ともろうさん新作がようやくDL販売開始

https://booth.pm/ja/items/413274
やっとですよ…。ほんと長かった。紅楼夢から3ヵ月か。まさか年を越してしまうとは思ってませんでした。やっぱりともろうさんは期日に縛られたイベント頒布には合ってないね…。マイペースに活動したほうが良いと改めて思います。でもDL版とはいえこうして無事に新作を聞くことが出来たので良しとしたいですね。
紅楼夢で頒布されたオリジナルバージョンからけっこう手直しされてるらしいけど…どの辺りが変わってるんだか分からん。個人的にはノイズが酷かろうがオリジナルのほうを聞きたかったな…。
内容についてはほんとに素晴らしい。「てぐせ壱」以降ともろうさんの積み上げてきた音楽性の集大成的な内容なんじゃないかと。しかし自分は東方の原曲(原作)を知らないからこの作品に対する客観的な評価ってのは出来ないんですよね…。そこがアレンジ作品の難しいところ…。
まあ、もしこれが他のサークルだったとしたら、アレンジ作品ならそもそも買わないという選択肢が確実に存在するし、買ったとしてもほとんど聞かずに放置する可能性も大なのですが、ともろうさんの場合は特別ですからね…当然ながらとことん聞き込むつもりです。というかすでにヘビロテしまくってます。自分が最も多く聞いた東方アレンジ作品になることはすでに確実です。しかしながら聞き込んだところで原曲を知らなければ理解できない部分が多い訳で…やはり厄介ですが…。


https://tsukubadtm.bandcamp.com/album/exp-trap-trapmission
赤ヘルさん来月に新曲発表するそうで、それもM3新譜に入るのかな? 楽しみですなぁ。
というかこのTsukuba DTM Labのバンドキャンプで無料公開されてる「Just kidding」っていうEDM曲がめっちゃカッコいい…。ファンタジックな雰囲気とダンサブルなグルーヴが見事に融合してる。やはり天才か。
「Our Voices (tribal ver​.​)」なんてのもあったんですね。壮大さがさらに増してるしボーカルも新録されてるし単なるリミックスバージョンじゃないですね…これも最高。他にもネタソングっぽいクサメタル風の曲もありましたね。赤ヘルさん名義のBandcampでまとめて公開して欲しいなぁ…。

そういやAPOLLOって次の日程まだ決まってないの? てっきり2月頃にやるのかと思ってたけど。さすがに年3回のペースを持続するのはキツいのか…。
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冬コミから2週間

もう2週間も経ったのか…。そして2017年も2週間が過ぎてしまったということで。油断してるとあっという間ですよね。有意義に過ごしていかないといけませんな…。

https://hymnabovetraumaticemotion.jimdo.com/
冬コミ作品は今のところまだHATEしか記事書いてないですけども、やはり改めてHATEフルアルバムは個人的同人メタルオールタイムベストに選びたいくらいの傑作だなと思います。いつもなら記事を書き終わったらその作品のヘビロテは止めて次の作品に移行するんですけども、HATEフルアルバムは散々ヘビロテしたのにまだ聞き足りないくらいですからね。記事のほうではボーカルについてばかり言及してましたがもちろんギターパートにも聞き所が盛り沢山でほんと何度聞いても飽きない。
このHATEフルアルバムが2016年ベスト1位だな…と言いたいところですがREJECTIONという超ダークホースがいるのでそれに及ばずに2位か…と言いたいところですがうちのブログは冬コミ作品は次の年に繰り越すという謎仕様でランキング作ってるので2017年扱いということで…。まあ順位とかどうでもいいんですけどね。2016年の同人メタルも大充実していたという事実を再確認できればそれで十分。

そういや、赤ヘルさんって春M3申し込んでないんじゃないかと不安あったんですけどどうやらちゃんと申し込んでたみたいですね。良かった良かった。おそらく新作もあると思うんで非常に楽しみです。

https://lostmyproust.jimdo.com/
Lost my Proustについては「新作」じゃなくて「新曲」ってのが引っかかりますね…。今年中に新作アルバムは出ないってことなのか…? M3も申し込んでなさそうだし…。HATEとスプリットという可能性ならありそうなんだけども。

https://answertothemomonga.tumblr.com/
お、アンサツモモンガようやくフルアルバム出るんだ。これは期待ですねえ。秋の新作の記事まだ書いてませんけど近いうちに書きますんでお待ちを。


