Type-Y.O「迷宮季譚」

https://type-yo.booth.pm/

本格的プログレッシブロック(メタル)を聞かせるボカロサークル、Type-Y.Oが今春に発表したミニアルバムです。

春と言っても春M3ではなくて…同日に開催されていたボマスのほうでの頒布だったんですけどね(M3とボマスが競合するような日程になってたのは残念)。当然ながら自分はその時には入手できてなくて、先日のwebイベントAPOLLOの際にboothのほうでダウンロード版を購入した次第です。まあ本音を言えばCD版を手に入れたかったんですが…ジャケも美麗ですし。
ちなみに、ダウンロード版のほうはハイレゾ音源となっておりまして、制作者の自信とこだわりを強く感じさせる仕様なのですが、しかしながら自分の視聴環境では宝の持ち腐れになってると言わざるを得ないですね…面目ない。

さて今回の作品についてですが、以前も紹介した「春の病は夢うつつ」と「真夏の夕凪シンドローム」の2曲を含めた四季シリーズの4曲を収めたコンセプトミニアルバムとなっております。4曲だけとはいえ何しろプログレッシブロックを標榜するサークルですから9分前後の長尺曲が2曲もあり、ボリューム感、満腹感は結構なものです。
四季それぞれをテーマにした曲が収録ということで、季節折々の風景を想起させるようなカラフルな内容になっています…って言いたいところなんですが、実際にはどの曲も薄暗くてメランコリックで変拍子で…要するにあまりバラエティ感のある内容ではないんですよね。四季がテーマと聞いて多くの人が思い浮かべるようなタイプの作品ではないかもしれない。
とはいえ極端な話、プログレ好きな人間が「夏だwwwwwウェーイwwww」ってノリの夏曲を作るとか有り得ないし、プログレオタクは1年ずっと薄暗くて陰鬱な曲を聞いてるんだからこれでいいんですよ(ものすごい偏見)

そんな冗談はさておき、楽曲は依然としてハイクオリティな出来栄え。プログレッシブロックという古典的な音楽の影響を土台にしながらも過剰に懐古的な匂いを発したりせず、ボカロという現代的な手法と組み合わせることで非常にハイセンスな音楽に昇華させている印象です。プログレとして聞いても味わい深い音楽であるし、同時にボカロ音楽としても完成度が高い。アナログな音とボカロ的な無機質な音が見事に溶け合っている。素晴らしいバランス感覚。

1曲目と2曲目は以前も紹介したので省くとして…3曲目「秋の残酷ノスタルジー」、これが作中で最もキャッチーな曲ということになるでしょうか。童謡のような親しみやすい和風メロディ。サビメロには神秘的な雰囲気もある。複雑な曲展開はないけど何気にヘヴィなギターが荒ぶってて聞き応えあり。

4曲目「冬の仮初め虚ろな悪夢」は9分近くあるプログレッシブ大作。同じく長尺である「春の病は夢うつつ」が複雑でありながらもキャッチーなメロディをメインに据えていたのに対し、こちらは露骨にプログレ展開を前面に出してきてる。目まぐるしく変化するリズムに翻弄されること必至ですが、でも1つ1つのリフやメロディは分かりやすいので別に難解ってほどじゃないんですけどね。ゲーム音楽要素のある和風なサンホラ…みたいな感じだと思って頂ければ(?)
シンセとギターによるテクニカルなアンサンブルが多めなのでプログレッシブロックというよりかはドリームシアター的なプログレメタル寄りな印象が濃いですかね。

そんな訳で、細部まで計算され作り込まれているとても完成度の高い濃密なミニアルバムとなっております。メロディも秀逸なので、プログレに興味がなくとも和風ボカロが好きなリスナーにはおすすめです。もちろんプログレ系が好きな人ならもっと楽しめること請け合い。
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Type-Y.O「春の病は夢うつつ」

https://type-yo.booth.pm/

http://www.yoyo-record.com/vocaloid-music

す…すげえ…。ボカロ界隈にこんな超ハイレベルなプログレッシブオタクミュージックが存在していたのか…。はっきり言ってめちゃくちゃ衝撃を受けました。上のURLは先日のAPOLLOで頒布されてた長尺ボカロ曲なんですけど…ぶっちゃけこれ以外の過去曲のほうがもっと凄いんですよ。下のURL先で聞けますんで是非どうぞ。まじ必聴です。

ちょっとね…前回のSEVERUS WANDといいクロワッサンシカゴといいこのType-YOといい…半端ないですね…。ボカロサークルだから聞かなくてもいいやとスルーしてしまうのは余りに勿体ない。ボカロ系を聞いてないことでどれだけ損をしているのかを改めて思い知らされました。

