春M3は4月30日

http://www.m3net.jp/diarypro/diary.cgi?no=97

やはり例年よりも1週間遅くなってますね。ただでさえ冬コミから春M3まで長いのにさらに空白期間が伸びてしまうじゃないですか…。
でも、逆に考えればサークルの人達が新作制作する期間は1週間延長される訳なんですよね。つまりこれは、音系サークルはコミケじゃなくてM3で新譜出してね!っていう運営の思惑があったりするのか。いや全然関係ないかもしれないが。


まあ春M3はまだまだ先ですしまずは目下の冬コミですね。今回の冬コミは寂しいラインナップになるかと思ってたけど少しづつ情報増えてきたかな?

http://www.pratanallis.com/
Pratanallisはクリスマスにちなんだ新曲が公開されてましたね。この曲を含んだ新作が冬コミに出るらしいんですが何曲入りなんだろうか? 夏コミでアルバム出たばっかりだしやっぱり3曲くらい? なんであれ新作があるっていうのは嬉しいことです。
それにしてもこの曲は非メタルのクリスマスソングやりたかったんでしょうけどドラムがどっしりしてるし今にも疾走開始してギターがピロピロしそうな雰囲気ありますね。

http://lyph-001.tumblr.com/
で、そのPratanallis新曲で歌ってる狛茉璃奈っていう女性ボーカルさんがPaspalさんの新プロジェクトでボーカルを務めてるようですね。
このLilyphaって新サークル…なんじゃこのジャケ少女漫画か?って意外性はありますが、内容のほうは今までと違うようなあんまり変わらないような微妙なライン…。Paspalサウンドが好きなリスナーさんなら安心して買えそうな感じですけどね。

https://twitter.com/hatejpofficial
HATE公式アカウントのほうで思わせぶりなポエムが連投されてますが…やっぱり1stアルバム出るっぽいですなぁ。初コミケということもあるしかなり気合入ってそう。
tac-t!sさんのイラストワークスも出るんですね…スペースが賑やかなことになってそう。

http://greylethal.seesaa.net/
本命のGrey Lethalはまだ情報出てないけど…まあアルバム再延期ってことは多分ないと思うんで大丈夫だと思うんですけどね。


Liesvectは新譜ないみたいだけど来年またアルバム出す予定はあるらしい? やはりモチベーション高いですなぁ。頼もしい限り。
あんきもは新作あること自体は確定してるみたいだけど何曲入りかは不明。今回は1曲だけでは無さそうかな?
あと、Carbonic Acidは落選してるにも関わらず新作あるみたいですね。やっぱり絵恋ちゃんさんフィーチャリングなんすかね? かにあしの音楽性自体は好きなんだけどな…絵恋ちゃんさんはちょっと微妙なんだよな…下手な訳じゃないんだけども。
ICDDは…もしも新作あったら同人メタラー大歓喜でしょうけどまだ分かんないですな。リブユウキさんは同人誌のほうの新刊も作りゃないかんから大変ですよね。
そして冬コミ情報を漁ってたら豚乙女メジャーデビューという情報が…。まじか。というか豚乙女はちゃんとアルバム聞いたことないけど。


それにしても、ともろうさんの新作の委託も延期されまくってるしREJECTIONは相変わらず在庫の無いままだし…もどかしいですな。

https://rejection.booth.pm/
REJECTIONは何度もしつこく紹介しましたが、ラウド系でおすすめのサークルは?って聞かれれば「REJECTIONを聞け」って答えるし、ポップス系でおすすめは?って聞かれれば「REJECTIONを聞け」と返しますし、物語音楽系でおすすめは?と聞かれれば「REJECTIONを聞け」と言います。はい。それくらい全方位におすすめでございます。

最近うちのブログで紹介したサークルって、下手するとlutaphampha以外は1つも知らないっていうリスナーさんもけっこう多そうな気がするんですけど、おすすめのサークルばっかりですので是非とも聞いて頂きたいですね。

http://www.yoyo-record.com/vocaloid-music

http://piapro.jp/neoyed

特にこの2サークルですね。秋M3新作を後回しにしてまで紹介したくらいにはおすすめ度高いですよ。ほんと素晴らしい。SEVERUS WANDのほうは放っといたら音源削除されてしまう可能性もあるんで早めに聞いておくことを強くおすすめします…。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm30113280
Type-Y.Oは新曲も投稿されてましたがこちらも最高にプログレッシブで見事な出来栄えですねえ。ほんとCD化して欲しい。
プログレと言えば…キースエマーソンに続いてグレッグレイクまで…というまさかの事態に、プログレ好きな人達かなり落胆してそうな気が…。

