Tsurugi(kt of 24)「爽やかロック戦闘曲EP」

https://hiainotsurugi.booth.pm/

皆さん忘れずにダウンロードしましたか? この作品はweb上の同人音楽イベント「APOLLO」の期間限定のダウンロードアルバムなので今はもう手に入りません。

APOLLOもすでに第6回を迎えたということで、様々なサークルがこのwebイベントに合わせた特別な企画作品を発表するようになってきましたが、それにしたってこのサークルほどに豪華な企画作をぶつけてきたサークルは他にいないんじゃないでしょうか。
なんせ、販売してる作品よりも収録曲が圧倒的に多くて(13曲!)しかも曲数が多いだけでなく内容的にもめちゃくちゃ濃密で捨て曲なしの素晴らしい曲だらけ、なのに無料ダウンロードだったんですよ???…ずいぶんと思い切ったことするなぁと驚いてしまいましたが…。期間限定&過去曲の詰め合わせだったとしてもサウンドクラウドで公開してない曲は実質的に新曲と変わらないと思うし…やっぱり思い切りすぎ。

先日の春M3で頒布された新作ミニアルバム「Our Fate」より先にこの無料企画アルバムを取り扱ってしまうのは順序が逆かなとも思いますが、でもぶっちゃけこっちのほうが断然メタラー向けな内容なんですよね。ロック要素が減退して全体的に落ち着いた作風になっている「Our Fate」に比べ、この企画アルバムは2ndミニアルバム「Higher than the Sky」と同様に全編がテンション高い疾走曲ばかり。一般のゲーム音楽好きリスナーならいざ知らず、メタラー的にはこっちのほうが数段美味しい内容であるのは否めないところです。

とはいえ、この企画作はわざわざ「戦闘曲」とタイトルが付けられてることからも分かるように、Tsurugiさんにとってはロック調の楽曲というのはあくまでRPG等における戦闘のシチュエーションに則した曲調であって、ロック要素がTsurugiさんの音楽のアイデンティティに関わる不可欠な構成要素ではないのかもしれない?
にしてはロック的な音作りが非常に巧みだし(特にドラムのリズムパターンが卓越してる)、そのロックなグルーヴが他の同系統のゲームサントラ風の同人音楽と差別化し得る決定的な要素になってるのは違いないと思うんですよ。少なくとも自分にとってはロック要素が必須。
Tsurugiさんの音楽の大きな特色になってる壮麗なストリングスサウンドも、単体だとちょっと物足りないというか? やはりストリングスサウンドがロックサウンドと融合することによって初めてTsurugiさん「らしさ」があふれる独自のサウンドになるような気がするんです。
もちろんこれはメタラーとしての意見であって、ゲーム音楽好きな人達だと感じ方はまた異なるとは思うんですけどね。

前半の収録曲、1曲目~7曲目あたりは2nd「Higher than the Sky」の収録曲と割と同路線の爽やか疾走曲が並んでいます。どの曲もTsurugi節が全開って感じ。壮麗なストリングスの音色と軽快なロックサウンド、イメージ的にはまさに2ndミニアルバムの青空なジャケ画像そのままの「天空を駆け抜ける」ロック。戦闘曲と銘打たれてはいるんですけどやっぱり空飛んでるイメージのほうが強いかなぁ。戦闘曲に付き物の緊迫感や勇壮感は控え目でポジティブな爽快感や開放感のほうが勝っている。
過去曲を詰め合わせた企画作品ということもあって作品全体の構成はあまり気を配られてない感はあり、似た曲調が連続していてバラエティには乏しいんですがそれでも飽きが来ないのは1曲1曲のアレンジの完成度が高いおかげだと思う。普通ならこれだけ似た曲調ばっかりだと途中でダレてしまうんですけどこのアルバムは中だるみが無いんですよ。やっぱり凄い。
サウンドのクオリティは総じて高めだけどギターの音だけ打ち込みなので、そこだけチープさが残ってるっていうのは2ndのときの感想にも書いたけど、でも楽曲とアレンジの完成度が高いからほとんど気にならないんですよね。むしろ中途半端に生ギターにするよりかはこのままで良いような気がする。よっぽど上手いギタリストが弾くのでもない限りは。

8曲目、9曲目あたりでは少し趣きが変わって、少しだけダークで、ポストハードコアを意識したかのようなテンポ抑え気味でキックの重みを強調した曲調にシフトします。でも「爽やかロック」な基本方針には変わりはなし。

10曲目以降は、オルガンの音色や変則的リズムが随所に取り入れられていて心なしかプログレ感が強い作風になっています。そもそもゲーム音楽ってキーボードプログレから多大な影響を受けているジャンルなのでプログレっぽさが感じられるのは当然といえば当然なんですが、Tsurugiさんの音楽はそういった間接的な影響を実に巧みに、そして自然体で見事に表現しているように感じられます。

特にお気に入りの曲を選ぶってのが難しいんだけど、裏を返せばそれだけ良い曲ばっかりで楽曲の平均点が非常に高い、そんな企画アルバムだと思います。
個人的にはゲーム音楽系の同人音楽の「理想」に最も近い音楽と言ってしまっても過言ではないくらい。それほどに良い。ゲーム音楽が好きな全てのリスナーにおすすめしたい作品なんですが特にメタラーには絶対聞いて欲しい。
…とはいえこの企画アルバムはAPOLLO限定ダウンロードだったのでもう手に入らないんですよね…残念ながら。ダウンロードし損ねた方は作風の近い2ndミニアルバム「Higher than the Sky」を是非ともどうぞ。
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Tsurugi(kt of 24)「Higher than the sky」

