Release hallucination「Chronostasis」

2017-03-02_053901.jpg

http://releasehallucination.com/

という訳であえて後回しにしておいた(?)同人メタル界の真打ち、オリジナル同人メタルの「頂点」、リリハルことRelease hallucinationの秋新作ですね。
もはや今のリリハルは凄すぎて、「頂点」とか「神」みたいな行き過ぎな言葉を安直に使ってしまいたくなるんですが実際のところ過剰表現でも何でもないと思うんですよ。ほんとに凄いんですから。

ご存知のように同人メタル界にはアマチュアレベルを越える超クオリティのサークルがいくつも存在するんですが、そういうサークルって大抵の場合プロの領域のアーティストが副業のように同人活動してるってパターンだと思うんですよね。同人出身のプロが同人のほうも継続してるってイメージ。
対してリリハルは今に至るまでずっと同人イベントを中心にして活動してる訳で、同人サークル以外の何者でもない。その同人純度(?)の高いサークルがここまで圧倒的ハイレベルな音楽を生み出しているというのは驚愕に値しますよね。加えて、アレンジ音楽を通過していない最初からオリジナルで出発したサークルであることも箔を付ける。
更に、同人音楽という限定的な界隈に軸を置いたサークルでありながらもデジタル配信を充実させまくってワールドワイドな領域に進出しようとしてるんですから凄まじい。まるで同人音楽というジャンルの限界に挑戦してるかのようにさえ感じる。

もちろん、これだけの実力を持ってるにも関わらず同人音楽の領域に留まり続けることについては必ずしも良いことばかりではないだろうし、ファンの中にはリリハルにもガチなバンドのようにライブ活動やって欲しいと願ってる人もいるでしょうから難しいところではあるんですが、でも個人的には「同人サークルとしてのリリハル」がどこまで行けるかを見てみたい気もするんですよね。

さて、この新作シングルの内容についてですが…まあはっきり言って「最高傑作」ですよね。リリハル史上最高クラスのキラーチューンが2曲も入っており絶大なインパクトを内包してます。この充実度は過去最高であるのは間違いない。
3曲マキシシングルを最高傑作扱いにするってのはどうかなと思いつつも、でもこのシングルの収録曲って全て7分前後の大作なんで実質的にミニアルバムみたいなもんだと思うんですよ。1曲あたりの情報量もいつも通り半端ないので満腹感も相当ありますしね。

1曲目のタイトル曲「Chronostasis」から圧倒されまくります。エフェクトかかったemiさんの歌唱による静かな出だし、ここでうっかり音量を上げてしまうとその後に洪水のように押し寄せる重低音リフの荒波に押し潰されることになります。この音圧やばすぎでしょ…これが同人音楽???ってなるレベル。いやはや本当に凄まじいインパクト。前作で音圧が上がった印象あったけど更なる進化を遂げてる気がする。
Aメロに入ってもゴリッゴリな重低音リフは続き、これはプログレメタル系リスナーだけでなく音圧を重視するメタルコア系リスナーも魅了しそうなほどの迫力。実はドラムはそんなに疾走してる訳じゃないのにギターリフの生み出す尋常でないグルーヴによってめっちゃ速く聞こえるという。
その分厚いギターサウンドと対になるのがemiさんのボーカル。前作の「Keep the Memories Brilliant」でエモーショナルな歌唱スタイルを開花させた感あったemiさんですけど今回は更なる安定感を獲得してる。emiさんは前身のPHANTAS-MAGORIA及びリリハル初期の頃は良くも悪くもクールで淡々とした歌唱スタイルを持ち味にしていたと思うんですが、現在は楽曲に応じてクールな歌唱と感情的な歌唱を使い分けられるスキルを確立した感ありますよね。
そしてリリハルサウンドの醍醐味と言えばもちろんkaorinさんの超絶テクニカルなギターワーク。今回も長めの間奏パートを使ってドラマチックな展開美を聞かせてくれます。複雑でありながらも退屈さとは無縁のスリリングな展開が続く。
エクストリームメタルに通ずる激しさと重さ、プログレメタル的な緻密に計算された展開、そして同人音楽的なキャッチーで親しみやすいメロディ、その全てを完璧に備えた無敵の楽曲でございます。これは新たなリリハルの代表曲っていうだけでなく、現在の同人メタルシーンを象徴する楽曲になり得るってくらいの堂々たる風格があると思う。きっとこれ聞いたらこのサークルが同人メタルの頂点って感じる人多いでしょう。

