VRAIN「Vaptism Of Mars」

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http://vrain.jp/top.html

新ルール「リンク召喚」の導入によって物議を醸している遊戯王の新シリーズ「VRAINS」。
そのタイトルの元ネタとなったのが何を隠そうこのVRAINというメタルバンド

…な訳ないですよね…。遊戯王スタッフの中にこんなマニアックなバンド知ってる人間がいるとは到底思えない。どう考えても偶然ですな。
しかしながら、この遊戯王のタイトルがきっかけで「そういやそんな名前のバンドあったよな…」とふと思い出して試聴を聞きCDを買ったという人間が存在したりする訳ですよ。ここに。

というか名前だけなら以前から知ってたんですけどね、でもこのバンドはジャケがね…見ての通りB級の極みって感じですからね。それで敬遠してまともに聞いてなかったってのが正直なところです。
しかし改めて聞いてみると、実は演奏力はかなり高めだし楽曲の完成度も高く、そして何よりも同人メタルに通ずるアニソンメタル感が強いのが決め手ですね。同人メタルを聞く者としては避けちゃいけないバンドだったんだなぁと今更ながら。

このバンドの音楽性ですが、一言で言うとXJAPANフォロワー。かなり分かりやすい形でXを元ネタとするフレーズが多用されてます。Xのコピーバンドすれすれな展開もけっこう聞ける。
ていうか更に言うならSilent Jealousyフォロワー…そこまで限定しちゃっても過言じゃないかも。Xの代表曲の中でもSilent Jealousyに特化してオマージュ楽曲を作るバンドみたいなイメージ。Silent Jealousyリスペクトバンド。少なくともこのアルバムだけ聞いた感じでは。

こんな風に書くとオリジナリティが無くてどの曲も似たり寄ったりのつまんないバンドみたいに思えるでしょうが、実際はそうじゃないんですよね。確かにギターフレーズや楽曲展開にはSilent Jealousyオマージュが至る所に散りばめられてるんですが、しかし歌メロにこのバンドならではのオリジナリティがある。アニソン風のサビメロでしっかりXと差別化できてるし、各楽曲の個性も確立できているので似たり寄ったりな楽曲の寄せ集めになっていないんですよ。どの楽曲のメロディも秀逸な出来栄えで捨て曲はほとんど無いってくらいのクオリティ。
ボーカルは女性ボーカルなんですが、声質はCROSS VEINのボーカルから発狂ハイトーンを抜き去ってB級臭と昭和臭を付け加えたような感じ(?)。 まあ要はちょっと古めのB級アニソン的な雰囲気。キーボード兼任のボーカルみたいですが歌唱力は十分だと感じます。ていうかこの女性ボーカルさん残念ながらもう脱退しちゃったらしいですね…。

あと本家Xに無い要素としてはシンセサウンドの多用ですね。公式のプロフィール欄には「ネオドラマチックサイバーハード」なんて書いてあって、サイバーっていうキーワードからプログレメタル的な雰囲気を連想しちゃいますが実際のところは(少なくともこのアルバムでは)SFっぽい雰囲気とかは無くてあくまでシンフォニックメタルのイメージの範疇でシンセが使われてる感じ。このシンセの与えるB級クサメタル的な芋臭さがV系寄りな洗練した雰囲気を持つXJAPANとはまるで異なる印象をもたらしてます。
あとはバックコーラスですね。これもB級クサメタルな雰囲気を助長してますが、クレジットを見るとCROSS VEINのメンバーがコーラスで参加してるんですよ。言われてみればCROSS VEINっぽさがある。このバックコーラスが何気に重要な役回りを演じていて、ともすると薄っぺらくなりがちなクサメタルサウンドに厚みとスケール感を付与しています。

2曲目、3曲目、及び7曲目はどれもSilent Jealousyをベースにしつつそこにキャッチーなアニソンメロディを乗せたドラマチックな構成と爽快感ある疾走を聞かせる楽曲が並んでます。もちろん単にSilent Jealousyをコピーしてるだけではなくオリジナル要素もあるし各メロディも秀逸なので全く退屈はしません。前述のようにバックコーラスも重要な要素。

4曲目、7曲目はかなりテンポ速めで、特に7曲目「Niagara」はブラストビートに近い爆走を聞かせるアグレッシブなナンバー。どうでもいい事ですがこの曲の「ナイッ!ナイッ!アガラッ!」ってコーラス聞いてると某杉浦綾乃を思い出す…。