それと、お気づきの通り最近になって記事にジャケ写真を追加してみたのですがどうでしょうか。視覚的な分かりやすさってのはやはり重要だと思うんです。でもいちいち写真を撮るのがめんどくさいんでそのうちまた画像なしに戻ってしまう可能性も大ですが。



ついでに冬の新作アニメの話題も。
秋アニメが非常に充実していたので今期のラインナップが見劣りしてしまうのは致し方ないと思うのですが、自分はそんなに大量のアニメを並行して視聴し続けるのも無理なんで3本程度の見たい作品が見つかりゃそれで十分なんですけどね。
今期一番面白いのって実は幼女戦記じゃね? 安直なネーミングからは想像できないくらいハードな作風。そもそも主人公が幼女である必然性もあんま感じられないし、もしかして編集からの圧力で不本意なタイトル&内容に変えられてしまったんだろうか。まあ悠木碧ボイスじゃなかったらハードすぎて見る気にならなかったかもしれないけど。
リトルウィッチアカデミアはさすがTRIGGERだけあって映像だけでもお腹いっぱいになる。
クズの本懐は…初回から放送ギリギリすぎる…。エロアニメ的なインパクトが強かったけど今後どう展開していくのか気になる。
ガヴリールドロップアウトはうまるちゃん言われまくってたけどなるほどね。まあ監督も同じだし…。男が出て来ないから百合厨に優しい?
メイドラゴンも無理やり百合厨向けにしてある感じあるかもなぁ。
ハンドシェイカーは新感覚CGアニメ? これからはCGアニメの可能性をさらに押し広げていく必要あるんでしょうね。アニメ業界も色々と限界状態みたいだし…。
バンドリはCMによる擦り込み半端ないしオタクとして見ておかないとマズいのかと思ってたんですけど放送開始が遅いんすね…制作スケジュールやばいのかね…。

オレオレウサギ「An Evanescent Echo/ReLight」

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http://oreore-usagi.tumblr.com/

虎徹×バーナビーオンリーイベント「俺のウサちゃん」、略して俺ウサ
…とは1ミリも関係ない同人音楽サークルのオレウサことオレオレウサギが秋M3でリリースした現時点での最新作です(謎紹介)
「オレウサ」で検索するとタイバニのほうの結果が出てくるよねっていう。ただそれだけです。

一昨年の春にリリースされた2ndアルバム「MIND CRAFT」以来の新作CDということで…けっこう間が空いちゃいましたが、でもCDにはなってないですが昨年6月にもweb上で新曲「Backspace[←]Dependence」が無料公開されてたんで昨年は2回新作が出たってことになりますね。そしてその昨年に出た2作の曲(ぎゃぷいちさん作の曲)は自分的にオレウサ史上でもトップクラスの良曲だと思ってまして、相変わらず寡作なサークルではあるけどここに来て音楽的にはさらに上り調子になってる印象あります。

さて極めて個人的な意見を書かせて頂きますと、実はこのオレウサについては、先日フルアルバムリリースしたHATEことHymn Above Traumatic Emotionに非常に似た印象を抱いておりまして。まあ2サークルはスプリットEPを共にしてますし音楽的にもメロデス的リフを多用するという共通点を持ってるんでそりゃ普通に似てるに決まってるんですけど、それだけではなくてですね。
両者ともデビュー作の時点で同人音楽の平均を余裕で越えるかなり高めのクオリティをすでに保持していて、それによって人気と評価を順当に獲得していたと思うんですけども、しかしながら客観的には「カッコいい音楽」と認識してはいたものの、主観的には必ずしもツボにハマるとは言い切れない感じで、客観と主観に温度差があったのは否定できないところだったんです。
ところが、2サークルとも昨年発表した新作については以前に比べて個人的な好みにぐぐっと近づいた感じがありまして、ツボと感じるメロディやアレンジも増えて、ここに来てようやく心置きなく推せるようになったなぁと感じたりしてるんです。まあクオリティが飛躍的に上がったという訳ではなく、元々2サークルともハイレベルだったんですけどね。単にうちの好みと照らし合わせた場合の評価ってことで。
とはいえ、HATEのほうはというと個人的にはめちゃくちゃ好きな作風になった代わりに一般的な評価が割れそうな要素も有しているのでなかなか評価が難しいラインにいると思うのですが、オレウサのほうはそこまで劇的な変化は無くて、今までとほとんど変わらない安定の作風なんだけど細部に微調整が加えられててそれが自分の好みに合ってるみたいな感じですかね。