2曲目「醜い嘘と僕」はリリハルの標準的バラード曲と言えそう。1曲目と3曲目が強烈すぎるんでちょっと地味な印象もありますがリリハルらしい魅力が聞ける曲ですね。

3曲目「Cure」、これもまた半端ないキラーチューン。1曲目のほうが速さと重さ及びキャッチーさにおいて過去最高を示した楽曲だったのに対してこの3曲目はテクニカルな演奏とプログレメタル的な構築美においてリリハル過去最高を達成したと言えそう。
リリハルは作品を重ねる毎に着実にファン層を拡大させてると思うんですが、そのファンの中には「ドリームシアターって何? プリパラ? 東山奈央のラジオ?」ってくらいメタルに疎いリスナーも居ると思うんですよ。更に言えばメタラーであっても速さと重さとメロディさえあればいいっていう非プログレ系リスナーも多いでしょうから、リリハルにプログレメタル性を強く求めてる自分みたいなリスナーってひょっとすると少数派かもしれないって思うんですよね。にも関わらず、リリハルはニッチなリスナーしか求めてないようなプログレメタル性を捨てるどころか過去最高にまで高めて来たという事実、この全くブレないスタンス、これは大きな称賛に値すると思うんですよね。
この曲のテクニカルでカオティックでありながらもドラマチックさを兼ね備えた楽曲展開って「Dystopia」の2曲目「Dysmnesia」を想起させるところはあるんですが、あの頃に比べるとサウンドプロダクションもemiさんの歌唱も段違いに進歩してるから完成度では圧倒的に勝っていますが、でも楽曲自体は甲乙付けがたいかな…Dysmnesiaは未だにリリハルで一二を争う名曲だと思ってるんで。
タッピングを多用した浮遊感あるテクニカルフレーズを基軸としながら進行していきますが、四つ打ち系グルーヴも一部で取り入れられていて単なるプログレメタルの枠に収まらない音楽性を聞くことが出来ます。
やはり聞き所は後半、テクニカルな展開がぎっしり詰め込まれた間奏→カオティックなリフとBメロの絡み→エフェクトかかったサビ→エモーショナルなギターソロ→転調したサビの流れは至高。リリハル史上最高にドラマチックな展開と言って過言でないかと。

そんな訳で、同人メタルの頂点を極めるような超キラーチューンが2曲も入っているこのシングルはリリハル入門用にも打って付けだと思うし、さらに言えば同人音楽をよく知らない一般メタラーの同人メタル入門用にも最適かもしれない。是非ともこの圧倒的クオリティを聞いて衝撃を受けて欲しい。同人メタル=東方アレンジという未だに残ってそうな偏った認識を葬り去るだけの力を備えた作品だと思う。あんきもやドラガだけじゃないんすよ今の同人メタルは。

スポンサーサイト

Release hallucination「Melancholia」

http://releasehallucination.com/

リリハルの8ヵ月ぶりとなる新作シングルです。
新作リリースのテンポが異常に早い同人音楽界においては8ヵ月ぶりというのは決して短いとは言えないインターバルなんですが、割と寡作なイメージがあるこのリリハルとしてはこれは十分に早いペースでありまして、今回の冬コミで新譜が出るという報を知った時には「もう出るのか!」と驚きを隠せなかったのが正直なところです。「リリハル新譜????」とか記事タイトルにしちゃったくらいですし。

