FC2ブログ

BLAPTOPHOBIA「YAMINABE」

2018-07-27_035811.jpg


https://annyahoo.booth.pm/

「BLAPTOPHOBIA」って加害恐怖症?って意味らしいんだけど、日本語のみで検索すると見事にあんやほさんのサークルBLAPTOPHOBIAしかヒットしないんですよね。既存の用語なのにサークル名しかヒットしないって凄いことですな。この検索性の高さ、語感のカッコよさ、改めて上手いネーミングだなと思わされる。まあちょっと難しくて覚えづらい単語かもしれませんが…。

で、そのボカロ(中心の)サークルBLAPTOPHOBIAの最新作となる3rdフルアルバムが本作です。
…すんません嘘です、最新作じゃありません。これ春M3リリースなんですけど先日の夏コミでも新譜出てるんですよ、しかも2作同時リリース。その前の冬コミでもEP出してた訳で…。なんという制作ペースの速さ。速すぎて付いていけてない。冬コミのEPの記事もまだ書けてないので…。

ってか、イベント毎に新譜連発してるだけじゃなく、毎回手を変え品を変えてリスナーを飽きさせない工夫も感じられるし、クオリティを上げる努力も怠ってはいないし、単に惰性で新譜連発してるだけじゃないのもあんやほさんの凄いところ。

で、この春の3rdフルアルバム「YAMINABE」、同人音楽界でもジャンルごった煮という意味で「闇鍋」という表現をよく使いますが、この作品も様々なジャンルをぶっ込んだ作風なのかというとむしろいつもよりカオティック感は減っているという。
冬コミの「SZ e.p.」において「メロディはありません」という衝撃的な謳い文句の元でひたすらアグレッシブなデスコアを展開してたんですが、それの反動なのか今作は非常にキャッチーで陽気なメロディの楽曲が満載。明るさという意味でかなり統一感ある内容になってると思う。

ですが、良くも悪くも非常にボカロ然とした明るいメロディばっかりなのでメタラー受けは多少悪くなってるかもしれない? 2ndフルアルバム「DISORDER」にも明るい曲はあったけどあっちはシリアスな楽曲とのバランスが上手く取れてましたからね。
もちろん、明るくなったって言ってもあんやほさんの底に秘めた狂気性や変態性が消える訳などなく、ただ能天気なだけのボカロックとは明らかに一線を画したダークな雰囲気がありますし、ギターサウンドも相変わらずゴリッゴリにヘヴィなので、あくまで過去作と比較すると多少メタラー向け度が落ちたってだけの話で、依然として強力なボカロラウドロック作品であることに変わりはありません。

キャッチーさに特化した作風なので一般ボカロリスナーにはこの作品が一番おすすめ出来るかもしれない? まあキャッチーって言ってもかなりカオス寄りのキャッチーなんですけどね。

2ndフルアルバムから1年未満でリリースされたにも関わらずメロディは本当に充実してる。1曲目のタイトル曲「YAMINABE」だけはクリーンほぼ無しのアグレッシブな作風ですけどその他の曲は分かりやすく覚えやすいメロディ満載。
歌詞のほうはブックレットに書いてないから確認してないんですけど曲名を見ただけでもあんやほさんらしいセンスが炸裂しまくってる。承認many!とか可可可可可とかジャパエリアクランチとか。

個人的に気に入ってる曲は9曲目「おてつだい・おこづかい」のテンポチェンジしまくりのカオティックな展開とか11曲目「おれらおめーらワナワナビー」の重厚なリフと中間部の静かにエモい展開とか。

あとボーナストラックにはmashという方が歌った7曲目の男性ボーカルバージョンが入ってます。

という訳で、クオリティにおいてもアレンジセンスにおいても相変わらず非凡なレベルなのは疑いようがないし、もっとボカロ界隈でもメタラー界隈でも評価されて欲しいものですけど…。
スポンサーサイト