その変化を表現するためのキーワードとしては「キャッチー」「ドラマチック」「緻密さ」…などが挙げられるでしょうか。もちろん各要素ともオレウサは元々から持っていたんですがそれらが更に洗練されたっていう意味ですね。
まずキャッチーなメロディですが、キャッチーさが際立ってきたのは「Drain ReD rain」辺りからかなぁと思うんですがこの「An Evanescent Echo」と「Backspace[←]Dependence」ではそれが更に板に付いてきた感じ? メロディの「分かりやすさ」「覚えやすさ」が強化されてる。それまでのオレウサって割とエモさ重視っていうか、まあ朱色さんの情感あふれるハスキーな歌声がエモいメロディに合ってるってのも大きかったと思うんですけどね。
そしてキャッチーさが増量したのと同時にドラマチックさも向上してる。サビメロでガツンと盛り上がる感覚。高音域メロを以前よりも意識的に使ってるというのもあると思うし、ストリングスのアレンジの巧みさもあるかと。
そして緻密なアレンジ。高い実力を持つギタリストyutaさんを最初から擁しているのですから元々からテクニカルな演奏には事欠かなかったんですが、その演奏の魅力を最大限に引き出すための洗練されたアレンジが確立された感ありますね。適度な「捻り」が随所に隠し味の如く仕込んである。
あとはサウンドプロダクションですね。オレウサって基本はメタルだと思うんだけど、音作りはそれほどメタル然としてなくてけっこう耳当たりの良いマイルドなサウンドなんですよね。「アニソンとしてのメタル」をコンセプトにしたかのような、メタルの尖った部分に丁寧にヤスリがけを施してなめらかに仕上げてある感じ。それによって、ブラストビートなどの過激な要素が入ってるにも関わらず一般リスナーにも聞きやすい音になってるんじゃないかと思います。アニソン的なメタルの音作りとしては模範的な存在なのでは。今作ではキャッチーさも増量したことで更に幅広いリスナー層に受け入れられそうな感じがあります。

ここまで書いてきた感想はあくまでぎゃぷいちさん作の「An Evanescent Echo」及び「Backspace[←]Dependence」についてであって、yuhiさん作の「ReLight」については…また全然作風が違いますからちょっと別枠ということで。邦ロック的でメタルっぽさは皆無だし。もちろん曲としては良い曲だと思うんですが、とりあえずまあメタラー的にはオレウサ=ぎゃぷいちさんという感じで。

繰り返しますがこのぎゃぷいちさん作の2曲はオレウサ史上最高の2曲だと思うし、これらが収録されるであろう3rdアルバムがオレウサ最高傑作になることはほぼ疑いないかと思います。これは期待するしかないですね。
ってか2ndみたいに既存曲が大半になるのを前提で考えちゃってるけど、もちろん新曲ばっかりのアルバムだったらそれが一番ではあるんですけどね。でもそうしたら完成が更に遠くなっちゃうか…。オレウサは人気サークルですし新作アルバムも強く望まれてるでしょうから早めに出して欲しいところではあるんですが。2ndからもう2年も経過しちゃいますし。
そういや、オレウサ新サイトってリンクのページ無くなってる? リンク先のサークルの説明文がめっちゃ面白かったのになぁ。というかぶっちゃけ下手なレビューサイトよりもあのリンク集のほうがよっぽど参考になるよね。最近になって同人メタル聞き始めたっていうリスナーさんはチェックしてみるといいかも。

DIA&すみす「Phantasïc Ånthologia」

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http://phantasicanthologia.tumblr.com/

四コマ漫画家兼DTMer…じゃなくて四コマ漫画も描ける天才肌マルチクリエイターなDTMerことDIAさんが、オーケストラサウンドを得意とするDTMerすみすさんとダッグを組んで生み出した作品がこの「Phantasïc Ånthologia」ですね。
この圧倒的な完成度、壮大なスケール感…。今作を2016年の同人音楽ベスト作品に選ぶリスナーも少なからずいると思いますが、それほどに豪華絢爛な内容になってます。
同人音楽において架空ゲーム音楽サントラというジャンルはポピュラーですけど、メタラー向けという観点ではおそらくこの作品は最高峰の完成度なんじゃないでしょうか。