しかも今回は珍しく最初からプレスCDでの頒布となっていて、これにも驚きましたね。まあ同人音楽的にはCD-Rでの頒布というのは珍しくなく、むしろそちらのほうが一般的であるくらいなんですが、リリハルの場合はいつもCD-Rで頒布した後に次回以降のイベントでプレス盤への交換をするのが恒例になっていましたから、サークル的にCD-R頒布は非常に不本意であったのだろうと思いますし、そういう意味で今回のプレス盤での頒布はスケジュール的に余裕をもってサークル本来の意図通りに頒布できたということで、サークルの運営が安定してきたことの証なのかなぁとも考えられますね。
春M3では結果的にアルバムを無事に頒布できたものの、イベント前にめちゃくちゃバタバタしてたのがリスナー側にも伝わってきて大きな不安を感じましたけど、今回は何の心配もなくイベント当日を迎えられたのでリスナー的にも言うことなしでしたね。

そして、そのサークル運営の安定感は音楽のほうにも反映されていると言えるでしょうか、今回も素晴らしい内容です。
前作となる1stアルバム「Nightmare Outbreak」ではサウンドプロダクション面において大きな飛躍を遂げていて衝撃を受けたのですが、今回の新作は更にギターの音がヘヴィ且つソリッドに進化していて凄いですね。もはや同人音楽のレベルじゃないですよねこの音の存在感は。

1曲目「Keep the Memories Brilliant」、今回も安定のリリハルスタイルの1曲目!…ではあるんですがその一言で済ますには盛り沢山な内容すぎますね。不穏なピアノの音色からの導入、そしてゴリッゴリにヘヴィなギターリフの登場でヘドバン必至な展開に。そしてリリハルの曲ではいつものことですがサビにたどり着くまでの展開が盛り沢山。Aメロ→Bメロ→Cメロ→Dメロ→サビってくらい紆余曲折がある。特に今回はギターの音が止まって三拍子の静かなパートあるのが印象的ですよね。これは同人ゴシック感ある。そしてサビ、今回はいつも以上にサビがドラマチックというか、emiさんの歌い方に情熱的な雰囲気ありますよね。基本的にクールで透明感ある歌声が売りのemiさんですけど、このサビ後半の歌い方ははっきり言って熱い。これはカッコ良いっすよ。emiさんの新境地って感ある。
以前の記事にも書いたことなんですけど、夏のサタアラフルアルバムへのゲスト参加で改めてemiさんの歌声の力を感じたんですよね。サタアラの曲なのにemiさん歌ってるパートは完全にリリハルでしたからね。いんきょうさんがリリハル意識して曲作りしてた可能性もあるけどそれにしたってやはり歌声の説得力は強いなぁと思いましたよ。またサタアラとコラボして欲しいなぁ。
話をこの曲に戻しまして…。2番のAメロではバッキングのギターの刻みが激しくなっていて、単なる繰り返しになっていないのも嬉しい配慮ですね。そしてギターソロ。いつも通りのkaorinさん無双。kaorinさんのギターテクは前身のPHANTAS-MAGORIAの時から圧倒的だったんですけど、サウンドプロダクション良くなったことによって更にそのテクニカルな魅力がダイレクトに感じられるようになりましたね。ギターソロ後半の明るい雰囲気に転調するパートがこれまた良い感じです。ピアノをバックにemiさんが切なく歌い上げるパートも秀逸。ラストサビではストリングスがクライマックス感を演出。
前作の「fate」に比べると尺は短いにも関わらず存在感は全く引けを取らないですね。実に強力な楽曲です。
これほどのクオリティの曲を作ってるのに同人音楽以外のプログレメタル界隈で話題になってないような気がするんですが…全くもって勿体ないですよねえ。LoszealやEARLY CROSSくらい評価されてもいいんじゃないのとか思っちゃうんですが。

2曲目「Melancholia」はバラード系の曲と思わせといて中間部でアップテンポになってプログレ的展開も仕込まれてる壮大な曲です。特にギターソロ後半の展開が素晴らしい。今までのリリハルであまり無かったタイプのフレーズ出て来るから新鮮味もある。ただ、この曲はサビメロの盛り上げ方が前作収録の同系統の楽曲「Shine」辺りと比べると少しインパクト欠ける感じが否めないんで…割と「普通」な印象の曲ですかね。普通とは言っても並の同人音楽と比べたら圧倒的なクオリティですけどね。

