Ariabl'eyeS「黎明シンフォニア」

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相も変わらず同人音楽界最高の歌姫(主観)Renaさんの歌声が麗しすぎるAriabl'eyeSの秋の新作なんですが、なんとこれが1stフルアルバムなんですよね。

ただ、フルアルバムとは言っても完全新作ではなく、すでに廃盤になっている初期作品のリメイク曲が大半を占める内容になってるんで、「満を持して」のフルアルバムっていうよりかは初期ベスト盤って言ったほうがしっくり来ますかね。まあ、すでにリメイクされている「蒼い瞳のアリア」を除く全ての初期曲を収録してるんでベストって言い方もおかしいかもしれないですが。
というか、どうせなら蒼い瞳のアリアのRenaさんバージョンも入れて欲しかったっす…。割と本気で聞きたかった。

リメイク作品ということで、オリジナルバージョンからはるかにクオリティアップしたサウンドに生まれ変わっている…と言いたいところですが、実際のところ元バージョンのアレンジを完全踏襲した曲がほとんどで、サウンドクオリティも上がってるようなそうでもないような微妙なラインなんで、ぶっちゃけ違いが分かりづらいというか、初期曲を現ボーカルのお2人の歌声に差し替えただけという印象が正直のところ強いかもしれません。まあ個人的にはRenaさんの歌声で初期曲を聞けるってだけで大満足なんでそれでも構わないんですけどね。
でも、せっかくリメイクやるんだったら一聴して誰でも分かるレベルの大幅なクオリティアップ果たしてからやったほうが良かったような気もするんだよなぁ…それこそメジャーデビューしてからやっても遅くなかったのでは。リメイクという「最終手段」は基本的に一度しか使えない手だと思うし。まあメジャーデビュー後はエリジウム以降のリメイクやればいいのか…。
なんかメジャーデビュー前提みたいな話してますけどこのサークルがメジャーデビューするなんて話は現時点では一欠片もないんで誤解なきよう。単なる自分の妄想ですので…。

リメイク曲中心のアルバムなんですが新曲も2曲入ってまして、その2曲もなかなかの出来栄えだと思いますね。以前のArsMagnA合同アルバムのときも新曲2曲でしたが、あの時とは比較にならないくらい今回の新曲は良いと思います。

まずはRenaさんボーカルの3曲目「黒猫の輪舞曲」、これけっこう新機軸な曲調ですよね。特にAメロは童謡みたいな雰囲気でティンパニの音が入ったり、Renaさんの歌声もいつも以上に幼さを強調した感じの声になってますし大いに意外性あります。こんな声も出せたんですね…。今まで聞いたことない声だったから別の人が歌ってんのかと思ってしまったくらいです。
劇中のキャラクターによって歌い分けしてるんだと思いますがRenaさんの七色の歌声を聞ける珍しい曲と言えますかね。これだけ歌声の幅があるにも関わらず今までのAriabl'eyeSの楽曲ではそれを活かす曲が少なかったというのはちょっと勿体ない感じありますよねえ。今後こういう曲調が増えていくのかもしれないですが。
ところで後半のサビ、3分56秒あたりで入るピー音はなんなんでしょうか…。過激な表現があって自粛してる? このSEのせいでちょっとギャグ風味になってる感ありますよね…。

4曲目「Umbral Era」はLunaさんボーカルで、「群青のメサイア」あたりからの流れを汲む疾走感あふれるドラマチックなシンフォニックメタル曲になってますね。この路線の曲にハズレは無い感じありますがこの曲も例に漏れず素晴らしいです。定番になってる曲調なんだけど決してワンパターンには陥ってないのがこのサークルの強みかなと。

そしてリメイク曲についてですが、3rdシングル「片翼のロマンシア」の曲はもうね、「輝き」が明らかに違うんですよね。やはりAriabl'eyeSの最高傑作ですな。
3rdは同人音楽を初めて聞くリスナーさんの入門用にも最適な傑作だと思うんだけど、こうやってリメイクしたってことはもう再発する可能性はないんだろうなぁ…。ちょっと勿体ない。いや、ちょっとどころかかなり勿体ない。このアルバムだと3rdの曲が分散されて収録されてるから続けて聞けない分ちょっとインパクト減少してる感あるし、それに3rdはジャケも含めて最高傑作だと思うんですよね…。フルーツパンチさんの手がけたジャケ絵はどれも素晴らしいんだけどやっぱり一番好きなのは3rdなんだよなぁ。