激音殴打「耳爆脳殺 vol.1 -サイコ◯◯-」

2017-06-02_011430.jpg

https://annyahoo.booth.pm/items/505200

ボカロメタルサークルBLAPTOPHOBIAのあんやほさんが主催する「激音殴打」と名付けられたラウド系コンピレーションサークルの第1弾アルバム。
ちなみに頒布されたのは1年前なんですけどね…超今更感。その間にあんやほさんの新作2作も出ちゃてますから。冬コミの新作もまだ記事書いてないですけどそれはまたそのうち…。あっちは他所にレビューありましたしね。

ボカロメインでラウドでカオティックな楽曲を集めたコンピレーションというコンセプトももちろん面白いんですが、この作品の最も目を惹く特徴っていうとやっぱりDLカードを使用した頒布形式でしょうかね。
CD媒体がオワコンと言われて久しい音楽業界ではありますが形のある現物を求める傾向が強いオタク界隈ではCDへのこだわりがいまだに根強い感ありますしDLカードへの賛否はあると思いますけどね。現状だと専用のダウンロードサイトにアクセスしてコード打ち込んでダウンロードして解凍して…などなど諸々の作業が意外にめんどくさくて結局CDリッピングするほうがよっぽど楽だったりしますし。DLカードを使った頒布が増えたって言ってもまだ全体的には少数派でしょう。
とはいえサークル側としても大量のCDを会場に搬入したり在庫を保管したりするのは負担になりますしリスナー側も大量買いしたCDを持ち帰るのは一苦労ですし、双方の負担軽減のためDLカードという選択肢も視野に入れるべきなのは言うまでもないでしょう。

そして本題の音楽についてですけど、色んな意味で面白い内容。
この作品、複数のサークルから楽曲を募ったコンピレーションのはずなんですけど意外なほどに統一感があるんですよね。コンピの募集要項を見ると、「激しい音楽」「オリジナル」「サイコ」というテーマ…って縛りしかないはずなんですけど結果的に出来上がったものはボカロ中心でカオティックでスラッシュメタル要素のある…要するに主催あんやほさんの音楽性にかなり近い楽曲が集まってるんですよ。特に4曲目と5曲目なんかはあんやほさん作の楽曲だと言われたら信じてしまうくらいに作風が似通ってる。まあ人脈的に繋がりがあるってことは音楽の趣向も必然的に近くなるでしょうしそれほど驚くべきことじゃないのかもしれないですが、それにしたってやっぱりこの統一感は凄い。

1曲目、exispiriotさんによる「Psychohymn」、一言でいうとDjent系ラウドサウンドとエレクトロニカを組み合わせたインスト曲なのですが…ギター打ち込みだしチープ感が目立ってると言わざるを得ない。けどこの支離滅裂寸前の曲構成とゴチャゴチャな音色の織りなすカオティック感は面白い。途中でブラスパートまで入って来ますからね。「サイコ」がテーマのコンピの1発目に相応しい狂い方って感じします。
ちなみにこのexispiriotさん、絵師でもあるみたいで(そっちが本業?)あんやほさんの夏コミのアルバムのジャケ絵はこの方が描かれたみたいですね。

2曲目は主催あんやほさんによる「Origin」、冬コミの新作と同じくLiesvectでお馴染みのミチザネさんのスクリームをフィーチャーした楽曲になっております。てかこれがびっくりするくらいクオリティ高い。マスタリング外注してるってのを差し引いてもこのサウンドクオリティは凄いと思いますよ。これ以上のクオリティ聞きたいんならプロの音楽聞けって言いたくなるくらいには完璧な重低音サウンドだと思う。やっぱりあんやほさん半端ねえなぁ。
音楽性としてはメタルコア的なゴリゴリなグルーヴを基調にしてミチザネさんの迫力あるスクリームを伴って爆走するスタイル。クリーンパートも無くメロディはほぼ皆無なんですが、それでも心なしかキャッチーに感じるという不思議。曲構成の妙がキャッチーさを感じさせるのか。うねりまくる分厚いギターサウンドに身を任せて聞くべし。
そしてこの路線の延長線上で作られたのが冬コミ新作EPって訳ですが個人的にはこの曲が一番好きかな。