まあ2曲目が普通でも1曲目が圧倒的な出来だから全体的にはリリハル凄えな!となるシングルであることには違いありません。
このペースだと次に新作出るのは秋M3あたりになるのかなぁ、期待したいですね。あまり焦って新作を早く出して欲しいとは思わないんですけど今回みたいに万全の体制を整えて新作を出してくれるんであれば最高ですよね。

Release hallucination「Nightmare Outbreak」

Nightmare Outbreak

リリハル待望の1stアルバムが遂に来ました! 無料配布を除けば「Ariadne」から1年半ぶりの新作ですからね、しかもRelease hallucination名義としては満を持しての1stアルバムだし、まさにファンにとっては待ちに待った作品と言うべきでしょう。

もちろん個人的にも期待の作品であったことには間違いないのですが、期待と同時に不安が大きかった作品であることも述べておかねばならないでしょう。
というのは、イベント直前になっても未完成のままで、かなりギリギリの作業で制作されていたということが繰り返し公式からアナウンスされていたからです。
何故そこまでギリギリの修羅場を繰り広げてまで今回のM3に無理矢理に新作を間に合わせようとしているのか、その辺に色々と釈然としないものを感じていて、それが「不安」に繋がっていた訳です。

このRelease hallucination、一般的にも寡作なサークルっていうイメージなんじゃないかと思うんですが、なんせイベント参加していても新作のないことのほうが多かったですからね。いや、新作がないことが悪い訳じゃなくて、むしろイベント毎にバンバン新作を連発して新鮮味を失う(いわゆるマンネリ)よりかは1作1作をしっかり作りこんでいくスタイルの方が好感を持てると思ってたくらいなんですが、とはいえ、さすがに新作のない期間が長かったから、サークルのメンバーお二方にも焦りのような物が生じていたのかもしれません。それは仕方ないことでしょう。
リスナー側としても、もちろん新作を早く聞きたいという気持ちは大きいけれども、しかしそれと同時に、せっかくここまで長く待ったのだから妥協のない完璧な作品を出して欲しいという気持ちがありました。他のリスナーさんのことは分からないけど、少なくとも自分はそう感じていました。
だから、イベント直前になってサークルの公式アカウントが発し始めた焦りすぎな言葉から大きな不安を感じざるを得なかったんですよね。なぜそこまで焦るのか、次の秋M3じゃダメなんだろうか…。

しかし、結論から言って、その不安は杞憂に終わりました。
実際に完成品のCDを聞いてみて、ギリギリの作業による弊害と思われるような未完成な部分、中途半端な部分などは全く見当たらず、楽曲面もサウンド面も共に驚くほどに完成度の高い作品に仕上がっています。これだけの出来栄えならば「これは秋M3に延期すべきだった」などと苦言を述べるリスナーはいるはずないでしょう。いやはや、ギリギリの制作作業でよくここまで作りこんだなぁと、ひたすら頭の下がる思いです。ほんとうにお疲れ様でした…。

