BLAPTOPHOBIA「APOCALYPSE」

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https://annyahoo.booth.pm/items/206145

結論から言うと傑作アルバムですね。
キャッチーさと変態性の両立、オタク音楽ならではの足し算の美学を極めたジャンル越境型メタルとして非常に優れた作品だと思います。
歌はボカロですがそれはほとんどマイナス要素にはなってなくてむしろボカロだからこそ成立する変態音楽のようにも感じる。

このサークル知ったのって確か1年半前のAPOLLOだったかな? 最初の2作は歌メロの無いひたすらアグレッシブな作風だったので関心薄だったんですが、この3作目では一転してキャッチーなメロディを大量導入してきたので個人的な注目度も一気に増した感じです。
しかも、そのキャッチーさが一般受け狙いで後付けしたって感じの中途半端さではなくてめちゃくちゃ説得力のあるキャッチーさなんですよ。メタル要素を全て取り除いて普通のボカロ曲アレンジにしたとしても十分に魅力的になりそうってくらいメロディアス。
その卓越したキャッチーなメロディと、このサークル本来のアグレッシブでカオティックな音楽性がギリギリのバランスで両立されてるのが本作の主たる魅力かなと。もしこれ以上変態性を増したら一般リスナーは付いてこれないだろうし、これ以上キャッチーさを増やしたら今度はメタラーが物足りなくなるっていう見事な匙加減。

アニソンとカオティックなメタルを組み合わせたサークルは他にもあるんですが、アニソンを基軸にしてるサークルとは違ってこのサークルの場合は変態性が先にありきで作られてる印象が強く、全ての収録曲の下地に変態性を感じ取れるのが特色と言えるかも。素直にメロディアスなだけの曲は1曲も無い。キャッチーなメロディ展開の隙間にこれでもかと変則リズムのフレーズぶち込んできますからね。一般リスナーにとっては疲れるかもしれませんがうちらみたいな変態音楽ばっかり聞いてるリスナーにはこの上なく刺激的です。

そしてスラッシュメタルからの影響が色濃いのもこのサークルの特色ですかね。しかもSLAYER風のオールドスクールなスラッシュメタル。メロデス系のメタルやってるサークルならば数多いんですがスラッシュメタル系のサークルってけっこう珍しいと思うんですよね。旧譜のほうは試聴しか聞いてないんですがさらにスラッシュメタル寄りな作風だったようですね。

収録曲は10曲のフルアルバム。しかも各楽曲に様々なジャンルの音楽性を節操なくぶち込んであるんで総合的な情報量は半端ない。
ともすれば支離滅裂になりかねない実験的な組み合わせもあるんだけど、そこは巧みなアレンジと高い演奏力によって支えられてる感じ。

1曲目「Introduction」、名前の通り序曲的なインストかと思いきや初っ端からいきなり本気モードで攻めてきます。変則リズムのDjent的リフによるカオスに次ぐカオスな展開。そのカオス尽くしの中にちょこっと入るゲーム音楽風味のオルガンのメロディがオアシスのような絶妙な役割を果たしてますね。

2曲目「純血のザナドゥ」、これはほんと名曲。自分はボカロメタルたくさん聞いてる訳じゃないんだけど少なくとも自分の聞いた範囲内では確実に最高の部類に入る名曲。高音を駆使したドラマチックなサビメロはボカロならではでしょうね。途中で分かりやすくブレイクダウン入るからいちおうジャンル分けとしてはメタルコアなんでしょうけどそのブレイクダウンにもゲーム音楽っぽいシンセが乗ったりするしサビはメロスピっぽいしやっぱりジャンル不定のオタクメタルって感じ。