3曲目「Psychophobia」は新プロジェクト「Harmonic Reflection」も始動した皆さまご存知のDIAさんによるボカロラウド曲。この方も今のオリジナル同人メタル/ラウドシーンにおいて欠かすことの出来ない天才的才能の1人ですよね。近作ではゲーム音楽に傾倒しておられますがやっぱりDIAさんと言えばエモーショナルなラウドロック。この曲はテンポ遅めなのでいつものV系っぽいノリは控え目ですがDIAさんならではのテイストが至る所に感じられる。叙情的なメロディやエモいギターサウンドも最高なんですがやっぱりドラムサウンドが決め手ですよね。特に特徴的なバスドラのテケテケした音作り。
ゲーム音楽もいいけどラウドロックなアルバムも久しぶりに作って欲しいなぁ…と思ってたけど新プロジェクトではその両方を実現してくれることになりそうですね。果たしてどんなアルバムになるのか期待です。そういやボカロEPの「hopeless EP」の記事まだ書いてないからそのうち書きたい。素晴らしい作品ですし。

4曲目「僕の発生」のSHEBAさん、全く存じ上げないボカロPだったんですけどもオールドスクールなスラッシュメタルに傾倒した作風であんやほさんの音楽性とめっちゃ近い。でもどっちかというとSLAYERよりもMETALLICAに近いサウンドかな。素っ頓狂な音程のボカロの歌が不穏な雰囲気を助長する。

5曲目「Psyche」…この曲がこれまた凄い。このコンピのハイライト曲でしょう。7分半にも及ぶ長尺曲でプログレ度も濃い。基本的にメロスピっぽい曲調で疾走してギターソロもハモりでピロピロしまくるんですけど所々にDjent的なカオティックなフレーズも織り交ぜてくる一筋縄に行かない楽曲展開。同人メタラーに分かりやすく例えるならサタアラに近い曲調っていうか。歌メロには同人ゴシックに通ずるゴスロリ感や耽美性も感じられるし本当に盛り沢山。ギターソロ&キーボードソロがかなり長めで聞き応えたっぷりなんでクサメタラーもまじ必聴ですよ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm29791096
この楽曲提供した「ばにら」さん、自サークルの「お人形劇団ぱぺっつ」で一昨年フルアルバム出してたみたいなんですけど、そちらでもカオティックなメロスピに加えてエレクトロニカなポップスなど幅広い曲調やっていて非常に興味深いですね。これ昨年秋に買おうと思ってたんだけどサークルがM3不参加で買えなかったという。今度のM3は参加するのかなぁ。

6曲目「Exploited By The Righteous Savior」、この曲提供したGlorified Enthronementはテクデス系サークルGolmontが改名したサークルみたいですね。ひたすらアグレッシブでカッコいい本格派サウンドなんですけどオタク的感性をフル発揮した個性派揃いのこのコンピの中では若干埋もれ気味かも。

そんな訳で充実のコンピレーション作品になっております。特に2曲目と5曲目は必聴。
コンピ作品って新たなサークルとの出会いのきっかけになりますし非常に重宝するんですよね。是非とも第2弾をやって欲しい。出来れば次は参加サークル増やして欲しいところだけど…。10サークルくらい集められないのかなぁ。難しいか。