DIAさん単独でも以前に「架空RPG」というゲーム音楽サントラ風の作品を作っていて、それも素晴らしい内容だったのですが、今回は更なるスケールアップを果たしていると言えそうです。ゲーム音楽モチーフのインスト作品という点は変わらないのですが、今作ではオーケストラサウンドを得意分野としているすみすさんと組むことによってシンフォニック度が大幅に増加。全編がド派手な音で埋め尽くされてて、まるでRPGの山場で流れる高揚感あふれるBGMばかりを選んで収録したかのような内容。なんというか、うちらオタクメタラーが好きなタイプのゲーム音楽の美味しい部分だけを抽出して固めた感じ? RPG好きなメタラーにとっては理想的な内容と言っても過言でないのでは。
しかも、ただ派手なシンフォニックサウンドだけではない。DIAさんが得意とするエモエモしいハードコアなバンドサウンドが共に鳴り響くことにより更にメタラー的に美味しく、そして他とは異なるオリジナリティも見事に獲得しています。普通、ゲーム音楽系の激しい曲って言ったら十中八九がメロスピ系サウンドですからね。やはりゲーム音楽とラウドサウンドの融合は大いに新鮮味あります。もちろん、クサメタラーが好きなバトル系のメロディも取り揃えてますし、ほんとに幅広いリスナーにおすすめ出来る音楽性だと思う。

1曲目は不穏な空気感を煽るイントロ。そこから2曲目「Minnesanger」の壮大な冒険の幕開けを思わせる勇壮な曲調へと繋がります。この曲のメインのメロディ奏でてるのはオカリナ? 実にRPG感のある音色ですよねえ。そして壮大なシンフォニックサウンドとDIAさんお得意のV系センスを交えたポストハードコアなサウンドの絶妙なコンビネーション。緩急の付け方も実に巧みで、ほんと最高ですねえ。
3曲目「この空に願いを」、こちらは爽やかでキャッチーなメロを聞かせるタイプの曲なんですがやはりバンドサウンドの使い方が素晴らしく、単なるBGMの枠に収まらない音になってると思います。

4曲目「Oracion」はすみすさん単独曲。バンドサウンドも少しだけ入るけどギターは打ち込みなのかな。でも十分にカッコいいですよね。シンフォニックサウンドの完成度はさすがの一言。
5曲目「Fallen Leaves in the Twilight」は民謡要素が濃いですがやはりラウドなバンドサウンドのおかげで一筋縄ではいかない印象を放ってますね。叙情的なピアノのメロディも素敵。
6曲目「Determination[We Are Mission Launch]」は待ってましたのバトル曲。テンション上がりまくりの劇的なツインリードギターに加え、Djent的なテクニカルなフレーズまで登場したりしてDIAさんならではのハイセンスっぷりを存分に聞かせてくれます。やはりこれも単なるRPGバトル曲には収まらない音楽性ですねえ。

7曲目「Snow Grassland」、これはバンドサウンド無しのシンフォニック曲なんですが意外にもDIAさん単独。もちろんDIAさんだけでもシンフォニックな完成度は高い。「架空RPG」を思い出す曲調かな。
8曲目「Trouvere」、これはロック度が最も高い曲かも。ポストハードコアなフレーズがけっこう前面に出てるし疾走パートもある。意表を突いて8bitサウンドが登場するのも面白い。

9曲目「約束と理由の行方」、これはDIAさん単独。ゲーム音楽風味はちょっと控え目で、エモいギターサウンドが目立ってる感じ。事前にDIAさんが「ポストブラックな曲がある」って言ってたけど試聴では全くそれっぽいの無かったから不思議に思ってたんですが、この曲の後半がポストブラックだったんですねえ。エモいギターとブラストビート。最高です。個人的に今作で一番好きなのはこの曲かも。