3曲目「現代ハデス」も割とメタルコア風。この曲は比較的カオス展開は控え目だけどそれでもやっぱりジャンルのテンプレにハマらない自由さを感じる。

4曲目「ゲヘナの門番」、これは今作中で唯一クリーンパートの無いアグレッシブ一辺倒な曲。2分半という短い尺ながらこのサークルの特色となるスラッシュメタル的な展開を基調にして一気に駆け抜けます。スピードダウンしたパートに来る デンッデデデンッ っていうキャッチーなリフがめっちゃ耳に残る。SLAYERばりに狂ったように速弾きしまくるギターソロも圧巻。

5曲目「COSMO」、これはお洒落なジャズっぽい曲調+変態メタルの融合かな。ウィスパーボイス風のボカロによる歌メロと轟音サウンドのギャップ感が素敵。

6曲目「フリーダムゲイザー」、こちらはエモ爽やかなポップパンク+変態メタルの組み合わせ。Aメロの混沌っぷりとBメロ&サビのキャッチーさの落差が凄い。そしてこの曲でもギターソロのSLAYERな速弾きが強烈。

7曲目「Grand Guignol」、これはゴシック+変態メタルか。同人ゴシック的な耽美でファンタジックな雰囲気とカオティックでアグレッシブな演奏が違和感なく融合されている見事なアレンジ。

8曲目「Hope」、これは飛翔系メロスピとメタルコアとDjentの組み合わせ。神々しい雰囲気を帯びた美しい歌メロとカオティックなギターフレーズの対比が実に刺激的。オタクメタルでしか有り得ない(良い意味で)無節操な音楽性でありながら整合性も感じさせる見事な出来栄え。
この曲はニコ動に上がってるバージョンも見たんですけどコメントがちょっと荒れてましたね。まあ曲名が有名ボカロPとかぶってるから仕方ないところもあるけど…。ドラムはニコ動バージョンと比べると大幅に改善されてますね。着実な進歩を感じる。

9曲目「レブルの民」、いかにもボカロソング然としたチャラいポップスパートとアグレッシブな爆走サウンドの強引な組み合わせ。かなり変態的な音楽性だと思うんだけどこれはニコ動のコメント見たらけっこう賛辞が多いんですよね。なるほどこういう感じなら一般リスナーにも受け入れられるのかぁ。もちろんメタラー的にも最高に変態でカッコいいと思います。

10曲目「精神叫喚ディストピア」、ラストは再び爆走スラッシュメタル曲。こちらはクリーンの歌メロあるんで4曲目よりかは少しだけ一般向けかな。それでもかなりアグレッシブだけども。イントロのブラックサバスみたいな低速リフはメタルコア系ではお目にかかれない代物でしょう。新しいメタルから古いメタルの要素まで網羅してるのにちゃんと統一感あるのが凄い。

どの収録曲もメロディアレンジ共に完成度が高くて捨て曲もない。間違いなく昨年の年間ベスト上位に入る名作アルバムだと思いますね。全体的にカオス度が高いので万人向けではないんですけどメタラーならば絶対に聞くべき。ボカロ音楽を聞かないメタラーも必聴ですよ。演奏だけ聞いてても楽しめますから。

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Mimis「きみにふれたい」

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http://laralastudio.web.fc2.com/

Laralastudioの竹之内貴英さんとギタリストのJuniさんによるユニット、これが3枚目ですかね。3枚目といっても1作目はシングルで2作目はフルアルバムだったんで、6曲収録の今作は1stミニアルバムと呼ぶべきなのかな。