そういやTears of Tragedyの新作も聞きましたが…大体前作と同じですね(適当)。いや、前作が余りに良すぎたからそのまんま同じに作るしか選択肢なかったと思うんですよ、だから新鮮味は無いけどこれで正しいんじゃないかと。

ついでにアニメの話題をば。
YAOIについては「公式最大手」っていう定型句がこれほどに似合うアニメは他に無いですよね。冗談抜きで2次創作でやるべきネタを全部公式でやっちゃってますからね…。冬コミでユーリ同人誌出すサークルの人達…ネタ奪われてまじやばそう。まあそういう腐った視点を除いてもどのキャラも魅力的に描かれてるし凄えアニメっすよね。ド深夜なのに男女問わず悶絶してるオタク続出するのは面白すぎる。
あとは魔法少女育成、この手の「可愛い絵柄で鬱アニメ」なコンセプトはどうも苦手だったんですが何気に見続けてますね。まどマギっていうよりフェイトゼロに近い楽しみ方をしてる。
ウィッチーズも一部でボロクソ言われてたみたいですが前作と変わらない面白さだと思う。手堅い作り。
オルフェンズは、ガンダムヴィダールの中にアイン入ってるとかいう女子向けネタよりもメリビットさんと整備のオッサン付き合ってる事実のほうに衝撃受けたっていう。いやでもガンダムヴィダールのデザインはツボですわ。フラウロスはピンクに塗られちゃってアレだけども…。
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lutaphampha*「hitobitotoito」

http://lutahitobitotoito.tumblr.com/

昨年夏に同人メタル史に残る傑作フルアルバムを発表したご存知Satanic a la mode、その主催のいんきょう(inn)さんが並行して主催する非メタル路線の別名義サークルであるlutaphamphaの1年半ぶりとなる新作EPです。そして何気にいんきょうさんが今年リリースした同人CDはこれが初になる訳ですね。春M3も夏コミも不在でしたから。けっこう間が空いた感覚あります。

lutaphampha…と書きましたが正確には微妙に違いまして、今回から「*」がこっそり名前の末尾にくっついてるんですよね。プログレ好きなリスナーならばこれ見た瞬間にFrost*を連想してしまうこと確実なのですが…。まあFrost*との関係性は定かでないにしても、とにかく名義が微変更されたことでこれが新生lutaphampha*の1作目という風にも捉えられますね。

内容も今までとは若干ですが異なる趣きがあるというか…ちょっとだけ一般的なJポップ寄りなったかも? 特に2曲目でその印象が顕著なんですけどね。まあ音楽性が変わったというよりかはゲストボーカルのチョイスに依る部分もあるのかもしれませんが。
2曲目「Haruka」はやっぱり「普通」のポップスな感覚がありますよね。いんきょうさんが何の変哲もないポップソング作るのって意外性あるけど…。いや、別にいんきょうさんは変態的ポップスを専門で作ってる訳でも何でもないですしそれは聞く側の勝手な思い込みに過ぎないんですけどね。それに、「普通」っていうのは何の過不足もなく全ての要素が一般的な基準に達してる状態を指すとも言える訳で、実は全く否定的な形容ではない気もする…ってそんなのいちいち言うことでもないか。
いんきょうさん、最近ではソシャゲのキャラソンに曲提供したりとか商業音楽に力を入れ始めてる感があるしその影響もあるのかなぁ。もしかするとこのまま商業に移行して同人は卒業してしまうのでは…という不安もちょこっとだけあったりします。別に商業音楽でも良いと思うんですが商業でサタアラみたいなプログレな音楽をやれる可能性は低いと思うんで…やっぱり出来れば同人も並行して続けて欲しいなぁ…。まあ、音楽性の幅が広いlutaphamphaはまだ望みあるとしても、メタルという縛りのあるサタアラのほうはどうなのか。メタルなんてマニアとオタクしか聞かないニッチな音楽ですしね…。冬コミはサタアラ名義みたいだけど何らかの新作あったりするのかなぁ。

