Xiloro「Two Of Earth」

http://chloro2236.blog.fc2.com/blog-entry-164.html

新規サークルです。とはいえ厳密には完全な新規ではなく、既存の同人ノベルゲームサークルのメンバーが新規に立ち上げた音楽専門の別名義サークルらしいんですが。
サークル名は「シロロ」って読むみたいですね。シンプルな読みでありながら見た目のインパクトもあって良いネーミングですな。

このノベルゲームサークル、4枚組3000円という超ボリュームのサントラCDもリリースしてたみたいで、音楽にも相当に力を入れているゲームサークルであることがそこからも伺えますけども、この音楽サークルのほうでも気合は入りまくりですね。なんと初作品なのにいきなり13曲入りのフルアルバムですからね。
お値段も相応で1500円、はっきり言って実力が未知数の新規サークルとしてはちょっと購入を迷ってしまうラインの価格なんですけども、結論から言うとこの作品は買って大正解でしたね。めっちゃ内容が濃い作品ですよ。まさに今回のM3のダークホース枠と呼ぶに相応しい。

13曲中インストは1曲だけ、残り12曲は全てボーカル曲になってます。驚くべきは、これだけの曲数があるのに「要らない」曲が1曲も無いことなんですよね。普通、10曲以上入ったアルバムだと曲展開やメロディのパターンがかぶった曲が2~3曲くらい出て来てしまうのが常なんですけど、このアルバムの場合は全ての収録曲にしっかりと個性が備わっていてどの曲にも必然性を感じられるのが凄い。これはよっぽど音楽的なアイディアが豊富じゃないと出来ない技だと思う。そして楽曲のパターンが豊富でありながらも全体的に散漫になったりせず統一感もしっかりあるので完璧ですな。

ジャンル的にはオルタナ系ってことになるんですかね。ギターの音色が明らかにそっち系ですから。ただ、音色はオルタナ系であってもギターリフにHR/HM由来のフレーズが多用されてたりしてなかなか独自性のある音になってると思います。けっこう転調もあったり実験的なフレーズも飛び出したりしてプログレ系のテイストもありますね。
ボーカルは女性ボーカルでアニソン系のキャッチーな歌メロが主体になってるので同人音楽的な需要にもばっちり応えてますし非メタラーも安心(?)

1曲目「Neverlasting」、開幕からずっしりとしたビートが刻まれそこにヘヴィなギターリフが乗ってメタル感もばっちり感じられます。ボーカルはそれとは対称的に明るくカラッとした歌声。全体的な雰囲気はオルタナ由来の気怠さみたいのを感じるんですがギターソロも完備されてるしやはりハイブリット感ありますね。この時点ですでにこのサークルの独自性を確認できます。

2曲目、表題曲「Two Of Earth」、さすがアルバムタイトルを冠した曲だけあって非常に印象的な歌メロを備えてますね。弾むようなポップさを放ちつつも、ギターはあくまで重くてリフもギターソロも典型的なHR/HM的なノリだしやっぱり独特ですなぁ。良リフが多いこのアルバムにおいてもこの曲のリフは特に良いですね。
3曲目「Minty Infinity」はアップテンポな曲。というかこのアルバム唯一のアップテンポ曲かな? 基本的にずっしりヘヴィな方向性なんですよねこのサークル。メロコア風味のアニソン…と思わせといてやっぱりリフはメタルっぽいな。元気いっぱいな歌メロも良いですね。

4曲目「おぎののせい」、これは前曲とは打って変わって偏屈な響きを持つギターリフが特色になってますね。曲構成も意外に複雑だし、このサークルのひねくれた音楽性が顕著に現れた曲と言えるでしょうか。
5曲目「Roll Out Push」、テンポはさほどではないけど勢いのあるリフと明るい歌メロも相まってBPM以上のドライブ感を感じるかも。
6曲目はインストの小曲。

7曲目「Wombat」、作中でも屈指のキャッチーで明るい歌メロなんですけど、サビ後に唐突にダウナーなフレーズに移行したり、ラストはさらに暗くて不気味なフレーズが登場したりでかなり意表を付いて来る曲ですね。まあそういった偏屈な要素を抜きにしても単純に歌メロが優れてるので良曲なんですけどね。
8曲目「Lake」はオルタナ寄りの気怠さが目立ってる曲ですかね。Bメロで入るリフが特に耳に残る。