BLAPTOPHOBIA「DISORDER」

2017-08-16_015241.jpg

https://annyahoo.booth.pm/

ボカロメタルサークルBLAPTOPHOBIAの2ndフルアルバムです。あんやほさん個人名義を含めると3枚目のフルアルバムになるのかな。

前作にあたる1stフルアルバム「APOCALYPSE」は非常に充実した内容で年間ベスト級の傑作だったのですが、「激音殴打」コンピ収録の曲も驚くほどのクオリティだったし、そして今回のアルバムも大ボリューム&ハイクオリティな内容。このBLAPTOPHOBIAの主催あんやほさんは未だ知名度や動画再生数においては決して高いとは言えないレベルに留まってますが実力は作品を重ねる毎に着実に高まってると思うし、現在のオリジナル同人メタルで最も勢いに乗ってるサークルの一つに数えられるんじゃないでしょうか。メタラーならばマストチェックなサークルですよ。

今回のアルバムの最も特筆すべきポイントはやっぱりサウンドのクオリティでしょう。前作も同人メタルとしては十分に高いクオリティだったと思うんですが、今作では洗練さを大幅に増していて、音圧や音のバランスが飛躍的に進歩、ぶっちゃけもう一息で有名ボカロPにも届き得るレベルまで来ちゃってると思うんですよね。恐るべきクオリティですよ。なんせ1年半ほどでこの進歩ですからね、来年あたりにはガチで有名ボカロPに比肩してしまうのでは…?って思うくらい。凄まじい成長スピード。非ボカロのメタルコア系サークルでもここまでハイクオリティな音やってるサークルはそんなに多くないでしょ。東方系を含めても。
しかも、音が良いだけでなくて楽曲も良いしアレンジも非凡だし演奏技術も高いんですよ…まじで全方位に強すぎる…。

音楽性のほうも前作からけっこう変化していて、前作「APOCALYPSE」はあんやほさん「らしさ」の核とも言えるオールドスクールスラッシュメタル要素やカオティックな変態要素をキャッチーなアニソン系の歌メロと奇跡的なバランスで両立させることによって非常に魅力的な楽曲の数々を生み出していたのですが、今作のほうはスラッシュメタル要素と変態要素が共に減退し、メタルコア/ポストハードコア路線に大きく傾いています。マニアックな要素が減って(ボカロの)デスボイスを使ったアグレッシブな曲も少なくなり、それによってかなり「一般向け」になった印象が強いかな?
ぶっちゃけ個人的には前作における「狂気」と「キャッチー」のギリギリな競演を気に入っていたので今作の方向性には若干の物足りなさも禁じ得ないのですが、しかし「一般向け」と言っても日和った訳ではなく、あんやほさんらしい狂気要素も(出番が減ったとはいえ)随所に織り込まれてるし、何より今作は「ラウド系リスナー向け」というコンセプトが明確であり、方向性が多少変わったとはいえスタンスに迷いがある感じではないんであんやほさんに対する信頼感は全く揺らいでいないですね。むしろ作品ごとのコンセプトをきっちり統一してることに好感が持てる。せっかくサウンドが洗練されたんだしここで一時的に大衆向けに舵を切ったのは正解だったと思うんですよ。ってか、次回作がクリーンボーカル無しのアグレッシブに特化した路線になる予定らしいし総合的なバランスも取れてる?

1曲目「憔悴」は1分強の序曲…かと思いきやこの短い尺の中でしっかり起承転結があり途中からアップテンポになってサビメロまであるという。

2曲目は表題曲「DISORDER」、ゴリッゴリにヘヴィなハードコアサウンドとキャッチーなメロが共存するラウド曲。さすが表題曲だけあってメロディも構成も安定感ありまくりでサウンドも完璧。隙のない出来栄え。ヘヴィではあるけど奇をてらった展開は無いし一般ボカロリスナーもかなり聞きやすい間口の広い曲になってるのではないでしょうか。しかし前作の2曲目「純血のザナドゥ」の卓越したドラマチックさに比べると「普通」って印象もあるんだよなぁ…。でも前作に劣っているという訳ではなくてターゲットが異なるだけだと思うんですけどね。前作は変態メタラー向け、今回は一般向けって事で。

