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Mokine「Mokine Miku」

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https://xiloro.booth.pm/

界隈にはソシャゲやら音ゲーに曲が採用されたとか様々な強い実績を持つサークルは多いんですけどこのサークルもびっくりするほど強いんですよ。なんとTVで作品が紹介されたという!!! ちょwwwwwおまwwwww有名人wwwww状態。

ちなみにTVで紹介されたっていうのは音楽作品ではなく自主制作ゲームのほうだった訳なんですけどね。同人ゲーム制作と同人音楽活動を並行して行うハイパーマルチクリエイター系サークルであるChloro/Xiloroなんですけど、ゲームのほうが各所で絶賛されてるっぽいにも関わらず音楽サークルXiloroのほうはさっぱり話題になる気配がない。傑作フルアルバムを3つも発表してるっていうのに。これだけ個性的で面白い音楽やってるサークルだというのに。何故なのか。
みんな、ゲームが良かったからといって必ずしも音楽のほうにも興味持って聞いてみようとはならないのかなぁ…残念ながら。まあかく言う自分も音楽聞いてるのにゲームのほうはやってないですからね。何故なのか。人間という生き物は愚かで矛盾した不可解な存在だからね…仕方ないよね(極大主語)

さて今作はXiloro名義ではなくもきねさん単独名義での新作なんですけど実質的にXiloro新作扱いでも良い気がする? Xiloroと違って女性ボーカルものではなくボカロだしジャンル的にもロック要素はかなり薄め。にも関わらずやはりXiloro「らしさ」が満載の内容。
M3直後にも書いたことの繰り返しになりますが、このアルバムって計画的に制作された作品というよりかはイベント間近になってから突発的にデモ曲を寄せ集めて作ったような感じがありありなんですけど、にも関わらず各楽曲から滲み出るポテンシャルの高さ。未完成っぽいデモ曲の寄せ集めであってもこれほどのオーラを保持してるってのは驚愕と言うしかないです。昨年のボツ曲アルバムといい、相変わらず本気作でないのに圧倒的パワーを誇る「なろう系」主人公のようなチートっぷりを発揮。これが天才以外の何だというのか?

だからといって、ボカロでも全然いけるやん!Xiloro最強!もきねさん天才!このままボカロで行こうぜ!みたいな簡単な結論には至らないんですよねえ。やはりXiloroの音楽性にとって脱退してしまったボーカルのMeltyさんの歌声は不可欠な構成要素だったというのは否定できない事実。Meltyさんのあのキュートな声質が無ければ成立しなかった楽曲も少なくなかった訳で…相当な痛手であったことに変わりはないかなぁと。
このボカロアルバムも十分に魅力的な楽曲ばかりなんですがXiloro本体に比べると他と明確に差別化できるだけの決定的な要素が欠けるかなって感じもあるんですよね。やっぱ人間の歌声ってのは唯一無二の個性を持つ物ですからね。
もちろんボカロという表現形態をdisってる訳じゃなくてボカロならではの良さもありますけどね。このままボカロサークルになるという選択肢もそれはそれで全然アリだと思うし。

本作は9曲入りアルバムですが前述の通りデモ曲っぽい短い尺の曲が多いので全体でも30分未満。
1曲目「Aim Now Aim」はフル尺の「完成品」。これはデモ曲っぽさはなく完成度高いですね。派手なシンセと電子ドラムによる電波ソングっぽい曲調。Xiloroと全然違うようでいて実はギターをシンセに置き換えて歌をボカロにしただけで根本的な部分は変わってない。シンセのリフもハードロック的だし。Aメロのクスリキメたみたいな初音ミクのポリリズムなラップがインパクト大きいんですがBメロでは打って変わってメロディアスになるしやっぱXiloroに近い魅力がある。

2曲目「どうせ」もフル尺。Aメロは童謡系の穏やかな雰囲気だったりしますがBメロで一転して不穏な雰囲気になりサビではAメロを倍速?にしたような展開になるという意外性に満ちた曲。これだけ曲調が急変するのに全く違和感なく繋がってるのはアレンジの妙だなぁと感心するばかり。何気にこの曲だけギターが入ってるんですよね。
歌詞が今までのXiloroには無かったタイプで、コミュ障あるあるみたいな根暗で病みまくってる内容。ボカロ曲ではこういう病んだ歌詞はちっとも珍しくないけどボーカルさんにこれ歌ってもらうのは無理だよねえ。この「病み」がもきねさんの素なのかもしくはボカロってこういうの多いよね?って感じで寄せた結果なのかは定かでないですが。

3曲目「亡き王女のためのコラール」、タイトルからして東方アレンジかと思ったけど違った。「宗教音楽チャレンジ」と称してサウンドクラウドで公開されてたやつですね。ボカロでグレゴリオ聖歌やるというまさに宗教音楽。他の収録曲とはまるで雰囲気異なるけど良いアクセントになってる。