9曲目「星の国」は曲名通りに星の輝く夜空を思わせるようなロマンチック感ある歌メロが良い。普通ならキラキラしたシンセを使いそうな曲調なんだけどこのサークルはシンセ使わないスタンスみたいだから相変わらず重いギターがバッキングなんですがそれがまた良い味を出してますね。
10曲目「Stem」、さすがに曲数が多いからこの辺りまで来るとダレてくる…かと思いきやこれも地味ながらしっかり良メロを聞かせる曲になってますよ。リフも良いですしね。

11曲目「Hyperbola」、これも作中屈指の良メロ曲ですね。終盤のハイライト曲かな。透明感あるギターの音色も良い。
12曲目「時計」、これもオルタナっぽい曲調と思わせといてサビ後にHR/HMなリフが登場したりで一筋縄ではいかない曲展開になってますね。ラストに出て来るリフがこれまたカッコ良いんですよね。
13曲目「Rewind」、アルバムの締めに相応しい美しいメロディの曲ですね。最後サビのキー上がるところ最高です。「終わり良ければ全て良し」という文言は音楽アルバムにも当てはまるというか、最後の曲でしっかり盛り上がることは作品の印象において重要ですよね。まあこのアルバムは最後だけでなく全部が良いんですけども。

初作品ってこともあってか、ボーカルに少しばかり音程不安定なところが散見されたり演奏についてもガチなHR/HMに比べればテクニックで劣る部分もあるかもしれないですが、でもそれらが些細な事と思えるくらいには楽曲の出来栄えとアレンジセンスが卓越してます。めちゃくちゃ聞き応えある作品ですよ。是非とも多くの人に聞いて頂きたい作品です。
これほどの高い完成度とアイディアの詰まった作品をいきなりぶつけて来た訳ですから、もし2ndアルバム出すとしてもかなり先のことになりそうな気がしますが、でも期待したいですね。
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Pratanallis「Grim Garden」

http://www.pratanallis.com/

今、同人ゴシックで最も注目すべきサークルがこのPratanallisだと思う訳です。
イベント前にも散々同じこと書いた気がしますが。

まあ便宜的に同人ゴシックにカテゴライズしていますが、このサークルはV系からの影響が色濃い他のゴシック系サークルとは明らかに毛色が異なり、いわゆるクサメタル系の様式を大幅に取り入れてるので同人メタルとしての文脈で語ったほうがしっくり来るかもしれないんですけどね。雰囲気的にはやっぱりゴシック系に属する感じなんですけども、ゴシック系リスナーよりかはメタラーに対して強くアピールするタイプの音楽性だと言えるでしょう。

昨年秋のM3で発表された1stミニアルバム「Mystic Night」は、無名の新規サークルがいきなり初作品でめらみぽっぷさんや片霧烈火さん等の有名ボーカリストを起用していたことで話題性を獲得していた作品だと思うのですが、しかしそんな話題性よりもこのサークル固有の音楽性が新規サークルとは思えぬハイレベルなものであった事に大きな衝撃を受けましたね。
普通なら無名サークルが有名ボーカリスト起用したりすればボーカリストの存在感に押されて肝心のサークルの印象が希薄になってしまいかねないと思うんですが、このサークルの場合は逆で、むしろ有名ボーカリストの方々の存在感を上回るほどのインパクトある音を披露していましたからね。全くもって驚異的な新規サークルでありました。

