の変哲もないポップソング作るのって意外性あるけど…。いや、別にいんきょうさんは変態的ポップスを専門で作ってる訳でも何でもないですしそれは聞く側の勝手な思い込みに過ぎないんですけどね。それに、「普通」っていうのは何の過不足もなく全ての要素が一般的な基準に達してる状態を指すとも言える訳で、実は全く否定的な形容ではない気もする…ってそんなのいちいち言うことでもないか。
いんきょうさん、最近ではソシャゲのキャラソンに曲提供したりとか商業音楽に力を入れ始めてる感があるしその影響もあるのかなぁ。もしかするとこのまま商業に移行して同人は卒業してしまうのでは…という不安もちょこっとだけあったりします。別に商業音楽でも良いと思うんですが商業でサタアラみたいなプログレな音楽をやれる可能性は低いと思うんで…やっぱり出来れば同人も並行して続けて欲しいなぁ…。まあ、音楽性の幅が広いlutaphamphaはまだ望みあるとしても、メタルという縛りのあるサタアラのほうはどうなのか。メタルなんてマニアとオタクしか聞かないニッチな音楽ですしね…。冬コミはサタアラ名義みたいだけど何らかの新作あったりするのかなぁ。

ちょっと話が反れましたが、とにかく「普通」に良い音楽である訳なんですよ。メロディは当然ながらすこぶるキャッチーですしね。本当に素晴らしいメロディ。同人メタル界でキャッチーなメロディ書くことにおいてはいんきょうさんの右に出る者はいないですからね。
ただ、もしこの曲に違和感あるとしたら、このゲストボーカルのゆずりさんの歌声が「綺麗すぎる」せいもあるのかなぁ。これはめちゃくちゃ誤解を招く表現かもしれませんが、別にいつもが汚いとかそういう意味じゃないですからね。なんというか、sayuさんにしてもmenoさんにしても、綺麗なだけでなく「引っかかり」がある歌声だったというかですね。その個性的な部分がいんきょうさんの創造する音楽性に絶妙にハマってた気がするんです。
というかやっぱりいんきょうさん自身のボーカルが一番聞きたかったんだよなぁ。前作の「Goodbye winter」とか、さらに前の「I was an animal」とかめっちゃ好きだったんですよ。せっかくの別名義なんだしこっちはいんきょうさんボーカルでやったほうが意義深い気もするし…。これも自分の勝手な期待に過ぎないんですけどね。
それと、この曲は同人メタル界が誇る天才ギタリストあにょさんがゲスト参加してるんですよね。これは同人メタラーならば誰しも注目せざるを得ないコラボですよね。もちろん、曲調がポップスですからそんなに派手にテクニカルなソロとか弾いてる訳じゃないんですけどさすが手堅い演奏だなぁと。

まあ何だかんだで2曲目以外はいつものlutaphamphaって感じの音なんでそんなにゴチャゴチャ書き立てるほどのことじゃないんですけどね。
1曲目「echo(s)」は序曲的なインスト曲ですが、秋の虫の鳴き声のSEで幕開けするんですけど…そういやこの新作って秋をテーマにしてるのか。四季シリーズとか言われてたし。でも個人的にはlutaphampha作品のイメージってほとんど冬なんですけども…まあそれは置いといて。
SEのあとにムードある繊細なピアノと厚みのあるシンセの音色が登場しますが、まるで音のパーツをバラバラに切り離したのちに再構築したような幻惑的なプログレッシブサウンド、これはやっぱりいんきょうさんならではだなぁと。

2曲目は前述のように「普通に」素敵なポップソングです。

3曲目「Magnolia」、これもいつものlutaphamphaですね。実験的なサウンドを散りばめながらも核はあくまでキャッチーなメロディ。ゲストボーカルのming-ziさんの声質はmenoさんに割と近い感じかな。サビでは変拍子とシンセにより1曲目と同様に空間がコラージュされてるような摩訶不思議な音世界が展開して魅了されますが、以前よりサウンド全体の洗練さが増してる気がするのは商業音楽へ活動を拡張してることの影響もあるのかな。

4曲目はSEと静かなピアノによるインターバル曲。

5曲目「影追い」、同じメロディを繰り返すシンプルな構成で童謡っぽいノスタルジックな味わいのある曲になってますね。2曲目と同じゲストボーカルのゆずりさんが歌ってますが、やはりこの方の明るい歌声によっていつもと違う雰囲気がにじみ出てる感じ。後半になってシューゲイザー的な展開が出てくるとlutaphamphaっぽいなと思えてくるんですけどね。