本隊であるLaralastudioでフルアルバム出す同じタイミングでこのMimis新作も一緒にリリースされたということで、竹之内さんの創作モチベーションは頂点にあったとも言えそうです。ラララとこのMimis新作合わせたら竹之内さんの曲はインスト抜きで11曲もありますからね。しかも捨て曲と言えるような中途半端な曲も見当たらないのでほんと驚異的。
さらに、この同時リリースによってLaralastudioとMimisの「役割分担」的なものも明確になってきたよう思います。女性ボーカルでオタク向けミュージックを展開するLaralastudioでは「売れること」を今まで以上にしっかり意識した作風に近づいており、こちらのMimisでは竹之内さん自身がボーカルも務めることによって「やりたいこと」を実践してるように感じ取れます。まあ実際に竹之内さんがそれを意図的にやってるかどうかは分かりませんが、あくまで勝手な印象に過ぎないんですけどね。
しかしながら、じゃあLaralastudioが売れ線でMimisは趣味でやってる印象かというと必ずしもそうではないというか、ラララの路線が売れ線なのはあくまでも同人音楽界隈に限ったことであって、インディーズロックの視点から見ればむしろMimisのほうが売れ線と言えそうですよね。竹之内さんもJuniさんもインディーズロックで通用するだけのボーカルスキルと楽曲センスを十分に持ち合わせてると思いますから。これだけ質の高い音楽なのに男性ボーカルが冷遇される同人音楽界でしか知られていないっていうのは非常に勿体ない気がする…。

前作のフルアルバムも素晴らしい内容だったんですが今回も引き続き充実の内容になっていますね。竹之内さんとJuniさんがそれぞれ単独で制作した楽曲を交互に収録するコンピレーション的な構成でありながらも不思議と一貫した作風を感じるのも前作と同じ。

1曲目「touchless」はJuniさん曲。相変わらずのイケボ。サビの盛り上げ方も巧いですなぁ。ベースラインのうねりと綺麗なピアノの音色が良い味出してる。もちろんギターソロもメロディアスでカッコいい。邦ロック系なんだけどハードロック風味もあるのがメタラー的に嬉しいところ。
前回も書いた気がするけどJuniさんの都会的でV系っぽいイケボと竹之内さんの素朴で田舎的な癒やしボイスの対比が良いんですよねえこのMimisは。

2曲目「SNSで知り合った君の名前を僕はまだ知らない」、某泣けるアニメのパロですかね。っていうか、ネトゲで出会った女って99パーセントの確率でネカマなのでは…。ツイッターも自称女子高校生とかいう輩がうじゃうじゃいますしね。
それはさておき曲はカッコいい。竹之内さんの声の癖を更に強めたような独特な歌い方、鋭いカッティングが決まるギターフレーズ、キャッチーなサビメロ。ほんと完成度高い。同人音楽界隈で評価されるタイプの楽曲じゃないけどインディーズロック界隈の人に聞いて欲しい。邦ロック系を紹介してるサイトとかに紹介して欲しいですよほんと。

3曲目「誰かの隙間」、Juniさんによる静かな弾き語り曲。派手さはないけどしんみりとした味わいがあり。

4曲目「僕の風船」は竹之内さん。前作の「幽霊屋敷」と同じくみんなのうたで流しても良さそうなくらい普遍的な魅力を放つ超キャッチーな曲になってますねえ。ノスタルジックで優しさにあふれる曲調が心地良い。やっぱり竹之内さん作の曲は竹之内さん自身が歌うのが一番楽曲の良さを引き出すのかなぁと思ったり。

5曲目「ツインズ」、Juniさん曲ですが甘いイケボとキャッチーで暖かみのある曲調が実に良い。この曲もやはりメロディアスなギターソロが決め手になってる。ずっと一緒だった双子が成長するにつれて距離が空いていくという趣旨の歌詞も切なさをそそります。竹之内曲とも雰囲気が噛み合ってるし統一感があるのも良いですよねえ。素晴らしい曲です。

6曲目「猫よ」は最初のシングルの「ねこころり」の続編ですかね。同じく童謡風味の穏やかな曲調ですが自然体なリラックスムードはさらにアップしてる。まさに竹之内曲の真骨頂。一発録りっぽい音質も良い味になってますね。「この世に生きるものは全て猫になりたいものだから」…いかにも猫好きな人間の発想だなぁと。猫至上主義。