5曲目は「バラエティ担当」のシャッフルビートジャズ風で…毎度毎度のように言ってますが個人的にあんまり好きでない曲調ですがツインリードの間奏の浮遊感が気に入ってますね。

6曲目「Vampire Kiss」は今作最長の7分越えの長尺曲だけあって曲展開も割と複雑でプログレメタル感あり。Xで言えば「Rose Of Pain」ポジションの曲か。中間部でシューベルトの魔王を引用した展開も出てきます。
9曲目も徐々にテンポ上がっていくドラマチックな構成ですな。

ラスト10曲目もXのバラードをリスペクトしまくりな展開。オリジナリティは無いけどやっぱりこのハモり倒すツインギターの間奏はたまらん。

こういうXリスペクトなメタルを聞いてると改めてXの圧倒的な偉大さを思い知らされますが、でも本家Xって実はけっこうバラエティに富んでるし、YOSHIKI曲以外はあんまりクサメタラー向けな曲調じゃなかったりするんで、このVRAINみたいにXのクサメタル的に美味しい部分だけを抽出した純度の高い音楽性っていうのは案外メタラーにとって重宝するものなのかもしれませんね。

いずれにせよ、演奏クオリティも楽曲クオリティも共に高く、Xフォロワーとしてもアニソンメタルとしても非常に良質な内容の作品になっていますのでおすすめしたいです。名前は知ってるけどジャケで敬遠してスルーしてたっていうリスナーは他にもいそうな気がしますし。
ていうか遊戯王VRAINSでこのバンドを主題歌にして欲しいなぁ…無理ですね…はい。
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Octaviagrace「Outward Resonance」

http://www.octaviagrace.net/

ご存知Roman so Wordsの己稀さんが在籍するテクニカルポップスバンドの1st「フル」アルバム。っていうか最早このOctaviagraceの知名度はロマソ越えてそうですけどね。今や実稀の名義のほうが有名なのかも?

リリースは昨年の10月、リリース時がM3前の時期だったこともあり時間なくて簡易感想しか書けなかったんでいちおう記事にしておこうかと。
そういやBABYMETALの2ndアルバムも簡易感想しか書いてなかったな…でもベビメタのレビューなんていくらでもあるから別にいいか。

ちなみに、iTunesで購入してしまったんで最近恒例になってるジャケ写真は無しです。ぶっちゃけこのアルバムはジャケが最大の魅力だと言ってしまいたくなるくらいにはジャケが秀逸なので是非とも見て頂きたいんですけどね。VOFANさんの手がけた美麗イラストはコミケで売っても良さそうなほどのオタクテイストを持ちながらも一般人をキモオーラで遠ざけない普遍性も持ち合わせていて本当に素晴らしい。これは同人CDの観点から見ても指標になり得る傑作アートワークだと思いますね。

で、肝心の中身の音楽については、簡易感想でも書いた通りちょっと微妙なライン。
ミニアルバムでありながらも非常に濃密な内容であった過去作2枚に比べると、今作はフルアルバムで曲数が倍増したことによって明らかに内容が薄まってしまってる。というか単純にキラーチューン級のインパクトの曲が少ないと言わざるを得ない。前作「RECOLLECT STORIA」なんて収録曲4曲ともキラーチューンもしくは準キラーな強さを誇っていたというのに。
あと、心なしか過去作より音が軽くなってるようにも感じるし、従来のテクニカルメタルな印象が後退してしまってるかも。まあそれは一般層の開拓のために意図的にやってる可能性もありますが。
さらに、フルアルバムということもあって今まで無かったジャズっぽい曲調や民族っぽいリズム取り入れた曲など割とバラエティ豊かな作風になってるんですがそれによって散漫な印象も強まってしまってるんですよね。
で、トドメはボーナストラック。1st EP収録の名曲「Dramatic Quiet」のアレンジバージョンが収録されてるんですが、皮肉なことにこの過去曲のきらびやかなオーラと新曲の小じんまりとした雰囲気が対比されて余計に今作の曲が地味に感じられてしまうんですよ。