ちょっと話が反れましたが、とにかく「普通」に良い音楽である訳なんですよ。メロディは当然ながらすこぶるキャッチーですしね。本当に素晴らしいメロディ。同人メタル界でキャッチーなメロディ書くことにおいてはいんきょうさんの右に出る者はいないですからね。
ただ、もしこの曲に違和感あるとしたら、このゲストボーカルのゆずりさんの歌声が「綺麗すぎる」せいもあるのかなぁ。これはめちゃくちゃ誤解を招く表現かもしれませんが、別にいつもが汚いとかそういう意味じゃないですからね。なんというか、sayuさんにしてもmenoさんにしても、綺麗なだけでなく「引っかかり」がある歌声だったというかですね。その個性的な部分がいんきょうさんの創造する音楽性に絶妙にハマってた気がするんです。
というかやっぱりいんきょうさん自身のボーカルが一番聞きたかったんだよなぁ。前作の「Goodbye winter」とか、さらに前の「I was an animal」とかめっちゃ好きだったんですよ。せっかくの別名義なんだしこっちはいんきょうさんボーカルでやったほうが意義深い気もするし…。これも自分の勝手な期待に過ぎないんですけどね。
それと、この曲は同人メタル界が誇る天才ギタリストあにょさんがゲスト参加してるんですよね。これは同人メタラーならば誰しも注目せざるを得ないコラボですよね。もちろん、曲調がポップスですからそんなに派手にテクニカルなソロとか弾いてる訳じゃないんですけどさすが手堅い演奏だなぁと。

まあ何だかんだで2曲目以外はいつものlutaphamphaって感じの音なんでそんなにゴチャゴチャ書き立てるほどのことじゃないんですけどね。
1曲目「echo(s)」は序曲的なインスト曲ですが、秋の虫の鳴き声のSEで幕開けするんですけど…そういやこの新作って秋をテーマにしてるのか。四季シリーズとか言われてたし。でも個人的にはlutaphampha作品のイメージってほとんど冬なんですけども…まあそれは置いといて。
SEのあとにムードある繊細なピアノと厚みのあるシンセの音色が登場しますが、まるで音のパーツをバラバラに切り離したのちに再構築したような幻惑的なプログレッシブサウンド、これはやっぱりいんきょうさんならではだなぁと。

2曲目は前述のように「普通に」素敵なポップソングです。

3曲目「Magnolia」、これもいつものlutaphamphaですね。実験的なサウンドを散りばめながらも核はあくまでキャッチーなメロディ。ゲストボーカルのming-ziさんの声質はmenoさんに割と近い感じかな。サビでは変拍子とシンセにより1曲目と同様に空間がコラージュされてるような摩訶不思議な音世界が展開して魅了されますが、以前よりサウンド全体の洗練さが増してる気がするのは商業音楽へ活動を拡張してることの影響もあるのかな。

4曲目はSEと静かなピアノによるインターバル曲。

5曲目「影追い」、同じメロディを繰り返すシンプルな構成で童謡っぽいノスタルジックな味わいのある曲になってますね。2曲目と同じゲストボーカルのゆずりさんが歌ってますが、やはりこの方の明るい歌声によっていつもと違う雰囲気がにじみ出てる感じ。後半になってシューゲイザー的な展開が出てくるとlutaphamphaっぽいなと思えてくるんですけどね。

いんきょうさんの今後の活動についても気になるところなんですが…とりあえず目下の冬コミですよね。コミケ参加で何も新作無しってことは今までなかった気もするんで、何らかの新曲があったらいいなと思うんですが。果たして。
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EABLE「Be」

https://soundcloud.com/eable-man

ここもダークホース枠ですな。Djent、メタルコア、ポストハードコア、プログレメタルといったキーワードに反応するタイプのリスナーならば必聴のサークルですよ。荒削りな部分もだいぶ残ってるけどポテンシャルはかなり高め。