そしてジャケ。そうそうやっぱりこの手描きジャケじゃないとね。これでジャケ買いする人はいないだろうけど個人的には絵師さんのジャケより断然好き。

そんな訳で、竹之内さんの素朴でキャッチーな持ち味とJuniさんのスタイリッシュな作風の競演によって今回も素晴らしい内容になってるかと思います。今後もLaralastudio共々にさらなる活躍を期待したいところですね。同人音楽界隈だと男性ボーカルは不遇だからインディーズ系で評価されて欲しいんですけどね。

Laralastudio「Improvisation Life」

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http://laralastudio.web.fc2.com/

女性ボーカルポップス系サークル、Laralastudioの1st「フル」アルバムですね。「フル」ってところ重要です。そうじゃないと出て来たばっかりの新規サークルみたいな印象を与えちゃうと思いますんで。確かにフルアルバムはこれが初なんですが、今までミニアルバムを何枚もリリースしてるそこそこ歴史の長いサークルでございます。

とはいえ公式であえて「1st album」という風に紹介してるのは意図的にやってるみたいなんで、竹之内さんにとってはやっぱり今作こそが真の1stアルバム扱いなのかもしれないですね。心機一転、これがLaralastudioの新たなるスタートという意味が込められてる?

実際、今作は従来のLaralastudio作品とは異なる特徴がいくつも見受けられます。
一番分かりやすいのはジャケですよね。竹之内さん自らが描いたいつもの手描き風味の味わい深いイラストではなくちゃんと絵師さんに依頼した美麗なイラストになっています。
個人的には竹之内さんの手描きイラストは好きだしLaralastudioにとって必須な要素だと思ってたけど、しかしあの手描きイラストに良さを感じるのは自分みたいに同人音楽にアマチュア性を求めてる一部のリスナー(もしくはそういう芸風のサブカル系バンド好きなリスナー)だけだろうし、大半の同人音楽リスナーは同人CDに対しても「商品」としての完成度を求めてると思うんで、これは正しい選択肢だったのかなと思います。
もちろん、手描きイラストを捨て去った訳ではなく、竹之内イラストは男性ボーカルの別ユニットMimisのほうに継承されてますから問題ないですしね。

そして中身の音楽にも若干の変化が見られます。
各楽曲の曲調自体はいつものラララの延長線上っていうか、そもそもラララって作品毎に作風が変わるサークルであるし音楽性も幅広いんでそれについては特に今までとの相違点は無いとは思うんですが、しかしボーカルについては今回はフルアルバムということもあって最多の4人のゲストボーカルさんが歌っていて、そこに今までと異なる感触があるのかなと思います。
特に藍月なくるさん。今をときめくDTころ…じゃなくて美しい透明感あふれる歌声を聞かせる人気のボーカルさんなんですけど、ぶっちゃけ従来のラララのゲストボーカルさん達とはかなりタイプが異なると思う。
ラララの曲調って基本的にサブカル寄りなJポップ、もしくはサブカル寄りアニソンっていうイメージがあるんですが、藍月なくるさんの歌声ってエロゲソング系なんですよ。同じポップソングという括りであってもけっこう距離がある。エロゲソングってこれまた偏見に満ちたカテゴライズだけど…あくまでイメージですけどね。
だから藍月なくるさんの歌ってる曲はあんまりLaralastudioっぽくないというか、何か別サークルのように聞こえる。でも別に違和感があるってほどではないんですけどね。そもそもゲストに複数のボーカルを迎えてる時点でサークルとしての独自色を強く打ち出すのは難しいし、必然的にバラエティ感に重きを置くことになりますからね。これだけ幅のある音楽性ならばちょっとくらい別タイプのボーカルさん居ても大して気にならないっていうか。

竹之内さん「らしさ」が色濃く出た作風はMimisのほうでしっかり披露されてる訳ですから、女性ボーカルをフィーチャーしているLaralastudioのほうでは「売れ線」を意識…って言ったら語弊ありますが同人音楽ジャンルにおける需要に沿った作風にしていくことでそれぞれの役割分担を明確にしていくのかなって感じもあります。