10曲目「少年の旅路とジョングルール」、バンドサウンドは無いですが実にゲーム音楽らしい王道シンフォニック曲。
11曲目「最期は、僕の手で」、なんでしょうこの意味深タイトルは。どんなストーリーが込められてるのか気になってしまうではないですか。親友がラスボス化したとかそういう系の鬱エンドなのか? 曲調としてはラスボス打倒後のエンディング曲って感じでしょうかね。切なさと開放感が入り混じったような感じ。

そして無音トラックを挟んで最後にボーナストラックも収録されてて、これは収録曲のチップチューンメドレーですね。これも良いっすねえ。

そんな訳で、ゲーム音楽好きなリスナーはもちろんのこと、メタラーも大満足できること請け合いの超豪華作品です。全同人音楽リスナーにおすすめ出来ると思う。

Hymn Above Traumatic Emotion「OMBRA」

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https://hymnabovetraumaticemotion.jimdo.com/


もしオリジナル同人メタルでネーミングがカッコいいサークル選手権を開催したら最有力候補になりそうなサークルである(?)、HATEことHymn Above Traumatic Emotionの記念すべき1stアルバムでございます。
略称がこれまた語呂が良いのでついついHATEと略してしまうんですがそうするとめっちゃ初見殺し且つ検索しづらいワードになってしまうという罠もあり…。
…まあネーミングの話はとりあえず置いといて。

すでに何度も言っているように、今作はなかなか客観的に評価するのが難しい作品であるのは確かです。しかし他のリスナーのことを考えずに個人的な意見に限定するならこの作品は最高の作品だと断言できますし、「全ての同人メタルの中からベスト10を選ぶとしたらその中に入れたい」ってレベルで素晴らしい内容だと思ってるんですよ。
例によって褒めてるんだか貶してるんだか分かんないような感想をこれから長々と書き綴るつもりなんですが、あくまで「最高の作品である」ことを前提にして書いている肯定的な文章であることを念頭に置いてお読みください。

さて前述の通りHATEにとってこれが初アルバムな訳ですが、このアルバムほどに「満を持して」という定型句が似合う作品は昨今の同人メタル界では他にあまり見当たらないでしょうね。
実はHATEの同人イベントデビューって2013年春で、なんと3年半以上も前なんですよね。姉妹サークルであるLost my Proustよりデビュー早かったのに、ここまでシングルやコンピ提供曲の小出しばっかりでミニアルバムと呼べるものさえ出てなかったので、実力がありながらも寡作なサークルという印象があったのは確かです。
それがここに来てようやくフルアルバム完成に至ったということで、まさに「満を持して」、メンバーの方々にとってもリスナーにとっても非常に感慨深い作品になっているのではないでしょうか。

しかしながら、ようやくフルアルバムに漕ぎ着けたというのに、従来のHATEのイメージを担っていた看板ボーカルのごくじゅんさんが脱退しちゃってるというのは…ファンにとってはどうなんだろうか…。もしその脱退の事実を知らずにこのアルバム聞いたリスナーがいたとしたら大きな違和感を禁じ得ないのではないだろうかという不安があります。
何度も繰り返し言ってしつこいようですが、個人的には新しいボーカルであるHidaka Mikuさん…もといpeloさんの歌は好きなんですよ。peloさんのボーカルじゃなかったらこの作品がここまで愛聴盤になることは無かったと言い切れるくらいには決定的。
でもHATEの音楽が生み出す陰鬱な世界観にごくじゅんさんの悲哀に満ち満ちた歌声は必須って言えるくらいにハマってたのは否定し難い事実だと思うんです。だから、個人的にはこのアルバムめちゃくちゃ好きなんだけど、「HATEの集大成」と評していいのかは非常に迷うところ…。もちろん基本的な方向性は全く変化はないし女性ボーカルが変わっただけなんだけど…その「だけ」が実際のところめちゃくちゃ大きい。
それでも、今作は中途半端にゲストボーカル入れたりしていないのは高評価されるべきポイントだと思うんですよ。普通だったら、看板ボーカルが居なくなっちゃったし今回はせっかくのフルアルバムなんだからゲストボーカル迎えて豪華にやってみるかぁ、みたいな発想に至りがちだと思うんですよ。でもゲストを入れてしまえば、現状ラインナップのHATEとしての音の純度は下がってしまう訳ですからね、それをやらずに3人のメンバーだけで完結させた判断は圧倒的に正しいと思うんです。別にゲスト入れるのが悪い訳ではないんですが、1つの「アーティスト」として捉えた場合のオリジナリティが低下するのは必然ですからね。
そして今回は初期のような男性ボーカル曲も無いから作品の一貫性が非常に強い。peloさんのボーカルがファンから賛否両論になる可能性はあれども、「アーティスト」としてのスタンスには全く曇りのない作品だと思うんです。だから他のリスナーがこれをどう評価するかは知らないけど、個人的な好感度はめちゃくちゃ高い。これは間違いない。