4曲目「旅行」は1分半しかない小曲ですが単純な展開ながらもこの何とも言えない浮遊感が良いですよねえ。効果音も良い味になってる。

5曲目「わたあめ」も短い尺でシンプルな曲展開ながら不思議と存在感ある。フワッとした無垢な童謡系。反復される特徴的なシンセの音がポイント。

6曲目「kid pics」はリズムトラック無しでシンセがひたすらピョコピョコ鳴るだけの実験的なインスト曲。

7曲目「テディベアの死んだ日」、タイトルからしてやばそうですが実際歌詞もだいぶ病んでます。めっちゃメンヘラってる系。これは2曲目以上にXiloroじゃ絶対無理な曲ですね。メロディやアレンジは単調だけどその分歌詞の病みが突き刺さってくる。

8曲目「Downstairs Memories」は歌詞のないボカロのスキャット曲って感じですが何気に壮大な感じが良い。

9曲目「サイクリングルーチン」、このメロディ展開がなかなか素晴らしい。淡々としてるようでいて不思議と美しく浮遊感があるこの感じ。

まあXiloroの3枚のアルバムに比べたら完成度が低いのは仕方ないんですがこのボカロアルバムも決して無視できない魅力を持った1枚であることは間違いないです。新たなボーカリストを見つけてXiloroが活動再開するのかは定かではないですがボカロであれ何であれ今後も注目していきたいですね。
ってかXiloroを知らない人がいたらまずXiloroを聞いて欲しいですけどね。アルバム3枚とも傑作です。
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Xiloro「Alternative Xiloro 1」

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https://xiloro.bandcamp.com/album/alternative-xiloro-1

「なん・・・だと・・・?」
と某漫画のコマを貼りたくなるくらいの驚愕に満ちた2018春M3「優勝」作品。他との「絶望的」なまでの戦力差を示して見せた途方も無いアルバム。

分かりやすく例えるならですね、このアルバム、始解も何もしてない素の斬魄刀で卍解状態の相手と対等以上に渡り合ってる感じというか、人差し指を「ピンッ」って動かしただけで敵が「ぐはっっ!!」って言って吹っ飛んで壁にめり込む系というかですね、うん、全く分かりやすく例えてないですね。まあとにかくやばいアルバムなんすよ。

えーと、では真面目な話このXiloroというサークルの何がそんなにやばいのか改めて整理してみましょうか。いつも言ってることの繰り返しになりますが未だにこのサークル認知してない方々も多いでしょうから。

まずこのXiloroは、「Chloro」という同人ゲームサークルから派生した音楽制作用の別名義サークルであって、つまり音楽制作は「本業」じゃない訳ですよね。本業じゃないのに本業でやってるサークルより早めのペースで作品発表してしかも中身が毎回めちゃくちゃ充実してるっていう。更に言うとオリジナリティもガッチリ確立された音楽性なので「Xiloroでしか聞けない」魅力がある上に早いリリースペースにも関わらず「マンネリ感」とも無縁。どうです?やばいでしょ?

まあ上記の事実は毎回繰り返し書いてることなんですけど、本格的にやばいのはここから。
今回のアルバム、「1st Camera Roll」という見慣れない表記がなされていて、なんじゃそりゃ?って感じなんですけどこの表記の意味は「アルバムに入れるほどではない」曲を集めたということらしい。ほー、つまりはアルバム不採用の「クソ曲」を寄せ集めて作ったって訳だね? まあせっかく作った曲をただお蔵入りにするだけじゃ勿体ないもんね。オーケーオーケー、じゃあ期待せずに聞いてみるか…なんて軽い気分で再生し始めるとすぐに違和感に気付く。「あれ?不採用の曲にしてはけっこう良いメロディじゃね?」「ん?いやむしろ今までのアルバムに入れてもいい感じの出来の曲が多くね?」「待て待て、最後まで聞いたけどこれ捨て曲ないレベルで良曲揃いじゃん!!!どういうことだおい!!!」
…と理不尽な怒りに苛まれる可能性すらある(?)。だって「クソ曲」を集めた企画アルバムであるはずなのに他所のサークルの「渾身」のアルバムより良い曲が揃ってるんですよ? なんじゃそりゃ、喧嘩売ってんのか!!ってレベルのやばさですよ。まさに冒頭に述べた「絶望的」なまでの力の差ですよ。

ほんと余りに良い曲が多いので、何故これらの曲が不採用になったのか小一時間問い詰めたいくらいですが、どの曲もメロディには何ら問題ないと思うのでアレンジが気に食わなかったのかな…いやいやアレンジなんていくらでも手直し出来るはずだしそれだけで捨てるのはやっぱおかしい。よく海外バンドの日本盤のみボーナストラックに本編よりも良い曲が入ってることあるけどそういう系のアレなのかな。にしては良い曲が多すぎるんだけど…。まあXiloroにおける楽曲選定のハードルが異常に高いのは間違いなさそうです。ここまでストイックに楽曲切り詰めちゃったら果たして3rdアルバムはどんな神盤になるんだ??ってかそこまでハードル上げちゃって本当に完成出来るのか??