3曲目「落下」もマニアックな要素の無い非常に分かりやすいボカロラウド曲。超キャッチー。分かりやすいとは言っても平凡さとは無縁で、細かい部分のアレンジにあんやほさんならではの非凡なセンスが光ってますね。特にベースがめっちゃカッコいいんですよねこの曲。こういう一般向けを意識した曲でもテンプレに陥った無難な曲にならないのが凄いと思う。

4曲目「追いつけ追い越せ」はなんとドラフォばりのピロピロメロスピ曲。この曲だけメロスピだとラウド中心のアルバムの流れからは浮いてしまう?…と思いきやびっくりするくらい馴染んでるのが面白い。あんやほさんの曲ってハードコア系であってもHR/HM要素がさり気なく織り込まれてるし逆にメタル系であってもハードコア要素が仕込まれてるからジャンルの垣根を飛び越えても違和感が無いんですよね。この曲も「ラウド系メロスピ」とでも言うべき不思議な雰囲気を醸し出してますからね。それにしてもこの曲のピロピロなギタープレイは圧巻。あんやほさんのギターの腕前って改めて凄いですよね。

5曲目「FUJIYAMA」、お祭りソング的な賑やかなメロで「登山日和ランラン」なんていう能天気な歌詞が印象的なんですが何気にDjent系のテクニカルな展開が入ってくる油断ならない曲。この曲のキャッチーさとカオスさのバランスはかなり理想的だと思う。

6曲目「経卜の腐敗」、ジャズ系のシャッフルビートだけどギターが相変わらずゴリゴリだから全体的にはジャズっぽいオシャレな雰囲気は控え目。

7曲目「人 is 筒」、これは以前にニコ動にも上がってた曲ですが今回のアルバム収録バージョンは見違えるほどクオリティ上がってますね。曲名の時点であんやほさんっぽさ全開。シャッフルビート系と思わせといてひねくれた展開が仕込まれてるのが面白い。特にブレイクダウンのキャッチーなリフが一番の聞き所かな。

8曲目「801」はヘヴィさも変態性も控え目、今作でも最もストレートで爽やかな雰囲気な曲。だからと言って貧弱な訳ではなく硬質なベースが目立っててカッコいいんですよね。

9曲目「ビサージュ」、これが今回メロディが一番良い曲かも? メロディ的には今作のハイライト曲。この曲もヘヴィさ控え目だし最も一般受けしそうな曲かな。

10曲目「リバー」、今作で唯一クリーンボーカルの無いデスボオンリーの曲。しかし過去作のようなスラッシュメタル系のアグレッシブ曲ではなく、ミドルテンポで叙情的なサウンドが印象的で意外にゆったりした系統の曲かも? Djentなテクニカル要素もあり。

11曲目「酔狂なリベラルと二丁拳銃」、これはニコ動でも再生数けっこう行ってたしあんやほさんの代表曲と言えそう? 実際、今作で最もボカロ曲としての完成度が高い曲。ヘヴィなサウンドとキャッチーなメロのバランスが見事。

12曲目「Grave of Comrade」、アルバムラストは三拍子系の叙情的なスロー曲になるかと思わせといてやっぱりガッツリとメタルコアサウンドが入ってくる。あんやほさんの曲で単純なスロー曲って1つもないよね。

無音トラックを隔てて14曲目はボーナストラック、前作の3曲目の新バージョン。前作と比べると大幅にサウンド進化してることが分かる。

という訳で、前作からめちゃくちゃクオリティアップして同人メタルコア系でもトップクラスに仲間入りするほどのレベルに達してると思います。これほどの完成度、もしボカロじゃなくて実力派歌い手がボーカルやってたら最強クラスの作品になってたかもしれない…? でも上手い歌い手に依頼したら相当費用がかさむと思うし、何よりボカロで作ることによってボカロ系リスナーを獲得できるメリットあるから必ずしも歌い手が歌えばもっと良くなる~みたいな単純な話ではないと思うんですけどね。でも余裕が出てきたらそのうち人間ボーカルにも挑戦して欲しい気がする。