女性ボーカル以外の部分では…ほとんど完璧と言ってしまって構わないくらいに隙のない作品になってると思うんですよ。KUHLEさんの奏でるギターはリフもソロも共に抜群の安定感ありますし、tac-t!sさんの咆哮もいつも通りの迫力あるパフォーマンスですよね。長い期間をかけて作られただけあって各楽曲も非常に練り込まれてる。
とはいえ、そもそもHATEってデビュー時点でめちゃくちゃクオリティ高かったから、実はこの3年半で大きな進化は遂げてないんですよね。ほとんど横ばい。それでもシングルで小分けで聞くのとフルアルバムでまとめて聞くのでは印象が全然違います。先日も書いたように、HATEの音楽性はある程度まとまったボリュームで聞いてこそ本領発揮するタイプだと思いますから。
ほとんど横ばい…と言いましたが、全くこの3年半で変化が無かったという訳でもなく、微調整と言えるような変化はあったんですよね。具体的には2nd「Mors Certa Hora Incerta」ではデスボイスを排除するという試行錯誤もあったりした訳です。ごくじゅんさんは素晴らしいボーカルではあったけどデスボ無くしちゃうのは何か違うんじゃね?という違和感あったんですけど、その後の作品でtac-t!sさんの出番は戻ったから良かったんですけどね。言うまでもなく今作においてもデスボイスは必須の要素であると言えるでしょう。

さて具体的に1曲づつ書いていきたいと思います。
1曲目「嬰児」、イントロ曲なんですがホラーなSE入っててかなり不気味。
2曲目「悪の枝」、これは夏に先行公開されてた曲ですね。新ボーカルであるHidaka Mikuさん…じゃなくてpeloさんのお披露目曲であった訳ですが、夏に初めて聞いたときの印象は微妙と言わざるを得なかったですね。Hidaka Mikuさんは「Nano Reflectia」の艦これイメージソングでも歌ってましたが、あれは企画物だったから「たまにはこういうのもアリだなー」みたいな感覚で楽しめたんですが、しかしHATEに正式加入となると話は別で、正直ちょっと違和感が勝ってしまった感じです。
前任のごくじゅんさんが余りにHATEの音楽性にハマった歌声だったこともあり、それに比べたら見劣りしてしまうのは仕方ないんですが、まあそれ抜きでもぶっちゃけ音程けっこう危ういところあるのも否めないし…。
HATEの音楽性ってV系寄りの耽美な色合いが濃いし、プログレ&メタルコアなLost my Proustとは明らかに異なりますからね。この曲ではHidaka Mikuさんけっこう無理してビブラート効かせた歌唱をしてる感じもあり、本来の声質があんまり活かせてない印象もあります。
しかしながら、こうやってアルバムの流れの中で改めて聞いてみるとやっぱりこの曲も良く出来た楽曲であることが確認できるんですけどね。それでも他の収録曲が優れた曲揃いだからこの曲は比較的地味なポジションかもしれませんが…。
…って、当たり前のようにpeloさん=Hidaka Mikuさんってことで話を進めてますが…まあHidaka Mikuさんですよね、きっと。公式サイトのpeloさんのプロフィール見ると「現在のところ詳細不明」ってなってるんですが…。なんじゃそりゃ。まさか道端で偶然出会った人にボーカル頼んだ訳でもあるまいし。ツッコミどころありすぎー。