と、ネガティブな印象を書き連ねてしまいましたが決して駄作という訳ではありません。あくまで過去作と比べると地味っていうだけで、今作も高水準に位置する作品であることは間違いないかと。何度も聞いてれば味が出て来るスルメ作品。でもやっぱりキラーチューンが足りないっていうのは否定し難いところではあるんだけど。キラーがあと2曲くらいあればアルバム全体が引き締まったと思うんだけどなぁ。

序盤の1曲目~3曲目あたりは従来のOctaviagraceのイメージを完全に踏襲したテクニカルな演奏とキャッチーなメロディを合わせ持つ楽曲が並んでます。元々からこのバンドはメタルというよりかは「テクニカルなJPOP」という趣きの濃い作風だったと思うんですが、今作では音が軽めのプロダクションになってることも手伝ってJPOP的イメージに拍車がかかってるかな。まあ自分は音圧とか速さを求めるメタラーじゃないからJPOP的でも一向に構わないんだけど、でも単純にメロディが過去作に劣ってるというのは否めないかなぁ。ドラマ性も足りないというか。いや普通に良い曲なんですけどね、過去作が良すぎただけか。てかオクタビアはLIGHT BRINGERみたいにFukiさんの超絶ハイトーンでねじ伏せる…もとい歌メロに絶大な説得力を持たせるっていう芸当が出来ないから作曲の出来が余計に重要になってくる感じか。己稀さんもめっちゃ上達したと思うけどメロディの持つポテンシャルを積極的に引き出せるってほどの力はまだ持ってない気がするし。

で、4曲目は問題作…ってほどじゃないですが、民族調の8曲目と共に「バラエティ感」の主犯となってるジャズ調の曲。この4曲目と8曲目を許容できるかどうかで本作の評価が分かれそう。いつも言ってるようですが個人的にはこの歌謡ジャズ調がどうも苦手なものでしてどうしても印象がネガティブに傾いてしまう訳ですが、でも当然ながらこういう曲調が好きなリスナーも多いはずだと思いますしまあ結局は好みの問題っすな。ちなみに8曲目の民族調もあんまりピンと来ないんだけど両曲ともシンセによるプログレメタル風の間奏は好き。

そして5曲目「リベリオン」はメタラー待ってましたの疾走クサメタル曲。小賢しいプログレ要素は抜きのストレートな爽やかツーバス疾走。これがアルバムのハイライトだと思ってるリスナーも多いはず。
でも…個人的にはこの曲も絶賛は出来ないんだよなぁ。っていうのは、こういうクサメタル系の曲ってやはりRoman so Wordsの十八番な訳で、ロマソと完全に同じ土俵に立っちゃうとOctaviagraceは分が悪いんだよなぁ。あっちは何週間も大鍋で煮込み続けた超濃厚な豚骨スープみたいなクサさな訳じゃないですか、それに対してオクタビアはずいぶんとあっさりしてるんだよねえ。この曲はオクタビアの持ち味であるテクニカルなアンサンブルも控え目なので差別化も出来ずロマソのインパクトには届き得ない感じ。
7曲目のほうも、疾走度は少し低いけどクサメタル系っていう意味では同じ系統か。こっちのほうが5曲目よりクサさ濃いめだから比較的好きな感じかな。テクニカル要素はやはり抑え目だけど。

個人的に今作で一番気に入ってるのはボーナストラック除くラスト曲「Emerging oath」で、そうそう自分がOctaviagraceに求めてるのはこれだよ!と膝を打ちたくなるほどツボにハマる切なくキャッチーなメロディが展開される爽やかロックチューン。しかしこの曲も音が軽いせいで過去作のキラーチューンには一歩及ばない感あるんだよなぁ…。メロディは文句なしに最高なんですけどね。

そんな感じで、悪くはないんだけど薄味な印象の拭えないフルアルバムなので、初めてこのOctaviagrace聞くっていうリスナーにはミニアルバムの「RECOLLECT STORIA」もしくは「RESONANT CINEMA」をおすすめ致します。2作ともめちゃくちゃ濃厚ですので。
もちろんこのフルアルバムもハズレ作品って訳じゃないんですけどね。一般的評価は全く低くなさそうだし。プログレメタル要素が邪魔くさく感じるリスナーやバラエティ感を求めるリスナーなら今作のほうが気に入る可能性あるかな。ジャケもめちゃくちゃ良いし。

リンホラアルバム5月17日

え、2ヶ月後?? 早っ。
まあリンホラのアルバムが近々出るんだろうなってのは薄々予想してたし箝口令とか出た時点でアルバムのことかなと気付いてましたけどね。でも2ヶ月後ってのはびっくり。進撃2期の真っ最中に出ることになる訳だけど2クール目の主題歌も入るのかな? てか2クールなんだよね?