いんきょうさんの今後の活動についても気になるところなんですが…とりあえず目下の冬コミですよね。コミケ参加で何も新作無しってことは今までなかった気もするんで、何らかの新曲があったらいいなと思うんですが。果たして。
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Satanic a la mode「7th system」

http://inkyooo.com/

沙汰肉亜裸魍奴…もといSatanic a la modeのC89新作です。

昨年夏、同人メタルの持つ可能性を極限まで追求したかのような内容が詰め込まれた傑作アルバム「annihilation」を発表したばかりのサタアラなんですが、それからたった4ヵ月しか経過していないというのにこれ程にまで充実した内容の新作シングルを投下してきたということに驚きを禁じえませんね。
てっきり、フルアルバムで一区切りが付いたからしばらくは一休み…みたいな感じで行くのかなぁと想像してたのに、それどころかむしろ更に勢いが増してる感すらありますからねえ。とんでもないですよほんと。サタアラは今まさに絶好調、最盛期を迎えているという感覚あります。

今回の新作はシングルなんですが、1曲1曲の密度が濃すぎるからかなりの満腹感のある内容になってると思います。今までのサタアラのシングルってボーカル曲が1曲だけでそれを挟み込むようにインスト2曲が配置されてるってのがパターンになってたから、全部ボーカル曲で3曲入りっていうだけでもボリューム感が増し増しで満腹になるんですけど、しかもそれでいて各収録曲が単体でシングルになってもおかしくない位の出来栄えですからね。これ本当に4ヵ月で制作したのか!?って脱帽するくらいの内容ですよ。
3曲とも強力な曲が揃ってるんでサタアラ入門用にも最適…だと思うんですがパッケージにジャケ絵が無いから初めて買う人には敷居が高かったかもしれないですね。ジャケは無くとも中身は一切の妥協のない完璧な出来栄えなんですけどね。完売したみたいだから再販があるかどうか分からないですがBandcamp配信の時はきっとジャケ画像付くと思うから問題ないかな。

まず1曲目のタイトル曲「7th system」ですが、クロスフェード試聴で聞けた部分はイントロとサビ付近のミドルテンポ部分だけだったから、もしかしてサタアラ本格的にDjent方面に移行するのか…?みたいな意外性が強かったんですが、しかしフルバージョンで聞いてみるとAメロではバッチリ疾走パートありますし、サタアラ従来の方向性を保ちつつDjentな要素も増量しているという印象の1曲でしょうか。
イントロのアカペラ部分ではSayuさんの美しいアカペラボーカルとアンビエント的な雰囲気が堪能できるんですが、これはサタアラというよりlutaphampha寄りな方向性ですね。ここのメロディもほんと最高。
BメロではSFテイストを感じさせるボカロ的なエフェクトかかったボーカルパートが登場しますがこれは新しい試みと言えるでしょうね、ボカロDjentとでも呼べばいいのか、これが音楽的にも雰囲気的にも素晴らしいアクセントになってると思います。
サビはサタアラにしては珍しく音程が下降するタイプの落ち着いたメロディのサビなんですが、高揚感はないけど実に味わい深いサビメロになってますねえ。2番のサビ後に展開されるDjent的なテクニカルパートでは、前作収録のDjent曲より更に洗練されたテクニカルな演奏を聞くことが出来ます。
集大成的な内容だった前作「annihilation」のエッセンスを凝縮して、それに更に新しい試みも加味してまとめ上げた内容であると言えるかもしれません。あれだけ圧倒的なフルアルバムを作り上げた後だというのに、メロディやフレーズのアイディアが尽きることはないのかと驚くばかりです。