新規サークル…と言いたいところなんですけど実はM3初参加は1年前だったようでして…何故こんな有望なメタルサークル見逃してたんでしょうか…。不覚すぎる…。
改めて昨年秋のカタログ見返してみたら巻末キーワードの「メタル」のところにもばっちり載ってたし。ますます見落とした理由が分からん。もしかしたら当日ギリギリで情報アップされてたせいで気付かなかったんだろうか。記憶が曖昧…。
まあ何にせよ、有望サークルを見落としたらその時点で負けなんですよ。サークル側の宣伝不備とかそんなの言い訳にならない。いや、勝ち負けの問題じゃないんですけどね、でも買い逃しに後から気付いた時の何とも言えない敗北感は皆さまも知る所なのではないでしょうか。やはり同人イベントは「戦い」ですよねえ。

まあその話題は置いといて。
頒布されてたCDのほうはジャケもブックレットも無くツイッターIDが手書きで書き込まれてる真っ白なCD-Rだけしか入ってないんで詳しい情報やサークルのメンバー構成については不明なんですが、主催のEABLE小林さんがボーカル含めて全てを手掛けている1人サークルのような気がする。なんとなく。
全体としては荒削りな印象あるんですが、でもギターやドラムなど個々の音源に限定して聞いてみると十分な完成度を感じるんですよね。各パーツとも「それっぽい」音をちゃんと出せているというか。演奏テクニックも低くないと思いますし。
ボーカルも音程の安定感はいまいちだけど声質はかなり好きなタイプなんですよね。こういうスクリーモ系ハイトーンボイス好きなので。
あと足りないのは各パーツをまとめ上げて仕上げる行程のクオリティだけのような気もするんで次回作で完成度が跳ね上がる可能性もありますね。

今回のM3新曲「Be」はなんと14分越えの驚きの大作となってまして、1曲しか収録されていないとはいえミニアルバム並の存在感ありますね。プログレ系でタイトルが「Be」っていうとPain of Salvationかな?ってなるけど別に音楽的に繋がりは無さそうで、どっちかというとBTBAMの「Ants of the Sky」的なカオス感ある組曲になってますね。
14分ガッツリ中身が詰まった組曲になってまして、前作同様にハイトーンボーカルによるキャッチーな歌メロもありますがさすが長尺だけあって展開も山あり谷ありで盛り沢山、中盤あたりで唐突にジャズ風のパートが挿入されたりと実験性も垣間見えます。
でもまあ、ポテンシャル高めのサークルとはいえさすがに現時点の実力で10分越えの大作に挑むのは時期尚早な感も否めず、はっきり言って長尺を保たせるだけの聞き所が足りずに中盤以降ダレてくるんですが、でもチャレンジングな姿勢は評価されるべきなのではないかと思いますね。というか「デモ」って書かれてるしまだ完成形ではないのかな。

1年前に初頒布された旧譜の「EABLE’s EP」、これは長尺曲は無くてコンパクトな5曲が収録されているんですが、こっちのほうがこのサークルの魅力を把握しやすい内容になってるでしょうね。
1曲目「Damn」はインスト曲ですが、初っ端からこのサークルのテクニカル志向でカオティックな音楽性が顕著に現れていると言えそうですね。複雑なDjent的グルーヴに合わせて所狭しと忙しく動き回るギターが実に小気味いい。途中で挟まれるお約束のアンビエントパートも美しい。

2曲目「I Destroy 'em All (feat. Ron From K2)」、このRon From K2という人物の担当パートが謎なんですが…クリーンボーカルはたぶん小林さんだと思うからデスボイスかな?
この曲はダンサブル…とまではいかないけどアッパーな曲調でなかなかノリが良い歌メロなんだけど全体的にはトランスコアみたいに能天気ではなくやっぱりカオス系。特にブレイクダウン後はダークでドロっとした曲調にシフトしますね。後半のダウナーな歌メロも好きだなぁ。

3曲目「I」、イントロのせり上がって来るようなギターフレーズがインパクト大。この曲でもハイトーンボイスが歌い上げるキャッチーな歌メロとグルーヴ感あふれるDjentyな演奏の融合が実にスリリングです。そして、極めて個人的な感想で申し分ないんですがこの曲はうちのフェイバリットサークルの1つのともろうさんの(^o^)に通ずる感覚もあってめちゃくちゃツボなんですよねえ。