そして今回の新作、無料配布で「Grim Garden」という新曲が1曲だけ収録のシングルなのですが、1曲だけであっても存在感は十分。前作で高まった期待を全く裏切らない素晴らしい曲に仕上がっていますね。ボーカルは1stにも参加していたeupeさんが担当しています。
イントロの出だしの時点から壮麗でクサクサなストリングスのフレーズが炸裂して、そこに趣きたっぷりのスパニッシュギターが絡み、とどめはeupeさんのコーラス。そこからはメタリックなリードギターが入って疾走開始、まさにクサメタラー歓喜なパターンですよね。このイントロの40秒間だけでも最高の出来ですな。
当然ながら歌メロも素敵。eupeさんの透明感ある歌声もぴったり合ってますね。でも歌メロの隙間にクサクサなシンセやギターのフレーズががっつりと入り込んでくるから全体的に演奏パートの印象が勝っているというのは1stミニアルバムと同様ですかね。
間奏はやはり長めで、これでもかっていうほどにドラマチックな展開とクサメロがぎっしりと詰め込まれていて大いに満腹感あります。一般的な同人ゴシック曲に比べても情報量は格段に多い楽曲でしょうね。情報量多すぎてぼんやり聞いてると曲構成が把握しづらいくらいですからね。
クラシカルな様式美とテクニカルな演奏、そしてクサクサなメロディ、Pratanallisの魅力が余すところなく披露されたキラーチューンですね。これは来るべき次回作への期待が否応なく高まる内容ですよ。

改めてこのサークルのポテンシャルは非常に高いと言わざるを得ないですね。もうちょっとサウンドプロダクションさえ良くなればもはや非の打ち所のない存在になり得るんじゃないでしょうか。
あと、このサークルの中心人物であるギタリストのヒノデさんは先日紹介した黄昏の旅団のボーカリストJunseiさんのソロ作品にも参加していましたが、そこでもテクニカルなギターワークと卓越したアレンジセンスを披露していましたね。このサークルは単体での活動だけでなく他サークルとのコラボにおいても今後この界隈において重要な役割を担っていくような予感がしますよねえ。ほんとガチで注目すべきサークルですよ。

SilencePhobia「Residue of Memories」

http://silencephobia.com/

現状でオリジナル同人メタルシーンには優れた音楽性や尖ったセンスを持つサークルが多く存在することは言うまでもない事なのですけども、その中でも特にこの界隈の行く末を占う上で重要な鍵を握るサークルの1つがこのSilencePhobiaなんじゃないかと思ったりする訳です。

このサークルのM3初参加は1年前でしたが、その時に頒布された1stシングル「The discarded sensibility」が初作品にしていきなりハイクオリティなサウンドを披露していたことには衝撃を受けましたね。ご存知のように同人音楽においてはこの手のメタルコア系サウンドって主流が完全に東方アレンジのほうにあるイメージですから、オリジナルでもついにこれだけのクオリティの新規サークルが出て来たのか!というある意味で同人メタルの新たな流れが起こりつつあることを予感させる作品でした。

そしてその半年後の2015秋M3、残念ながらその時には完全新作は発表されなかったのですが、このサークルのメンバーが以前にコンピレーション作品に提供した楽曲が無料配布されまして、その曲がこれまた強力なインパクトのある代物だったんですよね。可愛らしい女性ボーカルが歌う電波ソング的なノリのパワーメタル曲で、SilencePhobia本来の音楽性とはまるで別物なんですがこれはこれで素晴らしい曲でした。このサークルが潜在的に持つ音楽的センスの幅広さが顕著に現れた曲だったと言えるでしょう。

そして今作。秋の無料配布が「番外編」的な曲だったので完全新作としては1年ぶり。
この1年の間に作り貯めた曲があるだろうから5曲くらい入ったミニアルバムになるかな?とか漠然と想像してたんですが…実際のところ1stよりも曲数の少ない2曲入りシングルとなっているのでボリューム的にちょっと物足りないのは否めないですかね。
それと試聴の段階では1stにあったDjent的な要素が削減されてるような印象もあったんで、必ずしも事前の期待度が高かった訳ではないんですが、しかし蓋を開けてみれば今回もやはり凄い内容でしたよ。このサークルのポテンシャルの高さを改めて思い知らされる内容だと言わざるを得ないです。個人的な再生回数も前作よりも今作のほうが上回ってますしヘビロテを誘発する中毒性も強力ですね。そして収録曲は2曲しかないとはいえ各曲のキラー度は高いので満足感は十分に高いです。
一聴しただけだとテクニカル要素が減退したように聞こえたりもするんですが、よくよく聞けばテクニカルなフレーズは楽曲に自然に溶け込んでいるのでむしろ洗練された結果というべきでしょうか。