2017-01-05_041103.jpg

https://soundcloud.com/user-302919664/xfd-of-higher-than-the-sky

このサークルも今回のダークホース枠と言って良さそうですね、非常に素晴らしい作品です。インスト作品ですが聞き応えありまくりますよ。
共に合同スペースで参加していた四コマ漫画家(違う)のDIAさんとすみすさんの合作のほうがめちゃくちゃ豪華絢爛なオーラ放ってるからぶっちゃけその影に隠れちゃってる感ありますが、実は向こうに比べても全く遜色のない充実な内容なんですよ。
まあ、ほとんどの人はDIA&すみすのアルバムと合わせて入手してるんじゃないかと思うんですが、もし未チェックの人がいたらこちらも絶対に聞いておくべきですね。

このTsurugiさん、これが2作目のミニアルバムみたいなんだけどM3参加は初めてっぽい? いちおう新規サークル枠なのかな。
音楽性はというと、シンフォニックなゲーム音楽を基本コンセプトにしつつもそこにV系ロック、プログレメタル、マスロックなどの多様な音楽からの影響を貪欲に取り込んで独自のスタイルを築き上げている感じですね。合同参加のDIAさん&すみすさんの音楽性と重複する部分がかなり多いしやっぱり似た嗜好を持つ者は同じ界隈に自然と集まるものなのかなぁと。
とはいえ、DIA&すみすの圧倒的な完成度に比べるとこのTsurugiさんの作品はギターも含めて全て打ち込みなのでチープ感もだいぶ残っていますし、収録曲のボリューム的にも劣ってるんですが、じゃあこちらは下位互換なのか?というと全くそんなことはないんですよ。
音はチープであっても楽曲の出来が実に素晴らしくてアレンジセンスにも輝くものがあり、収録曲は少なめであっても捨て曲なしで、各楽曲の役割が明確になっていることにより無駄のない構成になっていることも好印象です。インスト曲オンリーなのに全く退屈させないだけの巧みさがあります。
ジャケット画の青空のイメージそのままの爽やかな清涼感が作品全体に通底していて一貫性の強い仕上がりになっているのも素敵ですよね。そしてDIA&すみすと同様にアップテンポで明るくドラマチックな曲が大半を占めてるのも重要なポイント。ゲーム音楽的というだけでなくメタラーの嗜好にもハマりまくりな音になってると思います。

1曲目「Beyond the sorrow」、イントロのギターフレーズはV系っぽい感じですがバイオリンの音色が乗り始めると葉加瀬太郎系の雰囲気に移行。ギター単独のパートだと打ち込みのチープ感が前面に出ちゃうんだけどバイオリンと絡むとすげえ良い感じになるんですよねえ。ストリングス系の音源にめちゃくちゃ力を入れてるのが伺えますが、ギターパートもオマケということはなくて聞き所は多いですね。単にバイオリンをフィーチャーしたV系ロックというだけでなく、マスロック的なテクニカルな展開をアクセントとして盛り込んでいるのも素晴らしい。

2曲目「Higher than the sky」、表題曲ということもあってこれがベストチューンかなぁ。はっきり言って最高すぎますよこの曲は。ジャケットのイメージ通りの清々しく壮麗なストリングスが分厚く全編を覆っていて、全ての楽器の音が絶妙な一体感を成して押し寄せてくるような感覚。この圧倒的ドラマチックサウンド、ゲーム音楽系シンフォニックロックとしてこれ以上にないほどの出来栄えなんじゃないでしょうか。凄まじい完成度。まさに必聴曲。

3曲目「風のように」、これも「爽やか系」ロックであるのは変わりないんですが割とエレクトロな音色が目立ってる感じですかね。もちろんストリングスサウンドも大活躍。

4曲目「Radical assault」、これも2曲目と並んでハイライト曲でしょうな。アップテンポな曲が中心の本作においても特に疾走感が強い。RPGバトル曲を想起させる緊迫感も濃いですね。固まりのような分厚いシンフォニックサウンドを伴い疾走する展開はひたすら心地良いんですが、途中で転調してプログレ的なギターリフが登場してリズム変わる部分、ここ何度聞いても天才的だと思うんですよね。カッコ良すぎんでしょまじで。ギターサウンドのチープ感とか1ミリも気にならなくなるくらいに最高にスタイリッシュ。凡百のゲーム音楽風シンフォニックロックとは一線を画する圧倒的センスを感じる。これも必聴曲。

5曲目「Dawn breaker」、これは作中で最もプログレ色が濃い曲ですかね。変拍子をたっぷりフィーチャーしてます。でも難解な印象は無くてやっぱり爽やか&スタイリッシュ。プログレ要素の入れ方が本当に上手い。プログレッシブオタクミュージックとして理想的なバランスなんじゃないかと。

6曲目「紫電清霜」、これだけ他の曲とは違って疾走ロック要素はなく、終始ド派手なオーケストラサウンドが展開する曲ですね。

DTMer的にはDIAさんのハイレベルサウンドに一歩遅れを取っていると言わざるを得ないでしょうけど、アレンジセンスの高さにおいてはDIAさんと並び得る天才っぷりを発揮してると思うんですよね。
DIA&すみすのアルバムは多くの人から絶賛されてるみたいだけど、こっちもちゃんと評価されて欲しいなぁ。方向性的にかなり近いんで向こうが気に入ったならきっとこちらも気に入るはずですよ。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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