今回のアルバムのハイライトは、やはり1曲目の「fate」でしょうね。8分に及ぶ長尺で、しかも新曲の中でkaorinさん作曲の曲がこれしかないという時点で、この曲の制作に今までの空白期間の多くを注ぎ込んだのだなと容易に想像が付く感じです。
この曲はまさにリリハルの集大成、もしくは究極進化系と呼ぶに相応しいでしょうか。
このサークルの成し得ること、ファンから求められていること、その全てを注入して全身全霊を込めて作られたかのような濃厚な楽曲に仕上がっています。
もうイントロの時点でかっこ良すぎなんですが、こういう疾走に頼らないグルーヴ感を重視したリフは個人的にも好きですねえ。やっぱり、プログレメタルっていうのはこういうグルーヴ感が命だと思うんですよ、この手のテクニカルな演奏を単なるテクニックのひけらかしだとか貶めるリスナーもいるかもしれないですが、そうじゃないんだよな、このグルーヴ感を成立させるためにテクニカルな演奏が必要なんだよなぁ。
歌が入るとしっかり疾走を開始するんですが、ここでもバッキングのギターフレーズは緻密を極めていますね。音の密度がほんと凄い。歌メロも勿論最高にキャッチーです。Bメロでちょっと流れに変化を付けるのもリリハルらしいアレンジの配慮だなぁと。サビではドラマチックに盛り上がって、もうこの時点で満点の出来ですよね。しかしこっからが本番なんですよ。2番のサビの後、4分過ぎあたりから長ーい長ーい演奏パートが開始いたします。
やはりこの長ーい演奏パートを作りこむために長期間を要したのではないかと思うのですが、しかし、リリハルの購入層の大半って女性ボーカルゴシックが好きな層なのではないかと想像しますし、はっきり言って女性ボーカルゴシックが好きなリスナーがこの延々と続くプログレメタルな演奏からカタルシスを感じ取ることが出来るのか?という疑問があります。もちろん、リリハルはemiさんの歌い上げるキャッチーな歌メロだけでも十分すぎるほどに魅力的でありますし、女性ボーカルゴシックとして捉えて鑑賞することは全く間違ってはいないのでしょう。しかし、多くのリスナーにとってこの長ーい演奏パートが「長すぎて退屈なギターソロ」みたいにしか思われてなかったら個人的には寂しいかなぁと思わざるを得ませんね。
まあ、聞き方なんてリスナーの勝手ですから、例えばLIGHT BRINGERとかALHAMBRAとか、あれだけ超絶テクニックを披露していても、クサメタル系リスナーからは「余計なテクニック見せびらかしは要らん」みたいに思われてたりする訳でしょう? なんとも理不尽に感じますがまあ仕方がないことでしょう。聞き手の自由ですし。ただそういうレビューを見る度に「やっぱりクサメタラーとは相容れない部分あるなぁ…」と再確認したりするんですが…。
話が脱線してるんで戻しますと、要するに、女性ボーカルゴシックが好きでリリハルを聞いてるリスナーの方々も、ギターソロ長いからってスキップしたりせず、kaorinさんの超絶テクニックとか練り込まれた構成美に耳を傾けてみるのもいいんじゃないかな、とかそんな感じですよ、はい。
しかしながら、同人音楽的にこういう長い演奏パートが需要あんまり無いって分かっていながらも時間をかけてこれだけの密度の楽曲を作り上げるっていうのがね、需要とか知らねえ俺達の好きな物を徹底的に作り上げるぜ的な精神がやっぱりロックだなぁと。
でもリリハルのプログレメタルなところが好きっていうリスナーもいますよね? 少ないかもしれないけど同志いますよね? この素晴らしい演奏パートがちゃんと報われているのだと信じたいです。

あと、今回のアルバムは、すでに廃盤となってる無料配布の1stシングルの楽曲が再収録されているんですが、これが単なる再録ではなく、ギターやボーカル等が録り直してありアレンジも若干変わっていて、ほとんど「リメイク」となっているのが重要ですね。これがもし、ただの再収録だったら「妥協」が残っているという印象になってしまったかもしれません。
その1stシングル収録の「Dolls」、これはオリジナルバージョンより格段にクオリティアップを果たしていますね。ギターサウンドはヘヴィ且つクリアになり、ボーカルも安定感と説得力を増している感じです。
そして同じく1stシングル収録の「Despairing sigh」、これめっちゃ好きな曲なんですよねえ。1stシングル再販がなくてこのまま新規リスナーが聞くことの出来ない幻の名曲になったら勿体ないなぁと常々思っていたので今回のリメイクは大歓迎です。
素晴らしい歌メロにプログレッシブで刺激的なアレンジ、この曲はリリハルのバラード系楽曲の中で最高の曲でしょう。このリメイクバージョンではギターが前面に出ていてヘヴィ感が大きく増していますが、オリジナルのバラードっぽい雰囲気が減退してるんでそこは少し残念かもしれないけど、まあオリジナルバージョンの完全な上位互換だったらオリジナル盤を持ってるリスナーのアドバンテージが失われてしまいますしね、これは別バージョンって感じで楽しめば良いんじゃないでしょうか。