4曲目「Ghost On A Girl」はインターバル的なEDMチューン。他の曲にはEDM要素ほとんど入ってないんですけどね。

5曲目「潜むもの」、これはボカロをフィーチャリングした曲。1曲だけボカロだからぶっちゃけ浮いてるし、この曲も他の曲と同様にハイトーンボーカルで良かった気がするんだけど…女性ボーカルっぽい曲をやりたかったのかな。サビが音程高すぎてボカロじゃないと無理という事情もあるのかもしれない。Djent要素はちょっと控え目だけどシンフォニックなアレンジも入ってなかなかにドラマチックな展開あります。

実はここで紹介した曲は全てサウンドクラウドでフル公開されてるんで、M3で入手してない方も是非とも聞いて頂きたいですね。
今後の進化がとても楽しみなサークルです。これだけ有望なサークルが揃ってくるとオリジナル同人メタルのラウドロック層、Djent層が厚みを増してきたことを強く実感できますよね。

Tsurugi(kt of 24)「Higher than the sky」

https://soundcloud.com/user-302919664/xfd-of-higher-than-the-sky

このサークルも今回のダークホース枠と言って良さそうですね、非常に素晴らしい作品です。インスト作品ですが聞き応えありまくりますよ。
共に合同スペースで参加していた四コマ漫画家(違う)のDIAさんとすみすさんの合作のほうがめちゃくちゃ豪華絢爛なオーラ放ってるからぶっちゃけその影に隠れちゃってる感ありますが、実は向こうに比べても全く遜色のない充実な内容なんですよ。
まあ、ほとんどの人はDIA&すみすのアルバムと合わせて入手してるんじゃないかと思うんですが、もし未チェックの人がいたらこちらも絶対に聞いておくべきですね。

このTsurugiさん、これが2作目のミニアルバムみたいなんだけどM3参加は初めてっぽい? いちおう新規サークル枠なのかな。
音楽性はというと、シンフォニックなゲーム音楽を基本コンセプトにしつつもそこにV系ロック、プログレメタル、マスロックなどの多様な音楽からの影響を貪欲に取り込んで独自のスタイルを築き上げている感じですね。合同参加のDIAさん&すみすさんの音楽性と重複する部分がかなり多いしやっぱり似た嗜好を持つ者は同じ界隈に自然と集まるものなのかなぁと。
とはいえ、DIA&すみすの圧倒的な完成度に比べるとこのTsurugiさんの作品はギターも含めて全て打ち込みなのでチープ感もだいぶ残っていますし、収録曲のボリューム的にも劣ってるんですが、じゃあこちらは下位互換なのか?というと全くそんなことはないんですよ。
音はチープであっても楽曲の出来が実に素晴らしくてアレンジセンスにも輝くものがあり、収録曲は少なめであっても捨て曲なしで、各楽曲の役割が明確になっていることにより無駄のない構成になっていることも好印象です。インスト曲オンリーなのに全く退屈させないだけの巧みさがあります。
ジャケット画の青空のイメージそのままの爽やかな清涼感が作品全体に通底していて一貫性の強い仕上がりになっているのも素敵ですよね。そしてDIA&すみすと同様にアップテンポで明るくドラマチックな曲が大半を占めてるのも重要なポイント。ゲーム音楽的というだけでなくメタラーの嗜好にもハマりまくりな音になってると思います。

1曲目「Beyond the sorrow」、イントロのギターフレーズはV系っぽい感じですがバイオリンの音色が乗り始めると葉加瀬太郎系の雰囲気に移行。ギター単独のパートだと打ち込みのチープ感が前面に出ちゃうんだけどバイオリンと絡むとすげえ良い感じになるんですよねえ。ストリングス系の音源にめちゃくちゃ力を入れてるのが伺えますが、ギターパートもオマケということはなくて聞き所は多いですね。単にバイオリンをフィーチャーしたV系ロックというだけでなく、マスロック的なテクニカルな展開をアクセントとして盛り込んでいるのも素晴らしい。