3曲目「Alternis Mundi」はBarrage Am Ring提供曲ですね。オリジナルバージョンはごくじゅんさんボーカルでしたが今作のバージョンではもちろんpeloさんボーカルに変わってます。
ってか、ボーカル変わったらここまで曲の印象変わるのか…と驚きましたよ。「え、こんな曲だったっけ??」って。既存曲とは思えないくらい新鮮味ありました。はっきり言ってキャッチーさが3倍くらいに増加してる。というよりもはやジャンルが違う…とまで言ったら言い過ぎかな。いやでも、ごくじゅんさんが歌うと「ダーク耽美系歌謡曲」とでも形容したい感覚なんですが、peloさんだともう「アニソンメタル」なんですよ。オタクメタルなんです。最も顕著にお2人の差が出てるのが1コーラス目のAメロの「もう離さない~」って歌詞の部分ですかね。ごくじゅんさんが歌うと「もう…離さない…」って怨念がこもってそうな(?)感じなんですが、peloさんだと前向きでラブソングっぽく聞こえるっていうか? めっちゃ甘ったるいですよね。
ごくじゅんさんはまるでむせび泣きながら歌ってるかのようで…いや歌っていうより呪詛の言葉を吐き出してるようにさえ聞こえるしまさに「負の感情が滲み出ている」って表現がしっくり来る。対してpeloさんはソフトでキャッチー。素朴な歌声…って表現はAPOLLOのとき公式が使っててアレだったけど、まあ素朴なんですよね。良い意味で飾り気がない。Lost my Proustのプログレッシブでハードコアな音楽性の中ではその歌声が不可欠な役割を果たしているのですがHATEの音楽性との相性は必ずしも良いとは言い切れない感じ。
どっちのボーカルが良いかっていうのはぶっちゃけ個人の嗜好に依ると思うし、従来のHATEのファンなら当然ながら前者が好きなんだろうけど、自分は圧倒的に後者が好きなんですよ。アニソンっぽいほうが好きなんです。実際のところ、このpeloさん歌唱バージョンを聞くまでこの曲そんなに好きじゃなかったんですよ。今回のリメイクバージョン聞いて「この曲こんな良い曲だったのかー」って気付いたくらいで。
なんていうか、本来のHATEのメロディはすごいキャッチーだったんだなぁって気付いたんです。今までHATEってキャッチーさ控え目なイメージだったんだけど実はそうじゃなかったんだなって。前述のようにごくじゅんさんはダークな感情を吐くことに長けたボーカルさんだったから、ダークさにおいては完璧に任を果たしてたけど、楽曲の持つキャッチーさについてはそれを活かし切れてなかったのかなと。いや、そもそも陰鬱なイメージ重視のサークルだと思うしキャッチーさを前面に出す必要はなかったんでしょうけどね。
とにかく、タイプの異なるボーカルであるpeloさんが歌うことによって楽曲の持つ別の側面が浮き上がって新たな魅力を獲得したっていうのは非常に面白いことだと思うんです。
…ほんと褒めてるんだか貶してるんだか分かんない文章ですけどpeloさんバージョンのほうが断然好きなのは事実です。
まあ、もし最初からpeloさんがボーカルだったのなら何の問題も無かったんだろうけど…なんせ中途加入した訳ですからね。途中で交代すれば前任者との比較は避けられない訳で。それが評価を難しくしてるってのはありますよね。

4曲目「弟切草」、KUHLEさんの解説にもある通りブラストビート多用の高速パートが際立った曲ですね。そして何気に曲展開が複雑で、繰り返しの歌メロが少ない。とはいえ基本的に爆走しまくりな楽曲なんでややこしさとは無縁なんですが。後半のデスボとの掛け合いパートが一番の聞き所かな。

5曲目「鷗」、これはなかなか新機軸な曲調ですよね。ミドルテンポ…ってほどではないですがいつもより抑え目なテンポで、そしてリフにチェンバロ絡ませてることで独特な雰囲気を醸し出していて、心なしかプログレメタルっぽい風味もある? 変拍子とか複雑な要素がある訳じゃないんですけどね、でも割とLost my Proust寄りな感触はあると思う。
さらにはサビメロがめちゃくちゃキャッチーで、かつてないほどにアニソン寄りな歌メロになってるのも重要ポイント。これほどにキャッチーな歌メロはさすがにごくじゅんさんでは歌いこなせなかったでしょうね。peloさんだからこそ実現した楽曲なのではないでしょうか。この曲が中盤に配置されてることにより絶妙なアクセントの役割を果たしてると思う。個人的にもめっちゃ気に入ってる曲です。