2曲目「iolite」はプログレ要素は控え目で割とストレートなメロスピ曲なのでまさにクサメタラー向けの曲ですね。2ndの「骨」以降はプログレ方面に傾倒しているイメージあるサタアラなんですが、だからと言って1stの時にあったメロスピ的な魅力が減退したとかいうことは全くなくて、プログレとメロスピが完全に両立されているんだということはこの曲を聞いても再確認できるでしょう。
美しいピアノと物語性を感じるSEに続いて疾走開始しますが、序盤のリフも単なる2ビートの疾走じゃなくて3拍子系のリズムだったりするから意外性もありますよね。そしてSayuさんといんきょうさんが合唱する勇壮な雰囲気のコーラス、これは久々な感じありますね、「Perfect incubation」以来? まさにクサメタル感があふれる熱いコーラスです。
サビメロもちろん超キャッチーで熱い展開。フルアルバムあれだけ強力なサビメロが揃ってたのにまだこれだけインパクトあるサビメロのアイディアが出て来るのってはほんと凄いの一言。
そしてギターソロも圧巻。いんきょうさん今回も弾きまくりですよねえ。フルアルバムでも3曲目あたりでの弾きまくりっぷりには驚かされたものですが今回は更に凄いことになってる気が。ドラマチックでクサいフレーズが次々と出て来るのもやばい。テンポダウンしたパートでのリフとキーボードソロの絡みも最高っすなぁ。ソロパートの締めにジャズっぽい展開が入ってくるカオス感もサタアラならでは。
これだけ濃密なメロスピ曲を作れる同人メタルサークルってやっぱりサタアラしか居ないでしょう。

3曲目「Blank」は、まるでジョン・ケージのごとく「無音」を演奏したトラックで、サタアラの実験的な側面を感じ取れる1曲ですね。
…んな訳ないですな、単なるボーナストラックを隔離する目的の無音トラックですね。

4曲目は「沙汰肉亜裸魍奴」という当て字の名義によるボーナストラックで、まあお察しの通りにネタ曲なんですが当然サタアラのことだから単なるネタ曲には終わらない。ネタっぽいのはあくまで雰囲気だけで、曲自体は完全にガチに作られてますからかなり聞き応えありますよ。
ミドルテンポでザクザクと刻むオーソドックスなHR/HM的なリフをベースに、人間椅子を思わせるような和風ホラー風味の男性ボーカル(おそらくいんきょうさんボーカル)が乗り、独特な世界観を生み出してますね。何気に今作収録曲で一番の長尺なだけあってプログレ的な展開もしっかりあって、中間部ではアップテンポになるんですが、ここのリフなんか聞き覚えあるなぁと思ったらMaster of Puppetsのリフか。というかイントロのドラムソロもPainkillerまんまだし…さすがにボーナストラックだけあってサタアラ名義ではやれないパロディ要素も詰め込んできてますねえ。終盤のサビに入る「にゃーん」「隙ありっ」とか某前川さんのアレですね。というかこれSayuさんの声なのか? ちょっと声質違うような? あとラストの「ねこっ」が変拍子展開で前倒しになって迫って来る感じとか中毒性あるなぁ。
ギターソロはこの曲でも超弾きまくりですよね、ボーナストラックとは思えないほどの気合の入れよう。この短期間で更に腕前が上がったのでは…?

今回の新作はマスタリングだけ灰色Logicの六歌さんが担当してるみたいなんですが、六歌さんと言えば一昨年のとらのあなコンピで良い仕事なさってたのが印象的なんですけど、今回のサタアラ新譜については…いつもの音とそれほど差があるようには感じないかな。若干低音が強くなってるかもしれないけど。あんまり音いじりすぎて雰囲気変わってしまうというのを避けたのかもしれないですが。

そういや特設サイトに数字が羅列された暗号みたいの書いてあるけど…解読とかさっぱりなんでサンホラ考察とか好きな方解読してください(投げやり)。

そんな訳で、やはりサタアラは現在の同人メタルシーンにおいて不可欠であり至高の存在であると改めて思い知らされた素晴らしい新作でした。
次回作はきっと非メタル路線の別名義プロジェクトlutaphamphaのターンになるんじゃないかと思うんですが、この勢いを維持してlutaphamphaのアルバムとか作ったらきっと物凄い内容になるだろうと想像しますし引き続き期待したいですね。

Satanic a la mode「annihilation」

http://inkyooo.com/

やはり本作は「究極の同人メタルアルバム」と呼んで過言ではないと思うんですよ。同人メタルの持つ2つのベクトルの可能性、オタク文化的な側面(アニソン的なキャッチーさ)とインディーズ的な実験的な側面(プログレ的な要素)、その両方を極限まで突き詰めて作られた驚異的な作品、それがこのSatanic a la modeが満を持してリリースしたフルアルバム「annihilation」です。