続く4曲目の「Stare」、これはちょっと異色曲というか、リリハルとしては異例の明るめの楽曲になっています。プログレ要素もほぼ皆無で非常に聞きやすいストレートな作りですね。PHANTAS-MAGORIAの1st収録曲に近い雰囲気かもしれない。アルバム中盤での雰囲気の転換に一役買っている感じですね。今後の作品にもこういう系の曲が1曲くらい入ってるといいかなと思ったり。

5曲目「Shine」は出だしはバラード系の展開ですが、途中からバンドサウンドが入るとゴシックメタル感がぐっと増しますね。このヘヴィ&キャッチー&ドラマチックな曲展開はリリハルならではでしょう。
6曲目「Still and all」はバンドサウンドほぼ皆無のバラード曲ですね。サビでのemiさんの歌唱はかなりキー高めですね、今回の新作は歌メロの印象を強めることに気を使って作られてるように感じるんですがこの曲ではそれが特に顕著かもしれない。歌の説得力をいつも以上に感じます。

7曲目「The Night Before Halation」、これは昨年の夏コミで無料配布された曲ですが、こっちはたぶん録り直しはしてないと思うんですが音質が夏コミバージョンとは段違いですよね。聞き比べたらびっくりしました。音質の向上により楽曲のプログレメタル的な魅力もはるかに増してますよ。具体的にはドリームシアター+Djentなサウンドの切れ味が最高になってます。かっこ良すぎですわ。

そんな感じで、全く妥協のない、隙の見当たらない素晴らしい作品になっております。1年半待った甲斐があった、そう心底思えるだけの内容ですねこれは。
思えば、自分が同人音楽を聞き始めた頃ってオリジナルでプログレメタルやってるサークルとかリリハルの前身のPHANTAS-MAGORIAくらいしかいなかったと思うんですよね。その後、Satanic a la modeの登場あたりからオリジナル同人メタルにもプログレッシブな感性を持つサークルが少しづつ増えていって、今ではDjent系を含めればプログレメタル系サークルってけっこうな数になってるんじゃないかと思うんですけど、しかし、今回の新作で改めて先駆者たるリリハルの偉大さを再確認したという感じでしょうか。リリハルいなかったら同人音楽にハマることも無かったかもしれないですからね。
まあ正直、今でも同人音楽シーンにおいてプログレメタルが需要あるとはあんまり思えないのですが、それでもこのサークルの存在意義の大きさに変わりはないでしょう。

Release hallucination「The night before halation」

The night before halationジャケ

はい、という訳で無料配布も無事にゲットできましたし、感想記事の一発目はこのサークルしかないですよね。同人ゴシック界のドリームシアターことRelease hallucination(注:こんな呼称このブログの人しか使ってないです)の新作ですよ。

プログレメタル系を推してるこのブログ的に当然ながら本命サークルですし、自分が同人音楽にハマるきっかけを作ってくれたサークルの1つでもあるので、そのサークルの約1年ぶりの新作といえば嬉しいに決まってるのですけど…。
ただ、イベント直前になって無料配布が発表されたこと、しかもその時点でまだ未完成であるようなニュアンスで告知がなされたことで、作りかけのデモ音源をとりあえず無料配布するのかな的な印象を受けたのは否めないですし、正直いうとあんまり期待してた訳でもないんですよね。そもそもリリハルは時間かけてじっくりと制作してクオリティ高めるタイプのサークルであることは既に分かってますし、そんなサークルが中途半端なものを発表してしまうのだとしたらむしろ残念に思ってしまうくらいで。なにより、夏コミという過酷なイベント環境下で無料配布ゲットってなかなか厳しいミッションですからね、どうせ未完成品を無料配布するなら延期して次のM3にして欲しいと思ってしまうのは仕方ないですよね。