2曲目「Higher than the sky」、表題曲ということもあってこれがベストチューンかなぁ。はっきり言って最高すぎますよこの曲は。ジャケットのイメージ通りの清々しく壮麗なストリングスが分厚く全編を覆っていて、全ての楽器の音が絶妙な一体感を成して押し寄せてくるような感覚。この圧倒的ドラマチックサウンド、ゲーム音楽系シンフォニックロックとしてこれ以上にないほどの出来栄えなんじゃないでしょうか。凄まじい完成度。まさに必聴曲。

3曲目「風のように」、これも「爽やか系」ロックであるのは変わりないんですが割とエレクトロな音色が目立ってる感じですかね。もちろんストリングスサウンドも大活躍。

4曲目「Radical assault」、これも2曲目と並んでハイライト曲でしょうな。アップテンポな曲が中心の本作においても特に疾走感が強い。RPGバトル曲を想起させる緊迫感も濃いですね。固まりのような分厚いシンフォニックサウンドを伴い疾走する展開はひたすら心地良いんですが、途中で転調してプログレ的なギターリフが登場してリズム変わる部分、ここ何度聞いても天才的だと思うんですよね。カッコ良すぎんでしょまじで。ギターサウンドのチープ感とか1ミリも気にならなくなるくらいに最高にスタイリッシュ。凡百のゲーム音楽風シンフォニックロックとは一線を画する圧倒的センスを感じる。これも必聴曲。

5曲目「Dawn breaker」、これは作中で最もプログレ色が濃い曲ですかね。変拍子をたっぷりフィーチャーしてます。でも難解な印象は無くてやっぱり爽やか&スタイリッシュ。プログレ要素の入れ方が本当に上手い。プログレッシブオタクミュージックとして理想的なバランスなんじゃないかと。

6曲目「紫電清霜」、これだけ他の曲とは違って疾走ロック要素はなく、終始ド派手なオーケストラサウンドが展開する曲ですね。

DTMer的にはDIAさんのハイレベルサウンドに一歩遅れを取っていると言わざるを得ないでしょうけど、アレンジセンスの高さにおいてはDIAさんと並び得る天才っぷりを発揮してると思うんですよね。
DIA&すみすのアルバムは多くの人から絶賛されてるみたいだけど、こっちもちゃんと評価されて欲しいなぁ。方向性的にかなり近いんで向こうが気に入ったならきっとこちらも気に入るはずですよ。

虚無と偽装と狂気(想碕深弐)「空言の思想」

http://misuke3715.wixsite.com/mysite

「空想哲学系プログレッシブポップ 虚無と偽装と狂気」
M3カタログチェックの際、この文字列の放つ圧倒的な厨二オーラに思わず目を留めてしまった人は少なくなかったのではないかと思うんですよ。自分みたいにプログレを求めてる人間でなくても素通り出来ないでしょこれは。
だって、「虚無」「偽装」「狂気」ってどれも厨二力が高めなワードなのにそれが3連続ですからね。さらに上乗せして「空想哲学」「プログレッシブ」というパワーワードの猛襲…。一体どんな音楽やってるんだ??と気にならないほうがおかしい。

で、実際の音楽のほうはどうなのかというと…。多少アレンジに捻りがある程度で、プログレと呼んでいいのか迷うレベルの音楽性をまぶした「歌ってみた」系ポップソングだったという。
「歌ってみた」系っていう印象はだいぶ曖昧で偏見に満ちたカテゴライズなんですけど…でもこの表現が一番しっくり来る気がする。雰囲気がね、もうニコ動文化から直接的な影響受けてるとしか思えない感じなんですよね。
ぶっちゃけ拍子抜け…だった部分も確かにあったのですが、でもプログレとか厨二とか関係なく「普通に良い」音楽なんですよね。むしろ奇をてらった部分が無い分だけ聞きやすいと思うし、優れたメロディ、良質なアレンジとサウンドプロダクション、一定の説得力を持つボーカル、それら必須要素がしっかり揃っているので、これは十分に推すに値する新規サークルだという結論に辿り着いた訳です。