いちおうリメイクされてると言ってもボーカルはオリジナルバージョンと同じRenaさんだから正直あんま代わり映えしない感じ。「EDEN」も楽器の種類が増えてちょろっと豪華になってる程度かな。まあ原曲の時点ですでに完成されてるから手を加える部分が無いってことなんでしょうけども。
「罪深き冒涜の饗宴」はLunaさんのバックコーラス入ったりして少しばかり新鮮味あるアレンジになってるかな。ヘナヘナなギターリフも割としっかりした音になってる?
「Asphodelos」はけっこうアレンジに変化ありますね。メタル寄りアレンジになってる。リズムギターがガシガシ刻んでるしドラムもバスドラが強調されてる感じ。アレンジが変わったというよりかはミックスでギター強調されてるだけなのかもしれないけど。

2ndの曲は…はっきり言って「月夜の仮面舞踏会」以外の2曲は印象薄い。「こんな曲あったっけ?」ってなるレベル。まあ2ndはちょっとボーカルさんが地味なんですよね…。なので今回のリメイクで現ボーカルのお2人が歌ったことにより楽曲の魅力が大幅に増してると言えるでしょうか。
特に「双丘の螺旋」、ツインボーカル曲なんですけどもう最高ですね。これ聞けただけでも今回のリメイクアルバム買って良かったと思える。2ndで歌ってたボーカルさんには申し訳ないけど、このリメイク版はオリジナルバージョンの10倍くらい素晴らしい。「この曲って実はこんな良い曲だったのか」って驚きますよねこれは。Renaさんの歌声まじ尊すぎる…。

1stについては、オリジナルで歌ってたボーカルさんもRenaさんやLunaさんに劣るってことはないと思うしむしろお2人にはない魅力のあるボーカルさんだとは思うんだけど、それでもやはり歌声の存在感という意味では格段の差があると言わざるを得ないでしょうか。
Lunaさんが歌うことでドラマチックさを増した「Crescent eve」も良いんだけど、やはりRenaさんの歌う「Miserable」が最高すぎる。まじ尊い…。ほんと名曲。まあ1stって元々良い曲が揃ってる作品なんですけどね。しかしRenaさんが歌うことでもれなく輝きが5倍くらい増してますよね。というかお前、Renaさんが歌ってたら何でも最高って言うんじゃねえの?って思われそうですが…。うん…まあそうっすね…。

そんな訳で、改めてAriabl'eyeSって初期から良曲が揃いに揃ったサークルだったんだなと再確認できるリメイクアルバムになってるかと思います。初めてAriabl'eyeSを聞くリスナーさんも大満足できること請け合いな作品でしょう。
曲が良い上にボーカルも同人音楽最高峰の実力持ってる訳で、ぶっちゃけあと足りないのはサウンドプロダクションだけですよね。いつも言ってることなんですけど。そこさえどうにかなればもっと飛躍しそうなんだけどなぁ。

ちなみに、姉妹サークルである-LostFairy-のほうの秋の新譜もちゃんと買っておりまして、更に言うと元姉妹サークルのSeraphも秋の新譜は買ってないけどその前の春の新譜は買ってたんですよ。ずいぶん長く放置してたんですけどね。この2サークルの記事も春M3までに書いておきたいところですが…来月中…に書けるかなぁ。
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Ariabl'eyeS「緋き悪魔のトラジェディア」

緋き悪魔のトラジェディア

同人音楽界で最高の歌姫(主観)Renaさんの歌声が聞けるのはAriabl'eyeSだけ!!
…もちろんAriabl'eyeSはメロディの素晴らしさも大きな魅力なんですけど、でもやっぱり一番の武器はRenaさんの歌声だろうなという。毎回言っててしつこいですけども。

さてこのAriabl'eyeSの新作、昨年秋のArsMagnA合同コンピを経て単独としては1年ぶりの新作となる訳ですが、いきなり結論から言ってしまうと…ちょっと今回は地味な印象かもしれないですね。地味と言っても出来が悪いって訳じゃないんですが…。とりあえず順を追って詳しく書いていきます。