で、そんだけ良い曲が揃ってるにも関わらず「捨て曲」集アルバムに位置づけられてることもあってか本作はBandcampにおいてName Your Price(投げ銭)でのリリース形態となってます。要するに実質的に無料ってことですね。もちろん投げ銭なのでリスナーが値段を決めることが出来ますが。
で、現時点での唯一の無料作品ということもあってこの作品を初聞きに選ぶ人もいそうですがその選択は正しいと思う。このアルバムにはXiloroの構成要素が一通り詰まっていて音楽的な特徴を把握しやすく、そして曲順も割と入門用に適してると思うんですよ。だからシングルから聞き始めるくらいならこのアルバムから入門することを圧倒的におすすめしたい。
ちなみに本作は当初Bandcampのみのリリースを予定していたようですが、フィジカル(CD)でのリリースを望む声もあったため少数ながらM3でCD-R版が頒布されました。まあBandcampのダウンロードって他と比べても非常に親切な仕様なんでデジタルリリースだけでも良かった気もしますが(他のダウンロードサイトだとCDリッピングするより手間がかかったりする…)、でもフィジカル派はそれだけだと物足りないでしょうし、あとはM3で頒布されないとこの作品を春M3作品にカウント出来ないっていう超個人的な都合もあったりするのでフィジカル頒布は十分に意味あったのかなと。

さて具体的な楽曲についてですが、全12曲で捨て曲はほぼ無し、繋ぎ曲(インスト曲)も無し。強い。強すぎる。

1曲目「Like a Lithium」、冒頭一発目からいきなりスローテンポで気だるい曲調。しかも序盤は3曲目までスローテンポ曲が続きアップテンポ曲は4曲目までお預け。ロックアルバムとしてはあるまじき楽曲配置かもしれませんが個人的にこれはアリだと思います。というのは、このXiloroの魅力の1つに過去曲「レンダリング」に代表されるようなアンニュイな雰囲気ってのは確実にあると思うので、同路線のこの曲を冒頭から聞かせてアピールする構成は割と初聞きリスナーに対しても効果的になり得ると思うんで。まあレンダリングほどのインパクトは無いんですけど地味にメロディしっかりしててなかなか良い曲。いわゆるスルメ系。

2曲目「いただきます」、タイトルからしてコミカル系で詞のほうも実際そんな感じでお気楽な雰囲気なんですけど、Xiloroお得意のブリティッシュロックテイストもバッチリ備えていて初聞きリスナーに対しても「あれ?なんか他とは違う?」って「引っかかり」を与えるだけの面白みある楽曲なんじゃないかと。

3曲目「万華鏡」、これはさすがに良い曲すぎて不採用の理由が全く理解できない。メロディ自体も素晴らしい上に、スローテンポのロック調でシンプルな展開かと思わせてサビ後に転調したりとかアレンジ面でも巧すぎる。

4曲目「穴」、この曲は冒頭からいきなり轟音ギターサウンドが炸裂するので音量には注意。ギターのミックス・マスタリングにはまだ改善の余地あると思うけど曲自体はめちゃくちゃカッコいい。(メロスピ曲を除けば)何気にXiloro史上最も激しく勢いのある曲調で、マスロック/プログレメタル的なテクニカルリフとドラマチックな展開もインパクト大だけどMeltyさんによる歌メロのキャッチーさも素晴らしく実にオリジナリティあふれる音に仕上がってると思う。

5曲目「Summer」は再びスローテンポに戻ります。曲名とは裏腹に暗めな歌詞とメランコリックな曲調だったりするんですがメロディがとても美しく印象的な楽曲。こんな良い曲を不採用にするなんて…人事担当者出てこい!って怒鳴り込まれても仕方ないレベル(?)

6曲目「Bloom」はXiloroならではのオールドスクールなブリティッシュハードロック調。なんだかんだでXiloroのギターサウンドってやっぱこのタイプの曲調に一番ハマりますな。リフを中心に組み立てられた曲なので歌メロのキャッチーさは多少控えめですがMeltyさんの歌声そのものがキャッチーなので総合的にも敷居の高さは全くありません。

7曲目「独占と癒着」、個人的にはこれが今作で一番気に入ってるかな。パンクロック調のラフなギターサウンドに乗せてMeltyさんのキュートなボーカルが「どくせんゆちゃくーちゃくどくせんー」ってひたすら繰り返すだけのコミカル度の高い楽曲なんですが、言葉遊びソングと侮るなかれ、途中からメロディアス&テクニカルなツインリードギターが絡んで意外なほどにドラマチックな展開を見せ終盤にはテンポチェンジ&転調もあったりで、「クラゲの気持ち」ほどカオスではないにせよ刺激的で奇想天外な楽曲に仕上がってると思います。他と一味違うXiloroの持つ魅力を体験するのに打って付けな1曲かなと。

8曲目「さよならホーキング博士」、曲名だけでいつ頃に作ったのか容易に想像できますね。バックコーラスは入るけどほぼインスト曲で、今作では最もデモ曲っぽさがあるかも。クリーントーンのギターフレーズを淡々と繰り返すシンプルな曲調ですが途中から入ってくる童謡のようなリコーダーの音色が印象的。この笛って打ち込みではなく生で演奏したみたいですね。

9曲目「Arch Enemy」、こんな曲名ですがメロデス曲ではないですよ、念のため。基本的に歌謡ロック調なんですがAメロの変則リズムのリフがものすごいカッコいい。作曲は市瀬さんか…プログレメタル寄りな曲はだいたい市瀬さん作みたいですな。「昨日の敵は今日の敵、明後日にはもう無敵」っていう言葉遊びの歌詞が耳に残る。

