Metomate「自由と銃と十三の鎖」

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http://metomate.com/

今回初聞きのサークル。ですが初買いではないです。昨年ミニアルバム買ってたので(まだ開封してないけど)。フルアルバムということでこっちのほう先に聞いちゃった訳ですけどね。

今作は15曲入りという大ボリューム。うちインストは2曲だけ。ミニアルバム(EP)でのリリースが主流である同人音楽界においてカラオケ水増し無しで10曲越えるボーカルアルバムっていうのは割と珍しいのでそれだけでも今回のM3で存在感を放ってた感じありますし、自分もそのボリュームに釣られて買ってみたというのも少なからずあります。

このMetomate(メトメイト? メトマテ?)ってサークル、似た名前のサークルが他にもあって少し混同することもあったんですがそれはまあ置いといて。
いちおう2年半前の1stミニアルバムのときもチェックだけはしてたんですが、1stって今とは違って男性ボーカルだったんですよね。当時はてっきり男性コンポーザーが自らボーカルを取るタイプのサークルだと思ってたんですけど実際は丸っきり逆で、このサークルの全てを1人で手がける(!)主催の「めと」さんは女性ボーカリスト件コンポーザーで、1stだけ限定で男性ボーカルをゲストで迎えてたっていう。これってものすごい珍しいパターンですよね。普通は男性コンポーザーが女性ボーカルをゲストにして歌ってもらうパターンが大半ですから。
しかもこの「めと」さん、めちゃくちゃボーカル上手い。半端なく上手い。何故ゲストに歌ってもらう必要あったのかさっぱり分からんくらい上手い。あえて男性ボーカルに歌ってもらったのはどういう理由があったのか。おそらく、このMetomateの音ってV系をかなり意識してると思うので男性ボーカルのV系ロックがやりたかったんだろうなと想像する訳ですが。でもいちいちゲストに歌ってもらうのは手間だし、界隈的にも男性ボーカルの需要は低いので仕方なくご自身で歌うことにしたのかなぁ。分からんけど多分。結果としてそれが圧倒的に正しい選択だったとは思うのですが。

そんな訳で今作は全編女性ボーカルでV系ロック要素が支配的な内容になってると思うんですが、ぶっちゃけ女性ボーカルとV系っていう組み合わせはこの界隈にあふれ返っているので独自性が見出しづらいってのはあると思う訳ですよ。
しかしこのMetomateは決してありきたりな音楽性にはなってない。確固たるオリジナリティがあると思う。
では具体的にどこに個性があるのかっていうのをピックアップしてみますと…

①まずこのMetomateは主催の「めと」さんが全て一人でやってるという衝撃の事実。
クレジットに「Produce by めと」としか書いてないんですよね。つまりイラストも含めて全部自分だけで作り上げてるとしか考えられない。そのイラストもアート感のある素晴らしい出来栄えだし(ブックレットの中にまでイラストがふんだんに使用されてる豪華仕様)、肝心の音楽のほうも壁サー級のクオリティだし歌もめちゃくちゃ上手いし万能すぎて恐ろしい…。

②女性ボーカルはウィスパー系。
ウィスパーって言ってもロリっぽい感じではなく清廉な雰囲気の凛とした歌声。ぶっちゃけウィスパー系って歌唱力の無さを誤魔化してる(?)ようなボーカルも中にはいると思うんですけど、めとさんの場合はウィスパーを主体にしながらも歌唱力も声量もしっかりあるし感情表現も豊かだし凡百のウィスパーとは一味違う感もあり。特に14曲目「篝火」の最後のエモーショナルな歌唱とか鳥肌モノだし、なんというか、触れたら壊れる繊細なガラス細工かと思いきや実はすごい耐久性あったとか、病弱系の美少女キャラかと思ったら肉弾戦めっちゃ強かったとか、そんな感じ…?(分かりづらい例え)

③その繊細なウィスパーボーカルとのギャップ感を演出するのが不釣り合いに思えるくらい重厚なロックサウンド。ギターもドラムもかなり骨太な音作りに仕上がっていてメタラーの鑑賞にも耐えるハイレベルな出来。特に8曲目「蓋棺のプロミネンス」でのアグレッシブな展開はインパクト大。
(ゴシックメタルではなく)「雰囲気系」で歌ってそうなウィスパー女性ボーカルとこんな重いロックサウンドを掛け合わせてるだけでもかなり個性的だと思う訳ですけど、女性コンポーザーがこれ作ってるというのも驚きですよね。めとさんってギターも弾けるんですかね? マルチ才能にも程がある。もし仮に打ち込みギターだとしてもここまで重厚なサウンドが打ち込みで再現できるんだとしたらそれはそれで驚異的。
重いサウンドとは言ってもメタルやハードコアではなくV系ロックっぽさが中核にはあるんですけどね。上記のようにやっぱり当初はV系ロックを目指してたんじゃないかと推測しますが、結果的には他のV系路線のサークルとは一線を画する音になってる気がします。

④で、その「一線を画する」理由の1つがV系ロックサウンドの合間に登場するマスロック要素。16ビートの細かい刻みのフレーズが多用されていて随所にテクニカルなテイストが光ります。特に12曲目「リンドウに灰が混じる」は変則的なマスロック系フレーズが特徴的な楽曲。

⑤そして忘れてはいけないのがストリングスサウンド。このサークルの使ってるストリングス音源かなり強いですよね…深みと奥行きを強く感じさせる立体的な音。これが壁サー級クオリティと独特の世界観の構築に多大な貢献をしてると思います。

ウィスパー系ボーカルを中心に据えた音楽性だと「雰囲気系」に傾きがちな気がするけどこのMetomateは比較的メロディがしっかりしてる(メロディの「使い回し」も少ない)から退屈しないし上記の重厚ロックサウンドのおかげもあってメリハリのあるアルバム構成になってると思います。激しい曲と静かな曲、薄暗いメロディと明るめのメロディの配置もバランス取れていて上手い。でもまあ曲数が多いから後半ちょっとダレるとこもありますけどね。

で、個人的に今作のハイライトだと思うのが6曲目の「向日葵」。基本的にメランコリックな雰囲気が支配的な作中にあって、まるで廃墟をまぶしい陽光が照らすかのような希望に満ち溢れたメロディ展開がグッときます。この感動的すぎる展開、「良い最終回だったぜ…」と言いたくなるほどですがこの曲はアルバムの中盤に配置されてるのでまだ全然終盤じゃないという意外性。めとさんあんまり明るい曲調は好まないのかもしれないですがもう1曲くらいこういう明るい曲あっても良かったような。

他にも、エレクトロニカ、アンビエント寄りな曲調ながらメロディのキャッチーさが映える「青き灯のサクリファイス」や、捻りのあるリズムを伴ったロックサウンドと美しく繊細なウィスパーボーカルに魅了される「願」も聞き所ですね。

そんな訳で、全て一人で作ってるとは到底信じられないくらい超絶に完成度高いアルバムになってますので聞いて頂きたいですね。改めて同人音楽界ってこういうマルチな才能持つ超人が多くて驚きますねえ。
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プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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