収録曲は9曲。うちインストは1曲でボーカル曲は8曲。当然ながらLaralastudio史上最大のボリュームですね。Mimisのほうも並行して新作出してるっていうのにこれだけの楽曲揃えられたってことに普通に驚きます。なんというモチベーションの高さ。
まあ曲数が多くなったことで各楽曲の内容が心なしか薄まったというか、突出した名曲が無いって言えなくもないんですけど、でも十分に楽曲の平均点は高いと思います。
曲調はバラエティに富んでいて、今までの歴代ラララ作品の作風を総動員した集大成的な側面もあると言えそう。でも集大成であっても最高傑作とまでは言えないかな…。前述の通り突出した名曲が無いので。いや…名曲が無いって思えるのは柳かおりさん不在のせいもあるかもしれないけども…。柳かおりさんの歌声は他の人では替えの効かない唯一無二の素晴らしさでしたからね…。Laralastudioを語る上で外せない、外したくないボーカルさんであるのは間違いない。記念すべき1stフルアルバムにいらっしゃらないのはやはり寂しいと言わざるを得ない。

ピアノによる静かなイントロに続く2曲目「彼方まで」、さっそく藍月なくるさんの担当曲です。曲調は「Hello shooting star」あたりの流れを汲んでるかな。キラキラしたイメージのアニソン然とした曲です。藍月なくるさんの歌声の補正でエロゲソング寄りになってる気もしますけどね。素晴らしい曲であるのは確かですが、ラララらしさがあるかと言ったら微妙だし、逆にこの楽曲が藍月なくるさんの魅力を引き出せてるかっていうとそれも微妙。藍月なくるさんの歌声の魅力を100パーセント引き出せてるのってEndorfinの楽曲だけかもしれない。自身のソロ作ですら100パーセントではないと思う。
いや、でもこの曲が悪い訳じゃないので誤解なきよう。良い曲です。間違いなく。
っていうか実はこの曲を初めて聞いたときちょっと冒頭部分がめらみぽっぷさんの声に聞こえたりしたんですよ。意外にお2人の声って似てたんだなぁと。

3曲目「不眠症」、ダウナーなタイトルとは裏腹に曲調はテンション高め。このタイトルで「君の話を聞かせて~」のロマンチックな響きのサビに繋げるギャップ感は魅力なんですが、でもよく考えると自分が眠れないからって「君」を巻き添えにしてる傍迷惑な主人公って感じもしなくない…。まあそれは置いといて。曲はめっちゃ良いです。
このボーカルの西風さんってラララ初参加かと思いますがこの方はイメージに合ってますよね。こういう元気なタイプの竹之内ソングにぴったりな声なんじゃないかと。

3曲目、お馴染みの町乃さん担当の「恋する世界はあいまいだ」。結論から言うと今回のフルアルバムのハイライト曲はこの曲を含めた町乃さん担当の2曲だと思ってます。町乃さんの歌声と竹之内ソングの相性は抜群。竹之内さんって基本的にどんな曲調でも作れちゃうオールラウンダー的な器用さを誇ると思うんですがやっぱり町乃さんフィーチャリングの際のやくしまるえつこ系サブカルポップスについては特に得意分野って感じありますよね。今回も可愛らしいメロディ展開と宇宙絡みの突拍子も無い歌詞は健在。あとこの曲はCメロが良いっすねえ。Cメロをサビに出来そうなくらい。

4曲目「気づいてくれない」、このボーカルのぴーたまさんは前作「ひかりの速度と君の呼吸」でも歌ってましたね。この方のちょっと気怠さを含んだような歌声もラララのイメージに合ってると思う。アコースティックサウンドの静かなバラード風で童謡風味の優しいメロディがとても印象的。男女間のディスコミュニケーションを歌ったような歌詞かと思いきや「どうせ傷つくなら嘘にまみれていたい」のあたりとか、何気にけっこう毒のある歌詞ですよね。次の5曲目もそうなんですけど、今までのラララってこんなにダークな歌詞あったっけ?