1曲目「Obsession」、疾走感抜群なメタルコア曲。というか現状でSilencePhobiaの楽曲って疾走曲しかないんですよね。中途半端なテンポの曲など無し。潔すぎる。きっとフルアルバム作っても全曲疾走してるに違いない。
しかし、単に脳筋な発想で疾走オンリーな訳じゃないんですよねこのサークルは。緩急の付け方が絶妙だし、随所にテクニカルなフレーズが仕込まれてるから単調さとも無縁。この曲も典型的なメタルコアかと思いきや、シンコペーションを活かしたリフがハイセンスなノリを生み出してますね。ちょっとV系風味なスタイリッシュ感もあるかもしれない。ハイクオリティな演奏に比べるとボーカルはちょっと埋もれ気味な印象もあるんだけど、でもこういう感じの歌声は嫌いじゃないです。まあボーカルはゲスト扱いみたいだし自己主張が強すぎないくらいで丁度いい気もしますね。歌メロ自体はキャッチーで最高の出来だと思います。
あとギターソロがめっちゃドラマチックなメロを奏でててクサクサな感じなのが良いですよね。もっとギターソロ多めに聞きたいですよ。

2曲目「Relief from despair」、これはクリーンパート無くてひたすらメロデス系リフで押しまくる曲。というかこれはメロデス寄りメタルコアってよりかは完全にメロデスに聞こえますね。ハードコアなテイストがほとんど感じられないし。
3分ちょいの尺しかないのに曲構成は意外に複雑。とはいえリズム的にはずっと疾走しっぱなしなんですが、リフの種類が多いんですよね。ほとんど同じリフ繰り返してないんじゃないかってくらいに次々に新しいリフが登場する。それでいながら耳に残るメロディアスなリフが多いのだからかなり贅沢な曲だと思いますよ。1分半あたりに登場するピロピロなフレーズが特に印象に残りますよね。ここはテクデス感あると思う。いかにもサビっぽいリフが2種類出て来るからある意味でダブルサビ曲?

ジャケ絵は前作と同様にいかにもメタルって感じのクリーチャーが描かれた硬派なデザイン。メンバーの1人のなじろうさんがイラストも担当してるみたいですが、イラスト上手いメンバーがいるサークルって強みあると思いますね。やっぱりビジュアル的なイメージは重要ですからね。
というか、のなじろうさんが最近サウンドクラウドに上げたカバー曲、Animals as LeadersとかProtest The Heroとかテクデスバンドとか…分かりやすい傾向ありますよね。1484さんもドリームシアターのカバーをいくつも上げてるし…やっぱりそっち系の傾向が明らかにあるサークルなんだなと。

演奏クオリティもサウンドクオリティもアレンジセンスも全て高いレベルで備えてるサークルだと思うし、あと足りないのは固定のボーカルくらい?
人気獲得できるポテンシャルを十分に持ってるサークルだと思うんでやっぱりアルバム作って欲しいですよね。シングルばっかりだとなかなか注目を浴びるの難しそうですしね。

SLASH MENTAL「SLASH MENTAL」

https://twitter.com/slash_mental

新規サークルです。先日の春M3のメタル系新規サークル枠ではここが一番の注目株だったと言えそうですね。きっとほとんどの同人メタラー諸氏はチェックしていたことでしょう。

しかしながら、このサークル(バンド)の「スラッシュメンタル」とかいうネーミング、見るからにネタ系だし、1stミニアルバムのジャケがこれまたネタっぽい雰囲気(このバンドのオリジナルTシャツを着た女性をエロっぽい構図で写しているという代物で…完璧にいかがわしいDVDみたいな外見)なので、もしかしたらそのイメージで判断して買い控えたメタラー諸氏も居たかもしれませんね。

でもそんなネーミングやジャケのイメージとは裏腹に、実際の内容はネタ要素など皆無の至ってシリアスな方向性で、しかも新規サークルとは思えないほどのハイクオリティなサウンドを披露していてかなりのインパクトありますよ。
やっぱりネーミングとジャケのデザインで損をしてそうな気がするなぁ…。とはいえネタっぽいジャケなのはこの1stミニアルバムだけで、春M3合わせの新作だった2曲入りシングルのほうはいかにもメタルらしい禍々しい硬派なデザインのジャケになってたんでそっちを買ったっていうメタラーが多いのかもしれない?