まず秋の合同コンピですね、Ariabl'eyeSは2曲参加してたんですが2曲ともいまいちな出来という印象が拭えなかったんですが、しかし同じく秋にリリースされたとらのあな主催のコンピのほうへの提供曲がそれとは対称的に素晴らしい出来だったので決して失速したというイメージじゃなかったし、ArsMagnAコンピのほうは力を出し惜しみしていて次回作への「溜め」的な位置付けなのかなと個人的に解釈してた感じなんですよね。

で、今回の新作は1年ぶりにAriabl'eyeSの本気が聞けるのかなと期待してたんですが…蓋を開けてみれば、合同コンピに比べれば全然良いんだけど、「瑠璃色のローゼンクロイツ」や「蒼月ラメント」に比べたらやっぱり地味かもしれない…。
いや、でもそんなにネガティブな印象って訳じゃないんですよ。というのは、ローゼンクロイツや蒼月ラメントは確かに凄い作品なんですけど「こんなに気合入れすぎな作品を連発してたら果たして勢いが保つのか…?」って心配になるくらいの力作でしたからね、それに比べると今回の新作「緋き悪魔のトラジェディア」はある意味で「落ち着いた作風」とも言えるかもしれません。力みすぎな感もあった過去作から「安定軌道」に移行したとも捉えられるかな。
もちろん、今回もいつも通りにAriabl'eyeSの美徳とも言える「キャッチーで耳に残るメロディを作る」という執着的なものは健在だと思うんですが、しかし今回は名曲と言えるほどの突出したキラーチューンは生み出せてない感じですかね…。良曲レベルの曲はちゃんと揃ってるし別にクオリティが落ちたとかいうことではないんですけど。
というか、名曲を毎回コンスタントに作り続けるとか、才能あるコンポーザーでも至難の業だと想像しますし…。「頭に浮かんだメロディをいちいち譜面にしてたら人生が足りない」とかいうグラサン天才コンポーザーでもない限りはそんな無茶は厳しいでしょう…。だからむしろ今回の新作くらいのメロディのレベルのほうが安定感あるのかなぁと思わなくもないんですよね。

あと、これも毎回しつこく言ってることですが、サウンドプロダクションについてですね。せっかく同人音楽最高の歌姫(主観)と素晴らしいメロディを併せ持っているサークルなのに、いつまで経ってもサウンド面の進化が見られなくてちょっともどかしい感じは正直あったんですが、ついに今回サウンドにも変化が来ましたよ。スネアの音源が変わってる? 太くて安定感のある音になってますねえ。やはり以前のスネア音はチープな雰囲気がありましたし(あれはあれで良さもあったけど)、これは良い変化でしょう。
ただ、ドラムの音が変わったからと言って全体的な雰囲気に劇的な変化があるかというと…必ずしもそうでもないような。とらのあなコンピの「創造のイデア」で垣間見せたあの透き通った洗練されたサウンドに比べるとまだ垢抜けない雰囲気が残ってるんだよなぁ、やっぱりミックスとかマスタリングの微妙な差異なのか…。
まあ同人音楽なんだしサウンドのクオリティにそこまでこだわる必要はないと思うんですけどね、でも昨年あたりからサウンド洗練されまくりの新規サークルが続々と出て来てますし、正直Ariabl'eyeSというかArsMagnAは置いてきぼりになってる感が否めないんですよね…。そして何よりも、ArsMagnA脱退したSeraphがめちゃくちゃクオリティ高いサウンドになってるのがやばいですよね…。SeraphってArsMagnA時代は割とメイン2サークルの影に隠れた存在だったと思うんだけどこの化けっぷり…。さすがにこれは比較対象として無視できないでしょう。
まあサウンド以外ではいつもの安定感あるんですけどね。とはいえ安定感とマンネリ感は表裏一体だから油断はならないとは思いますが…。

各楽曲についてですが、まず定番の序曲に続いての2曲目「緋色に染まりし少女と悪魔」、これは前作の「久遠の星空」に類似した曲調ですかね。いかにもV系な曲調。でも久遠の星空ほどの名曲にはなってない感じかな…。とはいえ十分に良曲と呼べるレベルですし、なんせボーカルは大天使Renaさんですからその甘美すぎるボーカルのおかげで味わい深い曲になってると思います。ギターソロはもはやお馴染みになりつつあるHollow MellowのNemuさんでしょうか、いつもながらこのドラマチックなギタープレイが楽曲を大いに盛り上げますね。
3曲目「罪と罰」はLunaさんボーカル。この曲もメロディ的には名曲レベルにまで至ってないかもしれないですが、シンフォニックで疾走感あるアレンジはなかなか凝ってますし十分に聞き応えのある曲に仕上がってると思いますね。スネアの連打パートではドラム音の改善を実感することが出来ます。