5曲目「マリンスノー」、これも藍月なくるさんフィーチャリング。竹之内さんのセルフライナーノーツによれば、マリンスノーってプランクトンの死骸のことなんだそうで、この言葉の綺麗な語感と裏腹にダークなニュアンス含んでる感じが楽曲にも巧く反映されてて見事だなぁと。基本的に藍月なくるさんの歌声を活かした美しい曲調なんだけど死を直接的に表現した歌詞がさらっと出てきたりしますからね。美しさと悲壮感が同居したような雰囲気。ほんとこのダークさはLaralastudioとしては珍しいんじゃないかと思います。深海を表現した泡のSEも少し不気味さを伴ってますし。
2曲目と同様、ラララらしさがあるかと言えば微妙かもしれませんが今までに無い新境地的な魅力があると思います。

7曲目「ほしのむこう」、これがまた素晴らしい。町乃さんフィーチャリングなんですがシューゲイザーとプログレを組み合わせたような今までにない実験的な作風。シューゲイザーっぽさは意図的に作ってるんだろうけどプログレっぽさは偶然なのかなぁ。でも深みのあるシンセの音色と変則的なドラミングの組み合わせから生まれる美しくもカオスな音世界はやっぱりプログレと形容したくなってしまう。これもまた竹之内さんの新境地と言えそう。

8曲目「New song」、これはぴーたまさん担当ですが、竹之内さんらしい素朴な曲調と歌声がぴったり合ってる。派手さはないけど心地良い曲ですよね。あと、この曲だけJuniさんがギターソロ弾いてるみたいですね。やっぱりJuniさんのカッコいいソロが入ると楽曲が引き締まる。

9曲目「PUZZLE」、最後は西風さん担当の元気な曲で締めます。ブラスセクションが彩る賑やかなアレンジなんですけど、サビ後半とCメロでのちょっと切ないメロディになるところが特に好きですね。

ほんと今回はバラエティ豊かなんですけど、その半面で柳かおりさんが全曲歌ってたときのような作品を通しての統一感は乏しいし散漫って言えなくもないんですが、でも、竹之内さん自身が歌えば統一感なんて余裕で出せるってのはMimisで証明されてる訳ですしね、やはりLaralastudioのほうはこのバラエティ路線で正しいんじゃないかと思います。LaralastudioとMimisでそれぞれの魅力を追求していって欲しいなぁという感じです。
そのMimisのほうも近々記事を書きたいと思ってますのでお待ちを。



あと、フルアルバム記念にLaralastudioのベスト曲を選ぶとしたらどうなるかなと思いついて試しにリストアップしてみたんですが、

to you
神様になって
ゆらゆらムーンライト
さよならプラネット ←これが一番の名曲
宇宙ピエロ
Hello shooting star
混濁とレンズ
僕がギターを弾くのなら
天気予報士は無責任
ひかりの速度と君の呼吸
butterfly girl
ほしのむこう

こんな感じですかね? 改めて名曲ほんとに多いなぁと。新規リスナーのためにも是非ともベスト盤を出して欲しい。
でもベスト盤を出すのってアーティストがネタ切れに陥ったときっていうイメージが無きにしもあらずなんでもうちょい先でもいいかもしれないですが…。

REJECTION新曲

https://twitter.com/rejectionjp/status/831080735649861633
Sweet Sweet Valentine Day…。なるほどそう来たか…。これは非常に予想外でした。2月公開とはいえまさかバレンタインネタで来るなんて夢にも思わなかったですよ。
そして曲調もだいぶ予想外。ラウドなサウンド+ポップな歌メロというREJECTIONの基本路線は守ってる…守ってるんだけど…ここまで突き抜けた明るい曲調になるとは正直驚きました。アイドルソングや電波ソング系のノリですよね。
もちろん1stアルバム「COSMOS」収録曲も明るくキャッチーな曲調がメインだったんですが、確かに明るくはあるんだけど明るさの中にも寂しさとか悲しさとか色んな感情が入り混じった一筋縄ではいかない曲調だったと思うんですよね。でも今回の新曲はバレンタイン曲という企画の性質上ひたすら甘々なアイドル系の曲調になってるんでやはり1stアルバムの曲とは明らかに異質な印象が強いですね。