本アルバムはこのサークルの主催の想碕深弐さん(HN難読すぎる…)の初CDみたいですが、なんと制作に3年もかけたそうなんです。それだけたっぷりの時間をかけて熟成させたアルバムということで、道理で収録曲も良曲揃いな訳ですね。
1つ1つのメロディが優れているのはもちろんなんですが、けっこうメロディの使い方が「贅沢」な印象もあったりするんですよね。1曲の中にサビメロに相当するメロディがダブルで入ってたりするんです。サンホラ2期ほどに複雑な曲構成って訳じゃないんですけどね、ちゃんと一般的なポップスのようにAメロ→Bメロ→サビという順序で進行していくんですが、でもメロディのパーツが多い感じ? ゴチャゴチャにならない程度に多様なメロディが各曲に詰め込まれていて、何度も聞いてるとサブのメロディの良さにも気付き始めるし、聞けば聞くほど味が出て来るタイプの音楽だとも言えるかもしれません。

ボーカルは全て想碕さんが歌っているのだと思うんですが、音程を外してるところも少なからずありますし必ずしも上手いボーカルであるとは言い難いかもしれませんが、でも楽曲を成立させるだけの説得力は十分に備わっている歌声だと思いますし、この方の独自の味わいもちゃんと感じられる声なので物足りなさや不満は特にないですね。というか、経験さえ積めばもっと上手くなりそうなポテンシャルを持った声だと思えるんですよね。次回作ではおそらく向上してそうな気がします。
サウンドプロダクションも新規サークルとしてはかなり良好ですよね。各楽器の音色がとてもクリアでバランスの取れた音作り。おそらくギターも含めて全て打ち込みだと思うのですがチープ感は全くありません。
クオリティ的に突き抜けたインパクトがあるって訳じゃないんだけど、細部までこだわりをもって丁寧に作ってあるというのがひしひし伝わってくる作品かなと思います。やはりこの辺りが3年かけた成果なんでしょうね。

収録曲は9曲、うちインストは2曲ですがどれも聞き応えある曲になってると思いますね。
1曲目「ZOT」、少しコミカルで少し不穏な雰囲気も醸すインスト曲で幕を開けます。この不穏で浮遊感あるシンセの音がプログレ的と言えなくもないか。どっちかというとゲーム音楽風って感じですけどね。
プログレって一口に言っても、かなり定義の幅がある音楽性だし各人の解釈次第ではさらに定義を拡張可能なジャンルであると思うんで、どこからどこまでプログレって呼んでいいのかはぶっちゃけ自分のようなド素人では判断つかないんですが、少なくともこのサークルの掲げるプログレが狭義のプログレッシブロックを指してるとは考えづらいですね。70年代プログレどころか洋楽からの影響すら希薄に聞こえますからね。でもまあ、同人音楽というジャンルに限定するのであればゲーム音楽 ≒ プログレと考えちゃってもあんまり差し支えないような気もしなくない。

2曲目「The Waltz of Dependence」、ブラスサウンドが先導するジャズ歌謡風ソングですね。えーと、この手のジャズ歌謡が出て来る度に言い続けてる気がしますが…個人的に苦手なんですよこの曲調。アルバム中にジャズ歌謡曲が入ってるとその曲をスキップする可能性大っていうくらい。ジャズが嫌いって訳じゃなくて、あくまでジャズ「風」ソングが苦手ってだけなんですが。
そんな訳でこの曲についても最初は苦手意識あったのですが、何度も聞いてるうちに魅力が見えてきた感じですかね。やはりメロディが良い。前述のようにダブルでサビメロあったりして聞き所も多いんですよね。そしてサンホラほどではないですが転調パートもあって起伏にも富んでます。
というか、中間部分で転調して遊園地っぽい3拍子になるパート、ここでの女声?というか男児声?というか…これも想碕さんが声色を変えて歌ってるんだと思うんですけどなかなか意外性ありますよね。これだけ声色を使い分けられるなら「七色の声」を掲げた歌い手の如きアピールポイントにもなり得ると思うし、それにぶっちゃけ、素の歌声よりも女声のほうが音程が安定し聞こえるんですよね…不思議なことに。おそらく想碕さん高い音域のほうが得意なのではないかな。