自分はサンホラもリンホラも問わずいつもRevoさんの生み出す作品には絶大な信頼を置いていたのですけど、2年前の「Nein」では特殊なテーマ性のせいもあってかメロディにいつものような切れ味がいまいち感じられなかったこともあったんで今度のアルバムもちょこっと不安はあったりするんですが、でもこの沈黙期の間にメロディのアイディアもだいぶチャージ出来たんじゃないかと思うし大丈夫そうかな。
何はともあれめちゃくちゃ楽しみであるのは間違いない。

それにしてもM3直撃を回避できたのは良かった…。M3直前にサンホラorリンホラのアルバム出たりするとテンションがカオスになってしまってサークルチェックに集中できなくなりますからね。今度のM3は豊作確定なんだしほんと衝突しなくて良かった。

そういやローランの皆さんのツイッターアイコンがみんな同じになっててめちゃ面白いことになってますね。まじ誰が誰だか分かんねえ。

Release hallucination「Chronostasis」

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http://releasehallucination.com/

という訳であえて後回しにしておいた(?)同人メタル界の真打ち、オリジナル同人メタルの「頂点」、リリハルことRelease hallucinationの秋新作ですね。
もはや今のリリハルは凄すぎて、「頂点」とか「神」みたいな行き過ぎな言葉を安直に使ってしまいたくなるんですが実際のところ過剰表現でも何でもないと思うんですよ。ほんとに凄いんですから。

ご存知のように同人メタル界にはアマチュアレベルを越える超クオリティのサークルがいくつも存在するんですが、そういうサークルって大抵の場合プロの領域のアーティストが副業のように同人活動してるってパターンだと思うんですよね。同人出身のプロが同人のほうも継続してるってイメージ。
対してリリハルは今に至るまでずっと同人イベントを中心にして活動してる訳で、同人サークル以外の何者でもない。その同人純度(?)の高いサークルがここまで圧倒的ハイレベルな音楽を生み出しているというのは驚愕に値しますよね。加えて、アレンジ音楽を通過していない最初からオリジナルで出発したサークルであることも箔を付ける。
更に、同人音楽という限定的な界隈に軸を置いたサークルでありながらもデジタル配信を充実させまくってワールドワイドな領域に進出しようとしてるんですから凄まじい。まるで同人音楽というジャンルの限界に挑戦してるかのようにさえ感じる。

もちろん、これだけの実力を持ってるにも関わらず同人音楽の領域に留まり続けることについては必ずしも良いことばかりではないだろうし、ファンの中にはリリハルにもガチなバンドのようにライブ活動やって欲しいと願ってる人もいるでしょうから難しいところではあるんですが、でも個人的には「同人サークルとしてのリリハル」がどこまで行けるかを見てみたい気もするんですよね。

さて、この新作シングルの内容についてですが…まあはっきり言って「最高傑作」ですよね。リリハル史上最高クラスのキラーチューンが2曲も入っており絶大なインパクトを内包してます。この充実度は過去最高であるのは間違いない。
3曲マキシシングルを最高傑作扱いにするってのはどうかなと思いつつも、でもこのシングルの収録曲って全て7分前後の大作なんで実質的にミニアルバムみたいなもんだと思うんですよ。1曲あたりの情報量もいつも通り半端ないので満腹感も相当ありますしね。