もしこの新曲の路線で次のアルバムが作られたとしたら違和感を禁じ得ないかもしれませんが、これは企画物のイレギュラーな曲調だと思うんで、これはこれで別枠として切り離して聞けばやっぱり赤ヘルさんらしい超キャッチーなメロディも冴え渡ってるしアレンジも見事だし素晴らしい曲であると思います。
あともう1つ予想外の事と言えばプログレメタル系ギターインストサークルの「Faded Azure」の人がゲストでギター弾いてるってことですね。オレウサコンピでFaded Azureの曲を聞いた時もすげえと思ったけど以前よりもさらに腕前を上げてらっしゃる気がする。めっちゃカッコいいっすなぁ。プレイも凄いんだけどギターの音色が好きすぎる。Faded Azureのアルバムも出して欲しいですねえ…。

そんな訳で今回の曲はREJECTIONの音楽性の幅広さをアピールするためのイレギュラーな枠なのかなと個人的には解釈してるんですが、昨年末の「Just kidding」や「Our Voices (tribal ver.)」で垣間見せた天才的センスは最高オブ最高だったし、あの方向性を進化させて2ndアルバムが作られるとするならば大勝利は約束されてると思うんで春M3が楽しみでならないですね。



そういやImyが早くも春M3新作の収録曲のインストバージョンを公開してたけど今までとは一味違うシンフォニックでプログレっぽい曲調だったからちょっと興味湧きましたね。これにボーカル乗ったらどんな感じになるのか。ちなみに冬コミの男性ボーカルの新ユニットのCDはいちおう買ったんですけど…まだ聞いてないです。

Fukiさんも来月新曲か…。っていうかあんきも新譜も買ったけど聞いてない…。

https://www.youtube.com/watch?v=lVlpVQ_sXqQ
あとこれは全く同人音楽じゃないんですけど、この「そこに鳴る」っていう邦ロックバンド凄まじいテクニックでマスロック系かと思いきやメロスピとメタルコアをゴチャゴチャにしたような曲もあったりでやたらと型破りなバンドですよねえ。メタラーの間でも話題になってるみたい? 歌メロにオタク音楽に通ずるキャッチーさもあって言うことなしですね。


で、ついでにアニメの話…。皆さまご存知のようにアニメ界は突然のけものフレンズ大ブームに見舞われてますね。このけもフレ現象をパンデミックと形容してる人がいたけどまさに言い得て妙で、ほんと何らかの病原体が感染してるんじゃないかってくらいの流行り方。何なんでしょうこの異常事態。色んな意味でやばいアニメっすね…。
っていうか今期アニメ、幼女戦記は面白いんだけど癖が強いしクズの本懐はただのエロアニメと化しつつあるしリトルウィッチも主人公が何か好きになれんし…全体的に視聴モチベーションが下がってる感じ。まあオルフェンズの展開が盛り上がってるからいいんですけどね。

あと、メンバーが9人もいて半数が人外という設定で話題を呼んでるキュウレンジャー見たんですけど、スターウォーズばりのスケールで展開する本編も凄いインパクトだったけどOPの爽やか&エモい曲がめっちゃツボだった。最近のアニソンでは幼女戦記EDと並んで好きかもしれない。いやアニソンじゃないけど。

Tears Fall Spills「Panic at the Sunset」

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http://ameblo.jp/tearsfallspills/entry-12213874460.html