6曲目「契」はオレウサコンピの提供曲か。唯一のデスボ無しの曲で且つ唯一のスローテンポのボーカル曲。これはちょっと地味な印象かもなぁ。メロディが悪い訳じゃないしギターフレーズも良いと思うんだけど…やっぱりHATEは疾走曲でこそ映えるというか。

7曲目「蒼の真言」、これがアルバム中の最長曲か。って言っても6分未満だけど。
これはキラーチューンって言えるほど即効性ある訳じゃないんだけどスルメ度がかなり高い曲だと思う。聞けば聞くほど味が出る。peloさんも割と無理なく自然体な歌い方してる感あってそれも好感持てます。5曲目とは別の意味でLost my Proustっぽさを感じる曲かもしれない。
出だしとラストに出て来る「明日の僕は誰と戦う?」の一連のパートが特に良いですよねえ。なんか、実はけっこう等身大な歌詞多いですよねKUHLEさんって。この曲とか特に顕著だと思うんですけど。V系由来の厨二系のようでいて実は地に足の着いた歌詞が多いっていう。人に見捨てられる、信頼を裏切られることへの恐れを描写した詞が目立ちますし、その飾り気のなさがpeloさんの歌声と合ってるような気もする。そういや「オディウム城の姫君」なんて「電子の海の中、不快な言葉を使う人達」とかいう何の捻りもないストレートな歌詞もあったりしましたし、やっぱり等身大ですなぁ。個人的にも厨二よりも等身大な歌詞のほうが好きです。

8曲目「TRAUMA XIV」、これは以前ダウンロード形式で頒布された曲ですが、HATEの代表曲と言って良さそうな名曲ですね。これも「Alternis Mundi」同様、peloさんが歌うことによって新たな魅力を発揮していると言えそうです。イントロの「ランラン、ランラン」のコーラスの神秘的なムード、サビ部分の重厚なリフなど聞き所は多いです。間奏のギターソロは短いけどめちゃくちゃドラマチック。サンホラのMärchenみたいな甲高い笑い声ってオリジナルバージョンには無かったよね?

9曲目「Himmel」、このアルバムはこっからの流れが最強すぎる。終わり良ければ全て良しという慣用句ありますが、終盤に強力チューンを固めてクライマックスを盛り上げるというこの美学…。実に素晴らしいですね。終わりがダラっとしてるアルバムってあんまりヘビロテ欲が起きないですもんね。やはりHATEはフルアルバムでこそ真価を発揮するサークルだったんだなぁと思い知らされました。半端ない構成力。
Aメロは突進力のあるメロデスリフで煽りまくり、切なくもキャッチーなメロを聞かせるサビになだれ込む。もちろんpeloさんの歌声も曲調にばっちりハマってる。間奏のメロもめっちゃドラマチックだしテンションが全く途切れないです。この曲でのpeloさんの歌唱ってLost my Proust最新作の「The canticle for replicant of her」に近い感じありますが、やはり高音域のほうが得意な感じありますよね。
そして最大の聞き所と言えるのがラストの「あの時に何か変えられたなら~」のパート。ここのメロが作中で一番クサいメロなんじゃね? たまらんねここのメロ。

高揚感を維持したままクライマックスである10曲目「繭」にバトンタッチ。これも抜群の完成度のメロデスリフで突進して最高にキャッチーでドラマチックなサビに繋がり盛り上がりは最高潮に達します。まさにキラーチューンの貫禄。間奏のメロもいちいちクサクサだし、ほんとこのアルバムの終盤は退屈な時間が全く無いですね。こういうポジティブな高揚感ある曲調はやっぱりごくじゅんさんでは難しかっただろうなぁ。

最後、11曲目のアウトロ曲「腐りゆく愛」はYOSHIKI風味のある美しいピアノで余韻たっぷりに幕を閉じます。このアウトロも含めて終盤は完璧っすね。

そんな訳で、散々ゴチャゴチャと書き散らしましたが結論は「最高の作品」です。特に終盤の出来栄えは絶品。ドラガ全盛期の傑作「ドラゴンヴァリウス」に匹敵する終盤かなと思います。
ボーカルについてはきっと賛否分かれてしまうとは思うのですが、新ボーカルになったことによって新たに実現可能になった音楽性がある訳ですから、この新体制HATEもちゃんと評価されて欲しいなと願うばかりです。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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