「究極」とかいう極端な語彙を持ち出してはみたものの、もちろん、この作品があらゆる同人音楽リスナーから絶賛されるとは思ってないですし、クオリティ面でも演奏テクニックやサウンドプロダクションでは東方メタルの上位サークルに全く及んでないのも確かでしょう。でもクオリティ的な意味で「究極」って言ってる訳じゃないんですよ、だってクオリティ重視するんなら同人メタルなんてわざわざ聞く必要ないですからね。むしろ、アマチュアならではの自由な発想でやりたいことを無節操なまでに全部ぶち込んだ作品であるからこそ同人音楽として最高の価値があると思うんです。これは同人音楽という特殊なジャンルでしかあり得ない異形にして最強な音楽作品であるし、同人メタルにおける1つの到達点と言ってしまっていいんじゃないかと。それくらい決定的なエポックメイキングな作品であると思います。

事前にYouTubeの試聴しか聞いてなかったリスナーさんはフルで聞いたらきっと面食らったんじゃないかと想像しますね。YouTube試聴にはキャッチーな歌メロ部分しか入ってなかったけど、フルだとほぼ全曲にプログレッシブでカオティックな展開が含まれてますからね。試聴とは全く印象が変わる楽曲も存在するくらいです。
基本的に「骨」の延長線上と言えるカオティックなメロスピ路線なんですが、「骨」の時よりサウンド面は格段に進化していますし、フレーズのアイディアも豊富になっていてジャンル的な幅も広がり、全体的なスケール感もはるかに増していますね。
メロスピという同人メタルにおいてポピュラーで分かりやすい形式をベースにしながらも、そこに同人メタルが持つあらゆるベクトルの可能性を詰め込むだけ詰め込んだ、ある意味で最高に欲張りな音楽性と言えるかと。まあ、こういう欲張りな音楽性を「ごちゃごちゃ詰め込めば良いってもんじゃない」とか批判するのは容易いと思いますよ、でも商業音楽じゃないんだから、やりたい放題するのは正しいと思うんですよ。現状では需要に縛られた同人音楽が多いですからね。
というか、このカオス感とキャッチーさの見事なまでの両立はやはりサタアラじゃなければ不可能だったでしょうね。他にこんな芸当が出来そうなサークルって今の同人音楽シーンじゃ見当たらないですよ。

それにしても1曲1曲の情報量が凄すぎて圧倒されますよね…。バラエティ豊かな作品というよりは1曲ごとにいくつものジャンルをぶち込んである感じ。普通だったらここまでごちゃごちゃぶち込んだら支離滅裂な印象になってしまいそうですが、そこはサタアラのもう一つの武器である超キャッチーなアニソン的メロディによって整合性が保たれてる感じですよね。もしメロディがしょぼかったら単にカオスなだけのマニア向け音楽だったでしょうけど、メロディ素晴らしすぎるのでプログレとか興味ないリスナーでも歌メロだけで十分すぎるほどに楽しめる作品になってると思います。

さて各楽曲についてですが、繋ぎのインストを除いても10曲も収録されてるのに捨て曲は一切なく、恐るべき楽曲充実度になっていますね。
1曲目「The tribe 〜 俯くべき血族」、これは春M3で先行配布されたデモ曲の完成バージョンですね。春にこの曲を聞いて、イントロ的な雰囲気の小曲なのにも関わらずメロディも展開もドラマチックすぎて、こりゃ本編はどんだけクオリティ高い楽曲が揃ってるんだ?と期待を膨らませたものですが…。しかし絶賛の後にこんなこと言うのはアレなんですが、ぶっちゃけこの完成バージョン、デモバージョンより微妙になってますよね…。デモバージョンには無かったパートが追加されてるんだけど、ちょっと冗長になってる感じあるというか、何よりもミックスのバランス変わっててギターが奥に引っ込んでしまってるのが惜しい…。いやもちろん曲自体は非常に素晴らしいので細かい部分が勿体ないなぁとか思ってしまうのですが。疾走曲の前座っぽい曲なのにここまでキラーチューン的なメロディ展開あるのは驚異的ですよ。

2曲目「I.D.E. (Interstellar Dimensional Echoes)」はRPG系のシンフォニックなサウンドで彩られたメロスピチューンで、サタアラらしいキャッチーな歌メロと疾走感が楽しめる楽曲になってますね。メロスピな展開も良いんですけど、個人的に一番の聞き所は後半の「アニマー」のパートですね、ここのボヘミアンラプソディを想起させるカオス具合が最高ですわ。そしてそのカオスから再びRPGなシンフォニックなサウンドに戻る部分の開放感がまた鳥肌もの。ラストのシンフォニックなフレーズはちょっとSilent Jealousy感ある?