1曲目のタイトル曲「Chronostasis」から圧倒されまくります。エフェクトかかったemiさんの歌唱による静かな出だし、ここでうっかり音量を上げてしまうとその後に洪水のように押し寄せる重低音リフの荒波に押し潰されることになります。この音圧やばすぎでしょ…これが同人音楽???ってなるレベル。いやはや本当に凄まじいインパクト。前作で音圧が上がった印象あったけど更なる進化を遂げてる気がする。
Aメロに入ってもゴリッゴリな重低音リフは続き、これはプログレメタル系リスナーだけでなく音圧を重視するメタルコア系リスナーも魅了しそうなほどの迫力。実はドラムはそんなに疾走してる訳じゃないのにギターリフの生み出す尋常でないグルーヴによってめっちゃ速く聞こえるという。
その分厚いギターサウンドと対になるのがemiさんのボーカル。前作の「Keep the Memories Brilliant」でエモーショナルな歌唱スタイルを開花させた感あったemiさんですけど今回は更なる安定感を獲得してる。emiさんは前身のPHANTAS-MAGORIA及びリリハル初期の頃は良くも悪くもクールで淡々とした歌唱スタイルを持ち味にしていたと思うんですが、現在は楽曲に応じてクールな歌唱と感情的な歌唱を使い分けられるスキルを確立した感ありますよね。
そしてリリハルサウンドの醍醐味と言えばもちろんkaorinさんの超絶テクニカルなギターワーク。今回も長めの間奏パートを使ってドラマチックな展開美を聞かせてくれます。複雑でありながらも退屈さとは無縁のスリリングな展開が続く。
エクストリームメタルに通ずる激しさと重さ、プログレメタル的な緻密に計算された展開、そして同人音楽的なキャッチーで親しみやすいメロディ、その全てを完璧に備えた無敵の楽曲でございます。これは新たなリリハルの代表曲っていうだけでなく、現在の同人メタルシーンを象徴する楽曲になり得るってくらいの堂々たる風格があると思う。きっとこれ聞いたらこのサークルが同人メタルの頂点って感じる人多いでしょう。

2曲目「醜い嘘と僕」はリリハルの標準的バラード曲と言えそう。1曲目と3曲目が強烈すぎるんでちょっと地味な印象もありますがリリハルらしい魅力が聞ける曲ですね。

3曲目「Cure」、これもまた半端ないキラーチューン。1曲目のほうが速さと重さ及びキャッチーさにおいて過去最高を示した楽曲だったのに対してこの3曲目はテクニカルな演奏とプログレメタル的な構築美においてリリハル過去最高を達成したと言えそう。
リリハルは作品を重ねる毎に着実にファン層を拡大させてると思うんですが、そのファンの中には「ドリームシアターって何? プリパラ? 東山奈央のラジオ?」ってくらいメタルに疎いリスナーも居ると思うんですよ。更に言えばメタラーであっても速さと重さとメロディさえあればいいっていう非プログレ系リスナーも多いでしょうから、リリハルにプログレメタル性を強く求めてる自分みたいなリスナーってひょっとすると少数派かもしれないって思うんですよね。にも関わらず、リリハルはニッチなリスナーしか求めてないようなプログレメタル性を捨てるどころか過去最高にまで高めて来たという事実、この全くブレないスタンス、これは大きな称賛に値すると思うんですよね。
この曲のテクニカルでカオティックでありながらもドラマチックさを兼ね備えた楽曲展開って「Dystopia」の2曲目「Dysmnesia」を想起させるところはあるんですが、あの頃に比べるとサウンドプロダクションもemiさんの歌唱も段違いに進歩してるから完成度では圧倒的に勝っていますが、でも楽曲自体は甲乙付けがたいかな…Dysmnesiaは未だにリリハルで一二を争う名曲だと思ってるんで。
タッピングを多用した浮遊感あるテクニカルフレーズを基軸としながら進行していきますが、四つ打ち系グルーヴも一部で取り入れられていて単なるプログレメタルの枠に収まらない音楽性を聞くことが出来ます。
やはり聞き所は後半、テクニカルな展開がぎっしり詰め込まれた間奏→カオティックなリフとBメロの絡み→エフェクトかかったサビ→エモーショナルなギターソロ→転調したサビの流れは至高。リリハル史上最高にドラマチックな展開と言って過言でないかと。

そんな訳で、同人メタルの頂点を極めるような超キラーチューンが2曲も入っているこのシングルはリリハル入門用にも打って付けだと思うし、さらに言えば同人音楽をよく知らない一般メタラーの同人メタル入門用にも最適かもしれない。是非ともこの圧倒的クオリティを聞いて衝撃を受けて欲しい。同人メタル=東方アレンジという未だに残ってそうな偏った認識を葬り去るだけの力を備えた作品だと思う。あんきもやドラガだけじゃないんすよ今の同人メタルは。