ところがですよ。そんな事前の予想に反して、無料配布の入手も非常に容易だったし、新曲のクオリティも全く中途半端なものではなく相当に完成度の高いものに仕上がってることに驚きました。
無料配布ゲットが容易になったのは環境的な要因も多少はあったかもしれないですが、やはりサークル側で多大な労力を費やした成果なんじゃないかと想像しますね。過去のコミケでも無料配布系は昼前になくなってしまうパターンが多かったですし、今回のお隣のサタアラ新譜は無料配布ではなかったですけど100円という価格設定もあってか結構早めになくなってましたしね。サタアラとリリハルは知名度的に大差はないだろうから、やっぱり搬入した枚数の差なんでしょうな。イベント終盤まで残ってたことを考えると、コミケ参加したオリジナル系同人音楽リスナーの絶対数を大幅に上回る枚数が用意されていた可能性もあるんじゃないだろうか…。半端ない…。
それだけ多くの量を用意して頂いたおかげで遅めに行った自分もゲットできた訳ですし、ひたすら感謝ではあるんですが、それでもやはり無料配布にいつも異を唱えている自分としては無料配布という頒布手段は非効率的だと思ってるんですけどね…。サークル側の負担も大きいしリスナー側も入手が難しくなる訳ですから。でもDLコード付いたカードを頒布っていうのじゃ味気ないと感じる人も多いんだろうし、やはり難しいもんですなぁ…。まあDL形式よりCD配布したほうが聞いてくれる人が増えるというのならそれでいいと思うんですが…。まあ配布方法は完全にサークルさん次第ですしうちらリスナー風情がどうこう言っても仕方がないんですが。

さて肝心の新曲についてですね。無料配布だから未完成なんてことは全くなくて、非常に完成度高い曲に仕上がってます。さすがリリハルと言わざるを得ない出来栄えですねこれは。未完成だから無料にしたのではなく、むしろ渾身の楽曲だからこそ新規リスナー開拓のために無料配布にしたのかもしれないですね。
この新曲イントロからしてかっこいいですなぁ。ドリームシアター10thの1曲目を思わせるようなダークでシンフォニックな派手な幕開けですね。これはリリハルの楽曲でも屈指のイントロなのでは。歌パートに入るとバッキングのリズムが露骨にDjent風になりますね。今までもこういう感じのリフはあったし新機軸ってほどじゃないけど、ここまでDjent意識したリフはなかった気もする。サビではピコリーモ的なシンセの音も入り、やはり流行りの音を積極的に導入した感はありますね。それでも流行りに流されてる訳ではなくて基本部分はいつものドリームシアター的な演奏なんで安心感あります。ソロパートではお待ちかねのkaorinさんのテクニカルでプログレッシブな演奏の独壇場ですねー。さすがのかっこ良さですよ。ヘヴィ路線のドリームシアターが好きな人にはほんとたまらない音だと思います。歌メロは前作の3曲目に近い感じなんだけどアレンジが今回のほうが断然良いから歌も際立ってるように感じます。emiさんの表現力も増してるように感じますね。

前作「Ariadne」は個人的には1曲目以外はいまいちかなぁという印象だったのですが、今回の新曲はほんと良いですね。過去作のキラーチューンには少し及ばないかもしれないですが、準キラーチューンくらいの位置かな? ちなみに、リリハルの楽曲のベストを選ぶとするなら、1位が「Dysmnesia」、2位が「DESPAIRING SIGH」、3位が「Dystopia」って感じの並びになりそうですが、今回の新曲はそれに次ぐ4位に入りそうな出来かな。PHANTAS-MAGORIA名義のアルバムも名曲多数なんでそっち含めるとまた順位変動しますが。
ところで今回の新曲タイトル、halationって単語が入ってるので「ラブライバー…?」みたいに思ってしまうのですがさすがにそれだけで判断するのは安直すぎますよねw Φnality Blastの新譜は確実に狙ってると思いますけどw まあ、あんまりお目にかからない単語だから可能性は否定できないですが。


