TORICOTOR (ぼを)「Zyanose -チアノーゼ-」

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https://bopeep16.booth.pm/

「変拍子しかありません」という強烈なキャッチフレーズで目を惹くボカロサークル。
実際に試聴したことはなくともM3サークルチェック時やAPOLLO開催時にこの驚きのキャッチフレーズを見かけて記憶に残っていた方も多いのではないでしょうか。

「奇をてらう」ということに関してはこのサークル(ボカロP)の右に出る者は少ないのではないかっていうくらいに奇抜な要素を組み合わせた、とにかくインパクトで勝負!みたいなアルバム。

まず前述の「変拍子しかありません」という謳い文句。普通に変拍子をフィーチャーした音楽なら別に珍しくもないけど変拍子「しか」ですからね。つまり全曲が変拍子ってこと。尋常じゃないですね。しかも13拍子やら17拍子やら23拍子という複雑なものばかり。正気の沙汰とは思えない。
これだけでも奇抜度MAXだと思うんですけどそれに「歌詞が18禁ギリギリ」という危険な特徴がダメ押しで加わります。他のアルバムはそうでもないのかもしれないけど少なくともこのアルバムは完全にエロなコンセプトで作られてますね。収録曲のタイトルを見れば一目瞭然ですが直球でアダルトな言葉が並んでる。婉曲も何もない、そのまんま。具体的に書き出すのは自粛したいほどアレな曲名ばかり。全くもって酷い。しかも単にエロなだけでなく攻撃的で刺々しいメッセージも込められてるっていう。

とまあ、これだけだと単に奇抜なだけしか取り柄のないマニア向け音楽だと思われそうですが、このボカロPはそれらの変態的テイストを耳障りの良いキャッチーなメロディで包み込むことによって刺激を緩和し幅広い層にアピール可能な完成度の高い音楽に仕上げてる感があり、つまり変拍子要素なしでも十分に魅力的なくらい楽曲の出来が良い。これ重要ですね。単に実験的、冒険的なだけの音楽はオタクミュージックとしてあまり好感持てないですからね。アンダーグラウンドならではの実験性とオタク文化ならではのキャッチーさを合わせ持ってこそ魅力的っていうか。

あと、変拍子オンリーと言っても意外に難解な感じは少ないんですよね。このアルバムの場合は全曲が13拍子で統一されてるらしいんですが、字面だけ見るとちょっと腰が引けるけど要は6拍子+7拍子=13拍子なので実はそんなにゴチャゴチャしてる訳でもないんですよね。しかもメロディがすこぶるキャッチーなので余計に聞きやすい印象になってる。
変拍子の変態性やカオス感を味わう音楽というよりかは、あくまで基本は楽曲重視であってそこに変拍子によってもたらされる「引っかかり」を味付けにしてる感じ。けっこう真っ当な音楽。
けど全曲13拍子オンリーなんて似たような展開ばかりで退屈なのでは?と思われそうですが実際のところ同じリズムパターンでも曲調はかなりバラエティに富んでるので退屈は全くしません。

さて具体的な楽曲についてですが、このアルバムはなんと2枚組になっているんですがDISC2はDISC1と同じ曲のカラオケバージョン収録になってます。でも全部カラオケかと思いきやDISC2にしか入ってない曲もあるという紛らわしさ。しかも曲名が全然違うっていう。
普通は同人音楽でカラオケバージョン入れるのって曲数を水増しにする目的ってイメージ強いけど(偏見)、わざわざ2枚組にしてまでカラオケver入れるなんて並々ならぬこだわりを感じる。

1曲目「コミュ障じゃないボカロPの音楽なんて聴かない」、これは曲名は直球エロではないけど歌詞にエロワード出て来る。このアルバムは確かにエロワード多用してるんだけど頭の悪いタイプのエロじゃないんですよね…むしろかなり知的。嫌味なくらい知的。刺々しくてメタくて哲学的な歌詞。
曲調はミニマルなテクノを変拍子仕立てにした感じ。淡々とした展開のようでいて不思議とキャッチーだし変拍子も良い味付けになってる。中盤で転調して別展開になるのはいかにもプログレ的。ボカロの歌メロはシンセのメロディをなぞってるだけなのであんま歌って感覚はない。楽器の一部って感じ。

2曲目は…曲名書くのは控えときましょう…直球エロだから。音はエレクトロニカだけど変拍子リフにハードロック的なグルーヴを感じる。歌メロはやはりシンセをなぞってるだけなんだけどシンセリフ自体がキャッチーなので総合的にとてもキャッチー。

3曲目もなかなか酷いエロ曲名&歌詞。っていうか歌詞の世界観がかなり怖い。ちなみに動画も見たけどそっちも強烈。曲自体のインパクトも凄くて、執拗に繰り返されるメインメロディが抜群の中毒性を放ってる。変拍子を伴ってるおかげでこの反復メロディも単調にならずに済んでるんでしょうな、やっぱ変拍子の使い方絶妙だと思う。単なる変態音楽じゃない。レトロゲームのような音色のシンセも良い味出してる。

4曲目もエロな曲名。これは変拍子チップチューンwithボカロって感じかな。前曲ほどの中毒性はないけどこれも面白い曲調。

5曲目は打って変わって可愛らしい雰囲気に。誰もが知る童謡「カエルの歌」の変拍子アレンジですね。大幅にアレンジされてるからほとんど別物ですけども。原曲の雰囲気を残しつつ変拍子の中毒性をフィーチャーした曲に仕上がっててこれも非常に面白い楽曲。

6曲目「わたしを照らしてくれるのはスマホの光だけ」、これめっちゃ名曲。唯一のバラード曲なんですけど、シンセのメロなぞってるだけの他の収録曲と違ってこの曲は独立した歌メロがありしかもその歌メロが非常に秀逸。変拍子とか関係なく単純に素敵すぎるメロディを持った曲。

7曲目は…1曲目と同タイプの変拍子テクノって感じかな。1曲目のインパクトには劣る。

8曲目「ミクはホーミーでアルタイを讃える」…曲名通りボカロのホーミーをフィーチャーした民族音楽調。ボカロP自身によるホーミーも入ってるようで。ボカロのホーミー入った楽曲なんてかなり珍しい?

という訳で、変拍子やプログレに興味ないリスナーも楽しめる非常に面白いアルバムだと思います。奇抜さだけで勝負してるようでいて実は内容のしっかり伴ってる充実の作品。偏見を捨てて試しに聞いてみると意外にハマるかもしれませんよ。
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プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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