まあサウンドクオリティは圧倒的に今作に軍配が上がるけど、音楽性としては前作のほうが断然好きなんですけどね。あんやほさん「らしい」スラッシュメタル要素&変態要素&ドラマチックな曲構成がありましたからね。次回作はその辺の復活を期待したいですね。「燃やすぜ校長の車」みたいなノリを聞きたい。
ってか、次回作はクラウドファンディングを募ってるみたいだけど…集金用のアプリがカード支払いしか出来なくてしかもMasterCardとVISAしか選択肢が無いっていうのが…うーん…。

BLAPTOPHOBIA「早起き少女の目覚まし時計!e.p.」

https://annyahoo.booth.pm/

皆さん忘れずにダウンロードしましたか? この作品はweb上の同人音楽イベント「APOLLO」の期間限定(以下同文)

という訳でAPOLLO合わせで発表された3曲入りEPです。
あんやほさんと言えばAPOLLOの「ロック」を毎回チェックしてる方ならご存知だと思いますが、あのめっちゃ怖いジャケのボカロメタルをやってる人なんですけど、今回のEPはジャケの時点で変化が一目瞭然。本当に同じサークルか?って疑いたくなるほどに別物すぎる可愛いイラスト。
もちろん中身もいつもと全く別物で、今回はボカロではなく女性ボーカルをフィーチャーしたとても可愛らしい電波ソング風味の作風に転換していて、今までのアグレッシブでダークで狂気にまみれたBLAPTOPHOBIAと本当に同じ人間が作ったのか?って思うほど雰囲気が違いすぎ。

しかし、作風が全然違うからガッカリ…なんてことはなく、むしろこれはこれで良い。めっちゃ良い。180度異なるベクトルの音楽作ってもこれだけの完成度で仕上げることが出来るなんてほんと器用だなぁと。
もちろん、今までのあんやほさん「らしさ」が消え失せた訳じゃなくて、よく聞けば今まで通りの「狂気」が潜んでることに気付くんですけどね…特に2曲目。
とはいえ全体的には明るくて可愛らしい作風なので、今まであんやほさんのダークな作風を敬遠してたリスナーもこの機会に是非とも聞いて欲しい。って言ってもすでに公開終了してるけど…。また何かの機会に再リリースして欲しいなぁ…。

1曲目「早起き少女の目覚まし時計!」、これは一言でいうとエロゲでヒロインが主人公を起こしにくる朝のシチュエーションを曲にした感じ。でも歌というよりか…エロゲのサンプリング音声が乗っかってるインストみたいな雰囲気かも。オケはエレクトロニカ+ラウドロックな感じで、目覚まし時計の音を始めとした各種SEが切り刻まれリズミカルに散りばめられたような非常に賑やかで楽しい曲調。そしてミュートのクラッシュシンバルの音源が多用されて楽曲のノリの良さに大きな貢献してる。
セリフだけで歌は無しかと思いきや最後の最後でサビメロがやってくるという構成も面白い。

2曲目「ニル・イディアル」はDjentなギターインストにエロゲっぽいセリフが乗っかってる感じかな。でも単なるエロゲ風のセリフではなくて、よく聞くとめっちゃくちゃメンヘラってる内容のセリフなんですよね…やはりあんやほさんらしい。っていうか普通にアグレッシブなデスボ乗っかってるよりもよっぽど鬱オーラが強烈かもしれない…このメンヘラポエム。で、終始ポエム語りだけかと思いきやラスト30秒あたりになって歌メロが入ってくるという、1曲目と同じく意外性のある構成。