具体的な音楽性はというと、名前通りスラッシュメタル…なのかと思いきやそうではなく、メタルコアやエクストリームメタル系のいわゆるモダンなサウンドをベースにして女性ボーカルによるキャッチーな歌メロをフィーチャーしたタイプで、現状の同人メタルシーンでは典型的と言えそうな類のサウンドですね。
ただ、全曲で女性ボーカルが歌っている訳ではなく、収録曲の半数はクリーンパートが無くてほぼデスボイスオンリーな楽曲になっていることは意外性あるかもしれない。単に需要に沿ってるだけでなく攻めのスタンスも感じますね。

クオリティに関しては前述の通り、演奏もサウンドプロダクションも共々に新規サークルらしからぬハイレベルな内容なんですが、まあこのサークル自体はこれが初のCDなのかもしれないけど各メンバーは他のサークルなりバンドなりで経験を積んでるんだろうからガチな初音源ってことはないでしょうけど、でもオリジナル同人メタルにおいて無名サークルがこれだけのクオリティの音源をいきなり出してくるのはやっぱり特筆に値すると思います。ちょっと前ならばこのレベルのサークルは確実に東方アレンジやってたでしょうからね。同人メタルの流れが変わりつつあることを象徴するサークルがまた1つ増えたと言えるかも。
あと付け加えるならこのサークル、まだ1stミニアルバム出したばっかりという時点ですでにオリジナルTシャツを制作して販売してたことにも意外性ありましたね。ガチで売りに来ている、「上を目指してる」タイプのサークルなんだなというのが伺えるかと。

各収録曲についてですが、1曲目「I LOVE METAL」、疾走メタルコアサウンドにEDMなシンセの音が乗り、デスボイスとキャッチーな女性ボーカルの歌メロが交互に登場するという典型的な同人メタル曲ですね。もちろん演奏とサウンドのクオリティは新規サークルとは思えない安定感。「オーオーオー」っていうシンガロングパートがあるのは明らかにライブ前提で作ってる感じしますね。ちなみにこれ東方メタルサークルAdust Rainのメンバーの人が作った曲みたいですな。なんとなく歌メロが東方っぽいのもそのせいか。すでにそのメンバーさんは脱退してしまってるようですが…。
2曲目「Brainwashing」、これはキャッチーな1曲目とは打って変わってひたすらアグレッシブでファストなエクストリームメタル路線。クリーンパートはないんですがサビ部分で男性ボーカルのバックコーラスあるんでそれなりにキャッチーさもありますかね。

3曲目「BUSTER」、これまた打って変わって今度は女性ボーカルをメインに据えためちゃくちゃメロディアスな疾走シンフォニックメタル。同人クサメタルお馴染みのパターンと言えそうなクラシカルな超クサクサフレーズが連発。この手の展開が好きな人にはたまんない1曲でしょうなぁ。サビメロで三拍子系のリズムになって変化を加えているところも良いですな。ただ、尺が3分弱しかなくて割とあっさり終わってしまうのが残念。もっと展開を盛り込めそうな曲なのになぁ。

4曲目「Rey de lo diablo」、これが今作のハイライト曲でしょうね。メタルコアのアグレッションとクラシカルなクサさ、そしてキャッチーさが見事に融合したキラーチューン。デスボイスとオペラティックな女性ボーカルの絡みが絶品。この女性ボーカルさんはやっぱり逸材だと思います、一般メタラーにもアニソン系メタラーにも両方から受け入れられそうなタイプの歌声と言えそう。この3曲目と4曲目の流れは同人メタラーならば必聴ですね。

5曲目「No Reason To Speak Of」、これは再びクリーンパートの無いメタルコア曲。ただ、メタルコア的なリフが中心に据えられてはいるんですが意外に疾走展開は抑え目だったりします。そして最も印象的なのはポストロック的な静かで叙情的なパートで、このポストロック要素のおかげで全体的に不思議と聞き心地の良い曲に仕上がってる気がしますね。
6曲目「Sodom (demo)」はボーナストラック扱いですが、demoって付いてる割には十分に完成度高い曲ですよね。

そんな感じで改めて初音源とは思えないハイレベルな内容であります。オリジナル同人メタルもこれくらいハイクオリティなサークルもっと増えてくれれば願ったり叶ったりなんですけどねえ。このサークルにも同人メタルの新たな流れを牽引する存在になって欲しいです。
次回作はどうやらフルアルバムになるとのことで、このクオリティでフルアルバムならきっと凄い物が出来上がりそうですよねえ、期待して待ちたいです。