と思ったら3曲目「Diaspora」のリフからも溢れ出るSilent Jealousy感。今までサタアラからXの影響を感じ取ったことってあんまり無かったけど…まあSilent Jealousyは多くのメタラーのリスペクトを集めているある意味で邦楽メタル最強の曲ですからね、意識的か無意識的か関係なく、色んな方々が影響を受けてて全く不思議ないというか。
この曲は試聴だとカオスな間奏の印象強かったんだけどフルだと意外にカオティックなパートは少なめで、ストレートな疾走展開がメインになってますね。
というか、この曲はギターソロ凄いですよね…。以前はいんきょうさんあんまりソロは弾けないのかな?という印象だったんだけどこの曲はめちゃくちゃピロピロしまくりじゃないですか…相当に練習しまくったんだろうなと想像してしまいますよね。実を言うと今回のフルアルバムにいんきょうさん人脈の凄腕ギタリストが参加してたらいいなぁとか事前にこっそり期待してたんですが、でもこれだけ弾きまくりならゲストギタリストとか要らないですよねえ、むしろ中途半端に1曲だけ凄腕ギタリストが参加してたらクオリティにバラつきが出てしまいそうだし。
それでもですよ、もしもSpecial Thanksに名を連ねてるあにょさんとかゲスト参加してたら、ただでさえ超絶なアルバムなのが超絶の更に上の、手の付けられないレベルのモンスター作品になってたんじゃないかとか想像しちゃいますよねえ…。

繋ぎのインストを挟んでの5曲目「Ghost sheds」、この曲はもうめっちゃDjent意識してますね。今回のアルバムでDjent要素が増えたという印象は主にこの曲によるものでしょう。今までのサタアラにはなかった新機軸な曲調だとは思うんですが、Djent的なメカニカルなリフの音作りの完成度はかなり高いしメロディはいつも通りキャッチーだし安定感は抜群ですね。Djent要素とアニソンなメロディが見事に融合した素晴らしい曲です。あとギターソロのフュージョンっぽい音色も最高ですなぁ。
浮遊感あるシンセの使い方がちょっとLost my Proustっぽいからこの曲もHidaka Mikuさん曲の候補ではあったんですが、やっぱりフルで聞くとLost my Proustっぽさとはちょっと違うか。中間部のパートではtac-t!sさんの出番もありますね。ラストのサビの後のエフェクトかかったコーラス部分がめっちゃ気に入ってます。ここemiさん歌ってるのかと思ったけどクレジット見たら違うようで。

6曲目「moon cradle」、何気にサタアラ初のバラード系の楽曲? サタアラってボーカル曲は疾走曲ばっかりでしたからね。lutaphamphaのほうはスローな曲が多いけど。
この曲はメタル要素やカオス要素はないですが、もうメロディが素晴らしすぎて言うことはないですね。メロディをじっくり味わう曲。

7曲目「prey prayed」はメロスピでもDjentでもないんですがやはりプログレッシブなアレンジが光る曲ですね。Aメロでのドラムの刻みが素晴らしい。サビのキャッチーさは良メロディ揃いの本作でも随一の出来か。間奏ではジャズ系プログレなフレーズ出てきて意外性もばっちり。中間部のリフとかけっこう中期ドリームシアターっぽさあるかな。ブラストビートのパートのボーカルはいんきょうさんか。いんきょうさん1曲しか歌ってないのが意外。lutaphamphaでは2曲もメインボーカルやってたのに。再びtac-t!sさんの出番ありますがやはり少なめ。まあサタアラはデスボイス少なめな方針だろうし仕方ないですね。

アコーディオンの小曲に癒やされた後はいよいよHidaka Mikuさん作の9曲目「SîlA」ですよ。というかこの曲は出だしのリフかっこ良すぎでしょ…。Lost my Proustの次回作のために温存しておいて欲しかったくらいには最高のリフですな。Aメロとかポップス系なノリのはずなのにバスドラがDjent的な不気味な動きしてるのがやばい。そしてサビメロもめっちゃキャッチー。試聴を聞いた段階でいんきょうさんの曲かどうか迷ったくらいにはキャッチーですよ。でも改めて聞けばやはりいんきょうさんの作るメロディとは異質な雰囲気ですけどね。親しみやすさの中にも独特の冷たさみたいの感じられるのがLost my Proust的というか。Lost my Proustって英語詞だから歌メロあんまりキャッチーに感じないかもしれないけど実はめちゃくちゃキャッチーなメロディ揃いですからね。
いんきょうさん作のハイレベルな楽曲に囲まれてるのに全く埋もれてなくて、むしろ絶妙に個性を演出してるのはさすがとしか言いようがない。