3曲目「メロディアス・ファクトリー」、これは奇をてらった部分は全くない可愛い系ポップソング。この曲もセリフは多用されてるけど最初から歌メロが入ります。この歌&セリフ担当のゆのさんっていう方、歌唱的には少し拙さが残ってるけどセリフについては味のある良い演技してらっしゃいますよね。おそらくボーカリストではなく同人声優さんなんでしょうね。

そんな感じでいつもと一味違う可愛い系の音楽が楽しめるEPになってます。あんやほさんの作風がこのまま可愛い系に傾くっていうことは無さそうだけどたまにはこういう作風も良いですよね。
そういや春M3のあんやほさん主催のコンピもまだ記事書けてないですが…近いうちに書きますのでお待ちを。あんやほさん&ミチザネさんの曲めっちゃキラーチューンですからね。
そしてニコ動のほうに最近投稿してらっしゃったボカロ曲もかなりクオリティ高めだったし、次なるアルバムへの期待が高まりますね。

BLAPTOPHOBIA「APOCALYPSE」

2017-02-03_015617.jpg

https://annyahoo.booth.pm/items/206145

結論から言うと傑作アルバムですね。
キャッチーさと変態性の両立、オタク音楽ならではの足し算の美学を極めたジャンル越境型メタルとして非常に優れた作品だと思います。
歌はボカロですがそれはほとんどマイナス要素にはなってなくてむしろボカロだからこそ成立する変態音楽のようにも感じる。

このサークル知ったのって確か1年半前のAPOLLOだったかな? 最初の2作は歌メロの無いひたすらアグレッシブな作風だったので関心薄だったんですが、この3作目では一転してキャッチーなメロディを大量導入してきたので個人的な注目度も一気に増した感じです。
しかも、そのキャッチーさが一般受け狙いで後付けしたって感じの中途半端さではなくてめちゃくちゃ説得力のあるキャッチーさなんですよ。メタル要素を全て取り除いて普通のボカロ曲アレンジにしたとしても十分に魅力的になりそうってくらいメロディアス。
その卓越したキャッチーなメロディと、このサークル本来のアグレッシブでカオティックな音楽性がギリギリのバランスで両立されてるのが本作の主たる魅力かなと。もしこれ以上変態性を増したら一般リスナーは付いてこれないだろうし、これ以上キャッチーさを増やしたら今度はメタラーが物足りなくなるっていう見事な匙加減。

アニソンとカオティックなメタルを組み合わせたサークルは他にもあるんですが、アニソンを基軸にしてるサークルとは違ってこのサークルの場合は変態性が先にありきで作られてる印象が強く、全ての収録曲の下地に変態性を感じ取れるのが特色と言えるかも。素直にメロディアスなだけの曲は1曲も無い。キャッチーなメロディ展開の隙間にこれでもかと変則リズムのフレーズぶち込んできますからね。一般リスナーにとっては疲れるかもしれませんがうちらみたいな変態音楽ばっかり聞いてるリスナーにはこの上なく刺激的です。

そしてスラッシュメタルからの影響が色濃いのもこのサークルの特色ですかね。しかもSLAYER風のオールドスクールなスラッシュメタル。メロデス系のメタルやってるサークルならば数多いんですがスラッシュメタル系のサークルってけっこう珍しいと思うんですよね。旧譜のほうは試聴しか聞いてないんですがさらにスラッシュメタル寄りな作風だったようですね。

収録曲は10曲のフルアルバム。しかも各楽曲に様々なジャンルの音楽性を節操なくぶち込んであるんで総合的な情報量は半端ない。
ともすれば支離滅裂になりかねない実験的な組み合わせもあるんだけど、そこは巧みなアレンジと高い演奏力によって支えられてる感じ。

1曲目「Introduction」、名前の通り序曲的なインストかと思いきや初っ端からいきなり本気モードで攻めてきます。変則リズムのDjent的リフによるカオスに次ぐカオスな展開。そのカオス尽くしの中にちょこっと入るゲーム音楽風味のオルガンのメロディがオアシスのような絶妙な役割を果たしてますね。