10曲目「Philia」、打って変わって静かなアコースティック調になるんですがこれがまた美メロすぎる曲。Xiloro楽曲でも屈指の美メロなのでは? こんな良い曲を不採用にするなんて人事担当(略)

11曲目「断捨離」、出ましたツーバス疾走曲再び。ぶっちゃけXiloroのヘヴィなギターサウンドにはメロスピ調は合わない。以前のシングルに収められたメロスピ曲ははっきり言って駄曲ギリギリだったと思うんですが、ではこの曲もダメなのか?っていうとそれが全くの真逆。これは間違いなく名曲です。確かにメロスピ系のアレンジは合ってないんだけどメロディがめっっっっちゃ良い。「Surfing On」に匹敵するくらいの名曲度。という訳で終盤に相応しいハイライト的楽曲になってると思います。

12曲目「Help!」、ビートルズのカバーソングじゃないですよ、念のため。この曲は昔のアイドルソングをパンクロック調にアレンジしたみたいな?そんな趣きの曲かな。Xiloroの芸風の幅広さを感じさせる。ちなみにサビよりもAメロの展開のほうが好きかな。

そんな訳でアルバム不採用楽曲を寄せ集めたアルバムだなんて絶対信じられないくらいの充実盤になってますんで是非とも聞いて頂きたいですね。こんな凄まじい才能を持ったサークルが何故に界隈で話題に上らないのか? 訳分からないですね。まあXiloroっていうかChloroのほうは先日Steamでもゲームをリリースして海外からもばっちり評価されてるみたいだから、過小評価されてるのはXiloroのほうだけなんでしょうけど。ゲームのほう経由でXiloroのほうも評価されて欲しいものですが。
ってか、最近は観測範囲内でも音ゲーに曲提供するサークル増えてきたように感じますがゲームとのコラボを最初から自前で行ってるXiloroってやっぱ最強すぎるなと。

Xiloro「Monster」

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http://xiloro.chloro.space/index.php

「Monster」…そうXiloroというサークルはまさに怪物と呼ぶに相応しい。

元々このサークルはChloroという同人ゲームサークルから派生した別名義サークルであって音楽専門で活動しているサークルではないんです。にも関わらず音楽専門のサークルを越えるほどの傑作アルバムを2年連続でリリース。
ここまでテンプレのようにいつも繰り返し書いてますけど…しかしこれって本当に怪物級の偉業だと思うんですよ。リリースペースが早いだけのサークルなら別に珍しくもないんだけどこのXiloroの場合は個性もしっかり確立されててこのサークルにしか出来ない音楽を生み出してると思うしさらに惰性感も全くないんですよね。同人ゲームを並行して制作していることを考慮しなくても音楽の評価だけで今の同人メタル(ロック)系で最も魅力的なサークルの1つに挙げられると思うんです。
「なんでこのサークルはこんな良い音楽やってるのに評価されないの?」なんていう過小評価サークルは山ほどいるというかそもそもうちで紹介してるサークルの8割くらいはそれなんですけど、その中でも特に推したいのがこのXiloroなんです。

そんな注目すべき(されるべき)サークルの最新作がこの3曲入りマキシシングル(EP)でございます。春にリリースされた2ndアルバム「Dig a Pear」から約半年ぶりの新作。同人ゲームと並行してることを考えればやはり驚異的な早さ。でも1stアルバム「Two of Earth」から1stシングル「レンダリング」の間隔がたったの4ヵ月だったことを考えると多少ペースは落ち着いたとも言えるのかな。いやでもさすがにあれは早すぎたと思うんですよ。

で、このXiloroというサークルはアルバムのほうは2作ともに非常に完成度が高いのですけどシングルのほうは少し実験的な内容になってたりします。1stシングル「レンダリング」も今作も同様に。
アルバムのほうはしっかりと一貫性を持たせておいて実験的な試みはシングルのほうに収録するっていうスタンスは素晴らしいと思うんですよね。というのは出来上がった曲を無節操にぶち込んだ闇鍋なアルバムってあんまり印象良くないんですよ。「バラエティ豊か」って言えば聞こえは良いけど実際それは「散漫」と紙一重である訳で。アルバムは捨て曲が皆無であるのが理想的ですし、要らないものは削ぎ落とすべき。でもアルバムに合わない曲をそのままお蔵入りにするのも勿体ないしシングルのほうにレア音源?的なノリで収録するっていうのは理に適ってますよね。同人サークルでこの辺りを意識的にやってるサークルって実はそんなに多くないような気も。

そんな訳で今回のシングルの収録曲もなかなかに実験的。アルバムに入れられない(っていうか入れて欲しくない)けど曲単体として聞く分には興味深いっていうそんな感じの曲が入っております。

公式のほうでも収録曲を「Xiloro史上最も○○」という表現で紹介してましたけど実際に過去最高に振り切れたイカれた内容。ちなみに「最高傑作」って意味ではないので誤解なきよう。むしろおすすめ度は最も低いよ(小声)。初めてXiloro聞く人はアルバムから先に聞いてね絶対に。シングルから先に聞いちゃダメだよ絶対に。
もちろんアルバムを踏まえた上でシングル聞いて欲しいという意味なので駄作っていうことじゃないですよ?