4曲目「共鳴ソナタ」もやっぱり良曲レベルかな。この曲はRenaさんLunaさんツインボーカルでドラマチックな仕上がりですね。シンフォニックなアレンジにはもはや堂に入ったものを感じます。
5曲目「閃光のフレア」はRenaさん単独ボーカル。この曲はなぁ…もうちょっとで名曲に届きそうなメロディなんだけど惜しい感じかな? まあ十分にドラマチックで素晴らしい曲なんですけどね。Renaさんの歌声が聞けりゃそれで満足ってのもあるんだけどそれを言ったら身も蓋もないか…。
6曲目「白き楽園のリリカ」、これも定番となってるLunaさんボーカルのバラード曲による締めですね。というか前作の「蒼月オラトリオ」の締めがドラマチックすぎたからやっぱりあれと比べると地味かなぁ。

Ariabl'eyeSもM3デビューしてから4年くらい経つんですかね? まあどのサークルも長く活動を重ねていれば音楽の新鮮味やインパクトが落ちていくのは必然だと思いますし、このサークルも例外じゃないとは思うんですが、でもここはやはり同人音楽最高の歌声(主観)と超キャッチーなメロディという強力なアドバンテージがありますからね、コミケ壁サークルにまで登り詰めて欲しいなと思ってますよ。ポテンシャルは十分すぎるほどあると思いますし。
あ、それと最高傑作の3rdシングルの再販はまだでしょうか。個人的には3曲入りシングルのほうが内容の密度が増すから良いと思ってたりするんですが…やはりシングルじゃ単価が低いとか色々問題あって難しいんだろうな…。

ArsMagnA「小さな魔女と秘密の本」

小さな魔女と秘密の本

イベント前にも書きましたけど、この秋のArsMagnA合同アルバムは各サークルの小休止的というか繋ぎ的な位置づけの作品という印象が強いですかね。次回の本気作に向けて溜めている作品みたいな感じ。

というかその印象が強いのは特にAriabl'eyeSですね。-LostFairy-とSeraphは曲数が少ないというだけでむしろ曲自体は通常営業かもしれない。
なんせ、Ariabl'eyeSは前作の「蒼月ラメント」とその前の「瑠璃色のローゼンクロイツ」が気合入りまくりな作品でしたからね。あのレベルの作品を連続して作るのはさすがにきついと思うし、更には先日取り上げたコンピレーション作品「セフィロトの夢想曲」のほうに取っておきのキラーチューンを提供してましたから、さすがに同じレベルの楽曲を作るのは難しかったんじゃないでしょうか。まあ繋ぎ作品とは言っても手抜きとかそういう事はなく、普通にクオリティは高いんですけどね、単独作品に比べるとインパクト薄いのは否めないというだけで。Ariabl'eyeSは楽曲の平均点が高いですからねえ…。

この作品、ドラマパートと楽曲パートが交互に収録されている物語音楽系にはよくある構成なんですが、自分はドラマCDとか聞かない人なんでドラマパートのトラックは飛ばして聞いてます…ちょっと邪道かもしれないですがまあ仕方ない。楽曲だけ聞きたい派にとってはかなり聞きづらい構成であることは確かですが。

ドラマパートを除いた1発目はトラック3の-LostFairy-の楽曲で、これはもう-LostFairy-定番のパターンって感じですかね。GILDIAの悠季(夢姫)さんボーカルですがもうhatoさん歌ってた頃まんまの雰囲気が満ちてる曲ですね。
次のトラック5、Seraphの曲ですが、民謡系の和やかな雰囲気ですね。Seraphはフルアルバムも出してたし勢いづいてる感ありますね。