2曲目「純血のザナドゥ」、これはほんと名曲。自分はボカロメタルたくさん聞いてる訳じゃないんだけど少なくとも自分の聞いた範囲内では確実に最高の部類に入る名曲。高音を駆使したドラマチックなサビメロはボカロならではでしょうね。途中で分かりやすくブレイクダウン入るからいちおうジャンル分けとしてはメタルコアなんでしょうけどそのブレイクダウンにもゲーム音楽っぽいシンセが乗ったりするしサビはメロスピっぽいしやっぱりジャンル不定のオタクメタルって感じ。

3曲目「現代ハデス」も割とメタルコア風。この曲は比較的カオス展開は控え目だけどそれでもやっぱりジャンルのテンプレにハマらない自由さを感じる。

4曲目「ゲヘナの門番」、これは今作中で唯一クリーンパートの無いアグレッシブ一辺倒な曲。2分半という短い尺ながらこのサークルの特色となるスラッシュメタル的な展開を基調にして一気に駆け抜けます。スピードダウンしたパートに来る デンッデデデンッ っていうキャッチーなリフがめっちゃ耳に残る。SLAYERばりに狂ったように速弾きしまくるギターソロも圧巻。

5曲目「COSMO」、これはお洒落なジャズっぽい曲調+変態メタルの融合かな。ウィスパーボイス風のボカロによる歌メロと轟音サウンドのギャップ感が素敵。

6曲目「フリーダムゲイザー」、こちらはエモ爽やかなポップパンク+変態メタルの組み合わせ。Aメロの混沌っぷりとBメロ&サビのキャッチーさの落差が凄い。そしてこの曲でもギターソロのSLAYERな速弾きが強烈。

7曲目「Grand Guignol」、これはゴシック+変態メタルか。同人ゴシック的な耽美でファンタジックな雰囲気とカオティックでアグレッシブな演奏が違和感なく融合されている見事なアレンジ。

8曲目「Hope」、これは飛翔系メロスピとメタルコアとDjentの組み合わせ。神々しい雰囲気を帯びた美しい歌メロとカオティックなギターフレーズの対比が実に刺激的。オタクメタルでしか有り得ない(良い意味で)無節操な音楽性でありながら整合性も感じさせる見事な出来栄え。
この曲はニコ動に上がってるバージョンも見たんですけどコメントがちょっと荒れてましたね。まあ曲名が有名ボカロPとかぶってるから仕方ないところもあるけど…。ドラムはニコ動バージョンと比べると大幅に改善されてますね。着実な進歩を感じる。

9曲目「レブルの民」、いかにもボカロソング然としたチャラいポップスパートとアグレッシブな爆走サウンドの強引な組み合わせ。かなり変態的な音楽性だと思うんだけどこれはニコ動のコメント見たらけっこう賛辞が多いんですよね。なるほどこういう感じなら一般リスナーにも受け入れられるのかぁ。もちろんメタラー的にも最高に変態でカッコいいと思います。

10曲目「精神叫喚ディストピア」、ラストは再び爆走スラッシュメタル曲。こちらはクリーンの歌メロあるんで4曲目よりかは少しだけ一般向けかな。それでもかなりアグレッシブだけども。イントロのブラックサバスみたいな低速リフはメタルコア系ではお目にかかれない代物でしょう。新しいメタルから古いメタルの要素まで網羅してるのにちゃんと統一感あるのが凄い。

どの収録曲もメロディアレンジ共に完成度が高くて捨て曲もない。間違いなく昨年の年間ベスト上位に入る名作アルバムだと思いますね。全体的にカオス度が高いので万人向けではないんですけどメタラーならば絶対に聞くべき。ボカロ音楽を聞かないメタラーも必聴ですよ。演奏だけ聞いてても楽しめますから。

プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

最新記事
カテゴリ
VA (4)
Imy (1)
リンク
検索フォーム
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QLOOKアクセス解析