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Letharia「Esquiss tome 1」

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https://letharia.com/

物語音楽+シンフォニックメタルなサークルLethariaによるミニアルバム。
春M3リリース。今回もダウンロードコード付きのリーフレットによる頒布。

4曲入りなのでいちおうミニアルバムと書きましたが、実は収録曲のうち2曲がセリフとBGMのみのトラック、あと次回作のダイジェスト曲が1曲で、まともな楽曲はたった1曲しかないのでシングルと呼んだほうが正確かもしれません…。
タイトルのEsquisseというのはフランス語で下絵、スケッチという意味らしいので要するに予告編シングルって訳ですな。「1」ってなってるからつまり2もあるってことかな…。うーんこれは熱心なファン以外は本編作品を待ったほうがいいかもしれん。

まあボリュームは少ないんですけど中身は高品質ですよ。
前作「ニェートチカ」で、以前とは比べ物にならないほどにクオリティ上げてメタラーの鑑賞にもがっつり耐えうるレベルの本格的シンフォニックメタルを披露していたことに驚かされた訳ですが、今作でもその路線を完全に引き継いだハイクオリティな出来栄え。ボーカル、アレンジ、サウンド、どれもが同人音楽として最高級。物語音楽に興味ないメタラーにも余裕でおすすめ出来るレベル。(もちろんサンホラ系のセリフに耐性あるメタラー向けですが)

ってか、今回はなんとドラムが生演奏になってるらしい。これはびっくり。
まあ正直言うと同人音楽においてドラムを生にすることのメリットってほとんど無くて、むしろ中途半端な腕前のドラムだとアマチュア臭が増すし制作費や収録時間も増大するしでデメリットのほうが多いんじゃないかと思ってるくらいなんですけど、でも今作のドラムはというと…かなり上手い。打ち込みと比べても全く遜色ない正確なプレイ。主催の方がドラムもやってるみたいだけどこんだけ叩けるのはまじすげえと思う。でもパッと聞いただけじゃ打ち込みか生か分かんないのであんまりメリットも無い感じかなぁ…。

まあとにかく、物語音楽としての魅力とシンフォニックメタルとしての品質、その双方を最大限に実現している凄いサークルだと思いますよ。
でも前作はボリューム不足によるぶつ切り感が玉にキズな感じだったから次は時間をかけて完成度高い物を作って欲しいところですが。
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Letharia「ニェートチカ」

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http://letharia.com/

レータリア…懐かしい名前ですねえ…。再びこのサークルの作品を購入して記事を書くことになるとは思ってませんでした。

このサークルとの出会いはオレオレウサギ主催のコンピ「Kaleidosc[A]pe」まで遡ります。あれって2013年…? もうそんなに昔なのかぁ…。あのコンピで初めて知ったサークルめっちゃ多かったですし(あにょさんとかも含む)本当に自分にとって意義深い企画でしたからね。第2弾やってくれないかなぁ。
その「Kaleidosc[A]pe」収録のLethariaの楽曲を聞いたときの衝撃は忘れもしません。
「わたしに続けええええ!!!」テレーテレレー
いやーほんと初っ端から爆笑しましたよね。あのお馬鹿な…じゃなくて暑苦しい…じゃなくて勇壮なノリ。異様にハイテンションのセリフの数々とシンフォニックな疾走サウンドのコンビネーション。絶大なインパクトありました。あの錚々たるメンツの揃ったコンピの中でもひときわ輝きを放っていたのは事実でした。

こんな面白い楽曲を聞かせられたらサークル単独のアルバムが欲しいと思うのが当然の心理。ちょうどこのコンピ発表された次のM3(2013秋)に「Irgendwo」と題された新作が出るということだったのでとても楽しみにしてました。前もって公開されたジャケも非常に美麗な中世の絵画のような緻密なイラストでしたし、ますます期待は高まりました。
ですが。いざその新作を聞いてみると、あれ?なにこれ?思ってたのと違うんだけど…。あのハイテンションなセリフはどうしたの? てか音が薄っぺらくない? いや元から音は薄かったのか…暑苦しいセリフで覆い隠されてただけで。基本的な音楽性はそのままだしボーカルの方は相変わらず上手いしクラシカルなアレンジもクサいはずなんだけど…やっぱ音の薄さでそれらが活きてない。
まあとにかく絶大なインパクトを誇ったコンピ曲に比べるとずいぶんと地味な印象を拭えない内容でしたね。
その次の年かな? ネット上の同人音楽イベントAPOLLOで無料ダウンロードの新作が出たこともあったのですがその時も地味な印象は変わらず。

そんな訳ですっかりこのLethariaへの関心は失っていたのですが、その3年後の2017春M3のカタログチェック時にこのLethariaの名前を発見する。まだこのサークル活動してたんだ?としか感じなかったですが某所で高評価されてたのが少し引っかかってました。(ちなみにこの春の時点では試聴すらしてませんでした)

で次なる秋M3にも参加していてまた新作が出るということだったので今度はちゃんと試聴を聞いてみたところ…おや?これは?めっちゃクオリティ上がってないっすか?? 3年前とは別物みたいに音良くなってる。これはさすがにメタラー的にも買わなくちゃいけないやつなんじゃね?と思い立ち購入に至った次第でございます。
っていうか春の新作の時点ですでに飛躍的にクオリティアップしてたみたいだけどその時は怠慢でチェックしてなかったんですよね…。