Chronocrow「クロイカラス」

http://chronocrow.jimdo.com/

Crow'sclawではありません、Chronocrowです。新規サークルですのでお間違えなきよう。

これは先日のM3で無料配布されたこのサークルの初CDですが、一聴するとギターインスト作品のようですが実はボーカルを入れる予定だったようでして、シンセで仮音が入ってる部分がボーカルが歌うはずだった歌メロなんでしょうね。現状で音源制作の全てを1人でやっているという主催の加山さんがご自分でボーカルも担当するつもりだったのが、人に聞かせられるレベルには達しなかったため断念したんだとか。どんな歌声なのかちょっと聞いてみたかった気もしますけどね。

そんな訳で実質的にギターインスト作品となっている今作ですが、新規サークルとしてはなかなか悪くないクオリティですよね。特別な可能性を感じるってほどに突き抜けたセンスや個性を持ってる訳ではないし、割と無難なタイプのオーソドックスなパワーメタルではあるんですが、演奏レベルや音質において平均点は十分にクリアしてると思うし、特にリードギターの音色が綺麗でドラマチックなクサメロを丁寧に聞かせていることは高評価ポイントになり得るのではないでしょうか。
同人メタルでこういうオーソドックスなパワーメタルと言えばSPARESPINEが思い浮かびますが、濃厚テイストが持ち味のSPARESPINEとはまた違った爽やかでカラッと乾いた音の感触が個性になってる気がしますね。洋楽メタルで例えるならRIOTあたりに近い?

さて各曲についてですが、まず1曲目「Over the chaos」、この曲は最初からインスト曲として作られた曲みたいですね。リードギターの音は綺麗なんだけど…この曲については無難すぎてあんまり面白みないかもなぁ。本番は2曲目以降ですね。

2曲目の表題曲「クロイカラス」、これが1曲目とは打って変わって疾走しまくりだしリードギターの奏でるメロディも非常にドラマチックだし、なかなかのインパクトある曲に仕上がってると思いますね。前述のようにRIOTっぽい雰囲気もあるんだけどギターのハモリ方とかやはりX JAPANの影響が伺えますかね。この曲はボーカル入れる予定だった部分に仮音が入ってるんでいちおう未完成版ということになるんでしょうけど、それほどカラオケ音源な印象はなくて、リードギターの出番が多いのでギターインストとしてすでに完成されてる感もあります。ただ、疾走が一直線すぎてもうちょっと一工夫欲しい感じはあるんですけどね。

3曲目「鐵」…くろがねって読むんですかね? この曲は力強いうねりのあるギターリフが特徴的。2曲目よりはテンポは落ちますがやはり疾走感は十分にあり、中盤のギターソロにおいてもメロディアスでドラマチックな展開が聞き所になってますね。
4曲目「With love」、タイトルから分かる通りキャッチーなメロディの曲ですが、疾走してるしメタラー向けなアレンジに仕上がってる曲だと思います。いかにもエンディングって感じのメロディが良い。

ギターインスト作品として聞いても十分に楽しめる内容だとは思うんですが、でもやっぱりボーカル入れたらどんな風になるのか聞いてみたくなりますよね。もし秋M3に参加するのであればこの作品のボーカル入りバージョンを作って欲しいなぁ…。
ボーカル入れるとしたらどんなタイプの歌声が合うんでしょうね…。主催の加山さんとしては熱い男性ボーカルを想定してるようですが…まあ影響元のバンドを見てもそれは必然か。でも同人音楽の風潮に倣って女性ボーカルにしてみても良さげな気もしますけどね。どんなボーカルが合うのか妄想しつつこの音源を聞いてみるのも楽しいかもしれません。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information
http://lmp-3-accoai.tumblr.com/
同人メタル最強(主観)サークル待望の新作がついに出ます!!冬コミ参加のメタラー全員購入必須!!!

https://tomorro4.bandcamp.com/
春M3最大の注目サークルの放った名作1stアルバムが
なんとバンドキャンプで(実質)無料公開されてます!!
これは聞くしかない!!
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