前回紹介したSEVERUS WANDは同人音楽リスナー全般におすすめ出来るタイプの万人受けする音だったのですが、このType-YOはちょっと変態寄りなプログレッシブオタクミュージックですね。変態寄りとはいっても前述のクロワッサンシカゴに近いスタイリッシュ変態(?)って感じで洗練さと親しみやすさも合わせ持ったサウンドなので敷居の高さは全くないですしご安心ください。ただ、このType-YOは直接的に「プログレッシブロック」を標榜しているだけあってマニア向けな要素も色濃いですけどね。

「プログレッシブ」な音楽性を標榜するサークルは近年増加していると思うのですが、「プログレッシブロック」とさらに定義の幅を狭めて標榜しているとなるとCrimdollくらいしかいなかった気がするんですけど、このボカロPの場合ははっきりと「プログレッシブロックを中心に」と明言していますね。実際に音を聞いてみても、70年代オールドプログレっぽいテイストがちゃんと入ってるんですよね。
ただ、Crimdollみたいに懐古主義に走ってる訳でもなく、過去曲を聞くとメタル要素やマスロック要素など非常に幅広くプログレ系ミュージックの要素を取り入れてることがはっきり分かるんですけどね。というかここまでプログレ系の各ジャンルの音を網羅してるサークルって他にいないかもしれない…それくらいバラエティに富んでる。

ほんとなら公開されてる全ての曲の感想を書き記しておきたいくらいなんですけど、とりあえず今回はAPOLLOで頒布された曲だけに留めておきます。

まずは「春の病は夢うつつ」、9分越えの長尺プログレ曲っていう時点で異色な楽曲なんですが、単に長いだけではなく多様な展開が詰め込まれた聞き所たっぷりの曲になってますね。無駄のない構成で冗長さも全くありません。
幻想的なイントロに続いて早速プログレ然としたテクニカルパートが炸裂。ここはメカニカルな印象もあってプログレメタル感が色濃いですかね。その後は穏やかな「和」の曲調にシフトし、この辺りはプログレとか関係なく普通に和風ボカロ曲として楽しめるんじゃないかと思います。
そしてサビメロではかなりのインパクトがあり、ドラマチックで申し分ない盛り上がりを演出してくれるんですが、さすがプログレというべきなのか、こんだけカッコいいサビなのになんと1回しか出番ないんですよ…。まあでも構成上サビを繰り返すとクドくなってしまいそうだし仕方ないのかな。
サビ後は流麗なギターソロが披露され、演奏テクニックの高さも確認できますね。そしてバンドサウンドが一時的に消え、ホラー風味のある童謡っぽいパートが挿入されます。そこから打って変わってヘヴィなギターリフが展開して緩急の付け方も実に見事。
再びテクニカルなリフを経て穏やかな和風パートに戻り、そのままエンディングに。ラストの情感豊かなギターソロはピンクフロイド風味もあったりする? この辺がやはりプログレッシブロックを標榜する所以なのかな。全体的にはやっぱりプログレメタル寄りな気がするんですけどね。
まあでも、小難しいジャンル分けとか考えずに「サンホラっぽい複雑な構成があってゲーム音楽っぽい感覚の和風ボカロ」くらいに考えて聞いても十分に楽しめると思います。

「真夏の夕凪シンドローム」、こちらは4分というコンパクトな尺なのでそれほど派手な展開はなかったりするんですがしっかりとプログレ要素は入ってますね。なんせサビで変拍子入ってきますしね。縦横無尽に動き回るドラムとベースのコンビネーションが聞き所。ギターソロはやはり叙情的ですねえ。そしてやっぱり普通に和風ボカロとして聞けるキャッチーさを合わせ持ってるのは凄い。

そして過去曲はこれ以上に素晴らしい曲が沢山あるんですよ。詳しい感想を書くのは次の機会にしておきますが、「背徳偽モノクロ」、「パラドキシカル・リアリティー」辺りが特に強烈な曲なんで是非とも一聴して頂きたい。ハイクオリティのプログレッシブオタクミュージックが揃ってます。
このボカロPってCDは出してないんですかね? これだけハイレベルな楽曲が揃ったアルバムとか出たらうちのブログ的にトップクラスに推せる名盤になること間違いないと思うんですが…。なんて勿体ない…。M3じゃなくてボマスでもいいからCD出してくだせえ…。

繰り返しになりますがやっぱりボカロ聞いてないと決定的に損してる感ありますよねえ…。でも…どうもニコ動って苦手で…あんまり漁る気になれない…。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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