ポストハードコア/メタルコア系コンピレーションサークルTears Fall Spillsの1年ぶりの新作です。これが5枚目になるんですかね。

このサークルって初期の頃からポテンシャルは高かったと思うんですが、コンピレーション形式で毎回アルバム制作していることもあって作品単位で評価するとなるとどうしても散漫な印象が拭えなかったんですけども、今回(っていうか昨年秋だけど)は1年の間隔が空いていたこともあって、そろそろ満を持して各メンバーのソロ作品が来るかな?と期待してたんですが…どうやらまだもう少し待たないといけないようですね。いや、そもそもソロ作を出す予定があるのかどうかも全く不明なんですが。あくまでも個人的な願望なんですけどね。でもコンピレーションに甘んじてるには惜しいだけのポテンシャル持ったサークルであることは事実だと思うんですよ。

Tears Fall SpillsがM3デビューした3年前はまだオリジナル界隈ではラウド系サークルも少なめだったんでこのサークルも十分な存在感あったと思うんですが、今はオリジナル系も充実してきてるからやはりコンピレーション形式では自己主張が足りなくなってきてると思うんですよね。

とはいえ、楽曲単位で見れば各コンポーザーの担当曲(主にhyahyaoさんと75さんの楽曲)の輝きは全く衰えていないどころかますます洗練されてきてますし、今作の収録曲についても実に素晴らしい出来栄えになってると思います。

1曲目はhyahyaoさん担当曲「Void」。実を言うと、1年ぶりということもあるし(ソロ作が叶わなかったとしても)今回はhyahyaoさんの曲が3曲くらい入ってないかなと密かに期待してたんですが、実際のところこの1曲のみの収録となってます。ぶっちゃけ物足りなさはあるけど、しかし1曲だけとはいえ完成度は相変わらず高いです。
今回もお馴染みの実力派女性歌い手の森邑みけさんをフィーチャーしていまして、改めてこのお2人のコンビネーションは最強ですよねえ。相性良すぎる。hyahyaoさんお得意のシャキシャキと小気味良いグルーヴのハードコアサウンドと森邑みけさんのソウルフルな歌唱の見事な共演が快感をもたらしてくれます。ほんと素晴らしい。いつも言ってるようだけどこのお2人のコンビでアルバム出して欲しい…。コンピレーションに埋もれてるのは勿体ない。もっと幅広い層に知れ渡るべきですよね。

2曲目はTatsukiさん担当、クリーンパートの無いひたすらアグレッシブなデスコア系。

3曲目「Oneself」はhyahyaoさんと並んでもう1つのTears Fall Spillsの大黒柱である75さん担当曲。相変わらず最高にキャッチーなメロを聞かせてくれますね。いつもボーカル担当してるμさんの透き通った繊細な歌声と荒々しいハードコアサウンドの対比が実に心地良い。この感じ、個人的にオタク系ラウドサウンドとしては理想に近いと思ってます。

4曲目もTatsukiさん、こちらはいつものようにV系っぽい耽美なサビメロを備えたメタルコアですね。

5曲目「mirror」は女性ボーカルによるキャッチーな歌メロを備えているので75さん担当曲…かと思いきや「さもとらけのにけ」さんの曲なんですね。ちょっと意外でした。75さんに負けず劣らずのキャッチーなメロが聞ける素晴らしい曲です。何気に今回のアルバムってTatsukiさんの2曲以外は全て女性ボーカル曲なんですよね、実は今までで最も一般向けな作風と言えるかも?

6曲目「My Sadness was Vanished」、こちらは間違いなく75さん。今回はhyahyaoさん曲が1曲しかない代わりに75さん曲が2曲あるんでトータルとしての満足度はいつもと大差ない感じでしょうかね。この曲は疾走感あるAメロからキャッチーなサビメロへの流れが秀逸。実にメリハリの効いた曲構成。ほんと、75&μのコンビでもアルバム出して欲しいですな…。

そんな訳で、今回も各楽曲は素晴らしいんだけどそろそろ各メンバーにはソロ作をやって欲しいなぁといういつも通りの感想に集約される感じでございます。コンピレーションサークルとして3年も活動してる訳ですからもう下準備は十分なんじゃないかなって気がしますしね。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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