お次はなんと10分越えの大作、今回のハイライト曲「Devil's suit」です。この曲はほんとに凄い。長尺に見合った展開がギッシリ詰まった高密度な楽曲です。スリリングな展開が次々と押し寄せて10分間全く飽きさせません。
満を持してのフルアルバムの長尺曲ということで今までのサタアラの集大成的な曲になってるかと思いきや、実はそうでもなくて、むしろ新機軸な方向性かもしれないですね。序盤の疾走パートはともかく、中盤のemiさんの歌うパートはガチガチにヘヴィなリフで固められててサタアラとしてはけっこう珍しい曲調だと思います。むしろこれ、リリハルの曲調に近い気もする? 6thあたりのドリームシアターっぽい雰囲気あるし。emiさんが歌うことを想定してこういう曲調にした…ってことはなさそうだけど、いずれにせよemiさんの歌声が絶妙にハマっていて最高ですよ。もうこの中盤に関しては完全にリリハル聞いてる気分になりますからね。
なんだろう、個人的にはこういう曲調をリリハルにやって欲しかったんだけど、それをサタアラがやってて、しかもゲストボーカルでemiさんがそれを歌ってるとか面白いことになってますよねえ。サタアラとリリハルの最強コラボレーションを堪能できる最高な曲ですよ。

次は再び繋ぎの小曲なんですが…これ何かのRPGのテーマ曲ですか?ってくらいにインパクトありまくりなメロディですよね。スクエニ系のRPGでめっちゃありそう。

間髪入れずに始まる12曲目「apoptosis」、これも10曲目と並んで今作のハイライトとなる超強力チューンですね。後半にキラーチューンを固めて配置するとか心憎いですよねえ。まあこのアルバム基本的にキラーチューンか準キラーチューン級の曲しか入ってないんですけどね。楽曲クオリティ高すぎる…。
出だしのリフで既に最高すぎますね。そしてまたしてもSilent Jealousyなギターフレーズ。もちろん歌メロも安定感ばっちり。この曲はこのアルバム唯一と言ってもいいカオティック展開のほぼ無いストレートな疾走曲なんですが、それでも楽曲展開はなかなかに複雑で一筋縄にはいかない曲であることには変わりないですね。聞き所は多いんですが3分半あたりのリフとユニゾンで歌うパートが特に気に入ってますね。今までサタアラ最強の曲は「Perfect incubation」だと思ってたけど、この曲はそれを越えた…とまではいかないけどほぼ並んだと思いますね。

ラスト13曲目は再びバラード系の楽曲「annihilation」で美しく締めます。この曲も素晴らしいメロディですね。短いからあんまり展開に捻りはないけどラストに相応しい曲かと。


…そんな感じで無駄に長い文章になってしまいましたが、同人メタル最強の作品だから仕方ないね。Lost my Proustの2ndとどちらが上なのか?ということについては今も盛んに議論が続けられていますが(うちの脳内で)、まあLost my Proustの2ndとは曲数が全然違うから単純に比較は出来ないですね。Lost my Proustがもし10曲以上収録で10分越えの曲を含むフルアルバムを出したとしたら、その時にガチで比較したいなと思います(?)。

それにしても、これほどのハイレベルな作品が次々と出てくる今のオリジナル同人メタル界隈はおそらく全盛期だといって過言ではないんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか。これからも更に有望なサークルが増えることを願うばかりですが、でもこのサタアラのフルアルバムを越えるような作品は早々には出て来ないでしょうねえ…。サタアラ自身でも越えられない壁になるでしょうし。持ちうるアイディアを全部注ぎ込んだって感じのフルアルバムですもんね。