まず1曲目はタイトル曲「Monster」、公式の言うとおりXiloro史上最も「重い」曲。歌詞が重いって意味じゃなくてサウンドの重さですね。いや歌詞もけっこうダークだけど。
曲開始のベースソロからして地を這うような重さ。そしてラウドロックを思わせるような音圧の高いギターサウンド。2ndアルバム収録の「Tengu」もかなり重厚なサウンドだったんですけど、2ndは轟音サウンドであってもリフ自体はオールドスクールなハードロックの流れを汲んでたんですが今回はモダンなヘヴィロックを意識したサウンドになってるんでやはり明らかに異質さを感じる。
正直いって個人的に感じてるXiloro「らしさ」とは少し乖離してる感じもあるんだけど曲単体として聞けばかなりカッコいいのは事実。ラウドロック系が好きなリスナーならむしろこっちのほうが気に入る可能性も?
とはいえ次なる3rdアルバムがこの路線だったらちょっとアレだけど。

2曲目「優しいあいづち」、これはXiloro史上最も音程の高低差がある曲…? サビがびっくりするくらい音程高い。でも曲調としては従来のXiloroらしさが濃くて「レンダリング」(シングルじゃなくて曲のほう)を思わせるメランコリックなメロディが実に心地良い。特にAメロが好き。

そして3曲目「Thunder」、これがはっきり言って問題作。Xiloro史上最も「速い」曲であり、史上最も完成度の低い曲かもしれない…。要はドラフォみたいなメロスピに挑戦してみたっていう曲なんですけど不慣れ感が全編に満ちてる。なんだろう…やっぱりオルタナロックやハードロックとメロスピじゃ勝手が全く違うってことなんですかね。メロスピというジャンルを否定してる訳じゃないんですけどXiloroのサウンドと相性が良くないんですよね。ギターソロめっちゃ気合入ってるし演奏力に問題ある訳でもなく。
でも実はメロスピは初挑戦って訳じゃなくて「クラゲの気持ち」に部分的にメロスピ化するパートあったんですよ。あのパートは普通にカッコよかったんだけどな…1曲丸ごとメロスピだとまた別物ってことなのか。

そんな訳で、アルバムを先に聞けよ! 絶対アルバムを先に聞けよ!! という感じの新作シングルでございました。もちろん前述の通り、アルバムを先に聞いてXiloroというサークルを把握してから聞けば価値のある音源ですので。はい。

3rdアルバムはいつになるんでしょうねえ…そんなに急いで出す必要はないと思うけどやはり待ち遠しい。アルバムは言うまでもなく「本番」ですから今まで同様の傑作を期待しております。
あと余談ですけどXiloroは公式サイトのデザインも素敵すぎますよね。見た目という意味でも閲覧しやすさという意味でも最高(特にスマホ版)。丁寧にセルフ解説も付いてるし自分の知る限り同人音楽サークルで最高の部類に入るサイトかもしれない。

Xiloro「Dig A Pear」

dig a pear


http://chloro2236.blog.fc2.com/blog-entry-183.html

ほんとね…このサークルはめちゃくちゃ面白いことやってるんですよ。未だご存知ない方が多いとは思うんですけどね、この機会に是非とも聞いて頂きたい。試聴だけでは全貌を把握できない系の音楽なので是非とも購入して聞いて頂きたい。iTunesでも配信されてるんで同人音楽にありがちな入手困難も無くて誰でも気軽に聞くことが出来ますよ。

一聴すると普通のガールズロックっぽい雰囲気だし(実際は全然普通じゃないけど)割と万人向けだと思うんで多くの方におすすめしたいんですが、でもこのサークルの真の面白みを理解できるのは新旧洋邦の音楽を分け隔てなく聞き漁ってる音楽詳しい系リスナーだと思うんで我こそは音楽詳しいマンだと自負する方にこそ聞いて頂きたいかも。

このサークルの凄さっていうのは、もちろん音楽そのものの凄さもあるんですがそれに加えて、このサークルって実は本来は同人ゲーム制作サークルであって、このXiloroっていうのはその同人ゲームサークルから派生した別名義?みたいな感じで…つまり音楽が活動のメインではないってことですね。
にも関わらず、音楽を専門にやってるサークルを凌駕するペースで作品を立て続けに発表し(活動開始から1年でフルアルバム2枚とマキシシングル1枚)、しかもただハイペースなだけではなく内容も大充実していてオリジナリティについても他サークルの追随を許さないレベルっていうね…。まさに驚異的。