実は音楽性が変わってる訳ではないんですよね。物語音楽系シンフォニックメロスピという軸は全く変更なし。つまり単純にクオリティが上がっただけなんですがそのクオリティこそが重要。音が良くなったことで元々あったシンフォニックメタルとしての魅力が100パーセント活かされるようになった。いくらアレンジが緻密でも薄っぺらサウンドでは楽しめないですからね。
「同人音楽だからクオリティ低めでも構わない」なんていう価値観はすでに過去のものになりつつあり、今は同人音楽全体のレベルが底上げされていて島サークルでもハイクオリティなサウンド披露しまくってますからね。その中で存在感を主張するためにはやはり音の改善は必須なのではないかと。
なんとなくですが物語音楽系サークルって物語要素や全体的な雰囲気が重視されていて音作りの品質向上には無頓着なサークルが多いようなイメージあったけどこのLethariaはここまで劇的にクオリティ上げてメタラーの鑑賞にがっつり堪えうる音にしてきたのはとても好感持てますね。

そんな訳でメタルとしての聞き応えが飛躍的に向上したLethariaなんですが、ここで立ち塞がるのが物語音楽というジャンルが共通して抱える課題である、物語要素と音楽の両立。
物語要素すなわちボイスドラマ要素ですが、ボイスドラマというのはそれだけで完全に完成されたジャンルでありケチの付けようがありません。同人やオタクコンテンツに限らず一般でもラジオドラマとか昔から普通に存在しますからね。疑問を差し挟む余地なんて皆無。
ところがナレーションやセリフとボーカル曲(not BGM)が同居する物語音楽という同人音楽独自のジャンルは全くもって難しい。ボイスドラマの完成度と音楽の完成度の両方が求められるのはもちろんのこと、音楽を聞きたいだけのリスナーにとってはボイスドラマが邪魔に感じられ、ボイスドラマを聞きたいリスナーには音楽が邪魔に感じられる。いや後者はあんま無さそうだけどやっぱ前者ですよね、音楽聞きたいだけなのに声優のクッサい演技をいちいち聞かされるのが苦痛っていう聞き手も珍しくないはず。アニメ作品で突然キャラが歌い出すミュージカル展開やると炎上することを鑑みても分かるように、物語(ボイスドラマ)とボーカル曲の相性はそもそも良くない。しかし同人音楽という箱庭世界の中ではSound Horizonという先駆者の功績もあって一定の需要が今も存在するって訳ですが。そのサンホラですらボイスドラマと音楽の配分には未だに試行錯誤してる節があるんだから同人サークルなら尚の事。

このLethariaもせっかくシンフォニックメタルとしての完成度を高めたのにボイスドラマ要素が邪魔をする。この「ニェートチカ」という新作は7曲入りってことになってるんですがボイスドラマのみのトラックが3曲あるんで実質的には4曲しかないし、その4曲もボイスドラマ要素が入ってる。はっきり言ってボリューム的にはだいぶ物足りない。
逆にボイスドラマとして聞いても尺が足りないせいで中途半端なのでは。自分は考察勢じゃないのでふんわり雰囲気で捉えてるだけですけど話がぶつ切りになっててストーリーの流れとか分かりづらい。ドストエフスキーの本を題材にしたストーリーらしいので元ネタ知ってることが前提なんだろうけど…。それにしたって1曲目の冒頭からいきなり謎のキャラクター2人が「私達の出番はありません」とか宣言してお前ら誰だよ??状態でめっちゃ初見お断りムード出してきますからね。物語音楽ファンの方々ならばっちり考察しつつ楽しめるんですかね…それともやっぱりふんわり雰囲気で楽しむ感じ?

しかし、そんな難ありな作風にも関わらずそのマイナスを相殺するくらいには音楽の完成度が高いのも事実。元からシンフォニックでクラシカルなアレンジは殊更優れてたんですけどサウンドクオリティ向上によってそれらが100パーセント活かされてるのは前述の通り。複数参加している女性ボーカルもいずれも歌唱力高い方ばかり。メロディも一発で耳に残るような卓越したキャッチーさを備えている。2013年のミニアルバムはメロディがピンと来なかったからその点でも進化してると言えそう。
特に5曲目「或る妹のプラーチ」と6曲目「ニェートチカ」の2曲は必聴の出来栄えだと思います。どちらも名曲だと思う。
5曲目のほうはシンフォニックな疾走展開は無いものの歌メロが鬼のようにキャッチー。
6曲目のほうはオレウサコンピのときのような暑苦しいセリフは無いけどシンフォニックメタルとしての完成度が極まってる。ボーカルパートも間奏も隙のない作り込みされてる。全体的にクオリティ上がりまくってるけどやっぱりドラムの音のがっしりした安定感が肝になってる気がする。加えて国産メタルお約束のXっぽいギターソロも素晴らしい。

6曲目はほんと物語音楽に興味ないメタラーをも魅了しそうなくらいの出来だと思うんだけど…やっぱボイスドラマ要素があるからねえ…。この作品を一般メタラーにおすすめするのはやっぱりキツそう。
だからと言ってボイスドラマ要素を捨てればいいって訳でもないですよね。ボイスドラマ要素にこそ魅力を感じているリスナーもいるはずだし、同人音楽ならではの、同人音楽でしか有り得ない独特な形態である訳ですからね。それを切り捨てるべきと言い放つのは同人音楽文化への否定にも繋がりそう。
まあやっぱり難しいジャンルですよ物語音楽って…。現在、物語音楽系の有力なサークルは沈黙を保っているところが多い気がしますが果たして今後ジャンルはどうなっていくのでしょう。新たな可能性を見出すことが出来るのか。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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