ドラマパートを飛ばしてトラック7、Ariabl'eyeSの曲でボーカルは最強歌姫(主観)のRenaさんなんですが…この曲はどうもパッとしないですね…。Renaさんの歌唱は素晴らしいんだけどメロディもアレンジもいつものアリアブル節だから良く言えば安定感、悪く言えば新鮮味が薄いって感じか…。コンピ提供曲が強力なキラーチューンだったこともあってこちらが余計に地味に感じられるのかもしれない。何より、コンピ曲の方はサウンド面でかなり洗練されていてクオリティアップ果たしていたのに対し、こっちは従来の音のまんまというのもマイナスの印象になってるのかな。同じアーティストが同時期にリリースした楽曲とは思えないくらい差を感じますよ…特にドラムサウンド…毎回言っててしつこいようですが。次の新作はコンピ曲のサウンドクオリティで統一されてると嬉しいんだけどなぁ…。
トラック9もAriabl'eyeS、こちらはLunaさんが歌っているバラード曲ですが、Ariabl'eyeSってバラード系でもメロディがドラマチックに盛り上がるパターンが多いからこういうまったりした曲は珍しいですね。地味だけどこういうのもたまにはいいかな。

トラック11のSeraphの楽曲はなかなか勇壮な雰囲気のシンフォニックロック。
そしてラストの-LostFairy-の曲、これは脱退してしまったeupeさんボーカル担当の曲なんですが、これがなかなか良曲なんですよね、このコンピで一番気に入っている曲です。-LostFairy-こういう明るめの曲やるのって4thのラスト曲以来なんじゃないかな。こういう曲調好きなんで、もっとこういう系の曲やって欲しいなと思わなくもないんですがアルバムの雰囲気にそぐわないからやらないだけなのかもしれない。eupeさんの歌声もぴったり合ってますし素晴らしい曲ですね。脱退前の有終の美といった感ある曲です。

そんな感じで、冒頭に書いた通り必ずしも全力の作品とは言い難いし満足度も高いとは言えないんですが、その分だけ次回作で本気の作品を聞かせてくれると思うんで期待したいと思います。春M3が待ち遠しい。

セフィロトの夢想曲

セフィロトの夢想曲

という訳で、昨日の記事にも書きましたがそろそろ秋M3新譜で残ってるところを取り上げていきたいと思います。とはいえこのコンピは会場で売っていた訳じゃないから厳密には秋M3新譜じゃないんですけどね、発売日がM3合わせだったというだけで。

このコンピ、同人音楽を聞く者ならば誰でも知っているような有名サークルが多数参加している超豪華コンピなんですが、とらのあな企画なだけあって売り上げ数の多いサークルをとりあえず寄せ集めたような雰囲気が否めず、なんとも言えない商業臭が漂っててあんまり良い印象はなかったんですが、まあ企画がどうであれサークル自体が豪華なのは変わりないので買ってみました。
メンツは豪華なんですけどやっぱり知ってるサークルばっかりなので新鮮味は乏しいですよね。極東海賊団コンピみたいに知らないサークルが沢山参加してるコンピの方が有望な新規サークルとの新たな出会いがあるから重宝するんですが…。まあ個人的には(中堅以上のサークルでは比較的)寡作なAriabl'eyeSが珍しく外部に曲提供してるというのが購入の一番の理由かもしれないですね。実際Ariabl'eyeSの曲ばっかりヘビロテしてますし。

で、その個人的にメインとなるAriabl'eyeSの曲は語りトラックを除けば実質的に1曲目に配置されてるんですが、まさに1曲目を飾るに相応しいキラーチューンとなっております。秋M3のArsMagnA合同の方の曲はなんだか正直パッとしない曲でしたが、こっちのコンピ提供曲はまさに超本気曲。力の入り方にかなり差があるように感じてしまうんですが、多くの人に聞いてもらえて新規リスナー開拓になり得るコンピ作品に渾身の1曲を提供するというのは大いにアリでしょう。
というかですね、楽曲の出来の差だけでなく、何故かArsMagnA合同の新曲に比べてこっちのコンピ曲の方が明らかに音が良いんですよね、こっちの曲ではArsMagnAサークル特有のあの野暮ったいドラムサウンドが洗練されて高級感のあるサウンドに変わっているんですよ。ストリングスや各楽器のバランスも整ってますし。ArsMagnAサークル唯一の弱点が克服されているということで非常に歓迎すべきことなんですが、同時期にリリースされた曲なのに何で差があるんでしょうか…。もしかしてマスタリング担当の灰色Logicの六歌さんの功績なのか? Ariabl'eyeSの次回作も六歌さんにマスタリングして欲しいかもしれない…(小声)。
楽曲は最高の出来だし、もちろん同人音楽界最高の歌姫(主観)大天使Renaさんの歌唱は素晴らしいに決まってるし、それに加えてサウンドも向上しているとなればもう無敵ですよね。普通にこのコンピで一番の楽曲になってるんじゃないでしょうか。まあ楽曲の本気度に差があるせいもあるでしょうけどね、他サークルは渾身の1曲って感じではなく通常営業な曲が多い印象ですし。もちろんどこも安定感は素晴らしいけど。