まあこの作品についてはおすすめもクソもないですね、同人メタラーでこれを聞かないという選択肢があり得ない。

lutaphampha「OYOGENA E.P.」


皆さん聞きました? 付属のCDに収録されてたサタアラことSatanic a la modeのフルアルバム先行曲ですよ。3分弱しかない曲なんだけどこれが素晴らしい。フルアルバムへの期待が否応なく高まる曲ですねえ。
スローテンポだし、いかにも疾走曲の前座といった感の曲なんですが、それでもプログレッシブで妖艶なコーラスにドラマチックでキャッチーな歌メロとサタアラ節が満載だし、バッキングのヘヴィなギターを一聴すれば分かるようにプロダクションも明らかに向上してるし、序曲ですらこの出来なら本編の疾走曲は更なるキラーチューンになってるんでしょうなぁ。凄いアルバムになってそう。こりゃあ今年の同人音楽ベストの上位に食い込むことは間違いないんじゃないでしょうかね。まだ完成してすらいないのにこんなこと書くのは尚早すぎますが…。というか本当に夏に出るのかどうかもまだ分からないし。
でも同封の紙に曲目リスト的なものが書いてあるし(具体的な曲名は伏せられてますが)、まあ夏に間に合わない可能性はあったとしても今年中には完成するんじゃないかなと予想しますが。
それにしても12曲入りかぁ、凄いボリュームだなぁ。一昨年の冬コミで頒布されたデモバージョンのプログレ組曲の完成版が収録されるんだとしたら、純粋な新曲はもうちょっと少ないかもしれないですが、それでも確実に「骨」を上回るボリュームはありますよね。
満を持してのフルアルバムということで、ゲストも豪華だと良いんだけどな。いんきょうさんのギターも良いんだけどやっぱりあの界隈の凄腕ギタリストの誰かが参加してたら更に凄いことになるんじゃないかと思うんですが。
空白期間を経てのサタアラ復活作、且つ集大成的な大作になると想像しますし、とにかく楽しみ過ぎる作品ですよ。きっと同人メタルの歴史に残る作品になることでしょう。

…というか、これlutaphamphaの新譜の記事でしたよね…。本編そっちのけでサタアラ先行曲の話題を優先してしまいましたが、まあ自分メタラーなので仕方ない。
でも本題のlutaphampha新譜もかなり良い感じなんですよね、というかlutaphampha名義では今までで一番の出来なんじゃないかなぁ。
今回メロディがいつも以上にキャッチーで凄く聞きやすいんですよ。その代わりlutaphampha特有の実験性みたいのはちょっと減退してる感はありますが。
あと、いんきょうさん自らボーカルを担当してる曲が2曲も収録されてるのも特筆すべき点でしょうか。いんきょうさんのボーカルは必ずしも上手いって訳じゃないけどやっぱり味がありますよねえ。あとファルセットは普通に上手いと思う。

1曲目は早速いんきょうさんのボーカル曲。公式サイトで今回の新譜が「凄く寒そう」と紹介されてましたが、この曲もピアノ基調で冷たい空気感が充満してる楽曲ですね。特に後半のファルセット部分。だけど歌メロはめっちゃ叙情的且つキャッチーだし以前の実験的な曲に比べれば聞きやすいと思いますね。いんきょうさんの自然体な歌い方も好感持てます。

2曲目はゲストボーカル556tさんの歌う曲。実は回路ってまだ聞いてないんですよ…東方アレンジはともかくオリジナル作品は聞きたいと前々から思ってたんですが、なかなか買う機会がなくって。なので556tさんと言えばSPARESPINEで歌ってる人というイメージが強かったりします。ご本人はメロスピとか好きじゃなさそうですけどね…。まあそれは置いといて、やはり素晴らしい歌唱力をお持ちのボーカリストさんですよね。Menoさんの歌唱に比べるとやっぱりロック的な力強さがあって聞いてて心地良いですね。というかこの曲、メタル系のドラムを入れたらまんまサタアラだよね。

3曲目、これもいんきょうさんボーカルなんですが名曲ですよねえ。今回のハイライト曲でしょう。これも1曲目と同様にピアノ基調で冷たい空気感ですがやはりメロディはキャッチー極まりない。いんきょうさんはずっとファルセットで歌ってる感じですがRadioheadとかそっち系の切ない感じの歌メロですなぁ。そしてこの曲ではサタアラでお馴染みのボーカルSayuさんがバックコーラス担当してるんですが、バックコーラスというよりほとんど主旋律だなって思えるくらいには前面に出ております、実質的にツインボーカル曲ですな。中盤でのお二人のボーカルの絡みが絶品ですよ。あとピロピロしたシンセの音色がすごく好き。後半はシューゲイザー的なノイジーなバッキングギターを背にして盛り上がりますね。非メタル曲ですが実に味わい深い曲になってると思います。今のところlutaphampha名義では一番好きな曲かもしれない。