でも本当に凄いのは、これだけハイペースに作品出してるのに収録曲の1つ1つが「キャラ立ち」してるっていう事なんですよ。これを実現できてるサークル(バンド)ってかなり希少だと思うんですよね。
というのは、ハイペースにリリース続けてるサークル自体は決して珍しくはなくて、例えばセミプロ系の有名サークルなんかは毎イベントでミニアルバムをリリースしてる訳なんですけどね、そういうサークルって大抵「あれ?この曲ってこの前のアルバムに入ってた曲とほとんど同じじゃね…?」みたいに楽曲のパターン化が著しかったりする訳で、まあパターン化することは活動が長くなれば仕方ないし、パターン化イコール安心感とも言い換えることが出来るから必ずしも悪とも言い切れないんですが、でもまあ新鮮味や刺激が無くなるのは否定し難いところですよね。
ところがこのXiloroは、2年連続でフルアルバム出して合計楽曲数は25曲にも及ぶというのに、全ての曲が「キャラ立ち」してる。同じパターンの曲がほとんど無いんですよ。これってやばくないですか? どんだけ音楽性の引き出しが豊富なんだよっていう。しかも、バラエティ富ませるために安直にジャズっぽい曲調とか民謡調などのありがちな手段に及ぶこともなく、邦楽と洋楽の垣根を破る、もしくは時代の壁を破ることでバラエティに富ませてるというか? そこがすげえんですよ。
そしてそして更に、それだけバラエティ富んでてもXiloro「らしさ」と言える核の部分は全くブレてないんです。うちのブログは「オリジナリティ」と「バラエティ」の両立というのをめちゃくちゃ重要視してる感じなんですけど、そこをこれ以上に有り得ないほどに完璧に達成してる…。ケチの付け所がねえ…。

ただ、同じく筑波の天才の赤ヘルさん率いるREJECTIONと比べると、このXiloroは時代の壁を越えることが面白さに直結してるけど、時代の流れに対応した「先進性」は無いから…まあそこだけですね負けてる部分があるとしたら。いや、でもXiloroがダブステップとかDjentとか取り入れても違和感しかないしそんなの求めてないから現状のままで1ミリも問題ないのですが。

まあそんな訳で完璧な内容の最新作なんですけど、ずっと完璧だった訳ではなく、昨年の夏コミで出たマキシシングル「レンダリング」のときには方向性に少し疑問符が付いてたんですよね。というのは、このXiloroの面白さって、基本的にオルタナっぽいガールズロックとして聞けるんだけど、リフがやたらHR/HM的だったり曲展開が妙にひねくれてたり、でも総合的に聞くとやっぱりオルタナ系のインディーロックの範疇にあるというか、そういう絶妙なバランスにこそ魅力があると思うんですよね。
しかし「レンダリング」収録曲はタイトル曲こそXiloroの良さを維持してはいたものの、他の2曲がちょっとメタル側に寄り過ぎててXiloroならではの面白みが減退してた感もあり…。いや、曲としては良い曲だったけどやっぱり何か違う感じがね…。
でも今回の2ndアルバムでは1stの時の絶妙なバランスを再び取り戻していたので、シングルの方向性は一時的な実験だったのかな?と思っております。

前置き長くなりましたがそろそろ今作の具体的な内容に移ります…。

まず1曲目の表題曲「Dig A Pear」、重厚なギターサウンドによるオールドスクールなハードロック系リフが非常に印象的なオープニングチューン。このリフ、1stの1曲目の「Neverlasting」と同系統ではあるんですが、二番煎じ的な感じではなくやはり変化を感じる。Neverlastingのほうもリフの存在感が際立ってたけどあくまで主役は歌だったと思うんですが、今回のDig A Pearについてはリフが完全に主役で歌がおまけみたいな位置付け。この曲に限らず、今回の2ndアルバムはギターリフを中心に構成した曲が目に見えて増えてますね。
更にいうと、ギターの音作り自体もけっこう変わってて、元々からこのサークルはギターの音が分厚かったけど今回は輪をかけてギターの音がデカくなってる。一般リスナーには耳障りなんじゃないかな?って心配するレベルで音がデカい。ギターの音圧はでかけりゃでかいほど良い!みたいな発想に基いてそうな轟音サウンド。だがそれが良いんですよ。この轟音サウンドが型破りな雰囲気を助長していて、HR/HM的なお行儀の良さと一線を画してる。それによって更にジャンル越境の面白みが増しているというか? とにかく個人的にはこの音のデカさが爽快感に繋がってる。
あと、ボーカルがおまけみたいなポジションと書きましたが、ボーカルの役回り自体はめちゃくちゃ重要。はっきり言って、この女性ボーカルのMeltyさんの歌声無しではXiloroの音楽性は成り立たないと思う。というのは、Meltyさんの歌声の持つサブカルオシャレバンドでも通用しそうでありアニソンでも通用しそうでもありのジャンルの中間に位置してる雰囲気があって初めてXiloroのジャンル&時代の越境は成功するのであって、もしこの歌声がなければ単なるオールドスクールなハードロックになってた可能性もあるかなと。

次の2曲目「Tengu」もこれまたギターリフの主張がデカい曲。ていうかこのリフめちゃくちゃ良いですよね…このグルーヴ感たまんない。傑作ギターリフっすね。ここまでHR/HM的なギターリフ主導だとインディーロックという枠には当てはまらないと思うけど、かと言ってメタルかというとそこまで機械的ではなくちょっとオルタナ的な有機性があったり、ハードロック的な懐古感はMeltyさんのオシャレな歌声が相殺してるし、この何とも言えないハイブリッド感こそがXiloroの魅力だなと思うんですよ。

3曲目「レンダリング」、これは夏コミのシングルの表題曲の再収録ですね。ヘヴィな1曲目2曲目とは打って変わってまったりとした曲調で、メランコリックな歌メロと揺れまくるギターエフェクトが印象的。

4曲目「Volksgarten」は公式の曲解説だと「異国風情がある」って書かれてたけど特に民謡っぽい雰囲気があったりする訳でもないかな。終盤に中東っぽいメロディ入ってくるけど。とんがりまくった個性的な曲が多い本作においては割と「普通」な曲かな。