3曲目のエミルの愛した月夜に第III幻想曲を、略してエミルさん(このブログ独自の略称です)の曲は…まあいつも通りな感じですかね。ボーカルの荊さんは本当上手い。でもやっぱりサビメロがもうちょいキャッチーな方が好みなんだけどなぁ。というかいつの間にか公式サイトにメンバーのお写真が公開されてたんですね、うおめっちゃヴィジュアル系だ。メンバー写真が載ってるとメジャーデビュー目指してそうな雰囲気が伝わってきますね。

4曲目のMisteryCircle、ここって東方サークルみたいですが、東方には疎いからよく分かんないんだけどこの著名サークルだらけのラインナップに含まれてるってことはけっこうな人気サークルなんでしょうか。疾走感のあるメタル曲でそれなりにかっこいいけど…この収録曲を1曲だけ聞いただけじゃいまいち分かんないのでやっぱりアルバム聞きたいですね、もちろんオリジナルで。

5曲目はDragon Guardian、オリジナル同人メタルで最高の知名度を誇るサークルでしょう(同人音楽界隈以外だとネタ的な知名度が先行してますけど…)。まあここも安定感はあるけど新鮮味はない曲ですかね。いつものドラガ流ポップ系メタルって感じで。

6曲目は5150、ここも当然ながら超有名。東方をメインにしつつオリジナルも並行して発表してるサークルですが昨年夏にオリジナル別名義JORMUNGANDが始動したことでオリジナルでの活躍が更に期待されております。というかまだそのJORMUNGAND開封してないんですけどね…温存するにもほどがある。ここもいつもの5150流シンフォニックメタルって感じで新鮮味はないですがやっぱり良いメロディ作りますよねえ。星名優子さんの透き通った歌声も良い。

7曲目はResonecia、オリジナル同人メタルで最高峰の人気を誇るサークルでしょう。この収録曲も勇壮なギターフレーズ、荘厳なクワイア、力強い女性ボーカル、どれをとっても同人メタル最高レベルであることは確かなんですが、個人的に好きなのかというとそれはまた別問題でして…。「全部同じ曲に聞こえる」系の音楽が苦手なんですよね…別にメタルに限らずどのジャンルにおいてもなんですけど。まあ好みの問題だし仕方ないですね。

8曲目はIRON ATTACK、ここも言うまでもなく超有名…というかこの並び凄いね、有名サークルしかいないという。それにしてもこの収録曲の空気読まなさというか開き直りっぷりは凄いですね…ここだけ暑苦しい男性ボーカルで曲調も同人音楽要素の無いオールドスクールなパワーメタルという。いやもちろん曲のクオリティは高いんですけども。

9曲目はEther。おそらくこのラインナップの中で最古参サークルの1つなんじゃないかと思うんですが、昨年ボーカルを新たに迎えて心機一転したこともあってか最近出て来たサークルと同様の新鮮味があるように感じます。IRON ATTACKの無骨な曲の後に聞くとエルム凪さんの幻想的なコーラスがしみますねえ…。というか秋M3新譜まだ開封してないんですよね…早く聞かないと。

10曲目はGILDIA、なぜかこの曲だけ物語音楽的なセリフが冒頭に入るんですよね、せっかくコンセプト付きのコンピレーションやるみたいだからセリフ入れようみたいなサービス精神だったりするのか? というか歌詞ちゃんと読んでないんですが一貫したストーリーみたいのあったりするんですかね。
楽曲自体はいつものGILDIA節ですね。そういや冬コミの新譜もいちおう買ってあるんですがメタル度が高いらしいのでちょっと期待しています。