3曲目「ドロップアウト・アイデンティティ」、これはYouTubeのほうにフルで上がってる曲の1つでして、というか実を言うとこのアルバムの主要な曲はほとんどYouTubeでフル公開されてるんですよ。だからM3で買ってない人も是非とも聞いて頂きたいですね。
この曲は前述の「歌ってみた系」というイメージを最も端的に表してる楽曲かなぁ。V系っぽい雰囲気もあるんだけど…やっぱり歌ってみた系ですよね。めっちゃニコ動系ミュージックって感じが。
でも実はこれもかなりのスルメ曲でして、何度も聞いてると細かい部分の面白さに気付いてきて中毒性が湧いてくるんですよねえ。間奏で何気にプログレっぽいアクセントが仕込まれてるのが効果的だし、メロディのパーツも何気に豊富。
曲のノリに合わせてボーカルも割とワイルドな歌い方してるけどちょっと無理してる感もある? 想碕さんの声は穏やかな曲調のほうが向いてる感じするし。こういう曲調ならオートチューンケロケロ使っても良さそうだけど…まあ加工には頼りたくなかったのかな。自分は割とケロケロ肯定派なんですけどね。

4曲目「深層心理に触れないで」、これは打って変わってしっとり聞かせるバラード系ですね。想碕さんの歌声もピッタリ合ってます。プログレって呼べるほどの特殊性はないですがシンセサウンドやベースラインなど細部まで作り込まれていて、穏やかな曲でありながらも退屈さと無縁な楽曲に仕上がってるのはさすがだなと。

5曲目「Polyhedra World」、個人的にはこれが今作ベストチューンかな。全編キラッキラなシンセに彩られてSF風味もあるエレクトロポップソングなんですが、これは一般的なプログレにもカテゴライズ可能な音であるかもしれない。そしてサウンドだけでなくメロディも非常に魅力的で、これもダブルでサビメロ盛り込んである曲構成なんですが特に2発目のサビの「ディンドンダンドン運命のチャイム~」ってとこがやたら耳に残るんですよねえ。中毒性高い。YouTubeでフルで公開されてますんでこれは是非とも1回聞いて頂きたい。1発聞いただけで覚えられるくらいインパクトありますよ。

6曲目「MUNAGOTO」、ピアノとストリングスが美しいメロディを奏でるムードたっぷりのインスト曲。

7曲目「思想」、これは実質的アルバムタイトル曲だったりするのかな。しかし自分はこの手の民謡っぽい曲あんまり好きでなくてですね…ちょっと地味な印象だったりする。曲として出来が悪い訳ではないのであくまで好みの問題ですが。

8曲目「シナスタジアの空論」、これもYouTubeで全公開されてますが、プログレっぽさという意味ではこの曲が作中で一番でしょうな。狭義のプログレ的な要素が入ってる唯一の曲。Genesis系のファンタジックな「プログレッシブロック」の流れを汲んでる感じ。イントロからAメロにかけての展開はMoon Safari風味も少しあるかな? サビではやっぱり「歌ってみた」な感じになるんですけどね、でもメロディはすこぶる良い。そしてこれもダブルサビで贅沢感あり。曲構成もアレンジも計算されていて実に完成度高いです。

9曲目「fake me, true you」、ラストはちょっと切ない系メロのロック曲で締めます。これもまた中毒性ある良メロディの曲なんですよねえ。暖かみある歌メロと想碕さんの優しい歌声の相乗効果で心に響く楽曲になってるかと思います。

まあ、サークルカットで想像するほどの厨二要素はないですし、もちろんメタラー向けな音楽やってるサークルではないですし、分かりやすくプログレやってる曲も1曲しかないんでマニア向けって訳でもなく、あくまで一般的なオタク系ポップソングなんですが、でも男性ボーカルだから同人音楽界の需要ともズレてるし…。どこに向けておすすめすりゃいいのか分かんないんですがとにかく良い音楽ですので、興味を持った方は是非聞いて頂きたいなぁと。
プロフィール

同人音楽初心者

Author:同人音楽初心者

メタル系とプログレ要素のある同人音楽を中心に扱います。
ゴシック系やサンホラ系の比重は少なめです。

Information

↓当ブログ的に超絶おすすめなサークル2選!!!
必聴です!!!!!

http://lostmyproust.jimdo.com/

https://tomorro4.bandcamp.com/

↓その他のおすすめサークルはこちらにまとめてあります
http://adtoe.blog.fc2.com/blog-category-75.html

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