5曲目「Particle」、バラード枠かと思いきやごく自然に変拍子が入ってくる。後半のギターソロのところではベースがめっちゃテクニカルなアンサンブルを聞かせますしかなりプログレ寄りと言える曲調。1stにも転調などのひねくれた展開はけっこうあったんですがここまで明確にテクニカル志向を打ち出した楽曲は無かったのでこれは大きな変化と言えますかね。このXiloroは敷根さん(もきねさん?)と市瀬さんの2人のメンバーがそれぞれ作曲しているようですが、今作の「トドメ」の1曲と言える超絶テクニカル曲「Surfing On」といい、市瀬さんのほうはだいぶテクニカル志向に傾いてるようですねえ。
アレンジのプログレ性にばかり気が向いてしまいますがメロディも秀逸だし実に整合性の高い楽曲に仕上がってますね。

6曲目「クラゲの気持ち」、今作最高の変態ソング。試聴で部分的に聞いたときは童謡っぽい可愛らしい曲かなと思ってたんですが、確かに可愛らしくはあるけどド変態な曲展開します。ぱっちりひつじに通ずる変態性があるかも。
出だしは試聴でも聞ける童謡風のポップなパートで、でもよく聞くとこの時点でタッピングのピロピロが入ってたりするし既に変態くさいですね。サビメロは浮遊感あるアレンジで、そこからポストロック風味の軽快なリフが展開されますが徐々に不穏な雰囲気に移行し、テンポダウンしたAメロが展開されたと思いきや急激にテンポアップしてメロスピばりのピロピロが繰り広げられたと思ったらギター弾きまくりのままダークな曲調になって最後にAメロのメロディが再現されて終了…。
まあいちいち説明しても伝わらないと思うし実際に聞くのが手っ取り早いと思いますがとにかく曲展開が迷子。予想不能にも程がある。支離滅裂の寸前で踏みとどまっているような危うさに面白みがあふれる変態ソングですね。

7曲目「夢を歌ってくれ」は一転して落ち着いた渋いフォークソングっぽい曲調。奇をてらった展開などはなくMeltyさんの情感ある歌唱が中心になってる1曲ですね。Meltyさんも1stに比べると表現力がかなり増してる気がしますねえ。

8曲目「Post Office」、中3のとき作った曲って書かれてますけどマジで?? 天才か。めちゃくちゃ良い曲じゃないっすか。英詞ということもあって洋楽ポップス感が特に強い曲かも。これを中3で作ったっていうんだからやっぱり洋楽からの影響が濃いんだろうなぁ。

9曲目「Her Engine Looks Like A Wheel」、酔っ払ったような?素っ頓狂なハイトーンボーカルとドライブ感あふれるギターリフの組み合わせが実に爽快な1曲。オールドスクールな洋楽ハードロックっぽい感じとオシャレなサブカルポップス感が見事に混じり合ったハイブリッド感ありますね。やはりこれもMeltyさんの歌声なしでは成立しない絶妙さでしょうね。

ラスト10曲目「Surfing On」、今作のハイライトチューンにして今作最大の問題作。「難しすぎて演奏者の精神を蝕んだ」っていう説明文ありますが…そりゃそうでしょ…どう聞いてもやり過ぎな曲。変拍子やらポリリズム駆使したテクニカルに次ぐテクニカルな展開。Octaviagrace辺りがやってそうな難易度ですよね。
しかしですね、それでもめちゃくちゃ良いメロディ持った曲だと思うんですよ。Xiloroの最高傑作と言えそうなくらいに良い曲。過剰にテクニカルなアレンジについても、無駄にテクニカルにしたっていう感じではなくてちゃんと必然性があるというか、曲の良さを際立たせるためのプログレッシブなアレンジだと思えるし、だから演奏者の苦労はしっかり報われてると思うんですよね。
でもまあ演奏者に強烈な負担を強いるような曲を何度もやる訳にはいかないだろうしこの路線の曲は今後はなさそうですかね…。めっちゃ良い曲であることは確かですが。

1stに引き続きノビルさんの手がけた個性的な絵柄のジャケもほんと素晴らしいですよね…。このジャケの雰囲気も含めてXiloroの総合的なカラーが決しているというか、それくらい重要。

そんな訳で、マニアックなリスナーにも一般リスナーにも幅広く対応してる素晴らしい作品ですので是非とも聞いて頂きたいですね。1stは1500円だからこっちを先に聞いてみるというのもアリだとは思う。でも1stも傑作だから聞いて欲しい。

Xiloro「レンダリング」

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http://chloro2236.blog.fc2.com/blog-entry-177.html

このXiloro、同人ゲーム制作を基軸としながらもそれと並行して音楽作品も発表しているマルチジャンルなサークルでして、しかもその音楽作品が音楽一本でやってるサークルと比べても遜色ないどころか上回ってるくらいの超充実の内容という、多彩な才能と創作モチベーションを誇る驚異的なサークルなんですよね。