11曲目はロリィタノイロォゼ、ここもそれなりに知名度はあるんだろうけど…このコンピのラインナップの中では明らかに場違い感あるよなぁって思ってたんですが、ところが意外なことにこの収録曲めちゃくちゃ良い感じに聞こえますよね。メタル系の楽曲が多いコンピのラストをこの幻想的で儚いピアノ曲で締め括ることにより非常に素晴らしい効果を生んでいるというか、ぶっちゃけこのコンピで最も得な役回りを演じているのがこのサークルのような気がしますよ。たぶんこのサークルは弾き語り曲ばっかりなんだろうしメタル曲との対比がなかったらあんまり良く聞こえなかったかもしれないが。

そして何故かDISC2に1曲だけ隔離で収録されている六弦アリス。収録時間がオーバーしてるとも思えないし、六弦アリスは別格扱いだから隔離されてるのか?
しかしこの曲は本当に素晴らしいですねえ、これは間違いなく名曲だと思いますよ。既に同人音楽界においてカンストするくらいの知名度はあるはずなのにも関わらずコンピにわざわざ本気な曲を提供しちゃうというのが凄い。ぶっちゃけこのコンピは冒頭のAriabl'eyeSとこの曲ばっかりリピートしております。

Ariabl'eyeS「片翼のロマンシア」

片翼のロマンシア

何度も書いてますがこの3rdシングルが未だにAriabl'eyeSの最高傑作だと思ってるんですよね。というかAriabl'eyeSというサークル限定じゃなくて今まで聞いた同人音楽全部を含めて考えても3曲入りシングルでこれを越える作品ってないような気がするんですよ。ある意味で究極の同人音楽シングルとさえ言いたくなる、大げさかもしれないですがw
それに加え、実は自分が同人音楽に興味を持つきっかけにもなった作品だったりするので、色んな意味で思い入れ深い作品であります。

そんな思い入れのある作品なのにも関わらず、この作品の記事はブログ開設した直後に書いたということもあってかなり簡素な文章しか書いてなかったので、せっかくなのでこの機会に書き直しておこうと思い立った次第であります。
まあ、文章を長ったらしくすりゃ良いって訳でもないんですけどね、要点だけを短く完結にまとめた文章のほうが優れてるという事もあるでしょうし、実際そのほうが読みやすいですからね。でも書きたいこと全部書いてると自然に長ったらしくなっちゃうんですよねw
あと誤解がありそうですが、評価の高さに比例して文章が長くなるということもないです。良い内容なんだけど情報が少なくて書くことないっていう作品もありますからね。その逆に、内容はそれほど良いって訳ではなくても、話題性が高い作品っていうのは情報が豊富だし長文を書きやすいですからね。
まあ、こんな得体の知れないブログの長文をいちいち読んでる人はあんまりいないと思うので、ざっと文章の固まりを眺めた後に、文章量が多い=評価高い、という風に判断する人もいるんじゃないかと想像するのでやはりおすすめ作品は気合入れて長文を書く必要はあるんだろうなと感じてはいますがw

関係ない前置きが長くなりましたが本題に入りましょうw
まじ天使!なRenaさんが全編でボーカルを務めるAriabl'eyeSの3rdシングルですよ。もう同人音楽最高の歌姫(主観)であるRenaさんが全曲歌ってるというだけでも非常に大きな価値があるんですけど、それに加え収録曲の全てがキラーチューンと言っても過言ではないほどの奇跡的な楽曲充実度。そしてジャケ絵も最高すぎる。もう全ての要素が完璧と言ってもいいくらいの出来ですよね。
サウンド面では弱点あるけど(その弱点は未だ克服されていない…)、その弱点すらも「同人音楽らしさ」という観点から評価すればプラス要素になり得ますからね。
(まあ今のAriabl'eyeSはもう大手サークルにリーチかけてるくらいの位置にいる印象あるからそういうマニアックな良さみたいな観点で評価したくない気持ちもあるんですけど…それはまた別の話ですねw)

という訳でその最強の3曲入りシングルについて語っていきましょう。
まず、まじ天使!なRenaさんの歌声についてですね。前々回の記事から連続で語ってるしいい加減しつこいかもしれませんがw
しかしこの3rdシングルでのRenaさんの歌唱って今とちょっと違うんですよね。今ほどロリ系っぽくないというか甘ったるくない歌い方なんですよ。特に1曲目で顕著なんですけど、初期のFukiさんを彷彿とさせるパワフルさというか、少なくとも全然ロリって感じじゃないですよねw 今の甘々な歌唱も素晴らしいんだけど、この力強い歌唱も捨てがたいよなぁ。
何で歌い方を変えたのかってのは気になる所ですけど、自主的に変えたのかもしくはコンポーザーのリゼさんから指示があったのかは分かんないですが、現在のツインボーカル体制のAriabl'eyeSではLunaさんが力強い歌唱をメインでやってますからね、Renaさんは甘々ボーカル担当って感じで、上手く役割分担して結果としてバランス良くなってるのでやはりそういう意味で今の歌い方は最適なんでしょう。
それにしてもこのシングルでのRenaさんの歌唱の表現力の豊かさ、もう溜め息が出てくるレベルですよねえ。こんなすげえボーカルがいるというだけでも同人音楽まじとんでもないですよ。