そんな感じで、改めていんきょうさんの作る音楽の奥深さを再確認できる内容だと言えるでしょうか。Satanic a la modeフルアルバムにも大いに期待したいです。

Satanic a la mode「CYCLIC」


イベント前にCYCLICってCYNICに似てるなぁとか意味不明なこと書いてましたけど、循環とか周期的とかそんな意味の単語みたいですね。というか、今回の収録曲が過去曲のリメイクであること考えると、RECYCLEのCYCLEなのかなとも思えてきますが…さすがにリサイクルじゃイメージ悪すぎかw

そんな訳でサタアラの今回の新譜はリメイク曲が1曲だけという、まあ正直言って寂しい内容なんですが…。でもイベント前にも書いた通り、夏コミの過酷な環境を考えて敢えて買い逃しても問題ない過去曲のリアレンジにしたとも解釈できるし(そこまで配慮したのか分かんないけどw)、それにイベント毎にコンスタントに作品発表することが義務のように求められる同人音楽イベントの風潮こそが不自然とも言えますからね、本来なら音楽作品は作り手が満足いくまで作りこんで発表すべきものだと思うし、イベントのタイミングに無理に合わせないといけないプレッシャーがあるとしたら理不尽と言えなくもないですしね。
だから今回の内容に対する不満はないんですが、ただ次回のM3不参加って流れはちょっと不安ありますよね…。時間が無いってだけならいいんだけどモチベーションの方は大丈夫なのか?とか…。まあ、そこまで心配するのはさすがに余計なお世話って感じでしょうかw まあうちらリスナーとしてはただ待つだけですよね。

収録されているのは1stの4曲目「プリズムラブ」のリメイクバージョンなんですが、最初聞いた時は「お、かなり大幅にアレンジされてる?」と感じたんですが、ちゃんとオリジナルバージョンと聴き比べてみたら新たに追加されたイントロ以外はそれほど大きな変更点は無さそう…?
実は1stの「アイアンガールズ…」は2ndの「骨」に比べるとそれほどヘビロテしてた訳でもないんですよね。やはり個人的にはサタアラはカオティックな要素を導入した「骨」からが本番だと思ってるんで。しかし、改めて1st聞き直すとほんとクオリティの高さに驚くばかりですよ。特にソロ部分の作り込みとか半端ないし、楽曲も粒揃いだし、これ本当に1stなのかよ…と今更ながら驚愕しますね。そりゃ新規サークルがいきなりこんだけの物を出したら話題沸騰するに決まってますよねえ。未だにサタアラは1stが一番好きって人けっこう多そうな気がするし、入門用にも1stが最適なんでしょうな。「骨」以降は個性確立されてるけどちょっと癖が強いですからね。

さて、今回のリメイクバージョンとオリジナルバージョンとの違いですが、まず一聴してすぐ分かるのはイントロですよね。疾走の前にスローテンポで壮大な雰囲気の序章的なギターパートが追加されてます。もちろん音質も格段に向上していますね。1stはこもったような音でしたがその弱点が改善されてます。ボーカルも元バージョンよりパワフルな歌唱になってる感ありますかね。ギターソロは…かなり長く複雑な構成なのでよく聞かないと違いが分かりづらいんですが、オリジナルバージョンよりちょっとだけ削られてるか? さすがに長過ぎると判断したんですかねw ソロの後半にSilent Jealousyっぽいフレーズが追加されてるのはすぐ分かりますね。

ギター担当にNo.3さんがクレジットされてますけど、Original Takeって書かれてるからやっぱり今回のリレコーディングには不参加なんだろうな。いんきょうさんのギターに不満ある訳じゃないんだけど、やっぱり初期作品みたいに流麗なソロが入ってるほうが盛り上がると思うんですよね。いんきょうさん人脈広いんだろうしお友達サークルのギタリストさんにゲスト参加してもらえないんですかねw

果たして以前予告されていたフルアルバムがいつ発表されるのかは知る由もないんですが…まだ立ち消えになってないですよね? 1年後とかでも全然構わないのでクオリティ重視でゆっくりと作って頂きたいものです。というか、個人的には曲数とか気にしないので、1曲でもいいからキラーチューンさえ聞ければ満足って感じなんですけどね。昨年の夏コミのシングルとか最強でしたし。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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