Endorfin.「Horizon Note」

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http://endorfin.jp/

澄み渡った甘々な歌声が売りの人気女性ボーカリスト藍月なくるさんを擁するサークル「Endorfin.」の1stアルバムですね。リリースは昨年春、もう1年も経ってるのか。

昨年の春M3はメタル系が少しばかり物足りないラインナップだったんで(結果的には豊作だったんですがあくまでイベント前の時点での印象ですね)、それでメタル系以外でも何か買おうかなぁとチェックしてる時にこのサークルの試聴に出会い、たまにはポップス系サークルも買うべきかなと軽い動機で購入してみた次第ですがこれが大当たりだった訳ですね。

音楽性はというと、きらびやかなシンセを多用したエレクトロニカポップス(メタル要素は無し)なんですが、身も蓋もない言い方すればエロゲソング系。もしくはエロゲ原作のアニメの主題歌、そっち系のイメージの範疇の音です。I’veとか好きな人なら高確率で気に入りそうな作風。
特筆すべきはもちろん藍月なくるさんの歌声で、DTこ…もとい透明感ある甘ったるい歌声がたまんないですねえ。同人音楽界にこの手の甘々ボイスの持ち主は数多くいるけど他と一線を画するだけの実力と存在感があるのは間違いない。ゴシック系のロリボイスとは一味違って闇を抱えてないすっきり明るい雰囲気なのも良い。現在の同人音楽の女性ボーカリストの中で最も「推せる」人かなぁと。

藍月なくるさんはこのEndorfin.以外にもソロ作品を発表していて、そのソロアルバムもAPOLLOのときにDL購入で聞いてみたんですけども、そちらもそれなりに良い内容ではあったんだけどこのEndorfin.に比べると何だか物足りないというか、楽曲が藍月なくるさんの歌声を活かし切れてないようにも感じました。歌声を活かし切れてないっていうのは藍月さんがゲスト歌唱している他サークルについても同様でして、裏を返せばそれほどにこのEndorfin.が藍月さんの声の持つポテンシャルを最大まで引き出した楽曲を作ってるってことなんですよね。自分みたいにこのアルバムがきっかけで藍月なくるさんに注目し始めたリスナーは他にもけっこういそうな気がする。

収録曲は総じてクオリティ高めなんですが、1曲目「Horizon Note」と2曲目の「桜色プリズム」、この2曲が突出した良曲すぎて他の曲の存在が霞んじゃってると言えなくもない。藍月なくるさんの甘い歌声をこれ以上にない程に活かし切った歌メロ、キラキラ爽やかなシンセを中心とした完成度高いアレンジ、夏をイメージしたエロゲ系の主題歌に打って付けと言えそうな雰囲気を持ち、文句の付けようのない名曲感を備えてますね。(画面越しの)青春の甘酸っぱい匂いが満ち溢れてる感じ。完璧すぎるオタクソング。こんだけ主題歌オーラが強烈なのに何のゲームやアニメにも採用されてないのか? ちょっと不思議なほど。

最初の2曲が突出した名曲なんでこれ以降はちょっと地味なイメージが無きにしもあらずだけどもちろん捨て曲はないです。
3曲目「Luminous Rage」はアップテンポでけっこうソリッドなギターリフも入ってるからこのアルバムの中では割とメタラー向けな曲と言えそう?
4曲目はナレーション入りのインスト曲でいかにも同人音楽といった感じ。

5曲目「Spica」、これは音ゲーの提供曲らしいんですがそれも納得の出来ですね。1曲目ほどの高揚感はないけどやっぱり良い曲ですよ。
6曲目「コトノハ」、バラード系で綺麗なメロディラインが際立っております。
7曲目「海月」、このアンビエントっぽいAメロの展開も良いですな。

ジャケは典型的なエロゲ系の絵柄。内容がエロゲソング系なので当然ながらこの上なく合ってます。うちのいつも買ってる同人CDってメタル系ばっかりで美少女ジャケ率あんま高くないんで何気にこういうベタな絵柄は希少だったりする。

非常に良質なオタクポップソング作品です。メタラー向けな音楽性ではないと思うけどわざわざM3やコミケ行くような人は十中八九オタクだろうからほぼ誰にでもおすすめ出来そうな感じではありますね。特に1曲目と2曲目は全ての同人音楽オタクが聞くべき名曲かと。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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