そしてその至高のボーカルが歌い上げる楽曲がこれまた半端ねえ訳ですよ。どの曲も凄まじいメロディの完成度、まじ3曲ともアニメ主題歌レベルの出来ですよね。つまりアニメ主題歌が3曲入ったシングルが500円で売ってるみたいなものですよ。そう考えると改めてとんでもない作品ですなぁ…。こりゃ同人音楽の凄さを味わうには最適な作品でしょう。

さて各楽曲について書いていきますが、まず1曲目の「EDEN」、言うまでもなく名曲なんですけど、これって実はAriabl'eyeSの楽曲では珍しいタイプの曲調ですよね。V系っぽさもないしメタルってほどでもないし。「アニメ主題歌系」とでも言えばいいんですかね、この存在感というか貫禄はまさにアニメ主題歌って表現が一番しっくり来る気がするんですがw あとシンセの音が他のAriabl'eyeSの曲で使われてない音色だから異色な感じがするのかな。
サウンドはスカスカなのにも関わらずボーカルも楽曲も一分の隙もない完璧すぎる出来で、同人音楽特有のアンバランスなクオリティというのを実感できる曲でもありますね。
Renaさんの歌い上げる歌メロの素晴らしさは言うまでもないんですが、この曲はツインリードのギターフレーズも最高にかっこいいですよねえ。Resonant Soundの方がギター弾いてるみたいですが(実はResonant SoundはCD買ったことないのでよく知らないのです…)、近作でゲスト参加してるHollow MellowのNemuさんにはさすがにテクニックで及ばないものの、非常にドラマチックなギタープレイを聞かせてくれますね。

2曲目の「罪深き冒涜の饗宴」、これも何気にAriabl'eyeSの他作品で類似する曲がない気がする。このオリジナリティというか、独自色が強いというのも3rdが至高に感じる理由なのかもしれない。あとこの3rdって収録曲同士も独立性が強いというか、各曲が完全に個性を確立していて「キャラが立ってる」感があるんですが、しかもそれでいて完全に統一感も感じられるという奇跡的なバランス感覚がありますよね。これも他作品にはない輝きですかね。
この曲、基本的に疾走曲なんだけどただツービートで駆け抜けてる感じじゃなくてリズムにも変化があって、しかも雰囲気も明るいようでいてダークさもあったりとなかなか一筋縄でいかない曲調な気がしますね。唯一、ギターリフがヘナヘナなのが惜しいんだけど…。

3曲目の「Asphodelos」、これがまた名曲なんですよねー。これは典型的な疾走曲で、サビも高音域の歌唱でドラマチックに盛り上がるしとにかく超分かりやすいキラーチューン。これは類似曲が多いというか、今のAriabl'eyeSのスタイルを確立した楽曲という感はありますよね。しかしこれを越える曲は未だ作れてない印象。

フルーツパンチさんのジャケも、書き込み等のクオリティでは近作のほうが気合入ってる感はあるけどやはり一番好きなのはこの3rdなんだよなぁ。この絶妙な色合いと雰囲気…。

そんな訳で、アニメ主題歌級の楽曲が3曲入りで500円、改めて凄すぎる作品ですよね。
同人音楽の入門用にも最適だと思うんですが(実際自分もこれで入門した訳ですし)、しかし残念なことにすでに完売して今は廃盤扱いになってるみたいなんですよね…。なんて勿体ない…。
これはAriabl'eyeSが自サークルの新規リスナー獲得の機会を逃してるだけでなく、同人音楽全体の新規入門者を逃してると言っても過言ではないのでは? つまり同人音楽シーン全体の損失…!
…まあそれは大袈裟すぎかもしれないですがw 素晴らしい作品なので是非とも再販して欲しいものです。


プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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