とはいえ自分はその同人ゲームのほうはやったことないんですけどね…。あんまり普段からゲームやらない人間なんで…。でも音楽のほうだけ聞いてみてもその才能には驚くばかりです。昨年春リリースされた1stフルアルバム「Two Of Earth」はオリジナリティあふれる優れた楽曲揃いの素晴らしい作品でして、個人的に昨年の年間ベスト3位くらいには入れたい傑作ですね。ちなみに1位はしつこく言ってるようにREJECTIONなんで…ほんと筑波大勢が強すぎる…。

で、今回紹介する「レンダリング」は昨年の夏コミ発表の3曲入りシングルなんですが、フルアルバム出したすぐ次のイベントで早くも新作が出るなんてほんとモチベーション高すぎだなと。なんせ同人ゲームのほうも並行して活動してる訳ですしね。

ほんとはもうちょっと早く紹介したかったんですが、自分は夏コミ行けなかったんで入手が遅れてしまった感じです。

このサークルの音楽性なんですが、1stアルバムについてはシンセなどの装飾が無くシンプルで粗めのギターサウンドをフィーチャーしたオルタナロック的な音を基調としながらも、ギターリフは割とHR/HM的だったり、曲展開に捻りがあってカオス感を演出したりと、単なるアニソン風ロックでもなく単なるオタク系メタルでもない、ジャンルを横断する意外性を有してしたのが実に魅力的だったんですよね。
でも公式ブログのほう見ると「ゴリゴリのスタンダードなロックンロール」のつもりで作ったんだそうで…。まじかよ。スタンダードなのか…? スタンダードなロックンロールってどの辺りのバンドをイメージしたんだろうか…。まあ具体的なバンドをイメージしながら作ったのではないからこそ結果としてジャンルに捕らわれない自由な作風になったのかもしれないですね。型にハマってない音楽性って素晴らしいと思うんですよ。テンプレをなぞるだけの展開とか退屈だし、特定バンドの下位互換に甘んじるだけじゃ面白くないですもんね。

で、本題である夏コミのシングルのほうはどうなのかというと、ちょっと方向性が変わってる感じあるんですよね。2曲目と3曲目で顕著なんですが、アルバムのときより意識的にHR/HMをやってる感じがある。個人的には1stアルバムのときのオルタナともメタルとも言えない絶妙なバランス感覚の上に成り立ったハイブリッドなテイストが気に入ってたんですが、このシングルではバランスが崩れてしまったような印象があるかもしれない。まあその分だけジャンルとしては分かりやすくなってメタラーにはアピールしやすくなったのかもしれませんが、個性は少し減退してると言わざるを得ないかも。
しかしこれはアルバムではなくシングルですから、それほど一貫性を意識する必要もないしあえて前作と異なる音楽性を実験してみたのかもしれないですね。

1曲目のタイトル曲「レンダリング」は1stアルバムのときの方向性の延長線上ですね。スローでメランコリックなオルタナロック調。トレモロかけたウワンウワン揺れまくるギターサウンドがとても印象的。気だるくも切ないメロディラインが心地良いですね。この曲は期待通りのXiloroらしさがあふれてると思う。

で、方向性が違ってくるのが2曲目以降で…「Euthanasia」は出だしのリフからして鋭い硬質さをアピールしていてアルバムのときとは明らかに異なるイメージ。公式によれば「なんとも言えないクサさのあるHR/HM曲」とのことで、「クサい」とかいう語句を肯定的に使う人間なんてメタラーしかいない訳ですから明確にメタラー向けを想定した楽曲なんでしょう。さすがにツーバス疾走はしてないからクサメタルって感じはなくてあくまでハードロックって感じだけど、随所にメタリックなアプローチのフレーズが目立っているし、まあこれはこれでカッコいいと思うんだけど…1stアルバムのときの良さが消えちゃってる感じあってちょっと勿体ない…。こういう系の曲調やってるサークルなら他にもあるけどアルバムのときのあの曲調はほんと同人音楽界では希少だったと思うんですよ。だから個性という意味ではアルバムのほうが圧倒的に良いなぁと思う訳です。もちろん曲としては十分カッコいいと思うんですけどね。並のサークルならばこれで満足できると思うけど、このXiloroの場合は1stアルバムが良すぎたからハードル上がってる感もありますかね。

3曲目「Water Music」、これはギターインストなんですけどやはりアルバムのときとは全然違う。ディレイかけたギターソロから始まるんですが…なんだろうやっぱりメタルじゃなくてハードロック的ですよね。時代をけっこう遡ってる感じ。ギターソロも弾きまくりだしほんとアルバムのときとは別サークルのよう。いや、カッコいいギターインストだと思うんですよ。でも期待していたXiloro「らしさ」があるかというと微妙なところ。

そんな感じで、傑作だった1stアルバムの方向性を期待して聞くとちょっと違うかなぁ的なネガティブな印象も持ってしまうのですが、でも質が下がった訳じゃないので人によってはこっちのほうが好きってこともあるかもしれないですけどね。まあこれはシングルだし、本番はアルバムですからね。次なる2ndアルバムではきっと再び傑作を聞かせてくれるに違いない。同人ゲームのほうと並行して活動してるから次がいつになるか分かんないけど…。
ていうか、このサークルはアルバム1500円でこのシングル500円だから秋M3ではこっちをお試しで買っちゃった人が多かった可能性も? 初めて買うなら絶対にアルバムがおすすめです。
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Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

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