という訳で、次回作が楽しみになる出来栄えの新曲でした。次回作にこの曲が収録されるのかは分からないですが、夏コミ来れなかった方々のためにも出来れば再配布もしくは再録して欲しいものですね。

Release hallucination「Ariadne」

Ariadneジャケ

昨年の冬コミの「Dystopia」以来の約10ヵ月ぶりの、待望のRelease hallucinationの2ndシングルです。

なんせインターバルが同人サークルとしてはけっこう長め(2イベント新譜なし)だったこともあり、このサークルさんに大きな期待をかけている者としてはまさに待ちに待った新譜で、期待度もMAXに近かった訳ですが…。いざイベントで購入して聞き終えた今、率直に言うと、「期待度のハードル上げ過ぎたかなぁ」という感想になってしまいますかね…。

誤解のないように言っておくと、決して今回の作品がダメという訳ではないんです。試聴の段階でも分かっていましたが、今作はとにかく一聴してすぐ分かるレベルで音質が格段に向上していますし、アレンジや楽曲のクオリティも依然として高く、多くのリスナーさんにとっては「おー、リリハルずいぶん進化したなー」っていう肯定的な感想になってると思うんですよね。
しかしながら、期待値MAXの者としての感想としては、やはり今までの作品には今ひとつ及んでいないというか、とにかく前作Dystopiaが凄すぎたせいで、それに比べるとやはり音質面以外では見劣りしていまうかなぁと…。

ほんと、Dystopiaは凄かったと思うんですよ。特に1曲目と2曲目。非常にキャッチーなアニソン系メロディを持ちながらもプログレメタル的なヘヴィで複雑な演奏を両立し、しかもそのテクニカルな要素がキャッチーさを阻害しないギリギリなところで留めてある驚異のバランス感覚と構成力。あれはもはや同人メタルどころかジャパメタ全体を見渡しても比肩する者が少ないレベルのすごい楽曲だったと思うんですよね。まあそんな凄い作品を発表してしまったからには当然ハードルは最大限まで上がってしまい、「きっと次の作品はもっとすげえのが来るに違いない」って期待してしまうのも仕方ないですよねw

それに比べるとこの新作は、ただ過去作の方法論やメロディ展開を踏襲してるだけで新鮮味が薄いと言わざるを得ないと思います。マンネリってレベルでは全然ないんですが、やはり刺激が足りない感じですかね…。
#1「Ariadne」は前シングルの2曲目ほどのリズムの鋭利さはないし、バラード曲の#2「月虹」は、PHANTAS-MAGORIA名義の2nd収録の名曲「青い月」を薄めたようなメロディだし、#3「In Fragments」もサビのメロディが弱い感じですかね…。

しかしこの微妙な評価、どう考えても期待度が高すぎたせいなんですよね。一般的な同人メタル基準で聞けばむちゃくちゃかっこいい曲が揃ってるんですよ。特に1曲目は普通に聞けばキラーチューン級の曲ですし、間奏のドリームシアターっぽいフレーズとかクソかっこいいじゃないですか。なぜこのクオリティで満足できないのか?自分でも呆れるくらいにハードル上げてしまいましたねw
ただ、このサークルさんの本気はまだこんなもんじゃないと思ってるのは本心ですし、今回は音質向上に力を尽くしたから楽曲の練り込みが多少足りなかっただけなんじゃないかなぁって思ってます。今回は「音質良くなったよー」ってアピールのための序曲に過ぎず、きっと本気作は次のアルバムに違いない。次こそは「Innocent Words」みたいなガチプログレメタル曲をお願いしますw
この向上したサウンドで本気曲やったら次回作は名作にしかなり得ないでしょう。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

最新記事
カテゴリ
Imy (1)
リンク
検索フォーム
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QLOOKアクセス解析